【旧版】深夜特急3 ーインド・ネパール (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 457
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235073

作品紹介・あらすじ

風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやってはやっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、は自分の中の何かから、一つ、また一つと自由になっていった-。

感想・レビュー・書評

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  • ずっと行ってみたくて、でもまだ行けていないネパールとインド。更にはコロナのせいで渡航すらも難しくなってしまったので、活字で旅行。

    文章を読むごとに頭の中に、こんな場所だろうか?とか、こんな景色だろうか?という事を思い浮かべながら。そして、ところ変われば〜と言われるようにそれぞれの国の習慣や文化に、へぇ、そうなのか。そういうものがあるのか。と驚きつつ、勉強になるな。と感じたり。
    逆にまた1つ旅に行きたい欲が増えてしまったけれど(笑)4巻へ続く。

  • 再読。第3巻はインド、ネパールの旅。この巻がこの旅の一つのハイライトだと思います。インドのカルカッタで路上に座る人から足をつかまれたり、ガンジス川で人が焼かれるのを眺めたり、猥雑な雑踏の中を熱に浮かされたように歩き回る彼。カトマンズでは、神の子と呼ばれる孤児たちの暮らす村に滞在します。このカトマンズでの穏やかな日々は、紀行文ではなく現地からの手紙という形を取っているのも、インドの熱い日々との対比をより鮮明にしています。
    インドへは出張で何回か行きましたが、ホテルの外を歩くだけで、やはりそこは完全な異国の世界と感じました。東南アジアとは全く違う世界。なかなか長期間滞在は難しいですが、本書のような作品でその疑似体験ができるのが読書の喜びと思います。

  • インドに行って自分探しをすると学生時代に冗談で言っていたが、本当に行っておけば良かったw

  • インド・ネパールの遍歴
    日本と比較的文化圏が近い東南アジアと異なり、独特の風俗をもつインドとネパール。時間の感覚や人との精神的な距離もうまく表現されている。
    トイレで紙を使わずに、手で洗うことで、少し自由になれたと。
    旅をすることは、ひとつひとつ自由にのることかもしれない。

  • 人生後半になった今、日々の暮らしに意味を見つけにくくなる。
    けれどこの作品を読むたびに、世の中の苦難や貧困の渦に巻き込まれて生きる人々の人生を考えさせられ、自分のような甘い考えを持てるということが幸福なのだと知らされる。
    苦難の中でもがきながらも生きている人々と比べて、と考えるのは自分勝手であるのはわかるのだが。

  • ここにきて旅の本質が見えてきた。自分は自由に旅を続けることにあこがれを持っているけど、ここに描かれているような旅を続けて慣れすぎた先にあるものには近づきたくないような、戻ってこれるなら一度浸ってみたいような。巻末の此経さんとの対談と合わせて、旅について実に深いところまで考えをめぐらせることができました。

    前半では旅の正の側面、後半では負の側面の臭いを感じた。正の側面は、インドで手を使って大便の処理をできるようになったくだりでの「しだいに自由になっていく感覚」「ものから解放されていく感覚」というもの。自分も旅の経験を積むにしたがって、できないと思っていたこと、あるとも思ってなかったことができることがわかる気持ちよさは、やってる旅のレベルは違うけど感じたことがある。特に海外に出るとお手軽に感じられる。身の丈が伸びていくような感覚。

    一方、後半のカトマンズとデリーでは死と隣合わせの日常が語られる。カトマンズの体験は手紙文体で記されていて、降りしきる雨の描写と相まって、静かに死に取り囲まれていく感覚になった。死の臭いと、随所で語られる旅慣れしすぎた者のすえた臭いというのは同系統なんじゃないかと思う。ハシシをやりながら、明日にでも死んだっていいじゃないかという感覚。何にも責任を持たなくてよく、すべてに、自分の命にさえも無関心になっていく感覚。旅先でいくらでもズルしてやっていけてしまうことに気づいて、人を利用し始めてしまったら、今度は逆に身の丈は縮んでいく一方だ。旅の果てにロマンなんてきっとない。

    巻末の対談がまた本当に面白い。旅人とは通りすがるだけの無責任な存在で、現地で関わりを持てるのも、基本的には老人と子供。外部は外部でしかなく、わかるのは自分のわからなさだけだったと二人は語る。伸びたり縮んだりした末に本当の身の丈がわかるのが旅なんでしょうか。

    対談で沢木さんは、この旅のことを10年も経って書きたくなった、それは僕の中でこの旅が終わったということだろうと書いている。書くことによって何かが終わる。確かに体験を一度文章という箱におさめてしまうと、次に思い出すときにはその文章が体験そのものよりも強いアンカーポイントになってしまうという意味で、書くということは書き手にとってとても重要な転移点になると思う。本の感想を書くということも同じ。

    旅の一回性について。同じ旅は二度とありえないし、同じ道を辿っても失望が待っていると沢木さんは言う。自分の側に変化があれば、同じ道すじでも同じ旅ではないのでそれは独立したものとカウントすればいいと自分は思う。前段でも此経さんが、旅先で騙されまいと肩肘張るよりも、まわりまわっての精神で初めての旅を繰り返す方が良いという話に落ち着いていた。

    学ぶことが非常に多い3巻でした。4巻はシルクロード。

  • 第3弾、インド・ネパール。噂には聞いていましたが、インドのカーストは凄まじい。生まれながらに不平等というのはまさしくこういうことだと実感。北欧留学の際、ハイエスト・カーストの女性と知り合いましたが、ものすごいお嬢様だったことを再認識。上も、下も見ればキリがないですね。小学校低学年で自身からの身売りは辛すぎる。丁度私の下娘と同じ年齢、馬鹿な男が多すぎるのと、何をどう支援したらこのような小学生を助けられるのか?税金の使われ方に甚だ疑問でちょっと怒りモード。旅人よ病気は治ったかしらん?次も楽しみ。

  • インドからロンドン(予定)へのバス旅行、インド編の第3巻。著者は一度ネパールに入るも雨期にうんざりして、インドへ戻る。
    現地に暮らしている日本人たちと交流したり、過酷な列車に乗ったり、聖なるガンジス川での葬送を見ながら、旅を楽しんでいる。著者にはインドが合っていたようだ。現地のリキシャとの値段交渉や、安宿探し、インド人の子どもたちのさりげないやさしさ、そして病気になりデリーへ行く決心をする…と話が進む。第3巻も褪せることがない絶妙の表現力で、読者を魅了する。リスクをとることができ、体力がある若者ならではの旅である。続きが気になる。

  • 旅がしたい。

  • 「深夜特急(3) インド・ネパール」沢木耕太郎著、新潮文庫、1994.04.25
    227p ¥360 C0126 (2020.04.22読了)(2020.04.20拝借)(1994.06.10/3刷)

    【目次】
    第七章 神の子らの家 インドⅠ
    第八章 雨が私を眠らせる カトマンズからの手紙
    第九章 死の匂い インドⅡ
    〔対談〕十年の後に  此経啓助・沢木耕太郎 1984年8月

    ☆関連図書(既読)
    「深夜特急(1) 香港・マカオ」沢木耕太郎著、新潮文庫、1994.03.25
    「深夜特急(2) マレー半島・シンガポール」沢木耕太郎著、新潮文庫、1994.03.25
    「オリンピア ナチスの森で」沢木耕太郎著、集英社、1998.05.31
    「釈尊物語」ひろさちや著、平凡社新書、1976.05.08
    「インドで考えたこと」堀田善衛著、岩波新書、1957.12.19
    「不可触民」山際素男著、知恵の森文庫、2000.10.15
    「アラハバード憤戦記」牧野由紀子著、アイオーエム、2001.05.10
    「ビジネスマンのためのインド入門」マノイ・ジョージ著・鶴岡雄二訳、新潮OH!文庫、2002.06.10
    「ヒンドゥー・ナショナリズム」中島岳志著、中公新書ラクレ、2002.07.25
    「インド行脚」藤原新也著、旺文社文庫、1982.07.23
    「全東洋街道(上)」藤原新也著、集英社文庫、1982.11.25
    「全東洋街道(下)」藤原新也著、集英社文庫、1983.01.25
    「アジアハイウェー(1) 勝利の道 苦悩の道」NHK取材班、日本放送出版協会、1993.11.25
    「アジアハイウェー(2) 褐色のインド亜大陸」NHK取材班、日本放送出版協会、1994.01.25
    「アジアハイウェー(3) コーランが聞こえる道」NHK取材班、日本放送出版協会、1994.03.25
    (「BOOK」データベースより)amazon
    風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやって〈私〉はやっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、〈私〉は自分の中の何かから、一つ、また一つと自由になっていった―。

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著者プロフィール

さわきこうたろう
作家。
1947年、東京都生まれ。横浜国立大学卒業。79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、93年『深夜特急第三便』でJTB紀行文学大賞、2003年それまでの作家活動に対して菊池寛賞、06年 『凍』で講談社ノンフィクション賞を受賞。近著に、短編小説集『あなたがいる場所』、エッセイ集『ポーカー・フェース』、児童書『月の少年』、絵本『わるいことがしたい!』などがある。

「2013年 『いろは いろいろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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