球形の季節 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234120

感想・レビュー・書評

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  •  サヨコに続く恩田陸の2作目。ある東北の地方都市の高校生たちの何でもないひと夏の物語。どこにでもいそうな生徒たちそれぞれが垣間見せる心の深淵。過去、現在、未来への漠然とした不安が、日常と非日常、現実と非現実のあわいをさまよいだし、言霊、まじない、神隠し、超常能力まで紙一重のところまで揺れ動く。両極端に位置するみのりと晋の対比。そのどちらもが誰の心にも棲んでいることに気づいていながら、長ずるにつれ人はフタをしてしまう。なるほどなあと感心。こういうところからスタートしたのか。ここをへて常野物語へと発展していったのだという流れがすんなりと腑に落ちる。それにしても恐るべき才能だ。

  • もう3回ぐらい読んでるけど、やっぱりおもしろい。

  • おお~!恩田陸ど真ん中!
    この禍々しさと、
    その年頃の脆さ、
    閉鎖的な地域特有の心地良い闇。

  • 心情の描写がかなり観察されて完成されていると感じた。
    心の機微をよく描いている。
    ストーリーの創造性の高さも良かった。
    人の名前が途中で忘れそうになるのが難点。
    藤田晋になりたい

  • 物語の雰囲気が最重要要素なので決着は期待しないで読むのが吉。というか解決を期待したら読んでられない終わり方。
    地方都市に住む高校生達の退屈な日常、その隙間に潜り込む都市伝説、憂鬱な街に生きる人々、彼らに突如として降りかかる非日常。
    ホラー、ミステリ要素の強い前半から、後半はファンタジーの色が濃くなっていくがあくまでもそれに重きを置きすぎない、ジャンル:恩田陸、という作品。

  • 面白かった。
    各章のタイトルが独特だったのでそこから今後どういった展開になるのか想像する楽しみもあった。
    この子たちと同じ高校生の時に「球形の季節」を読んでいたらどう思ったのかな…みのりより久子のほうに共感しそう。
    この本を読んだ時の自分の置かれている境遇によって感想は変わりそうだなと思った。

  • この世界感がやっぱり好き。

  • 日常に潜むファンタジー。スッキリした気持ちで読めた

  • この方の書く少年少女はどこにでもいる感じと漫画っぽくデフォルメされた感じが融合してて魅力的です。ラストに賛否両論あるようですが、私は好きでした。

著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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