六番目の小夜子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.50
  • (950)
  • (1675)
  • (3169)
  • (333)
  • (63)
本棚登録 : 12713
レビュー : 1488
  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234137

作品紹介・あらすじ

津村沙世子-とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。高校には十数年間にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた。三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるのだ。そして今年は、「六番目のサヨコ」が誕生する年だった。学園生活、友情、恋愛。やがては失われる青春の輝きを美しい水晶に封じ込め、漆黒の恐怖で包みこんだ、伝説のデビュー作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 学校の怪談のような話を想像して、ずっと避けていた小説。
    今にして思えばタイトルが怖いんだな。騙された。

    確かにじんわり怖いんだけど、想像していた程ではなかった。
    というより、かなり充実した高校生活が描かれていてとても楽しい。
    登場する高校生もとても魅力的。謎めいているところも、怖いところも、全部ひっくるめてぞくぞくするくらい魅力的だ。

    そして学校という空間の怖さも思い出した。
    学校から解放された身としては、傍観者でいられることに心底安堵している。

    中にいる時にこの小説を読んでいたらどんな感想を持っただろう?
    そもそも私は本当に抜け出したのだろうか?
    抜け出したのだとしたら今私がいるのはどんな場所なのだろう?

  • ある地方の進学校に、十数年にわたり受け継がれてきた奇妙なゲーム。
    3年に一度、一人が鍵を渡され「サヨコ」となる。誰がサヨコなのかは明らかにされない。全校生徒が共犯。
    六番目のサヨコが誕生するはずの今年、美しい転校生の「沙世子」がやってきた。偶然なのかそれとも――?

    なぜ今まで読んでいなかったのかわからないけれど、今になってようやく読んだ、一時期絶版になっていたという恩田さんのレビュー作。
    どんな作家さんもレビュー作には初々しさとその作家さんらしさがあって面白い。
    この「六番目の小夜子」も、文章や構成に多少のぎこちなさがある一方で、恩田さんが自ら「既に私らしいところは全部入っている」と評するように、恩田さんテイストがいっぱいつまった一冊だった。

    物語の中にあっという間に引きいれられてしまうプロローグ、
    高校生らしからぬ落ち着きをもった理知的な美男美女、
    不思議な伝承が受け継がれている郷愁的な雰囲気の漂う学校、
    中盤の緊迫感あふれた全校生徒による劇(ここが一番面白かった)、
    ミステリー調でいながら、全部が解決するわけではない余韻ある結末・・・

    ふっと見えてくるイメージから作品を膨らませるという恩田さん。六番目の小夜子の生まれたきっかけは、学校のイメージだったのではないだろうか。
    “―その朝、彼らは静かに息をひそめて待っていた。”

    いくつかこんがらがったままになってしまった謎はネットで検索して何となくわかった気になりました(あぁまたやっちゃった、この安易な解決)。
    次はサヨコのサイドストーリー「図書館の海」を読んでみたいと思う。

    • 円軌道の外さん

      コメントありがとうございました!

      これずっと読みたくて
      気になりつつ
      そのままになってたんですよね〜(汗)(^_^;)

      ...

      コメントありがとうございました!

      これずっと読みたくて
      気になりつつ
      そのままになってたんですよね〜(汗)(^_^;)


      ドキドキしながら
      レビュー読ませてもらって、
      やはりコレは
      自分のツボにハマるだろう予感が
      ヒシヒシとしてます(笑)

      また何かと参考にさせてもらうと思いますが
      よろしくお願いします(^_^)


      2012/12/05
    • マリモさん
      円軌道の外さん

      こんにちは!
      こちらこそコメントありがとうございます。
      すいません、前から存じ上げていたのにいきなり突撃しまして^^;

      ...
      円軌道の外さん

      こんにちは!
      こちらこそコメントありがとうございます。
      すいません、前から存じ上げていたのにいきなり突撃しまして^^;

      六番目の小夜子、恩田さんのレビュー作として有名なので、私も何となく読んだ気になってずっとそのままになってました。
      恩田さんの作品を、すっきりするものと余韻を楽しむものに分けるとすると(適当すぎる分類ですが)、これは後者の方だと思います。
      もうプロローグから、「あ、恩田さんだ!」という期待を抱かせてくれて、すぐ読めちゃいますよ。
      機会がありましたらお読みになってください、レビューもぜひぜひ♪

      ではでは、今後ともどうぞよろしくお願いします!
      2012/12/06
  • もしも長い時が経って、秋、由紀夫、雅子、沙世子が高校時代を思い返すことがあったとしたら。時の流れに記憶が曖昧になってるかもしれないけれど、あの学園祭の日に起きた竜巻の美しさは誰も忘れていないような気がします。でも、それは決して開けてはいけない、まるでパンドラの函のように思いました。読み続けている間、喉元に刺さった小骨のように何かがつっかえてるような、じっとりとした不穏な空気がまとわりついてるような、ほんの些細なことで壊れてしまいそうな、そんな不安定な気持ちにさせられました。一体何だったんだろう『サヨコ』って。学校って。微熱に浮かされたよう。
    でも、最後に沙世子と秋の関係が見えない壁をぶち破ったように感じました。
    生徒は水が流れるように留まることはないけれど、学校という容器はずっと其処にあり続けます。その中でまた、何かが生まれていくのでしょう。

  • 昔NHKのドラマで見ていた時、すごく怖くて、でもなぜか惹かれて、「中学校」ってこういうドキドキする場所なのかなぁと思っていた記憶がある。(ドラマは中学校だった)
    「学校」も、「小夜子」という名前も魔力を持ってる。
    七不思議や怖い話は怖いけれど皆惹かれていく。
    そういうものに似ていると思う。

    小夜子、と表題にあるのに一回も本編では小夜子という漢字は出てこない(と思う。違ったらごめんなさい)。
    沙世子かサヨコ。
    ずっと不思議だったのだけれど調べて見たら答えがありました。
    晶文社 土曜日は灰色の馬
    恩田陸 web連載
    第2回目 恐るべき少女たち
    http://www.shobunsha.co.jp/?page_id=1962

    恩田さんの中にはサヨコのイメージがあったんですね。

    学校の閉じられた空間、閉塞感、そういったものが凄くまざまざと感じられて校舎の匂いを思い出すようなそんなお話でした。
    ドラマと違った展開や登場人物もまたよかった。
    演劇シーンはもちろん、私が一番怖いと思ったのは沙世子の持っている人をコントロール出来るという部分。
    あれは多分持って生まれたものだろうけど、あれが一番怖い気がする。
    私も多分沙世子に似ていて、人と話しているといつも人の話ばかりを聞いていて、結果的に悩み事ばかりを聞いてあげているという図式ができていたりする。
    ここで沙世子と違うのはそれはそれとして利用するのではなく、私がそのコントロールに耐えられなくなって面倒になってしまうという幼さが出てしまうこと(笑)
    私がいつも聞いてることに気がついてる?私の話ししてないのは知ってる?わかってくれてる?と言いたくなってしまうこと。
    私がいなくなったら体のいい人がいなくなっただけにしかきっと思われないんだろうなと面白く無く思ってしまうこと。
    沙世子のように割り切れていない。
    でも割り切れてしまうことも怖いと思う。
    『六月の夜と昼のあわいに』の翳りゆく部屋のような。
    そんな気持ち。

    川に石を投げ入れたって、あとで拾いに行くわけじゃないもんな。
    この表現はどきりとして好きでした。

  • 再読。NHKドラマの印象が強いけれど、やはり文章だと筆者の特徴である刹那的な美しさが感じられて良い。こんなにも十代の一瞬のきらめきをつかまえて上手に描ける方は、他にいないんじゃないかとさえ思う。

  • 怖い話が苦手なので、途中まで鳥肌を立てながら読んだのを覚えている。
    特に、体育館のシーンはホラー映画(ほとんど観ない)のような印象だったように思う。
    終盤は、安心して読み終われました。

  • 流石の世界観!どんどん入れ替わる学生だけでなく、ずっとそこにある学校に視点を置く感じが独特だなぁって、、
    空気感も素敵な作品!!

  • おもしろかった!!!
    学園祭で行われた1296名による「呼びかけ」スタイルの劇の下りはもうゾワゾワするくらいの臨場感。
    いやぁ、よかった。もう一度読もう。

  • この本を読んでいると、本当に怖いものが何なのか、考えさせられます。
    文章中の字体の変化や同じ言葉の羅列で、読者側の恐怖やドキドキを味わい煽るのが上手いなと思いました。

  • 麦の海に沈む果実と同じくらいすき。小夜子みたいな人になりたかった。憧れ。

全1488件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

六番目の小夜子 (新潮文庫)のその他の作品

恩田陸の作品

六番目の小夜子 (新潮文庫)に関連する談話室の質問

六番目の小夜子 (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする