図書室の海 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 7553
レビュー : 738
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234168

感想・レビュー・書評

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  • 結末がはっきり書かれていない作品は嫌いではないけど、この本の作品は「もう少し書いて欲しかった」と思うものが多かった。文章は魅力があり、先を読ませる力があるだけに結局何だったかよく分からなくて消化不良になる。作者が定めた結論が見えにくく「あとは想像に任せるね」という風にとれる作品もあった。動く城みたいな話の哀愁漂う雰囲気がいい。喫茶店の話は見えない孤独をうまく表していて良かった。睡蓮はどういうことなの?ゲンジモノガタリ?官能的な雰囲気だけど話がよく分からない私はオコサマ?

  • 10年前に購入し積読していた。
    内容の検討もつけずに何となく読み始めた「春よ、こい」。
    不思議な世界に突然引きづりこまれて驚いた。
    ドキドキしながら読み進め、爽快な読後感を味わった。

  • 恩田陸ファンにはたまらない作品集。

  • 著者の有名な作品は読んだことはないけど、短編集として楽しめました。
    印象に残ったのは『 茶色の小壜 』典子さんの倒れた理由は他にあるのかも…とか、ロッカー泥棒の真犯人は…とか。物語の裏の裏を想像してゾクゾクしました。

  • 「夜のピクニック」の貴子と融、「麦の海に沈む果実」の理瀬に再会でき、「六番目の小夜子」の関根秋の姉、夏も登場するので恩田陸ファンには嬉しい短編集。
    「茶色の小瓶」は怖いけど面白かった。最も気に入ったのが「イサオ・オサリヴァンを探して」、これは「グリーンスリーブス」という長編に発展する予定らしいが、まだ発表されていない。早く読みたい。

  • 再読。他の作品の予告編や番外編となる短編集。これだけを読むとどうなんだろう。でも恩田さんの作品を読んでいる人には嬉しい短編満載。『六番目の小夜子』の関根秋の姉の『象と耳鳴り』にも出てくる夏。『麦の海に沈む果実』の理瀬。『夜のピクニック』の甲田貴子。懐かしい人に再会できる。中身はどれも好きなんだけど、この「図書室の海」というタイトルそのものが、本好きにはたまらない。「図書室」で「海」って好きの2乗だよ。

  • 短編集。長編の番外編だったり、単発のホラーだったり。

    「春よ、こい」
    香織と和恵という女子高生が卒業式の後に写真屋さんに行こうと約束したり、将来娘が産まれたらお互い相手の名前をつけると約束する。
    短いやり取りが、時系列がバラバラになって語られているらしい。
    ある時は二人揃って写真が撮れたり、ある時は片方が卒業式の朝に事故に巻き込まれて死んでしまったり。
    最初の二人のやり取りだったり、その娘達の話のようだったり、夢だったりとどれが現実か判然としない不思議な話。

    「茶色の小瓶」
    ある時会社の同僚が、交通事故にあった人の介抱をしているところに行き合う。
    その女性は会社に着いてからトイレで手を洗っているとき、服に付いた血を見て不気味な笑みを浮かべていた。
    気になってその女性について調べ始めてしまう女の人の話。
    怖い。

    「イサオ・オサリヴァンを捜して」
    ある兵士、イサオ・オサリヴァンについて調べている人が、知っている人に話を聞いてまわり噂を収集する話。
    SF?

    「睡蓮」
    麦の海に沈む果実に登場する理瀬の幼い頃の話。

    「ある映画の記憶」
    潮が満ちて戻れなくなった母親を置いて陸に向かう少年のシーンをふと思い出した女性が、なぜそのシーンをそんなに印象的に覚えているのか辿る話。

    「ピクニックの準備」
    夜のピクニックの前日の話。予告編のような短編。

    「国境の南」
    昔同じ場所にあった喫茶店について、そこにいた女性について思い出している人の話。

    「オデュッセイア」
    ココロコという移動する城塞都市の話。

    「図書室の海」
    六番目の小夜子の番外編。
    なんとも言えない、焦燥感を掻き立てる文章。
    何か取り返しのつかない事が起こるんじゃないか…!とハラハラします。

    「ノスタルジア」
    懐かしい記憶について語らう人々の話。
    夢なのか、誰かが話してる話の一部なのか混沌としているけど、恩田さんらしい物語、雰囲気な気がします。

  • 春よ、来い

  • 再読。おもしろかった。<イサオ・オサリヴァンを捜して><オデュッセイア>が特に…と思ったところで、目次を見たらどれもそれぞれ気に入ってたことに気付いた。あと、長編小説の予告編になってるものが多いので、それぞれ長編を読んだあとだからか懐かしい記憶の断片が散らばってる感じがしてちょっと良い気分。

  • 【本の内容】
    あたしは主人公にはなれない―。

    関根夏はそう思っていた。

    だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。

    高校で代々語り継がれる“サヨコ”伝説に関わる使命を…。

    少女の一瞬のときめきを描く『六番目の小夜子』の番外篇(表題作)、『夜のピクニック』の前日譚「ピクニックの準備」など全10話。

    恩田ワールドの魅力を凝縮したあまりにも贅沢な短篇玉手箱。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    恩田陸はなかなか油断のならない作家である、とつくづく感じた。

    「夜のピクニック」を読んだ時にどこかで読んだことのある話だと思ったのは、ここに収められている「ピクニックの準備」を読んでいたからだと今さら気が付く。

    逆に「睡蓮」を読んだ時、どこかで聞いたことのある名だと思った理瀬は「麦の海に沈む果実」に登場していた。

    最近「麦の海ー」の続編にあたる短編を読む機会に恵まれ、記憶をくすぐられた。

    「春よ、こい」は「ライオンハート」とどこか似ているし、読んだ当時はよくわからなかった「MAZE]のキャラが「クレオパトラの夢」で全開したり……

    要は作品すべてを読んでいないとその良さを満喫できないシステムなのか、さすがベストセラー作家だ。

    この本が「恩田陸の予告編コレクッション」とはなかなかよい表現だ。

    作品の分類、系統立てにも利用できるだろうし、もちろんサブリミナル効果もある。

    表題作について述べるべきなのだろうが、残念ながら「六番目の小夜子」を読んでいないため、番外篇であるこの作品を今ひとつ正確に把握できなかった。

    「ピクニックの準備」もこれだけでは何のことやらわからない部分もあって、弱いかもしれない。

    個人的には「春よ、こい」が一番好きである。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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