- Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101229225
感想・レビュー・書評
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途中で想像していた以上に、ラストスパートが怖かった。
なぜ人を殺してはいけないのか、筆者にとっての答えになってるようだが、読みきれなかった。
少年も憎みきれないし、いい大人もいる。
救いはあるが、怖い、嫌悪感、の方が勝ってしまう。
色んなことが過ぎ去った大人が読むには良いが、今現在、混沌としてる若者が読むにはどうか。
闇が深すぎて引きずられてしまうのではないか。
それとも、書かれてたように、18歳や20歳で大人になるのだろうか。
若者でもこの本を受け止められるのだろうか。
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いちいち文章が長くてくどくて一体どこで息継ぎをしていいのかわからず困惑しながら読み始めて、ものすごく苦しみながら読み終えたけど結局この話は何なの?でもつまらない小説だったなあというわけでもない。そこがとても不思議。
主人公はお金持ちの息子で家族はめちゃくちゃで友達もいなくて誰もあんまり親身じゃなくて本来ならば読んでいてこの主人公に対してもう少しカワイソウだとかムカツクだとかの感情がこちらも生まれてきそうなもんだけど、あんまりにもこの少年が純一無雑というか本人は何が良くて何が悪くてなんてこと全然わかってもないし考えようともしないもんだから読んでいて彼の敵にも味方にもなってあげられないまま読み終えてしまった。
ラストは本当に意味が分からなかった。小説ってこんなことしていいんだ、いいのか?どういう意図でこんな結末にしたのか全く理解ができない。うーんでもやっぱり全体を通して、つまらなくはなかったんだよなあ・・・。 -
村上龍、罪と罰をミックスしたようなストーリーと表現。章立てはないが、明確に前半と後半に分かれていると感じました。
暴力表現にパンチがあるので、疲れます。読み進めるのに時間がかかりました。
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少年犯罪、闇、グロい感じの作品は嫌いではないが、この作品は…だった。
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これまず結論は置いておいて、閉塞感が物凄くて読むのに結構体力がいった。
パチンコ屋の従業員、ヤクザの知り合い、中華屋はじめ黄金町の住人たち。
そしてやることなすこと支離滅裂なのに、妙に達観していて妙に責任感がある14歳の少年。
少年の一挙手一投足が読めなくて、理解できなくて、その不安定さが恐ろしい。
常に誰に対しても敬語なところが不安感を助長する。
父親を殺したあたりの描写は割とあっさりで、でも人並みにその後不安になっていたりして、とにかく描写が秀逸。
最後が救いだったのか崩壊だったのかは私にはよくわからなかったけれど、ひたすら心を揺さぶられる作品だった。 -
「どうして人を殺してはいけないのですか」と聞かれ柳美里さんなりのアンサー本だそう。
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イタリアを車で旅行しながら読んだ
それは正解じゃなかった
私たちが生きなくてはならない世界の、嫌で嫌でたまらない部分を、ためらいもなく描いているから、読まずにはいられない -
黄金町が舞台ということで興味を持って手に取ったが、あまりに重く怖くて手に取った事を後悔した…。しかしなんとか読み終えたし、結果的には読んでよかった。
闇の描写が秀逸すぎて、途中読むのを渋ってしまった。情景描写も素晴らしかった。夏の暑さにより増す息苦しさや焦りや不安からでる冷や汗など登場人物のリアルな体感が頭の中に広がった。人を頼ることも、自分を認めることもできず、そんな自分を殺すことも狂うことも出来ない人間の悲痛の叫びを感じた。罪を犯した少年は最後になって後悔し大人にすがっていくが、その姿に脆いけれどまだ取り返しがつくのかもしれないと感じた。でもどうやったら彼が救われるのかわからなかった。あのまま救いがなかったとしたら彼の闇はどこまでも深く、深く落ちていくのだろう。
社会的マイノリティである登場人物たちがお金や宗教に縋り、自分を守る術として狡猾さを身につけているが、金本さんだけは少年に寄り添おうとし、側にいる大人として何もできない悲哀感を示したり、少年に現実を諭そうとする。物語で唯一光を見れた気がする。
人は置かれた状況によって、いくらでも光にも闇にも進めるのだと感じた。
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この毒々しさが好きな人はいると思うし、自分がそうだと思う。
かといって憎しみや怒りに対する理解というよりも、情緒の末の逃亡に、どうしようもない無力感を感じ取ってしまう。
そういう弱者の痛々しいところを、作者ははっきり書き切ってくれるから好き。