六番目の小夜子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 1488
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234137

感想・レビュー・書評

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  • 恩田陸のデビュー作。
    好きな作家ながら、ミステリーということで、ずっと手をこまねいており、このたびようやく勇気を出して読んでみました。

    ある高校に伝わる「サヨコ伝説」が軸となっています。
    そこにやってきた、沙世子という名の美しい転校生。
    なんとなく、吉田秋生の『吉祥天女』を思い出しました。

    謎だらけのサヨコ伝説を、語り継ぎ実行していく高校生たち。
    この年は、サヨコが2人、もしくは3人いるということで、謎が一層濃くなります。
    秘められた恐怖にドキドキしながら、息をつかせぬ勢いで話が進んでいきました。

    ただ、終盤になるにつれ、話は低空下していきます。
    ミステリーなのに、多くの謎が解き明かされないまま終わったため、スッキリした読後感は得られませんでした。

    途中で起こった事件とサヨコ伝説の関係がはっきりしないのです。
    ちらちら登場する、本当のサヨコの影についても、わからないままでした。

    私が釈然としなかった点は、たくさんありました。
    ・沙世子に鍵を送ったのは黒川か?
    ・正統派サヨコであるはずの秋の鍵はどこへ行ったのか?
    ・2番目のサヨコは、正統派加藤ではなく転校生沙世子を後継者とみなしたのか?
    ・そもそも2番目のサヨコの霊は存在するのか?
    ・なぜ黒川のクラスの生徒ばかりがサヨコ後継者になるのか?(鍵の継承は歴代サヨコが選ぶのに)
    ・黒川のもとにサヨコの霊は現れないのか?
    ・加藤の投げたチューリップを留めたのは黒川か、サヨコの霊か?
    ・正統派サヨコとなったのに傍観者でしかなかった秋はなにも罰を受けなかったのか?
    ・野犬達は沙世子を守ったのか?チンピラ(?)に絡まれても動じなかった彼女。
    ・彼女は本当に崖から落ちたのか?あるいは自作自演か?
    ・放火した美香子は罪に問われなかったのか?
    ・沙世子はなぜ美香子を放火に誘導したのか?
    ・文化祭のミステリーの謎は?6人目の少女の足はなに?
    ・台本を書いたのは沙世子?黒川?
    ・新しい「学園祭実行委員会実施要綱」の謎
    ・結局サヨコは何をしたいのか?

    全生徒参加の学園祭の芝居のシーンが、恐ろしさがつのって圧巻でした。
    クライマックスへ向けて、入り組んだ謎が大きくうねっていく様子は、筆致の迫力に圧倒されっぱなしだっただけに、終幕の尻つぼみ感が残念でなりません。

    さらに、加藤の意志を引き継いでサヨコとなり、かっこいいヒーロー役をこなしてくれるかと思った秋が、謎を解こうとするだけで、全くサヨコ役を担当しなかったことに失望しました。加藤が一番気の毒な役回りですね。

    学生だけが知っていて、(黒川を除く)教師は知らないサヨコ伝説というのも、設定に無理があるように思われます。
    結局、学校という存在自体が、あらたなサヨコを待ち続けているということでしょうか。
    だったら、かなり呪われた学校に思えてきます。

    ただ、ミステリーといっても、思ったほどおどろおどろしておらず、学園青春ものとして楽しむことができました。
    また、転校を繰り返してきたという著者だけに、転校生の描写がしっかりされており、同じく転勤族だった私にも、沙世子の心理が多々共感できました。

  • 2019.7.11
    デビュー作読んじゃった(><)

  • ホラーだと思って読まずにいてもったいなかったな。
    ドラマは見てなかったけど、沙世子は栗山千明で脳内再生。
    ずっと沙世子には不思議な力があるのかな?と思って読んでたけど、ずっと彼女が言っていたように、普通の子だった。

    だからこそ、美香子の誘導とか…
    秋の「役者が増えた」発言とか…
    色々気になる。

    学園祭のセリフのシーンはよかった。やってみたい。

  • 「木洩れ日に泳ぐ魚」を読んで良かったので恩田陸作品に手をつけてみた。
    なんとも言えない。確かにぞわぞわとした感触が面白いとは思ったが、それに終始してしまった感じがする。学校、青春、その「限られた期間に潜む危うさと美しさ」のようなものがテーマだと感じた。青春小説を久しく読んでいないけど、伊坂「砂漠」のほうが危うくて好感が持てた気がする。少しドラマ性を求めすぎてしまった感がある。

  • 久しぶりに再読。
    「刹那」という言葉がぴったりな、切なさを感じる。
    「時々、このまま永遠に焼き付いてしまうのではないかと思う瞬間がある。いつかきっとらこんな時間を、こうして隣でだらしなく学生服を着て無防備な顔で話しかけてくる由紀夫の声を、懐かしく思う時がくるに違いない」と、終わってしまうことを前提としたかけがえのない日々。
    今の、この刹那が、かけがえのないものになる。

    幸せであればあるほど、終わりを意識してしまうことが増えた。
    子供の頃のように、今は無邪気にその瞬間を楽しめなくなった。
    そして子供の頃、学生の頃に戻りたい、でも戻れないと切なく思うことも増えた。

  • 六番目の小夜子 (新潮文庫)

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  • 謎に包まれた胡乱な登場人物が多い為、好奇心を煽られてページを繰る手が止まらなかった。だが、結末に辿り着いても、ストーリーの根本的な謎は解明されないままだったので、物語が中途半端なところで幕を閉じたと感じた。著者は、意図的にこの腑に落ちない感じを醸し出そうとしていたのかもしれないが、特に続編を読みたいという気持ちは毫もない。

  • ある高校にまつわるサヨコ伝説。伝説に巻き込まれる生徒たち。

  • 2018.6.6読了
    ☆2.5

    知り合いに勧められて読んでみたが、馴染まなかった。
    設定もしっくりこず、結局ラストも謎のままで消化不良な感じ。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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