深夜特急3-インド- (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235073

感想・レビュー・書評

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  • 2を読んでから1年近く経ってしまった。

    インド・ネパール編に突入。
    30年経った今もなおバックパッカーの聖地として絶対的な存在となっているインド。

    風景や人物描写は言うまでもなく、人を旅に出たくさせる表現力は相変わらずである。

    それに加え、死体焼場や「秘密の花園」の描写は単なる旅行記を遥かに超えており、エッセイとしてのこの本の面白さもふんだんに詰まっている。

    しかし去年香港マカオ編を読んだときのような、今すぐどこかに旅したいと突き動かされる衝動は、今回はそれほど出てこなかった。

    おそらくこれは本の中身の問題というより、この1年でわたしが、ある意味で大人になったためではないかと思う。
    去年よりも守るものが増えて現実を見ざるをえなくなったのが大きいだろう。

    やはり本書は若いうちに出会っておくに限る。これ以上自分が冷めてしまわないうちに、残りも一気に読んでしまいたい。

  • 1巻にあった著者の熱気が戻ってきた3巻。ただ、1巻がとにかくお祭り騒ぎだとすれば、3巻は生と死が生々しく見せつけられる点で、大きく異なるようだ。
    インドの旅に見られる苛烈さも確かに目を引く。でも、この巻での傑作はカトマンズ編に違いない。20ページほどの短い章ながら、手紙文にこぼれ話が穏やかな調子で並べられるうちに、そのトーンを保ったまま、いつのまにか鬱々とした無感動な日々のありさまへ結ばれていく。読んでいてぞわぞわしてくる。

  • 9年ぶりに再読。評価変更☆3→☆4

    2巻目のマレー半島とは逆で、今回は初読時と比較して評価が↑に。

    20年以上前とはいえインドの強烈さ熾烈さが伝わってくる各章。香港マカオとならび、本作が名作たる所以か。

  • 生と死が日々に密着しているインド
    寿命を全うしない者は
    遺体は川に流され、そして鳥に啄まれる。
    インドの永遠に日の光が差すことのないような
    濃い影の中を見た気がする。

    P68 香港には、光があり、影がある、と思っていた。
    光の世界がまばゆく輝けば輝くほど、その傍らに
    できる影も色濃く落ちる、と思っていた。
    しかし、香港で影と見えていたものも、
    カルタッカで数日過ごしたあとでは眩しいくらいに光輝いて見えた。

  • カルカッタのダムダム空港 恰幅のいい 臆面もなく 長広舌ちょうこうぜつ バングラデシュのダッカ 1ルピー=35円=100パイサ 鷹揚に チョーリンギー通り 厚顔こうがん サモサ チャイ ベンガル ヒッチコックの『鳥』の世界 ドミトリー大部屋 スチューデント・カード ヤシの実ジュース 仏陀伽耶 これつね此経啓助さん ナマステ アシュラム道場 寂寥感 農大生 ピン リキシャ カースト制度 カトマンズ ハシシ 阿片 ブッダ生誕の地であるルンビニー インドの列車に「次」などというものはないのだ イギリス人アラン ブリーズ・イズ・ナイス ベナレス ガンジス河 シタール 死体焼場 沐浴 天然痘 野良牛 恍惚とした表情で匂いを嗅ぐ 映画『ボビー』 霊験はあらたか パリの学生だという彼女たち カジュラホ 夥しい数の死体を見た直後に、夥しい数の男女交合のレリーフを見る。 デリーのタージマハル 逡巡 記号論ブーム 32 東京農大生と拓大生を越える水準の学生はいなかった 運動部気質 『マラケシュの声』怠惰とか倦怠の80〜90%は、肉体的に健康で疲労が取り除ければ消えちゃうんじゃないか、ってね。 サンスクリット語の経文 どこでも生きていけるというのは、いまも生きていく上でのささやかな支えになってると思う。あんな苛酷な旅をしたんだから、それを思えば、この東京なら、どんなことをしても生きていける。 東京にいてもインドの地平線が見える 好奇心が磨耗しているのに外国旅行をしなくてはならないというのはほんとに切ないことですね 無為 老子 荘子 『ミッドナイト・エクスプレス』 バクシーシ 歯止めのない恐ろしさ 出入りする活力

  • 人の生き死にが日常になっているインドの描写は強烈だった。

  • インド・ネパール編。
    時々、自分が実際に異国の地をあるいているような...そんな錯覚に陥るほど匂い立つ(香り立つ?)文章。わくわくするし、恐怖も感じる。目の前に壮大な景色が広がるような感動も覚える。
    なんとなく頭の片隅にはあったカーストや貧困、文化の違いにはやはり突きつけられるものがあるが、自分もまた、ただ通過するだけの人なのだろう。
    長く旅をしていることからくる無責任さと裏側にある深い虚無の穴を著者は指摘している。その土地で生きる人々を目の前にして無責任でいられなければ、旅は続けられない。そうして旅を続けるうちにいつしか自分の命にすら無関心になってしまうのだという...

    最も印象に残っているのは、死体を川に流す光景をひたすら眺め続けるシーンと老いたスーラーが盲目の少年の前で何も言わずただ太鼓を叩き歌うシーン。

    なんとなく3巻から読み始めてしまったが全然問題なし。しかし、思いのほか面白かったのでやはり1巻からちゃんと全部読みたいと思う。

    自分の中でのインドのイメージは『聖者たちの食卓』という映画。この映画では台詞はなく、ただ人々が祈り、食べ、生きる姿が映し出されている。壮大なるガンジス川の前で大きく深呼吸をしたあとのような、そんな満ち足りた気分になる映画だ。

  • すごい面白かった!2巻では香港の面白さに引き摺られてグダグダな旅をしていたが、インドという他に類を見ない文化の国に行ったことで楽しんでいた。
    インドのバラナシには行ったことあるため情景と人々が想像できてさらに面白さを掻き立てた。

    最後はまさかの登場人物との対談(此経さん)が載っている。ノンフィクションであるが所以で改めて驚かされる。

    "バックパッカー"という単語はこの連載から生まれたと云われるが、地図も持たず見たいところ行きたいところを気ままに行くという旅が羨ましくそしてすごい難しいとおもう。

  • インド・ネパール編。なんともディープ。
    私には、生涯、こんな旅をすることはできないだろうけど、沢木さんの目を通じて、この世にこういうことがあるのか、その中で生きていくというのはどういうことなのか、を少し感じてみる。

    まるで地の果てのような所までの旅をし、沢木さんの目は、ある種の放浪とも言える長き旅の「無責任さ」を感じ取り、その無責任さは、自分の命についてさえ無関心になってしまうレベルの深い虚無と裏表だと言う。自由に世界を翔るような旅には、そういう穴があって、一度落ちたら戻ってこれないように感じるのは、ちょっとした恐怖だった。自由と虚無は、とても近いものなのだろうか。

    巻末の旅の10年後に行われた此経さんとの対談も出色。

  • インドは世界でみても異質なんだろうな。

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著者プロフィール

沢木 耕太郎(さわき こうたろう)
1947年東京生まれのノンフィクション作家、小説家。横浜国立大学経済学部卒業。大学卒業後、ルポライターとして活動、注目を集める。
浅沼稲次郎暗殺事件で刺殺された浅沼と、その犯人である少年を描いた『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以後、バックパッカーのバイブル『深夜特急』をはじめ、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説などを発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し話題となる。
2003年これまでの作家活動で第51回菊池寛賞、2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞、2013年 『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。

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