- Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101234175
作品紹介・あらすじ
夜のピクニックは恩田陸さんが高校生を主人公にして描いた小説です。
小説の舞台の高校で、24時間耐久のピクニックが学校行事として行われます。高校生が昼食と夕食を食べ、仮眠をとりながらひたすら歩きます、ただ歩くだけということですが、その非日常的な行事を通して、登場人物たちが成長していく作品です。
感想・レビュー・書評
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「本屋大賞受賞作は全て読むことにしている。受賞作を私は流行小説の窓としている」(「かがみの孤城」)などと宣言したものだから、ちょっと急いで過去の未読作品を読むことを、来年「流浪の月」文庫化までの課題としたいと思う。殆ど映画化されているので読んだ気になっていたんだよね。今のところ読む気のない一作(※)を除いては、あと5作残っている。
※誰とは言わないけど、一人だけ受賞者の中に嫌いな作家がいるだけの話。映画は公開時に観ている。
「夜のピクニック」は2005年、第二回本屋大賞受賞作にして恩田睦受賞一作目。06年に映画化されて、当時高校生の多部未華子が主演した。終始怒った顔をしながら、ラスト場面でとても可愛い笑顔で締めたのが印象的だった(印象的な台詞を吐いた戸田忍役の郭智博くんは今どうしているのだろう)。
進学校の北高は、毎年全生徒一昼夜を歩く80キロの鍛錬歩行祭をする。三年生最後の歩行祭の数人の男女の一部始終を描いた小説である。映画は残念なものに終わったが、小説は傑作だったと思う。やはり読んでみなければわからない。
暫く読んで「恩田睦さん、絶対何処かで一昼夜歩いてみてるな」と思った。関係者の取材だけではわからない、歩いてみた者しかわからない「実感」に満ちていたからである。ところが調べると、彼女の母校の年中行事だったらしい。実際は70キロと少し短いけど、恩田睦は3回も実体験している。
私もある年中行事で、約30数年間、一日で20-30キロ歩く体験(最高は40キロ)を続けてきた。少し彼女たちの気持ちもわかる。準備のための煩わしさや実行委員たちは彼女たちの倍の運動量が要ることも理解している。だからこそ、それに乗っかってただ歩くことが、どんなに貴重な経験なのかも少しだけ知っている。
みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね。
あとで振り返ると、一瞬なのに、その時はこんなにも長い。1メートル歩くだけでも泣きたくなるのに、あんなに長い距離の移動が全部繋がっていて、同じ一分一秒の連続だったということが信じられない。
それはひょっとするとこの1日だけではないのかもしれない。
濃密であっという間だったこの一年や、ついこのあいだ入ったばかりのような気がする高校生活や、もしかして、この先の一生だって、そんなそんな「信じられない」ことの繰り返しなのかもしれない。
「つまんねえ風景だな」
融は、そう呟いた。
「だな」
忍も同意する。
何もない田んぼに、屋敷林に囲まれた住宅が点在するだけ。田んぼの中を横断するように、送電線の鉄塔が点々と連なっている。確かに風光明媚とは言いがたい。
「でもさ、もう一生のうちで、二度とこの場所に座って、このアングルからこの景色を眺めることなんてないんだぜ」
忍は例によって淡々と言った。
「んだな。足挫いてここに座ってることもないだろうし」
不良生徒がたむろする怒涛の高校生活を描いた小説よりも、進学校の生徒の青春を描いたこの小説が、先ずは本屋大賞に選ばれたことを私は喜ぶ。
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日々への無頓着さを痛感させられる作品でした。
読み終わった今、つくづく私は恵まれた環境で生きてきたことを実感しています。
小さなあたり前のことに感謝したり、感動したり――。
17歳の今が青春なのだとしたら、大人になったとき、
きっと私はこの瞬間を振り返るのでしょう。
歳を重ねたからこそ見えるものがあるのだと思います。
あのとき言わなければよかったこととか、
あんなことしなければ上手くいったのに…とか。
そう考えると、なんだかドキドキします。
ふと、あたり前なことが新鮮に思えるときがある。
勉強したり、スポーツで汗流したり、映画を観たり、家でゴロゴロしたり、モテるために頑張ってみたり、友達とデートの作戦練ってみたり笑。
今は悩んだりするときなのかな――。
いつもと変わらない退屈な時間が、くだらないほどに愛しく思えるんだろうなぁ。
もう一度戻りたい、とか思うんだろうな…きっと。
たくさん笑う日がある。
たくさん考え込んでしまう日がある。
たまに顔が赤くなる日もある笑。
過ぎていく、変わっていくからこそ懐かしく思える。
私も、みんなも、いつかは変わってしまう。
だからもっと今を大切にしないと。
まだ目の前のことしか見えてないけど、いつか「自分が主人公の小説」を見ているような感じになるんだろうなぁ。
仲間それぞれに物語がある。
どうでもいい思い出のひとつひとつが大好きです。
きっとそれが繋がっていくから。
大人になったら、今の仲間たちと語り合いたい。
くだらない思い出、きっかけなんて何にもなくても話せるんだろうなぁ。
小さなことでも笑い合えるんだろうなぁ。
本作は本当に素晴らしい作品でした。
青春は、気づいたときには過ぎ去っている――。
同年代の登場人物たちを通して、この瞬間の大切さを、あらためて実感しました。
本作との出会いに感謝しつつ、やり残したことなんてないように、もう少しだけハメを外しとこうと思います笑。-
りまのさん、はじめまして。
夜分遅くに申し訳ありません。
こちらこそフォローしていただきありがとうございます。レビューも読んでいただいてと...りまのさん、はじめまして。
夜分遅くに申し訳ありません。
こちらこそフォローしていただきありがとうございます。レビューも読んでいただいてとっても嬉しいです。
わざわざ丁寧に挨拶をしてくださるりまのさんの方にこそ、私は誠実さを感じます。
これからどうぞ宜しくお願い致します。2022/10/17 -
あぁ!行こう!さん、こんばんは。
はじめまして、夜分に失礼します。
いつも、いいね!ありがとうございます♪
アイコン見た時もレビュー読んで...あぁ!行こう!さん、こんばんは。
はじめまして、夜分に失礼します。
いつも、いいね!ありがとうございます♪
アイコン見た時もレビュー読んでも
“若い方なんだなぁ”と思って(^^)/
何だか、イイ子やなぁ〜(年上気取り^^;笑)
若さ溢れる純粋で素直なレビューに心から「若いっていいなぁ(*'▽'*)」と思えました。
自分があの頃に戻れたらなぁ…という気持ちとは違う
あぁ!行こう!さんのレビューに忘れてたその頃の
自分を思い出すような、キュンとした爽やか気持ち。
若いうちは、どんどんハメをはずして
自分のやりたい事をやって下さい٩꒰๑❛▿❛ ॢ̩꒱
失敗しても、後悔しても、それはそれでいい思い出になってその後の人生の教訓となるはずだから…ヾ(✿❛◡❛ฺฺ)ノ
なんて、歳上だからと偉そうなことを言ってますが^^;
全く、大人になりきれないσ^_^; 笑
ワタシだって、まだ若いぞ〜!ナンテ(≧∀≦)
歳はいけど成長途中、学び中!
今の瞬間を仲間と大切に(^O^☆♪
さあ!行こう!٩( ᐛ )و あぁ!行こう!
このネーミング、すごっくイイですね♡大好き♪
今後ともよろしくです(。◠‿◠。)♡
また、あぁ!行こう!さんの本棚遊びに行かせてね!2022/10/27 -
hiromida2さん、こんにちは。
メッセージありがとうございます。
たくさんの応援メッセージをしていただきとっても嬉しいです。これから...hiromida2さん、こんにちは。
メッセージありがとうございます。
たくさんの応援メッセージをしていただきとっても嬉しいです。これからの日々の励みになります。
こちらこそ今度とも宜しくお願い致します。
私もhiromida2さんのレビューを楽しみに待っています。2022/10/28
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恩田さんの作品二作目に読んだのがこちらでした。先に映画を観てどうしてこの作品が本屋大賞を受賞するような作品なのかと思い読むことにしました。
読んでみて驚いたのは、映画が非常に忠実に原作をなぞっていたことでした。その事実から感じたのは、この作品では本という文字だけの媒体の方が、映画という映像と音楽を駆使した媒体よりもはるかに多くの情報を持って迫ってきて、自分自身が融や貴子と一緒に歩行祭に参加しているかのように感じさせられたことでした。映像よりも活き活きとした世界を描きだす文章のマジック。これは凄いと思いました。80キロ歩くなんてとんでもない距離ですが、彼らと一緒の一昼夜の時間はとても楽しかったです。映画ではすっかり浮いた存在だった光一郎も原作ではぐんと魅力を増して、より歩行祭を盛り上げてくれましたし、忍と美和子にも原作の方が俄然魅力を感じました。映像と音楽を駆使しても全く足りなかった映画の情報量が後から本を読むことによって補完され、あのシーン、このシーンの意味が後から肉付けされてくる、なんとも不思議な気分でした。
たった一昼夜のただただ歩くだけの時間が、こんなにも美しく輝くなんて。
素敵な作品に出会えて良かったです。
爽やかな読後感を味わせていただいた素敵な一冊でした。 -
高校生活最後の歩行祭。80キロを丸一日かけて歩き通すというイベントで、貴子は同じクラスに在籍する異母きょうだいの融との蟠りを解消するという、小さな賭けに出る…。
という話。
歩行祭の一日のみがこの小説の舞台。つまり、ほぼ高校生が歩いているだけの小説。はっきり言って読み始めは、地味な印象が拭いきれなかった。特に大きな事件もなくどこにでもありそうな風景なのだけど、奥行があって、喜怒哀楽や心情が豊かで、登場人物がそれぞれ魅力的なので、内容にどんどん引き込まれていった。貴子や融たちと一緒に歩いている気分にすらなった。
「蜂蜜と遠雷」を読んで「恩田陸さんってすごい!天才!」と思ったけど、改めて舌を巻いた。
「おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが、聞こえるのって、今だけだから、あとからテープ巻き戻して聞こうと思った時にはもう聞こえない…」
忍が融に対して吐く青春そのもののセリフ。
その瞬間、あっという間の瞬間をどう生きるべきか。正解があるのかはわからない。でも言えるのは、若いうちは無駄なものなんて何一つない、ということ。
融と貴子、そして2人を取り巻く友人たちの優しさが胸を打つ。2人の成長を通して生きていることへの肯定感を感じることができて、読み終わって爽快な気分になる本。
名作。まさしく永遠の青春小説。-
たけさん、こんばんは
ちゃたともうします。フォロー返しありがとうございました。ブクログアワード受賞おめでとうございます。
こちらの本スゴく...たけさん、こんばんは
ちゃたともうします。フォロー返しありがとうございました。ブクログアワード受賞おめでとうございます。
こちらの本スゴくハマりました。登場人物たちとひたすら青春を歩く、これがなんとも素敵でした。今でもスゴくいい読書体験でした。
今後ともよろしくお願いします(^o^)2023/01/25 -
ちゃたさん!
こんばんは。
ありがとうございます!
ちゃたさんもブクログアワードおめでとうございます。
この本、これぞ青春って感じがいいで...ちゃたさん!
こんばんは。
ありがとうございます!
ちゃたさんもブクログアワードおめでとうございます。
この本、これぞ青春って感じがいいですよね!
素敵な小説です。
こちらこそ、よろしくお願いいたします!2023/01/25
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本が途切れちゃって、読みたいリスト見てたら活字欠乏症が止まらない。図書館に行って補充したいけど手っとり早く次男の部屋を物色してみることに。国語の教師をしているわりに良書がなく、かび臭い万年床の脇にミステリーホラーばかり積んである。そのうち何かやらかすのではと心配で、早く彼女とか作ってまっとうな暮らしをしてほしいとボヤキながら発掘しましたww
恩田陸の『夜のピクニック』、へーこんなんも読んでるんだと少し安心。早速読んでみることにしましたw
80kmを24時間かけて歩くとゆう進学校の伝統行事。
うへぇー、80kmと言えば日本橋から小田原までの距離だ。今だと歩けるか不安なんですが、ダイエットから始めたウォーキングが次第にエスカレートしてしまい旧東海道500kmを踏破したことあるのですが、当時は1日50km(MAX)歩けたので東海道は10日移動と始めたのですが50km歩けたのは初回だけでしたorz
実際は下方修正していき延べ20日かかってしまいました。
さてこのお話はたった1日の出来事が447ページの膨大な紙面に収まっている。
融(とおる)が捻挫した一瞬のアクシデントにも4ページ割いているから読者はアドレナリン放出して文字を追ってしまう。
気力体力の限界を迎えて歩いている時、脳に酸素はあまり行かない状態になると思いますが・・
余談ですが、赤岳から県界尾根の下降中にTJARの人に偶然お会いしたことがありました。あの日本一過酷な山岳レースの完走者だったので興奮してツーショット撮ってもらったりしながら、「幻覚とか幻聴はあるんですか?」と尋ねた時、「当然ありますけど」って答えと逆に「ないんですか?」って返されてしまい次元の違いとまだまだ越えなければいけない壁があることに圧倒された経験がありました。
さておき、流石は偏差値高そうな高校生。意識が朦朧とするどころか互いを尊重し思いやることのできる余裕もあるし機転の効いた判断もできてるっw
『並んで一緒に歩く。ただそれだけのことがこんなにも難しく凄いことだなんて。』
この1日の出来事が一生忘れられない思い出になるばかりかここから未来へスタートしていくんだっw
読後の清涼感、なんか青春してる。
気になってたことは、貴子の誕生日は融の前か後どっちだろうなって大人の事情でしたっw -
あぁーー、青春だなぁ。
高校生の何気ない会話に懐かしさを感じました。特に大きな事件が起きるわけではないけれど、高校の青春を思い出させてくれる物語です。
舞台は、高校生活一大イベントの歩行祭。歩行祭とは、次の日まで一日中ひたすら歩き続けるイベントで、この学校では修学旅行の代わりだそう。登場人物は全員3年生で、今年最後の参加になります。
歩行祭が楽しそうで羨ましい、、みんな疲労困憊の中、本音がポロッと出てしまう様子が良いんです。友人同士で嘘や建前もなく、頭の中に浮かんだリアルな言葉を紡いで会話する感じが微笑ましい。
高校時代ってこういう他愛ない話が一番楽しかったりしますよね。こうやって感想をまとめていると、帰り道にマクドでだらだら喋っていた記憶が蘇ってきました。何の意味もないあの時間が今思い返すと、私の青春の1ページだったんだと感じます。
是非、高校生の方に読んでほしい小説です。
何気ない日常を大切に過ごしてほしいと思います。
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まさに、「タイミング逃した〜」と思いました。
友人忍が、「読むべき本には読むべきタイミングがある」と主人公融に言っていました。
その言葉をたった今痛感した本です。
できれば、青春真っ只中の学生時代に読みたかった本です。
朝の8時から翌日の朝の8時まで歩き通すという行事も珍しく、歩きながらたくさんある時間の中で物事をゆっくり考える機会があるって、とても素晴らしい時間だなと思いました。
高校時代のその時には気付かないですが、後から辛い事や楽しい事をその時に精一杯楽しんでたなぁと、全力で恥ずかしかったなぁと思い出せる時を過ごせたのが、まさに青春。
大半の人がそうではなかったかもしれませんが、そうでなくても、それもまた青春なのだと思います。
歩行祭で、色々思いを巡らせ、友人と話ているうちに主人公たちが徐々に心境を変化させ、気付いていく。
私のように遅くに本を読んでから気付いたスタートでも、気付かないよりいいなと前向きに思いたい。
今現在を楽しまなきゃと思わせてくれた本です。 -
好きな作者さんだけれども表紙の絵から高校生の恋愛ものかなと思い中々読む機会が無かったのが、読みだしたら止まらなくなり。恋愛も多少は絡むけれども主人公の主軸は別にあり彼女の願いをどう叶えていくのか、ただ歩くだけでどう繋がっていくのか先を先を知りたくなる。主人公だけでなく皆ちょっと高校生には思えないような大人びいた所もあるけれどもそれがあるから高校生は随分昔に通り過ぎた私でも読めたのかも。
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第2回本屋大賞受賞作品。
作者が水戸一高在籍時に参加した学校の伝統行事である24時間長距離ハイクがモチーフとなっている。
この作品は高校生がひたすら歩き続けているだけのストーリーなのだが、一緒に歩く仲間が入れ替わったり、そこでの会話や行動などで、青春の痛みや輝き、人の温かさ、友情の尊さなどを知り、高校生たちが成長していく物語である。よくぞこの退屈なシーンの連続だけで、ここまで書いたものだと感動できる素晴らしい作品。
青春小説の傑作で、私の大好きな作品でもあり、ブクログの「お気に入りベスト3」では、辻村深月「スロウハイツの神様」に次いで第二位に挙げています。未読の方は是非読んでみてください。
お薦めです。-
昨日は9時半に爆睡してしまい聞き逃しました。無念。(T_T)
「仙台ぐらし」は文庫版のあとがきに出てくる仙台のバンド青年とそのお父さんがい...昨日は9時半に爆睡してしまい聞き逃しました。無念。(T_T)
「仙台ぐらし」は文庫版のあとがきに出てくる仙台のバンド青年とそのお父さんがいるのですが、
そのお母様が、旭小、台中と同期の女性で今FB友達で、ラグビーマニアでもあり頻繁にやりとりしている方の高校時代のお友達だったのです。
伊坂氏とのやりとりが面白く、是非文庫版を図書館から借りて読んでみてください。
そのお母さんは、私の歌のファンでもあります(笑)。2016/05/20 -
昔映画を観て読んでみようと思ってたまま忘れて作品です。映画の多部ちゃんが可愛くて…笑。今度小説も読んでみようと思います。
恩田さん直木賞受...昔映画を観て読んでみようと思ってたまま忘れて作品です。映画の多部ちゃんが可愛くて…笑。今度小説も読んでみようと思います。
恩田さん直木賞受賞されましたね!
そちらも気になります。2017/01/21 -
ご無沙汰しております。
またkoshoujiさんのレビューを拝見出来て、とても嬉しいです。
ネットの世界も一期一会で、あれだけブクロ...ご無沙汰しております。
またkoshoujiさんのレビューを拝見出来て、とても嬉しいです。
ネットの世界も一期一会で、あれだけブクログで楽しく語り合えた方々とも、こちらでの連絡が途絶えて久しくなった方が多くなりました。
(一部の方とは読書メーターで交流させていただいてます)
皆さん、お元気でいてくださっていれば良いのですが…。
わたしもレビューは久しく書いていないので、もしかすると、同じ事を思われているのかもしれませんね(苦笑)
友人のレビューを読みにちょくちょく訪れてはいるので、またどこかで見かけられましたら、声をかけてやってくださいませ。
ますます寒くなり、雪も多くてうんざりするこの頃。
どうぞご自愛くださいませ。2017/01/24
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自分の高校時代のことを無性に考えてしまいました。
この物語の高校は、かなりの進学校で、している会話も志望校からしてもハイレベルで。自分とは、違う世界だなあと、距離をかんじてしまったのですが。
一日中歩くって行事、夜な夜な歩くという非日常感が気持ちを大胆にもさせる。熱血学園ドラマのような展開かと思えば、貴子、融の抱えているものは重苦しい。
それまでモヤモヤした気持ちで読んでいた気がしますが、ある個所からスカッとする。順弥君がばくだんを落としてくれたところから。アメリカから杏奈が送り込んだとは、突飛押もないですね。
秘密というのはよくない場合もある、言ってしまったほうが良いときも。貴子のお母さんも美和子と杏奈に本当のことを打ち明ける。それ言うんですかーと思ったけど。貴子を心配して見守って助けてやってほしいと。
貴子と融の気持ちに沿いつつ、ほとんどが歩行の場面。
漠然としてつかみどころがなく(私には)その平坦さが長く感じた。
高校時代ってそういうものだったのかもしれない。高校卒業がほんとうの意味で人生の始まりなのかもしれない。
著者プロフィール
恩田陸の作品





