コールドゲーム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 464
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101230313

作品紹介・あらすじ

高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが-。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 因果応報といえば、それまでやけど…
    イジメた方は忘れても、イジメられた方はずっと憶えてる。
    それで、自分の人生を台無しにされたら、恨むのは分かるけど実践したら、あかんな。それも殺しまで…と模範回答はしたけど、ならお前はどうするねん!と聞かれれば、「…」やな(−_−;)

    私の学校は、比較的恵まれてたのか、こんな酷いイジメはなかったな。自分が見ていた部分に限るけど。

    イジメの復讐をめぐる学園ミステリーになるんかな?
    イジメから、4年後にはじまる復讐劇!
    復讐から、身を守る為に、自衛団みたいなの作るけど、やっぱり、警察やろ!頼りにならんかもしれんけど…
    ストーリーとしては、「はじめちょろちょろ中ぱっぱ」って感じで、後半盛り上がる!
    どんでん返しありで、なかなか面白かった!
    しかし、題材自体がイジメだけに、終わりは、ハッピーエンドという感じにはいきません〜
    主人公達は、一皮剥けて成長した感はあるけど、反省だけでは取り返せんもんもあるし…

  • 中学時代にトロ吉をクラス全体でいじめていた。そしてトロ吉がクラスメイトを復讐する。トロ吉が最後まで秘密兵器であるかのように隠された展開、着実に相手に忍び寄り復讐していくヘルメット頭の影。この恐怖感、クラスメイトにダメージを与える見事な神出鬼没。そして最後のクライマックスでは、サイコパスの登場で一気に犯人が明らかになり、鬼の形相で復讐すると思いきや、壮絶な復讐は叶わず、終わり方もちょっと雑だった。もう少し劇的な展開で終了できなかったのかな?クラスメイトのトロ吉に対する後悔が見えず、残念な気持ちにもなった。

  • 中学時代、クラスのほぼ全員からイジメを受けていた被害者が、イジメられた方法と同じような方法で、クラスメンバーに復讐を始めた。

    元クラスメイトが1人、また1人と被害にあっていく。

    何となく似たような小説を先に読んでいた為、割と真相に近い推理が出来てしまっていた(^_^;)
    最初は少し単調でイマイチかな?と思ったが、後半は畳み掛けてスピード感がアップした。

    これはイジメの加害者側から書いてある小説だが、被害者側から書いたらたまったもんじゃないだろうな。。。

  • 野球の話かな?と思い買った一冊。

    野球の話ではなかった。

    中学時代にいじめてた同級生に復讐される話しだった。

    ひどいいじめだったので復讐されても自業自得だと思って読んでいたけど、殺人までいくとやり過ぎだ。

    小説の中のセリフで頭に残ったのは
    「自分にはたいした事ない事でも、他人には大切な事かもしれない」

    いじめをしている方はたいした事やってないと思ってるんだろうけど、いじめられてる方はいろんなものを失ってる。 

    早く気づいて欲しかった。

    意外な結末だった。

    主人公がこの事件で人間的に成長したのは良かったんじゃないかと

    マスターが隠れたヒーローだった小説でした。
    ネタバレになっちゃうかな?

  • 爽快感が全くなくて最後まで胸糞だったけどページをめくる手が止まりませんでした。
    虐めに関与してた子達が一生心に傷を負って生きていくことになったのがせめてもの救いかもしれません。若くて浅くて誰かを傷付けて、自分は忘れてしまっても相手の人生には取り返しの出来ない傷になるかもしれない。そのことを登場人物達と一緒に強く考えさせられました。
    また、虐められていたトロ吉が面と向かって闘わなかった事、卑劣な方法で復讐した事に対して責める気持ちは起きませんでした。

  •  中学2年生の頃、クラス中からイジメられていた廣吉が、4年後当時イジメに荷担していたクラスメイトへ復讐するストーリー。復讐の内容はもちろんだが、当時のイジメの内容もなかなか酷く、「やらなければ自分がやられる」という言い訳では通用しないほど。亮太ら加害者側が若気の至りで片付けようとするには無理があり過ぎる上、クラスメイトたち全員に反省の色が感じられない。廣吉があまりに可哀想。
     光也もイジメの流れをストップさせる発言ができるようになっていたことから、反省・後悔の気持ちは出てきているものの、「勝手に頼るな」はちょっと違うのでは?と思ってしまった。まぁ、まだ人にせいにしたがる10代の少年なのだから、こんな反応が妥当なんだろう。

  • イジメミステリー。
    ハッピーエンド的な〆方だけど、全くハッピーエンドじゃない。
    頭おかしくなるまでイジメ抜いたヤンキーが何故かちょっと良い奴扱い。
    胸糞ですなー。

  • 文章は好きなのだが、イジメや青春ものの設定、後味の悪さ含め嫌悪感しか抱かない。読まなきゃ良かった。

  • 2010/10/01
    高校の時に読了

    面白かったけど、
    それにしても不思議な終わり方だった。

  • 光也のツッコミが面白くて読みやすい。
    内容としても続きが気になるハラハラサスペンスものなので、するする読めた。
    犯人はなんとなく想像がついていたけれど、廣吉が自殺してしまっていたのは想定外で驚いた。自殺した息子を冷蔵庫に入れてずっと保管し、母親に至ってはまだ生きているように扱うなんて、思っていたより廣吉の両親は廣吉の死によって狂ってしまっていたんだなぁと感じた。いじめはそれほどまでに"された側"の人生はもちろんのこと、その家族など"その人を大切に思う人"の人生をも狂わせ得ることなのだと再認識した。逆にいじめを"した側"の人生には、いじめをした過去は捕まったり世間にバレたりしない限りあまり影響を与えないのが、された側からすればやるせないし、理不尽な話だろうと思ってしまう。
    卒業して時が経った清水や亮太の様子を見ていると、憎めないところもあったのだが、やっぱり廣吉に対してひどいいじめをしていた過去は消せないし、忘れるべきではないことだったのだと思う。清水は死んでしまったが、亮太は運良く足の怪我で済んだので、これからも廣吉のことを忘れずに、美咲と子供、周りの人を大切にして生きていってほしいなぁと思った。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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