なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 100
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101231426

作品紹介・あらすじ

1999年、山口県光市で、23歳の主婦と生後11カ月の乳児が惨殺された。犯人は少年法に守られた18歳。一人残された夫である本村洋は、妻子の名誉のため、正義のため、絶望の淵から立ち上がって司法の壁に挑む。そして、彼の周囲には、孤高の闘いを支える人々がいた。その果てに彼が手にしたものとは何だったのか。9年に及ぶ綿密な取材が明らかにする一人の青年の苦闘の軌跡。

感想・レビュー・書評

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  • 2012/05/07
    読み進めるのが辛い。
    毎日流れるニュースは、それがどんなに辛くても悲しくても、私達の記憶から流れ出ていってしまうけれど、当事者の人達にとって、それは終わらない過酷なもの。
    そんな、想像することもできないような経験をされた本村さんの、圧倒的な強さを私は心から尊敬する。
    それは自己の復讐心ではなく、亡くなられた家族のため、同じような被害者家族のため、そして日本のための闘いだったのだと思う。

    本村さんや、ご遺族のみなさんが、心穏やかに幸せな人生を送られることを祈ります。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「圧倒的な強さを私は心から尊敬する」
      二度と起こって欲しくは無いですが、この方の真っ直ぐな戦い方は、これからの指針になるでしょう!
      でも、世...
      「圧倒的な強さを私は心から尊敬する」
      二度と起こって欲しくは無いですが、この方の真っ直ぐな戦い方は、これからの指針になるでしょう!
      でも、世間と離れて静かな毎日を送りたいだろうなぁ・・・
      2012/06/21
  • 「光市母子殺人事件」を追ったドキュメンタリー。

    少年法、加害者の人権ばかりが重視され被害者が置き去りの裁判、相場主義に凝り固まった裁判官などと戦う本村を記録するが、同時に凶悪犯の弁護、死刑制度の存廃、いったん方向が定まると「死ね」の大合唱になるマスコミ報道など、考えさせられるテーマばかりが次々と登場する。

    それにしても被害者の夫・父である本村はすごい。
    TVでインタビューを見たことがあるが、その時は「弁舌爽やかすぎて胡散臭い」って印象だった。でも一読して、平穏な生活と引き換えに司法の重い扉をこじ開けてきた人なんだなあと意識を改めた。

    願わくばこんな事件が二度と起きませんように。

  • なぜ君は絶望と闘えたのか―本村洋の3300日。門田隆将先生の著書。光市母子殺害事件で奥様とお子様を奪われた本村洋さんの心情は察するに余りあります。普通の人間なら、容疑者への怨恨を抑えられず、逆上して罵詈雑言を浴びせたり報復措置を考えてしまったりしてもおかしくありません。それなのに常に冷静で真摯な対応を取り続ける本村さんのお人柄にはただただ尊敬するばかり。このような残忍な事件が二度と起こらない社会であってほしい。

  • 2018/3/16 Amazonより届く。
    2019/6/11〜6/15

     テレビで良く拝見する門田隆将さんの新潮から独立したあとに出版した最初のノンフィクション。日本中を騒がせた光市母子殺害事件の被害者本村洋さんの長く苦しい戦いを克明に描き出す。死刑制度の是非は非常に難しい問題ではあるが、もっともっと議論を深めていかないといけないんだろうな。この事件をきっかけに日本の司法も大きく動いた経緯もある。本村さんは強い人だ。自分にそこまで出来るか全く自信がない。

  • とても凄惨な事件だけに、読み始めるのに勇気がいった。
    生と死や司法に関して、考えさせられた。
    死刑廃止、死刑存置。どちらの立場の人にも読んでほしい。

  • 光市母子殺害事件の遺族である本村洋さんに、著者が事件直後から取材し続けて書かれたドキュメンタリーです。

    今まであまり意識していなかったのですが、本村洋さんは私と年齢が同じです。という事は同級生の妻とも同じ年。当時23歳だったんですよ。そんな若さで妻と11ヶ月の娘を惨殺された。
    しかも犯人は18歳で少年法に守られている。
    そんな彼が、少年法や司法の壁に立ち向かおうとする経緯や、周りで支えていた方々の事を知る事ができます。

    この本を読むと死刑について本当に考えさせられます。
    是非多くの方に、読んで色々と考えて欲しいです。
    死刑制度の是非・マスコミ報道・少年法などについて。
    この事件によって変わった様々な事、変わってない事について。

    この事件によって良い方向に変わった事も多い、本村さんの努力・信念によって好転した事も多いと思います。
    だけどその改変のためにはあまりに大きすぎる犠牲だった。
    残虐な事件が起きてからでは遅いのです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「あまりに大きすぎる犠牲だった」
      とても難しい問題で、気持ちは大きく揺れ動いています。
      本当に更生する気があるなら、全力で応援したい。。。で...
      「あまりに大きすぎる犠牲だった」
      とても難しい問題で、気持ちは大きく揺れ動いています。
      本当に更生する気があるなら、全力で応援したい。。。でも弁護士の入れ知恵で逃れようとするなら、、、
      書いてる自分が情けない気分になってしまってます。

      少年問題ネットワークのHP
      http://www.rikkyo.ne.jp/univ/araki/jvnet-hp/
      2012/09/18
  • 愛する妻子を奪われた本村さんの長い闘い。
    この犯人は動機からして反省しようが何しようが
    個人的には絶対許せないんやけど、でっちあげみたいな供述がさらに許せない。
    司法は誰のためにあるのか?も考えさせられた。

    弁護士の子に意見聞いたら、それでも弁護する側は100%の気持ちで
    被疑者の言い分を信じないといけないって言ってたけど、この場合は冤罪じゃないし、やっぱり感情としてそれは無理だ。。

    本村さん、これから先は自分の幸せを見つけてほしいと思います。

    >>って書いた後に知ったけど、本村さん再婚されたんですね。
    彼の長すぎた戦いと、もう帰ってはこない愛しい人々を思えば、一緒にこれからの人生を歩んでいける人に出会えたことは本当に大きいことだろうな。今度こそ幸せに。。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「主張してしまいそうです」
      この事件に限って言えば私もです。
      でも、ビヨーク主演の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観て、心底死刑は嫌だなと思...
      「主張してしまいそうです」
      この事件に限って言えば私もです。
      でも、ビヨーク主演の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観て、心底死刑は嫌だなと思ってるんですけどね。
      「「人権派」と呼ばれる」
      不可解な弁護をすれば、人の心が離れてしまうのが判らない筈は無いと思うのですが。。。
      2012/06/13
    • hetarebooksさん
      「人権派」と言えば聞こえはいいですが、実質は死刑絶対反対!という主義から死刑=殺人→あってはならないこと、という持論を持つ方々のようです。
      ...
      「人権派」と言えば聞こえはいいですが、実質は死刑絶対反対!という主義から死刑=殺人→あってはならないこと、という持論を持つ方々のようです。
      三浦綾子さんの本を最近読んでいるのですが、誰かを裁けるほど正しい人間はいない、赦すから赦される、悔い改めれば罪は赦される、というキリスト教的思考も立派なものだと思いますが、この事件に関して言えば「悔い改めている」ように思えないから死をもって償うことを大多数の人が望むのでしょうね。
      2012/06/14
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「悔い改めれば罪は赦される」
      そうですね、でも被害者寄りになってる一般人に、悔い改めているのが判るくらい、本当に悔い改めて呉れたら許せるかも...
      「悔い改めれば罪は赦される」
      そうですね、でも被害者寄りになってる一般人に、悔い改めているのが判るくらい、本当に悔い改めて呉れたら許せるかも。。。
      「実質は死刑絶対反対!」
      死刑を実施している国は減っているみたいですが、悔い改めない犯罪者には、それ相応の償いをして貰わないと。。。そうなると終身刑かな?(簡単に死刑にしてしまうのもねぇ)
      2012/06/15
  • 正確には読了していない。少しずつ読むのだけれど、読んでいるだけで辛く、一気に読めない。本村さんの今後の幸せを祈る。

  • 僕が本村洋さんとお会いしたのは平成20年12月1日の

    内閣府の事業でありました。

    この年 弊社は犯罪被害者支援事業の中でも国として一番大きな事業である

    犯罪被害者週間 国民のつどいを請負っており、11月22日から

    浜松〜旭川〜滋賀〜福岡と事業を廻りこの日が最後の中央大会でありました。

    本村さんの印象は、ほとんど一般の方と同様に「TVのニュース報道」の中でしか知り得ませんでした。

    その印象は、鋭く 堅く 怖い印象を持っていたのが正直な気持ちでした。

    会場に到着された本村さんは

    「本日はお世話になります。皆様のお陰で、今日 このような機会をいただきました」

    と挨拶をしていただきました。

    小柄な青年に似合ったその表情や声は誠実で優しく、今までとは違った印象を持ちました。

    しかしながら その数時間後の講演会やパネルディスカッションでの

    実直で正義感を持たれた本村さんの発言は

    僕だけでなく会場の皆さんの心に響いたと思えます。



    中でも、本書にもある2000年3月22日山口地裁での「絶望」的な

    無期懲役判決での本村さんと吉池検事とのやりとりや

    その前日に遺書を書いていた場面は、「ぐっと」旨に迫る物を感じます。

    正直、この場面を読むと 涙がこぼれ落ちてきてしまいます。

    それは、かわいそうという安易な気持ちではなく

    判決によっては死を選び、

    司法に社会に絶望し、

    控訴せずこの手で殺す!とまで言い切った男に、

    『司法を変える為に闘おう』と言い放ったこの判事の姿にも

    男として感動してしまうからです。



    本書にはこんな場面が書かれています。

    事件後、会社に辞表を出した時の上司の言葉です。

    「この職場で働くのが嫌なのであれば、辞めてもいい。

    君は特別な経験をした。

    社会に対して訴えたいこともあるだろう。

    でも、君は社会人として発言をしていってくれ。

    労働も納税もしない人間が社会に訴えても、

    それはただの負け犬の遠吠えだ。

    君は社会人たりなさい」



    被害者の皆さんに対して、

    これほどまでにストレートに言える支援は

    本村さんに大きな力を与えたと思います。

    犯罪被害にあわれてしまった方々は

    多くの支援を求めています。

    直接的な支援もあれば間接的な支援もあります。

    間接的な支援の中でも書籍を読んで まず理解する!ことも

    重要だと考えています。

    是非 ご一読をお勧めします。

  • 光市母子殺害事件の、事件発生時から死刑判決が出るまでが綴られた一冊。
    長い闘いです。
    言葉にすると簡単になってしまいますが、命の重さを感じます。
    生きている私たちが一番忘れてはいけないこと。
    それは一生懸命生きることです。

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著者プロフィール

門田隆将(かどた・りゅうしょう)
1958年高知県安芸市生まれ。中央大学法学部卒業後、出版社(新潮社)勤務を経てノンフィクション作家に。政治、歴史、司法、事件、スポーツなど幅広いジャンルで執筆。2010年、『この命、義に捧ぐ──台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』(角川文庫)で第19回山本七平賞を受賞。主な著書に『激突! 裁判員制度』(共著・ワック)、『甲子園への遺言──伝説の打撃コーチ高畠導宏の生涯』(講談社文庫)、『なぜ君は絶望と闘えたのか──本村洋の3300日』(新潮文庫)、『死の淵を見た男──吉田昌郎と福島第一原発』(角川文庫)、『オウム死刑囚 魂の遍歴』(PHP研究所)ほか多数。

「2018年 『日本を覆うドリーマーたちの「自己陶酔」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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