深夜特急1-香港・マカオ- (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9719
レビュー : 1164
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235059

作品紹介・あらすじ

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く-。ある日そう思い立った26歳のは、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや…。1年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路2万キロ彼方のロンドンへ。

感想・レビュー・書評

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  •  1980年代から90年代にかけて、多くの若者を海外へと向かわせた「紀行小説」です。主人公は本人。初めて手にした本の印税で海外旅行を計画します。香港からインドのデリーへと向かい、そこからバスを乗り継いでロンドンを目指すという、壮大な旅の記録。旅の途中で起きた感動から恥ずかしい出来事までを克明に、飾ることなく綴った文は「バックパッカーのバイブル」とまで言われ、その後のテレビ番組「進め!電波少年」にも影響を与えたのだと言われています。

     文庫は1から6までに分かれていて、それぞれ香港・マカオ、マレー半島・シンガポール、インド・ネパール、シルクロード、トルコ・ギリシャ・地中海、南仏からロンドンまでとエリアごとにまとめられています。各巻に収められたエピソードは非常に個人的な出来事ばかりですが、その土地の気質や人々の性格がとてもよくわかります。観光ではない旅。なかなかできることではありませんが、観光旅行にもこうした冒険やハプニングと出会うきっかけがきっとあります。

     1970年代には五木寛之の「青年は荒野を目指す」が旅人のバイブルでした。それ以前には開高健や胡桃沢耕史のような作家が鮮烈な体験を小説にし、旅心をいざないました。いま、旅先の情報はネットでいくらでも手に入れることができますが、こうした体験談以上に旅への憧れをかきたてるものは、なかなか見当たりません。

  • 「無鉄砲な若者の挑戦」という懐かしい表現が浮かんでくる。
    後先顧みず興味のまま前に進んで時間を無駄なく思いっきり使う、あるいは思いっきり無駄な時間を使う事の喜びが伝わってくる。
    ロンドンへ向かう途中の寄り道は香港、マカオ。
    筆者はマカオのカジノで苦悩する。
    目的達成のために自制心を働かせるべきか、思いのままトコトンギャンブルに入れ込んで、なるようになってみるべきなのか。たとえ旅が続けられなくなっても。
    彼は気づく、ここでやめて帰るのは賢明な判断だ。
    しかし自分が望んだのは賢明な旅ではない。中途半端な賢明さから脱して、徹底した酔狂の側に身をゆだねようとしたはずだ。
    結果的に酔狂の側に身を委ねながら、ほぼ無傷で戻ってくる。
    そして旅は続く。

  • 友人に勧められて読みました。香港・マカオの退廃的な雰囲気とカオス(混沌)。古き良き時代の香港の町並みと、そこに暮らす人々が生き生きと描かれいて、しばし非日常空間にトリップしたような感覚になりました。
    旅紀行の本はいいですね。読んでいて自分が旅しているような錯覚に陥ります。2巻以降も是非読みたいと思います。

    • あかいろキノコさん
      2巻以降もおもしろくて引き込まれますよ。ぜひお読みください!
      2巻以降もおもしろくて引き込まれますよ。ぜひお読みください!
      2012/08/14
  • なんだか数奇な巡り合わせを感じずにはいられない本書、現地入りしてから「これ、読みました?」と手渡されるのに先立って本巻の舞台のひとつである重慶大厦の内外を既に散策してしまっていたからだ。後半マカオ編は滞在中には手を出さなかったが、友人がニヤリと「まずは読まずに行ってみては?」と薦めてくれた理由は日本に到着してから本書を探しだしその残りを読みきることによってよくわかった。確かにそこには麻薬性がギラギラと存在している。これはこれでまたの機会の楽しみにとっておくことに。

    巻末の作者ともう一人の著述家による対談もまた興味深く、「海外でるには二十六歳が的確。」という説の正当化をいろんな論点と体験から微笑ましく語ってくれる。奇しくも自身が渡米したのは二十六歳の時、そんなもんで一緒になってうなずける部分もたくさんあった次第。

  • 一巻から六巻まで。これをみてあこがれて学生時代に中国へバックパッカーもどき旅行をした。ドミトリーの二段ベットも悪くなかった。

  • なぜもっと早くに読んでいなかったんだろう。描写されている香港の情景が、目の前に鮮明に浮かび上がってきて、ぐいぐいと引き込まれて行く。ギラギラとした、雑多な香港の街並が恋しい。

  • 最初に読んだのはたしか18才の時なので、もうだいぶ昔。 この本に影響を受けて旅に出たという人がたくさんいると思うけど、自分もその一人。
     21才の時に、大学を一年休学してヨーロッパ、アジアを旅しました。 この本に出会ってなければそういう旅には行かなかっただろうし、その旅が自分の人生観や考え方に与えた影響力は計り知れない。 そういう意味では、読んだ本の中で一番大きな影響を受けた作品と言えるかもしれない。 旅行のスタイルは色々あるけども、旅のバイブルと言って良い本だと思う。
     

  • 小心者故、「こんなにお金使って大丈夫?!」とすぐに心配して、落ち着いて読めなかった。終わった話だけど、ドキドキする。

  • 旅がしたい。

  • 2005年度のチラシが挟まっていたので、10年以上積読本だった計算になるが、あの当時では全く良さが分からなかっただろう。海外出張は毎回楽しみより不安が勝ってしまう小心者の自分には【私】のフットワークの軽さが羨ましい。光と影が色濃く介在する香港の街に魅せられる様も、マカオのカジノで【大小】にのめり込みすぎる様もその情景が浮かんでくるようで何とも興味深い。現地の人々との忌憚なき触れ合いも一人旅ならではの醍醐味なのだろう。カジノの場面で【私】の懐具合にハラハラしてしまうのは小心者ならではの御愛嬌ということで…。

  • 深夜特急は運命から脱出するための決死の手段。ユーラシア大陸横断を経験できる本です。

  • 前半のアジア辺りがとても面白かった。
    文章が読みやすいので他の作品も読んでみようと思う。

  • バックパッカーのバイブル。読むと旅にでたくなる一冊。
    インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合バスで行けるかどうかを確かめるためにノープランで旅立ちます。ですが、一巻ではまだインドにすら行きません。
    今の仕事とか国際情勢とか言語とか、色々と考えてしまって自分は行動できないので、作者の行動力がうらやましい。「今日一日、予定は一切なかった。せねばならぬ仕事もなければ、人に会う約束もない。全てが自由だった。」バックパッカーとまではいかずとも、どこか遠くへ旅行に出かけたくなった。

  • マカオで博打やりすぎ。笑
    2巻以降が楽しみ。

  • 本巻の醍醐味はなんと言ってもマカオでの博奕、大小。色々な人々の思惑が交錯するその卓では、数々の事件が起きる。

  • 人生を変えられた本

  • 香港旅行中に読了。面白かったけどバックパック背負う気にまではなれなかったなw

  • めちゃくちゃおもしろかった!
    香港への旅行が決まって父親に読めと言われて読んだ。
    行く前から香港の街の様子が目の前に浮かんでくるし、行ったあとは鮮明に思い出される。
    ほんとうに外国に行きたくなるしバックパッカーに憧れる。
    こんな旅をしてみたいしこんな人に出会ってみたいなぁ。

  • まず、この本をまだ読んだことのない人に忠告だが、今仕事や勉強に打ち込んでいる人にはこの本を決して奨めることはできない。
    なぜなら、この本の臨場感あふれる文章や興味をそそるエピソードの数々が、読者に、今すぐにでも全てを投げ出して旅に出たい!という強い欲求を抱かせてしまうからだ。
    そのくらいこの本は素晴らしい。

    私はこの本を冬に読んだわけだが、冬でありながら文章を通して香港の熱気が伝わっていた。
    紀行文と呼ばれるものは星の数ほどあるが、この作品はそれらとは一線を画しているように感じられる。

    また、マカオのカジノの話をとっても、その緊張感はただものではなく、読んでいるこちらがひやひやして本が手汗でよれてしまいそうなほどである(笑)
    この本の後半のほとんどの部分をそのカジノの話が占めているというだけあって、ギャンブルをめぐる駆け引きというのはギャンブル漫画「カイジ」顔負けのものである。
    仮にこのマカオカジノの話がそのままカイジに出てきたとしても遜色ないのではないだろうか。
    そう感じてしまうほどの臨場感と緊迫感であった。

    今すぐにでも旅に出たい。

  • 返還前の香港・澳門
    異国の地ひとり旅紀行文。

    いや、紀行文というのも、どこか違う。
    旅をしているその時間、その空気感が、
    現地の人びとの暮らし方、生き方や考え方が、
    より身近に書かれている。

    「旅に出たくなるよ」と言ってこの本をわたしに手渡した
    会社の上司よ、どうしてくれる。

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著者プロフィール

沢木 耕太郎(さわき こうたろう)
1947年東京生まれのノンフィクション作家、小説家。横浜国立大学経済学部卒業。大学卒業後、ルポライターとして活動、注目を集める。
浅沼稲次郎暗殺事件で刺殺された浅沼と、その犯人である少年を描いた『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以後、バックパッカーのバイブル『深夜特急』をはじめ、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説などを発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し話題となる。
2003年これまでの作家活動で第51回菊池寛賞、2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞、2013年 『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。

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