夜のピクニック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 26138
レビュー : 2882
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234175

作品紹介・あらすじ

夜のピクニックは恩田陸さんが高校生を主人公にして描いた小説です。
小説の舞台の高校で、24時間耐久のピクニックが学校行事として行われます。高校生が昼食と夕食を食べ、仮眠をとりながらひたすら歩きます、ただ歩くだけということですが、その非日常的な行事を通して、登場人物たちが成長していく作品です。

感想・レビュー・書評

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  • 第2回本屋大賞受賞作品。
    作者が水戸一高在籍時に参加した学校の伝統行事である24時間長距離ハイクがモチーフとなっている。

    この作品は高校生がひたすら歩き続けているだけのストーリーなのだが、一緒に歩く仲間が入れ替わったり、そこでの会話や行動などで、青春の痛みや輝き、人の温かさ、友情の尊さなどを知り、高校生たちが成長していく物語である。よくぞこの退屈なシーンの連続だけで、ここまで書いたものだと感動できる素晴らしい作品。

    青春小説の傑作で、私の大好きな作品でもあり、ブクログの「お気に入りベスト3」では、辻村深月「スロウハイツの神様」に次いで第二位に挙げています。未読の方は是非読んでみてください。
    お薦めです。

    • koshoujiさん
      昨日は9時半に爆睡してしまい聞き逃しました。無念。(T_T)
      「仙台ぐらし」は文庫版のあとがきに出てくる仙台のバンド青年とそのお父さんがい...
      昨日は9時半に爆睡してしまい聞き逃しました。無念。(T_T)
      「仙台ぐらし」は文庫版のあとがきに出てくる仙台のバンド青年とそのお父さんがいるのですが、
      そのお母様が、旭小、台中と同期の女性で今FB友達で、ラグビーマニアでもあり頻繁にやりとりしている方の高校時代のお友達だったのです。
      伊坂氏とのやりとりが面白く、是非文庫版を図書館から借りて読んでみてください。
      そのお母さんは、私の歌のファンでもあります(笑)。
      2016/05/20
    • にゃん吉さん
      昔映画を観て読んでみようと思ってたまま忘れて作品です。映画の多部ちゃんが可愛くて…笑。今度小説も読んでみようと思います。
      恩田さん直木賞受...
      昔映画を観て読んでみようと思ってたまま忘れて作品です。映画の多部ちゃんが可愛くて…笑。今度小説も読んでみようと思います。
      恩田さん直木賞受賞されましたね!
      そちらも気になります。
      2017/01/21
    • アセロラさん
      ご無沙汰しております。
      またkoshoujiさんのレビューを拝見出来て、とても嬉しいです。

      ネットの世界も一期一会で、あれだけブクロ...
      ご無沙汰しております。
      またkoshoujiさんのレビューを拝見出来て、とても嬉しいです。

      ネットの世界も一期一会で、あれだけブクログで楽しく語り合えた方々とも、こちらでの連絡が途絶えて久しくなった方が多くなりました。
      (一部の方とは読書メーターで交流させていただいてます)
      皆さん、お元気でいてくださっていれば良いのですが…。

      わたしもレビューは久しく書いていないので、もしかすると、同じ事を思われているのかもしれませんね(苦笑)
      友人のレビューを読みにちょくちょく訪れてはいるので、またどこかで見かけられましたら、声をかけてやってくださいませ。

      ますます寒くなり、雪も多くてうんざりするこの頃。
      どうぞご自愛くださいませ。
      2017/01/24
  • 全校生徒が24時間かけて80キロを歩きとおす歩行祭。
    その24時間が、貴子と融それぞれの視点から描かれる。

    長くただただ歩いていると、もちろん体は疲れてくる。
    とりとめなくいろんなことを考えたり、考えているつもりで気付くと何も考えていなかったり、と思考に波が出てくる。
    心身ともに疲労すると普段自分を飾っている余分なモノがすとーんと落ちてしまうのかもしれない。
    そんな状態だからこそ、ワケありの二人も自然な乾杯ができ、お互い近づきたがっている心を素直に表せたのかもしれない。

    あっさりさっぱりした会話、達観した感のある考え方など、高校生と思うとリアリティがないかもしれない。少なくとも自分の同時代に照らし合わせると、自分含め周りにもここまで気持ちよい人間関係はなかったなーと思う。
    でもリアリティがなさすぎて(←わたしには)、一回りしてリアルに思えてくるから不思議だ。
    そしてリアルに思えた瞬間、登場人物たちの高校生活、なかでもやはりこの24時間がとてもうらやましくなる。

    二人の周りの友人が良い子たちばかりでできすぎな気もするけれど、悪い人が出てこないお話、というものがキライではない(むしろ好き)ので良しとしたい。

  • ものすごくいまさらながら、だけれども読んだ。評判どおり、すごくよかった。おもしろかった。
    なにげない、脈略なく続くような会話がすごく読みやすくてするすると読めて、いつまでも読んでいたい感じ。恩田作品はそれほど読んでいないのだけれど、恩田さんのこういう会話ですすむ話がわたしはとても好き。会話で、それぞれの性格分析がされるようなところとか。相手の言葉をきいてその心やそれをきいてる自分の心までさぐるようなところとか、興味深い。

    それにしても高校生たちが大人っぽいな、と。互いのことを思いやり、気持ちや立場をくんで会話してて、実際、こんなふうに客観的に考えられるかな、と。でもそこがまたいい。高校生を描きつつ、普遍的というか。
    高校生たちが、自分たちの将来というかもっと先の老後や死までちらっと考えるところもよかった。
    こんなふうに、すごく率直にいろいろ深い話ができるということが、大人になった今、単純にうらやましかったりも。

    • vilureefさん
      こんにちは!

      夜のピクニック、私も大好きです。
      私も今恩田作品と格闘していますが、この作品とは全く違います(^_^;)
      引き出しが...
      こんにちは!

      夜のピクニック、私も大好きです。
      私も今恩田作品と格闘していますが、この作品とは全く違います(^_^;)
      引き出しが多い作家さんですよね。

      この本は誰にでも受け入れられる素敵な作品だと思います。
      また再読してみようかな~♪
      2013/03/05
    • niwatokoさん
      >vilureefさん
      こんにちは。
      そうなんです、恩田さん、すごくいろんなタイプの作品がありますよねえ。わたしはホラーっぽいものが苦手...
      >vilureefさん
      こんにちは。
      そうなんです、恩田さん、すごくいろんなタイプの作品がありますよねえ。わたしはホラーっぽいものが苦手なので、ちょっと読めるものが限られてしまったりするのですが。
      この「夜のピクニック」は何度読んでもよさそうですよね。
      2013/03/05
  • 『蜜蜂と遠雷』を読み、著者に注目していたが、「永遠の青春小説」と謳われる本書には、手を出しかねていた。
    なにしろ、高校時代など半世紀も昔の身にとって(笑)、読むこと自体に抵抗がある。
    しかし、同年代の友人がこの間読んだというので、勇気をもって(笑)手に取った。
    朝の八時から翌日の八時まで、24時間かけて80キロを歩き通す、高校の「歩行祭」を舞台に、異母兄弟ゆえに互いに距離を置く男女の高校生と、彼らと彼らを取り巻く高校生群像が、みずみずしく描かれている。
    「腹違いのきょうだいが同じクラスにいるっていうのは…少女漫画かTVドラマみたいじゃん」と、作中人物に言わせてはいるが、その設定に少しも無理を感じさせないのは、やはり著者のなせる技だろう。

    小説ってのは、不思議な魅力があるものだと、改めて感じた。読んでいる間は、彼ら高校生たちの心象に違和感なく入り込んで、恰も彼らと同年代であるかのような錯覚にすら陥り、彼らが何ともいとおしい気持ちになる。
    それも、名作と言われるこの作品ゆえか。

  • 読みやすさに驚いた。

    ワタシの“青春”はどこだろう。いい思い出はない。
    毎日音楽を聴いて、大都会東京に憧れていた。

    もっといい高校生活をなんて思ったことはない。
    だけど、もっと早く彼らと話していればとお酒を飲めるようになって後悔したことが多々ある。

    知ろうとしなかった。知りたいと思わなかった。
    ワタシはワタシ。ワタシのものはワタシだけ。

    話していれば、高校が好きになっていたかもしれない。
    違う世界が見えていたかもしれない。

    一歩を踏み出せば、物事のほとんどは大したことない。

  • なんだろう、大したこと何にも書いてないんだけど、とても良かった!本の中で登場人物が「ただ歩いてるだけなのに、なんでこんなに楽しいんだろうね」という台詞そのもの。
    むかし70キロのレースに出たことがあって、その状況を思い出しながら読んだ。高校生で、こんな貴重な体験できたら、一生の思い出になるだろうなー。作り話なんだけど羨ましい。
    登場人物の気持ちが丁寧に描かれていて、とても入り込めた。ただ、ここに出てくる高校生、みんな大人だなーーと(つくり話だけど)感心して読んでしまった。

  • 夜というのは、非日常に繋がりやすい時間帯だと思う。
    暗から明へ、心にある鬱屈したものも、朝日に向けて浄化をはじめてゆく。

    村上春樹の『アフターダーク』も一晩を通して描かれる話で、まったく設定は違うのに、朝に向けてポジティブに動きだす所は共通しており、面白い。

    私の母校でも、『夜のピクニック』と同じイベントが開催されていたのだが、こんなドラマチックな展開に出逢うなら、参加しておけば良かったと後悔しきりである。

    時間の流れと、思いの変化が本当に上手く描かれている。
    こういう小説は、ぜひ読書ビギナー向けのフェアに入るべきだし、長く読まれ続けることを願う。

  • 高校最後のイベント「夜行祭」
    ただひたすら80キロの道を歩き通すというイベント通し、高校最後の思い出をつくる主人公の貴子と融。
    今までしらなかった親友の一面や小さな賭、胸にひめる恋心、ただ歩いて目的地まで行くというイベントだけど、疲れがピークに達することで出てくる本音や、本心
    それぞれの思いが、垣間見える

    貴子の目線と融の目線から話されるストーリーで、まるで自分が夜行祭に参加しているような気分になった。
    初めは終わりが見えないスタートなのに、いつの間に終わりが見え始め、その頃には終わって欲しくない気持ちにさせられる

    何がやり残らそう残そうと思ってもつい今の辛さと戦ってしまう
    同じ辛さを共有するからこそ生まれる一体感や、本心
    高校最後の淡い気持ち
    読んでいて懐かしく、かつ羨ましい気持ちにさせられた

    腹違いの同級生、はじめての設定だった!

  • 恩田 陸さんの本始めて読みました。
    人物描写が上手くかつ、しっかりしているので読み進めていくなかでもぶれることがない。主役じゃない人物が発する言葉も、この人ならこの場面でこの言葉を使うなぁというのがしっくりくる。

    懐かしい青春の記憶を呼び起こしながら読んでいた。特段何かが起こるわけではないから、本を読む息継ぎの時間にはいろいろなことを考えていた。
    そのひとつが、この本を読んだ誰もが感じる、高校時代の異性に対する心持ちや友情の共感があると思うのだが、さてその感情の記憶は本当に自分の中に存在しているのだろうか?
    高校生という成長のステージでの感覚は失われていない。だって、この小説の世界に見事に反応しているのだから。ただ、リアリティがないのもそれ以上に感じている。この青春という感情の記憶は脳の神経ネットワークのあちこちに散りばめられて格納されていて、今この小説を読むことによって瞬時に反応し、寄せ集められている。
    青春時代を過ぎ、もう将来にわたってこの場に訪れることがないと判断した脳の記憶担当は、それを最大限に利用できるカタチ、サイズに分解してあちこちのポジションに配置し格納する。
    例えばこんな具合だ、部活での厳しい練習に耐えた記憶は社会での理不尽さに耐え、支える記憶として格納され、友人との喧嘩という思い出の記憶は、それまでに積み重ねられてきた自己主張という括りの中で、‘誠実さ’と‘生き残り戦略’というラベルを貼られて格納されていたりする。
    私には経験のない‘夜のピクニック’というイベントに参加し、太陽の傾き、見過ごしてきた星の数、街の風景、に心躍らせながら見つめる未知の世界が輝きを放たないわけがない。初めは傍観者として参加した夜間歩行なのにいつのまにか、この小説のストーリーと並行して流れる自分の物語を歩いていた。そして役割を終えたと思って散りばめられた感情の記憶が磁石に引きつけられる砂鉄のように高校生の私をこの夜間歩行のゴールに立たせていた。
    人間の記憶、いや脳という存在は素敵すぎる。

    貴子のかけも、杏奈のおまじないも、恩田陸の想像物だけど、それをフックに感情の記憶によって独自の世界を作るのは読む者の脳の無自覚な試行錯誤によるところなのだ。

    また、折りを見て恩田陸の描いた物語を歩いてみたいと思った。

  • 恩田陸の名作のひとつ。夜のピクニックで何が起こったか?というと、特に何も起こっていない。なのに、こうも惹かれて、ぐいぐい引き込まれて、かつての青春時代を思い起こさせる。読者に、こういう経験あったな、って思わせる。大切にしたい一冊。

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著者プロフィール

恩田 陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。幼少期は名古屋、長野、富山、仙台などを転々とする。高校時代は茨城県水戸市に在住。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。
1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。
2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞と第14回本屋大賞を受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。

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