ライオンハート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 6255
レビュー : 776
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234151

作品紹介・あらすじ

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ…。17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ。時を越え、空間を越え、男と女は何度も出会う。結ばれることはない関係だけど、深く愛し合って-。神のおぼしめしなのか、気紛れなのか。切なくも心暖まる、異色のラブストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 恩田さんの作品を読むのも3冊目。初めて映画とは関係のない作品を読んでみました。冒頭推理小説かのような出だしに若干困惑しましたが、最初の章である エアハート嬢の到着 で一気に作品の世界に引き込まれました。他の作品もそうですが、恩田さんの作品は自身がその世界に連れ込まれるような感覚が強いですが、このお話はあまりの緊迫感にこちらも冷や汗が出る思いでした。ところが、次の章である 春 は全く違う世界観。ただし、最初の章のような緊迫感もなくすっかり油断をしていたところにミレーの風景画、春?まさか?という展開にビックリ。全く意識に止めていなかった章の最初の挿し絵を思い出して、ページを戻した瞬間、とても興奮してしまいました。
    ただ、その後は私的には興奮が少しおさまった感がありました。若干ストーリーの難易度が上がって、作品の中から出て現実世界に戻ってしっかり読んだという感じでしょうか。また、最後の章は途中で結末が見えてしまったということもありました。
    でも総じて独特のファンタジックな雰囲気をただよわせながら、それでいて心地良い余韻を残すような結末はとても良かったです。作品のジャンルは違ってもこの心地良い余韻はいかにも恩田さんという気がしました。
    この作品も出会えてとても良かったです。

  • すごく好きなお話。ドキドキワクワクじゃないけど、美しく切ない恋物語やけど、すごく好き。高校生の頃、大学生の塾の先生が勧めてくれた。その思い出も込みで大切な小説。いま思い返せば繊細な小説を勧めてくれたよなあ。

  • 時を超えても場所が変わっても、必ず巡り会うエドワードとエリザベスのお話。生まれ変わって巡り会えても、会うのは一瞬。結ばれることはない。切なくて美しい時空を超えたロマンス。

    前半2章のエピソードの方がすき。後半では、物語がまとまってくはるけど、少し物足りないような。最後の「記憶」の章もきれいな終わり方なんだけど…。そして、最後(最新?)のエリザベスに記憶がないのはなんでなのかしら。これからなのかな?

    とりあえず、「春」の章がとてもよかった。もうここだけ短編でもいいくらい。

  • なぜ単純な輪廻のラブストーリーではいけないのだろうか。何度も何度も生まれ変わって、やっと出会えた二人…。これってハッピーエンドの物語なのだろうか?
    だけど、この本はなんかいい。強烈に心に残る。
    エリザベスとエドワードが出会った瞬間の二人の嬉しさ幸せな気持ちが、直球で心に入ってくる。心がポカポカしてくる。

  • あとがきに著作が書いてあるように頭が混乱しました。
    私は「輪廻」と「魂(離脱)」を表現した作品と感じました。まだ科学では解明できない不思議な偶然はあると思う。

  • 時を越えて、時代を越えて、何度も巡り会う男女の物語。
    着地点が曖昧なのが恩田作品の特徴でもあるが、それがいい具合にマッチしている。そういう意味では、前半がハイライトであり、女王の話はもう少し暈しても良かったし、記憶は、ちょっと整いすぎている。あれがある意味二人のゴールなのかもしれないが。

  • いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。会った瞬間に、世界が金色に弾けるような喜びを覚えるのよ…。舞台は17世紀のロンドン、19世紀のシェルブール、20世紀のパナマ、フロリダ…時を超え、空間を越えて二人の男女は何度も巡り会う。決して結ばれることはないけれど、お互いに強く惹かれあう二人。エドワード、エリザベート自身もその理由はわからない。読んでいてとても不思議な、暖かい気持ちになる話である。一つ一つの場面が短編集になっているため読みやすい。核心となる真相は細かく語られていないが、逆に何も語らない方が私たちの想像力を掻き立ててくれる。

  • やっぱり、恩田陸はすごい。手法がおもしろい。初めは読んでいるとわけがわからなくなるけど、読み終わると物語の壮大さで余韻がのこる。

    根拠のない人物の感情描写は好きではないけど、この小説ではもうそんなことはいいやーと思えてしまう。
    世界史がすきだったので、歴史上の実在の人物や出来事も絡んでるのがおもしろかった。

  • 少しSF的なロマンティックなストーリー。どの章もどの舞台も情景描写が美しいですが、私は「春」が一番好きです。のどかな田園で会話する青年と画家の静けさ、そしてようやく青年と女性が出会えたときの劇的な喜びと興奮、そしてまた離れ離れになる二人。このストーリーの緩急とひとつの絵画のような平和な田園風景がとても素敵です。
    全体のストーリーに関して言えば、やはり恩田作品にありがちで細かい真相は語られません。どちらかといえば美術館の絵画を鑑賞するような気持で読むのがいいかもしれません。


  • エリザベスとエドワード、時代を超えて何度も出会う壮大なラブストーリー。
    一つの時代に一枚の名画が背景にあったりして、すべてがロマンチックだった。
    ミレーとかミュシャとかわたしでも知ってる画家さんが出てきますが、絵に詳しかったらよりドキドキしたんだろうな。(絵が挟まれているのが親切)
    雰囲気はすごく好きなのだけど、やっぱり時が行ったり来たりするのが苦手なわたしには今どこにいるのか、夢なのか現実なのかがぜんぜんわからなくて度々置いて行かれました。笑
    ラストもわかるようなわからないようなでしたが、壮大でロマンチックな雰囲気にとりあえず酔いしれました。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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