夜のピクニック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 27700
レビュー : 3007
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234175

作品紹介・あらすじ

夜のピクニックは恩田陸さんが高校生を主人公にして描いた小説です。
小説の舞台の高校で、24時間耐久のピクニックが学校行事として行われます。高校生が昼食と夕食を食べ、仮眠をとりながらひたすら歩きます、ただ歩くだけということですが、その非日常的な行事を通して、登場人物たちが成長していく作品です。

感想・レビュー・書評

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  • 第2回本屋大賞受賞作品。
    作者が水戸一高在籍時に参加した学校の伝統行事である24時間長距離ハイクがモチーフとなっている。

    この作品は高校生がひたすら歩き続けているだけのストーリーなのだが、一緒に歩く仲間が入れ替わったり、そこでの会話や行動などで、青春の痛みや輝き、人の温かさ、友情の尊さなどを知り、高校生たちが成長していく物語である。よくぞこの退屈なシーンの連続だけで、ここまで書いたものだと感動できる素晴らしい作品。

    青春小説の傑作で、私の大好きな作品でもあり、ブクログの「お気に入りベスト3」では、辻村深月「スロウハイツの神様」に次いで第二位に挙げています。未読の方は是非読んでみてください。
    お薦めです。

    • koshoujiさん
      昨日は9時半に爆睡してしまい聞き逃しました。無念。(T_T)
      「仙台ぐらし」は文庫版のあとがきに出てくる仙台のバンド青年とそのお父さんがい...
      昨日は9時半に爆睡してしまい聞き逃しました。無念。(T_T)
      「仙台ぐらし」は文庫版のあとがきに出てくる仙台のバンド青年とそのお父さんがいるのですが、
      そのお母様が、旭小、台中と同期の女性で今FB友達で、ラグビーマニアでもあり頻繁にやりとりしている方の高校時代のお友達だったのです。
      伊坂氏とのやりとりが面白く、是非文庫版を図書館から借りて読んでみてください。
      そのお母さんは、私の歌のファンでもあります(笑)。
      2016/05/20
    • にゃん吉さん
      昔映画を観て読んでみようと思ってたまま忘れて作品です。映画の多部ちゃんが可愛くて…笑。今度小説も読んでみようと思います。
      恩田さん直木賞受...
      昔映画を観て読んでみようと思ってたまま忘れて作品です。映画の多部ちゃんが可愛くて…笑。今度小説も読んでみようと思います。
      恩田さん直木賞受賞されましたね!
      そちらも気になります。
      2017/01/21
    • アセロラさん
      ご無沙汰しております。
      またkoshoujiさんのレビューを拝見出来て、とても嬉しいです。

      ネットの世界も一期一会で、あれだけブクロ...
      ご無沙汰しております。
      またkoshoujiさんのレビューを拝見出来て、とても嬉しいです。

      ネットの世界も一期一会で、あれだけブクログで楽しく語り合えた方々とも、こちらでの連絡が途絶えて久しくなった方が多くなりました。
      (一部の方とは読書メーターで交流させていただいてます)
      皆さん、お元気でいてくださっていれば良いのですが…。

      わたしもレビューは久しく書いていないので、もしかすると、同じ事を思われているのかもしれませんね(苦笑)
      友人のレビューを読みにちょくちょく訪れてはいるので、またどこかで見かけられましたら、声をかけてやってくださいませ。

      ますます寒くなり、雪も多くてうんざりするこの頃。
      どうぞご自愛くださいませ。
      2017/01/24
  • 全校生徒が24時間かけて80キロを歩きとおす歩行祭。
    その24時間が、貴子と融それぞれの視点から描かれる。

    長くただただ歩いていると、もちろん体は疲れてくる。
    とりとめなくいろんなことを考えたり、考えているつもりで気付くと何も考えていなかったり、と思考に波が出てくる。
    心身ともに疲労すると普段自分を飾っている余分なモノがすとーんと落ちてしまうのかもしれない。
    そんな状態だからこそ、ワケありの二人も自然な乾杯ができ、お互い近づきたがっている心を素直に表せたのかもしれない。

    あっさりさっぱりした会話、達観した感のある考え方など、高校生と思うとリアリティがないかもしれない。少なくとも自分の同時代に照らし合わせると、自分含め周りにもここまで気持ちよい人間関係はなかったなーと思う。
    でもリアリティがなさすぎて(←わたしには)、一回りしてリアルに思えてくるから不思議だ。
    そしてリアルに思えた瞬間、登場人物たちの高校生活、なかでもやはりこの24時間がとてもうらやましくなる。

    二人の周りの友人が良い子たちばかりでできすぎな気もするけれど、悪い人が出てこないお話、というものがキライではない(むしろ好き)ので良しとしたい。

  • 青春がいっぱいつまってる。
    高校3年のこれから大人になってゆく時期、
    部活、気の利く親友、恋・・・

    同じ学校の同じクラスに異母兄弟がいるという特殊な状況で、
    本人たちはそれを誰にもいえない不器用なところがあり、
    気の利く親友たちがそれを補ってくれるんだな~
    みんな、いい友達だな~

    修学旅行のかわりに、
    ただ、一晩中あるくだけのイベントだけど、
    そういう自分や、周りの人と真剣に向き合う
    時間って意識しないととれないので、
    きっと貴重な時間だったんだろうな。

    最後に、最後の、
    ゾンビ(失礼。高見君)かっこよかったよ!

  • ものすごくいまさらながら、だけれども読んだ。評判どおり、すごくよかった。おもしろかった。
    なにげない、脈略なく続くような会話がすごく読みやすくてするすると読めて、いつまでも読んでいたい感じ。恩田作品はそれほど読んでいないのだけれど、恩田さんのこういう会話ですすむ話がわたしはとても好き。会話で、それぞれの性格分析がされるようなところとか。相手の言葉をきいてその心やそれをきいてる自分の心までさぐるようなところとか、興味深い。

    それにしても高校生たちが大人っぽいな、と。互いのことを思いやり、気持ちや立場をくんで会話してて、実際、こんなふうに客観的に考えられるかな、と。でもそこがまたいい。高校生を描きつつ、普遍的というか。
    高校生たちが、自分たちの将来というかもっと先の老後や死までちらっと考えるところもよかった。
    こんなふうに、すごく率直にいろいろ深い話ができるということが、大人になった今、単純にうらやましかったりも。

    • vilureefさん
      こんにちは!

      夜のピクニック、私も大好きです。
      私も今恩田作品と格闘していますが、この作品とは全く違います(^_^;)
      引き出しが...
      こんにちは!

      夜のピクニック、私も大好きです。
      私も今恩田作品と格闘していますが、この作品とは全く違います(^_^;)
      引き出しが多い作家さんですよね。

      この本は誰にでも受け入れられる素敵な作品だと思います。
      また再読してみようかな~♪
      2013/03/05
    • niwatokoさん
      >vilureefさん
      こんにちは。
      そうなんです、恩田さん、すごくいろんなタイプの作品がありますよねえ。わたしはホラーっぽいものが苦手...
      >vilureefさん
      こんにちは。
      そうなんです、恩田さん、すごくいろんなタイプの作品がありますよねえ。わたしはホラーっぽいものが苦手なので、ちょっと読めるものが限られてしまったりするのですが。
      この「夜のピクニック」は何度読んでもよさそうですよね。
      2013/03/05
  • ある進学校の生徒1200人が一昼夜かけて80㎞を歩き通す伝統行事のお話。80㎞を歩くという過酷な状況下で、普段は見えなかったことが見えたり、普段は口にできなかったことが話せたりすることがある。自分が高校生であった頃が思い出され、比較してしまった。

  • 共感。
    高校生の頃、同じような体験をした時の記憶が蘇ってきてもう一度青春を感じさせてくれた。
    日常生活においても共感できる部分が多い。自分でも言葉には表せないような心情が細かく表現されていて"分かる。"って声に出したくなった。

  • 青春だなぁ~。ふわふわ、ドキドキしながらも人の内面に鋭く切り込む爽快かつ温かい小説でした。いつまでもこの世界の余韻に浸っていたい感覚...。気持ちいい時間が流れている...。

  • 『蜜蜂と遠雷』を読み、著者に注目していたが、「永遠の青春小説」と謳われる本書には、手を出しかねていた。
    なにしろ、高校時代など半世紀も昔の身にとって(笑)、読むこと自体に抵抗がある。
    しかし、同年代の友人がこの間読んだというので、勇気をもって(笑)手に取った。
    朝の八時から翌日の八時まで、24時間かけて80キロを歩き通す、高校の「歩行祭」を舞台に、異母兄弟ゆえに互いに距離を置く男女の高校生と、彼らと彼らを取り巻く高校生群像が、みずみずしく描かれている。
    「腹違いのきょうだいが同じクラスにいるっていうのは…少女漫画かTVドラマみたいじゃん」と、作中人物に言わせてはいるが、その設定に少しも無理を感じさせないのは、やはり著者のなせる技だろう。

    小説ってのは、不思議な魅力があるものだと、改めて感じた。読んでいる間は、彼ら高校生たちの心象に違和感なく入り込んで、恰も彼らと同年代であるかのような錯覚にすら陥り、彼らが何ともいとおしい気持ちになる。
    それも、名作と言われるこの作品ゆえか。

  • 複雑な関係性の融と貴子。お互いを気にしつつも近づくことができなかった二人が、歩行祭という行事を通じて、互いの関係性や人生に向き合っていく。
    ただ歩いてるだけなのに、その情景や人物の感情がありありと想像できすらすらと読めた。自分にも青春時代の言い表しがたい感情があったことを思い出した。
    これからも繰り返し読み返したくなる優しい小説。

  • 歩行祭という年に一度、朝8時から翌朝8時まで歩くという、高校行事。
    ただ歩くだけだから、色んな考え事をするのにちょうど良さそうだ。

    この本は、一日のお祭りのお話だけど、考えてみれば、高校3年間も人生においてのお祭りかもしれない。楽しい高校生活を送りながら、その中で勉強をしたり、恋愛をしたり、でも常に心の中では、卒業後の進路を考え続けている。高校卒業がゴールではなく、あくまでの通過点なのだ。恋愛してても、その恋愛にはいつかは終わりが来るだろうと思って恋愛している人が大半だろうし、友達とワイワイ遊んでても、それがずっと続くことじゃないと、理解している。
    だから、高校生活の3年間は、とてもキラキラして楽しいものなのかもしれない。後から振り返った時、お祭りの楽しかった思い出のように、いい思い出に溢れているんだろう。

  • 読みやすさに驚いた。

    ワタシの“青春”はどこだろう。いい思い出はない。
    毎日音楽を聴いて、大都会東京に憧れていた。

    もっといい高校生活をなんて思ったことはない。
    だけど、もっと早く彼らと話していればとお酒を飲めるようになって後悔したことが多々ある。

    知ろうとしなかった。知りたいと思わなかった。
    ワタシはワタシ。ワタシのものはワタシだけ。

    話していれば、高校が好きになっていたかもしれない。
    違う世界が見えていたかもしれない。

    一歩を踏み出せば、物事のほとんどは大したことない。

  • なんだろう、大したこと何にも書いてないんだけど、とても良かった!本の中で登場人物が「ただ歩いてるだけなのに、なんでこんなに楽しいんだろうね」という台詞そのもの。
    むかし70キロのレースに出たことがあって、その状況を思い出しながら読んだ。高校生で、こんな貴重な体験できたら、一生の思い出になるだろうなー。作り話なんだけど羨ましい。
    登場人物の気持ちが丁寧に描かれていて、とても入り込めた。ただ、ここに出てくる高校生、みんな大人だなーーと(つくり話だけど)感心して読んでしまった。

  • 夜というのは、非日常に繋がりやすい時間帯だと思う。
    暗から明へ、心にある鬱屈したものも、朝日に向けて浄化をはじめてゆく。

    村上春樹の『アフターダーク』も一晩を通して描かれる話で、まったく設定は違うのに、朝に向けてポジティブに動きだす所は共通しており、面白い。

    私の母校でも、『夜のピクニック』と同じイベントが開催されていたのだが、こんなドラマチックな展開に出逢うなら、参加しておけば良かったと後悔しきりである。

    時間の流れと、思いの変化が本当に上手く描かれている。
    こういう小説は、ぜひ読書ビギナー向けのフェアに入るべきだし、長く読まれ続けることを願う。

  • ただ一定の間隔で歩くように、気付いたら読み進めていた不思議な小説。

  • ドラマチックな展開も謎もないけれど、高校生たちのキラキラとした青春劇という言葉だけでは片付けられない深く引き込まれる作品。
    読み手の自分も彼らと一緒に歩き、悩み、諦め、期待し、振り切ってゴールする感覚になってしまった。

    今だから感じること、感じられること、そして今は未来のためだけにあるんじゃないこと。そんなノスタルジックな気持ちを呼び覚ましてくれる。

    恩田作品はいつも丁寧で心地よい読後感がいい。


  • 最初から最後まで、高校生がただひたすら歩く物語。

    高校三年生の2人が主人公。
    24時間を全校生徒で歩くという、年内最後の学校行事。
    この行程の中で、彼らの内面がだんだんと剥き出しになっていく。

    1「 なんでこの本をもっと昔に読んでおかなかったんだろうって。ものすごく後悔した。
    従兄弟は、闇雲に本をくれてたわけじゃなかった。
    うちのきょうだいの年齢や興味の対象を考えて、その時々にふさわしい本を選んでくれていたんだ。」

    10代のうちにやっておけばよかったこと。
    それを10代のうちに気づける人は、果たしてどれくらいいるのだろうか。
    10代とは夢や希望に満ちている。
    しかしそれによって、視野が狭くなってしまうことがある。
    自分のこれからの道を歩いていると、周囲の音は、雑音にしか聞こえなくなる。
    だから、それらを無視して、歩き続ける。
    それが、正しい道であると、自分自身を思わせる。

    だけどそれは、ただ逃げているだけなんだ。
    自分の道にないことには、絶対に手を伸ばさない。
    だから、それによって得られなかったものが、大人になって積み重なっていく。それが後悔だ。

    勉強や学校行事だけでも、部活や恋愛だけでもない。
    その、全てに手を伸ばせる人間。
    何事にも挑戦しておくべきだと、知っている10代は本当に賢い人間だ。
    10代の自分という状態を、俯瞰で見れている。
    そんな学生生活でありたかったと後悔するのは、大人になってからなのだ。

    2「あとで振り返ると一瞬なのに、今その時はこんなにも長い。
    あんなに長い距離の移動が全部繋がっていて、同じ一分一秒の連続だったということが信じられない。
    この先の一生だって、そんな信じられないことの繰り返しなのかもしれない。」

    この小説の肝となる文章だと思う。
    24時間歩くというのは、果てしない旅のようだが、振り返って見ると、それは一瞬の出来事のように思う。
    そしてそれは、今まで生きてきた人生もそうであり、これから生きる人生もそうであるのかもしれない。
    時間の感覚とは、本当に不思議ものだと思う。

    3「ここは俺に任せろ、ベイベー。人の恋路を邪魔する奴は、ってね。ベイベー、幸せですかーっ?」

    この単調な歩行祭の中で、一番爽快な場面だったのではないでしょうか。
    光太郎は、今まで貴子たちにとっては、めんどくさい存在ではありましたが、この場面では思わず「こーたろー!」と叫んでしまいました。笑

    歩行祭によって、高校生たちの心が揺れ動く。
    単調ではありますが、常に歩きながら前に進んで行く感覚が、読みながらでも実感できて、場面場面でとてもワクワクしました。

  • 予備知識なしで読んで、予想外に面白かった。

    殺人事件など、派手な出来事は無いが、ただ歩くだけでこんなにも面白い小説になるんだ。

  • 主人公2人の設定が面白い。よくある高校生の恋愛小説の要素がほぼなく、ただ歩いているだけのなかでの会話、心情にとても引き込まれた。忍が言っていた『しまった、タイミング外した』には共感。タイミングって大事だよね。

  • 何だろうな~、こういう青春って普通に良いと思う。自分が学生の時にこんな行事があったら良かったな。

  • 高校最後のイベント「夜行祭」
    ただひたすら80キロの道を歩き通すというイベント通し、高校最後の思い出をつくる主人公の貴子と融。
    今までしらなかった親友の一面や小さな賭、胸にひめる恋心、ただ歩いて目的地まで行くというイベントだけど、疲れがピークに達することで出てくる本音や、本心
    それぞれの思いが、垣間見える

    貴子の目線と融の目線から話されるストーリーで、まるで自分が夜行祭に参加しているような気分になった。
    初めは終わりが見えないスタートなのに、いつの間に終わりが見え始め、その頃には終わって欲しくない気持ちにさせられる

    何がやり残らそう残そうと思ってもつい今の辛さと戦ってしまう
    同じ辛さを共有するからこそ生まれる一体感や、本心
    高校最後の淡い気持ち
    読んでいて懐かしく、かつ羨ましい気持ちにさせられた

    腹違いの同級生、はじめての設定だった!

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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