六番目の小夜子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234137

感想・レビュー・書評

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  • 爽やかなホラー

  • 大学時代に友達から借りて一度読んだのですが、図書館で見付けて懐かしくなって借りました。面白かったです。高校三年生の爽やかな一年間の物語の中に、ひたひたと浸み込んでくる黒い影。サヨコ、という伝統に翻弄される主要な人物たちに惹き付けられました。学園祭の劇のシーンは狂気を感じました。主要な登場人物はそれぞれ魅力的でしたが、終盤出てきた美香子は好きになれなかったです。結局、サヨコとはなんだったのか、という謎は謎のままでしたが、それもいいな、という思いです。恩田さんの描く少年少女は美しくてなんてみずみずしいのだろう、と改めて感じました。

  • 文化祭の劇上演は、本当に引き込まれた。でも、結末は???となってしまった。恩田さんの文章は、とても好き。

  • 怖かった、ドキドキした、面白かった。

  • 物語の書き方に癖があるのははこれがデビュー作だからなのか。でもその癖が、別に不快でもない。文化祭のシーンは迫力もの。

  • 文化祭のシーンが超良かった。自分もその場にいるみたいで、ドキドキした。
    けど最後は無理やりオチをつけたみたいで微妙。
    たぶん球形の季節とかQ&Aとか、三月は〜とかを読んだ後だからか、そう簡単に片付けられるのはなぁ…と思った。

  •  学校というのは不思議な空間である。誰もがそこに一時期身を置きながら、誰もがそこにはとどまらない。教員も含めて皆が通り過ぎてしまう時空の集まりだ。常に新陳代謝を繰り返しているのに、学校としては残る。校風という形なきものがまことしやかに語られる。不思議な空間だ。不思議だから様々な伝説もできる。伝説はおそらく過去と現在とをつなぐ綱のようなものであり、そして現在と未来を結ぶものでもある。この小説のモチーフはそんな学校の伝説を基礎にしている。
     代々秘密裏に受け継がれるサヨコなる特別な人格を生徒たちは興味を持ちながらも、それを進学の吉凶占いのようにも考える。その無責任な興味が高校生の特権なのだろう。謎の美少女の小夜子の描写は実に興味深く書かれている。怪しい美しさと人を魅了する行動、そして不可解な行動。筋運びも軽快で読み進めやすい。ただ、結末はやや急いだ感があり、それまでの重たい流れに対してあまりにハッピーエンドだ。これもいかにも高校生の思考をそのまま再現するとこうなるという内容だ。
     作者は今年ようやく直木賞を受賞した。いま受賞作を読んでいるが、かなり雰囲気は変わっていて作家としての進歩は甚だしい。ただ、このいかにも女子高生が書きそうな展開の小説を残したことには作家としても意義があると思う。

  • 小学校の頃に見ていたドラマが懐かしくなって手に取りました。
    と言っても当時からよく内容がわかってなかっただろう上に、記憶も消えかけで、栗山千明がただただ美しかったことくらいしか覚えてないんですが。

    恩田陸作品、そういえば読むの初めてでした。
    発売からかなり経つ作品だからなのか、それともこれが恩田陸の作品なのか、描写がとても新鮮な感覚。

    学校って、特に高校生って、本当に人生の中でも特殊で、異質で、でもその異質を誰もが辿ってきているっていう不思議な世界だったんだなぁとしみじみ思いました。
    でもなんだろう、今まで読んだ青春小説に比べればキラキラ感は控えめなのに、一番愛おしく感じる。

    ドラマ放送当時の唯一記憶にある学園祭の呼びかけのシーンが、文章でもここまで臨場感があるなんてびっくり。鳥肌モノでした。

    結局、あれとあれはなんだったんだ……という謎は数多残りますが、すべての解決をあまり求めないタイプなので私はこの終わり方でとても満足。

    むしろ私たち読書もまた、秋くんのように、「小夜子とは一体何だったのか?」を探求するという、定められた大きな流れに組み込まれた些末な存在の一人なのかも……なんちゃって。

  • 学生時代に読む印象と先生の年齢になって読む印象は違うだろうなぁ、という一冊。

    『みんながクラスに馴染み、クラスがまとまりを見せるまでの居心地の悪さと緊張が嫌だった。』

    『よく考えると別につらいことでもないんだよな。ただみんなが寄ってたかってつらいぞみじめだぞとおどかすから、ものすごくおっかないことのように思えるだけでさ。これって不思議だよなあ』

    『学校いうのは回っているコマのようなものだな。
    …コマはずっと一つのコマだけど、ヒモを持つ人間、叩く人間がどんどん変わっていくわけだな。オレは…いさめたり、ハッパかけたりする役なんだわな。』

    学生にとっては一生に一回、必ず過ぎ行く月日だが、教師はその青春時代というものをどういう風にみているのだろうか。。
    自分たちはイタい行動しても周りも同年代だし、若気の至りで済まそうとするけれど
    違う次元の大人にとってこの行動は…とか考えるともの凄く恥ずかしくて頭を抱えたくもなる。。

    分かりやすい、キラキラした青春小説ではないけれど、ある意味でその時を正確に捉えている小説だなぁ、というのが二度読みした感想でした。

    解説岡田幸四郎氏もいくつか引用しつつ、もっと深いところまで触れいるので読み応えのある解説。。

    • solala06さん
      私が恩田ワールドにはまったキッカケの一つであるドラマ版「六番目の小夜子」・・・。
      ぜひ観てほしいです・・・。
      女優デビューしたばかりの時...
      私が恩田ワールドにはまったキッカケの一つであるドラマ版「六番目の小夜子」・・・。
      ぜひ観てほしいです・・・。
      女優デビューしたばかりの時期の栗山千明さんと山田孝之氏の美少年時代が拝めます・・・そういった意味でも貴重な映像作品です・・・笑。
      舞台が中学校になっているのや、ドラマオリジナルキャラクターの女の子が主人公だったりと、設定が違う部分も多々あるのですが、原作のミステリアスでありながら青春してる雰囲気は寸分も違わず映像化している作品です!!
      裏切りに次ぐ裏切り・・・謎に次ぐ謎で、非常に見応えがあると思います!!

      やっぱり恩田先生の真骨頂は「日常のふとしたところで口を開いている向こう側の世界」だと思いますので・・・。
      本作も、それは変わりないですよね!
      黒川先生もそういった存在なのかもしれませんよね・・・。

      よしながふみさんの漫画ですね、f0314087さんは漫画にも造詣が深くいらっしゃって・・・教えていただく作品ばかりです!
      なんだか終わり方爽やかめで、キラキラしいところがあるんですよね・・・。
      その点、『球形の季節』、『蛇行する川のほとり』はキラキラしさ少なめっていうか・・・。
      『ネバーランド』や『夜のピクニック』はキラキラしたまま終わるというか・・・。
      (すみません、恩田作品フリークなので、すぐに比較してしまいます・・・)
      2016/06/12
  • 恩田陸作品は大概、読了後に「ん?」となって最初からざっと読み直してしまう。
    オチがなくてすっきりしない、というより、世の中や人生は物語みたいにすっきり終わったりしないんだよ、とでも言われている様な。
    一作品読み終わったときはこれは何だったんだろうと思う。面白かったのか?とも思う。でもまた別の作品を読んでしまう。そういう著者。

    本作の通り一遍のあらすじやら何やらはちょっと調べれば続々と出てくるので省く。

    ミステリーは解決せず、青春も解決されない。

    駄目だ、この年になると青春してる高校生なんてのはデトックスの媒介でしかない。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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