ピアニストを笑え (新潮文庫 や 12-1)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101233017

感想・レビュー・書評

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  • <思>
    「ジャズピアニスト山下洋輔さんのエッセイは凄く面白い!」とシーナ兄ぃがどこかで書いていたので読んだ。なるほど面白かったが,いかんせん書かれたのが40年以上も前なので,頭の中で時代考証をしながら読まねばならず,しきりにウームであった。
    のっけの「小説・さらば碧眼聖歌隊」と,後の「コンバットツアー・パートⅡ」との内容がハゲシクだぶっている意味が,とうとう解らないままあとがきへ突入してしまった所でようやくその経緯がわかった。やはりあとがきは先に読むべきものだと痛感した。

  • ドシャメシャ?でグガンバタン?で面白いといえば面白いのだが、たくさん読みたいもっと読みたいいつまでも読みたい、という感じの面白いじゃない。新聞のコラムに掲載されていて、ほかの記事を読むついでに読むのがちょうどいい。らっきょうみたい。らっきょう好きでも一度にどんぶり一杯食えないよね。

    ジャズは好きなんだが、演奏家としての山下洋輔にはほとんど興味がない。これを読んでふとYoutubeを検索してみたけれど、やっぱりいいや。もっと若い時ならわからない! わかりたい! と意地になったかもしれないけれど、別にいいや、と思うようになったのは、単に歳をとって面倒くさくなっただけか。それとも経験上、音楽は意地や勉強で「わかる」ようになったりしない、と理解したせいか。
    どっちでもいいんだけど。

  • 山下洋輔のツアー日記など。ジャズマンにとって旅とは仕事であり、かなり過酷。肝臓痛めてもイボ痔になっても演奏しなければならない。旅先で倒れ、ようやく外国に来た事を実感する。とにかく文章のテンポがよいのでページをめくる手が止まらなくなる。

  • ジャズピアニスト山下洋輔のエッセイ。昔、ラジオの朗読番組でこの本が取り上げられていて、聞いていて面白かったので読みました。

  • 山下洋輔「ピアニストを笑え!」

    山下さんの若い頃のエッセイ。文章にユーモアがあり面白い。途中で退屈になる部分も多々あるが、言葉のセンスが良いので、読む価値は十分にあると思う。

    p4
    ・山下洋輔さんのプロデビューは高三。

    p16
    ・わざわざヨーロッパまでジャズをやりに行って何が面白いと、今更言われても困る。とにかく俺達三人の乗ったアエロフロート・イリューシン64型機は、羽田の空へ飛び上がってしまった。

    p18
    ・プロ野球にマンコビッチという奴が入って来た時は、皆困った。

    p20
    ・頭痛発熱ゲロウンコの四十苦

    p25
    ・「ジャガイモをナイフで切ったな。公共の場でそういう事をやると、教養の無い、ろくな仕事の出来ない人間だと思われる。ジャガイモは左手をフォークで、こうほぐすように切るのだ」「ありがとう。しかし、日本人はそれに比べると寛容だな。外人が子供みたいな箸の使い方をしても、そいつの教養を疑ったりしないからな」

    p44
    ・旅とは帰ってくるものなのだ。だから、人生は旅だ、などという言葉が僕には分からない。どこへ帰っていくというのだろう。むしろ、人生は放浪だ、といってくれた方が良い。帰るあてが無く、行きっぱなしだ。

    ・「猫ふんじゃった」を弾けるのだからジャズがやれないはずがない。

    p50
    ・親とケンカするのは猫とかチータとか他の動物でも普通らしい。

    p60
    ・エルヴィン・ジョーンズの奥さんは日本人。奥さんには頭が上がらないのは有名な話。

    p70
    ・ベートーベンは死ぬ時、雷光を睨んで拳を振り上げて。しかし、ジャズマンが損な事をした話を聞いた事が無い。みんな野たれ死にだ。

    p77
    ・どうせシリメツレツにしか書けない。もともと尻は裂けているのだからかまわないが。

    p88
    ・俺は、こういうことには「ゴルゴ13」のごとく非情だからなんでもない。

    p125
    ・夜空を丸飲みした。

    p131
    ・動物は同じ種同士ではめったな事で殺し合わない。自分が劣勢だと分かったものは負けを認め。勝ったものは命までは奪わない。同じ種で殺し合うのは人間くらい。

    p144
    ・「畜生、心を入れ替えた前科者の気持ちがよく分かる。世間の偏見がまた彼を悪の道へ踏み込ませるのだ」

    p167
    ・異境での病気ほど、外国というものを思い知る事は無いだろう。

    p179
    ・ヨーロッパに下手なベーシストはいない。おそらく伝統だろう。しかし、同じ理由でドラムが悪い。ドラムに関しては日本の方が良い。

    p185
    ・ドイツではビールが水より安い。

    p235
    ・ドイツ人は人に物を聞かれて「知らない」と答える事が出来ない。その「知らない」ということは、自分が馬鹿であるということであって、とても耐えられないのだ。

    p250
    ・「アメリカ文化でオリジナルなものはジャズとブルースだけだ」と言ったのはジェームズ・ボールドウィンだ。深く傷ついた黒人の苦しみの官能化としてジャズやブルースが生まれ育って来たというのだ。

  • 30年ぶりに読んでます。
    ところどころ「?」ってところはありますが、それでも面白い。
    これ読んで「CLAY」聞きたくなりました。

  • 面白い! 洋輔ファンとして夢中になって読んだ

  • 弾かせても書かせても一流。「神の手」かも・・・!?

  • 原点です(何の)。

  • 山下洋輔のエッセイはどれ読んでもいいよお、なのですが、とりあえずこれ。若書きながらも
    スタイルは確立されてる。フリージャズは聴くよりも演る方が楽しそうだよなーとこれ読んで改めて思った。

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著者プロフィール

柏まちなかカレッジ学長。柏市議会議員。
元高校教諭。学校教育だけでは解決できない課題に直面し、議会から地域から働きかけてきた。「教育のまち」を目指し奮闘中。
1978年4月生まれ。千葉県立東葛飾高校卒業。早稲田大学教育学部卒。同大学院修士課程修了後、土浦日大高校にて教諭。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程を単位取得後退学。一般社団法人 教育共創研究所 代表理事。学び合う場を作る教育コンサルタント。
【趣味・特技】歴史散策、剣道(三段)、絵画、カポエィラ、三線、バイク、JAZZ鑑賞

「2013年 『地域の力を引き出す学びの方程式』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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