深夜特急4-シルクロード- (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 299
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235080

作品紹介・あらすじ

パキスタンの長距離バスは、凄まじかった。道の真ん中を猛スピードで突っ走り、対向車と肝試しのチキン・レースを展開する。そんなクレイジー・エクスプレスで、はシルクロードを一路西へと向かった。カブールではヒッピー宿の客引きをしたり、テヘランではなつかしい人との再会を果たしたり。前へ前へと進むことに、は快感のようなものを覚えはじめていた-。

感想・レビュー・書評

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  • 「人々の親切が旅の目的そのものになっている。
    旅にとって大事なのは、名所でも旧跡でもなく、その土地で出会う人なのだ」という著者の思いは 旅が物見遊山ではなく生活そのものになった者の感慨か。
    全6巻のうち4巻まで読み終えた。大相撲で言えば中盤戦を終えこれから終盤にかかる。この旅を読み終えた時、自分はこの旅と自分の生き様をどのように重ねてみることになるのだろう。

  • 知らないエリアである。
    バス旅も長くなってきて、やや中だるみ感を抱かせる(必ずしも、悪くない意味で)。
    ホームシックらしさも時折見せ、新宿の街角を思い出したり、磯崎夫妻との会食で心置きなく食事をし、日本語を存分に話したりする姿は印象的。

    それ以外には、ひたすら一路西に、テヘランに向かう。
    バス旅のトラブル、ヒッピーたちとの団結感。

    それらが淡々と描かれていくから、ようやく未明に大都会テヘランの光が神々しくみえたときの感動は印象的。
    磯崎夫妻を探すときのホテルの数の多さ、それに電話ボックスが目につくということとか、市場での時計屋との数日がかりの値切り交渉とかで、そのテヘランのテンションが描かれるのである。

    • moboyokohamaかわぞえさん
      磯崎夫妻に会うために、何よりご夫妻にご馳走になるために先を急ぐ思いはリアルですよね。
      磯崎夫妻に会うために、何よりご夫妻にご馳走になるために先を急ぐ思いはリアルですよね。
      2019/09/14
  • シリーズ4冊目。インドでの危機を乗り越え、ロンドンへの旅はシルクロードを西へ進む。
    旅が進んでいくうちに、巻を追うごとに、旅というものがどんどんわからなくなってきている。
    カブールのホテルで出会った若マネージャー・カマルの言葉が原因だ。
    カマルは著者のような旅人を馬鹿だと言う。そして、何のために旅行しているんだと問い、「楽しむためだろう」と言った。楽しむために旅行しているのに、楽しむための金さえ持っていないお前たちは馬鹿だ、と。
    この言葉がとても胸に響いた。目からうろこが落ちる思いだった。

    考えてみれば、旅の本来の目的はこのようにシンプルなものでいいのかもしれない。
    旅に色々と理由をつけて考えすぎてしまうようなことは、余裕があるからやれることであって、幼いころから働かざるを得なかったカマルにとっては、馬鹿に思えるのだろう。
    これまで著者の旅に人生論みたいなものを求めてしまっていたので、それでいいのだろうか?とよくわからなくなってしまった。

    しかし、おいしいご飯をたくさんご馳走になって楽しそうな著者もいいが、これこそが旅だと言われるとそれもなんだか違う気がする。
    よくわからなくなってしまったが、色々な考えを巡らせてくれる本書はとてもおもしろい。
    著者は著者、カマルはカマル、私は私、ということにしておこう。

    • moboyokohamaかわぞえさん
      そうですね、そもそもこの旅のスタートがただただ目的地まで陸路で到達したいというだけ物みたいでしたが、読み進めるうちにそして著者の心の変遷を感...
      そうですね、そもそもこの旅のスタートがただただ目的地まで陸路で到達したいというだけ物みたいでしたが、読み進めるうちにそして著者の心の変遷を感じるほどに何のための旅なのか混沌としてきます。
      2019/09/14
    • ハナさん
      > moboyokohamaかわぞえさん
      結構真剣に向き合って書いた感想なのでコメントをいただけてすごく嬉しいです。ありがとうございます...
      > moboyokohamaかわぞえさん
      結構真剣に向き合って書いた感想なのでコメントをいただけてすごく嬉しいです。ありがとうございます!
      「混沌」という表現がぴったりですね。
      最終巻まで読んだのですが、本当に最後まで楽しませてくれる旅でした。
      2019/09/16
    • moboyokohamaかわぞえさん
      ずいぶん以前から気になっていながら読んでいなかった本書は、人間の純粋な心の美しさを随所に発見できる人間のあるべき姿を教えてくれる書だった。
      ずいぶん以前から気になっていながら読んでいなかった本書は、人間の純粋な心の美しさを随所に発見できる人間のあるべき姿を教えてくれる書だった。
      2019/09/16
  • 巻末の今福龍太との対談が面白かった。日本やアメリカは自分から動かないと何かが起こらない場所で、東南アジアや南米などはサムシングハプンズ(無数の物事が起こってしまう)。定住と移動は対になるものではなく、留まる、出る、移る、離れていくなどの違いがあるはず。ブラジルの「サウダージ」という言葉はある種の希望がみなぎっている懐かしさや憧れを表し、それは過去の物事ではなく、未来に永遠に先送りされている一つの「夢」に対する懐かしさである、などなど。

  • 旅がしたい。

  • この第四巻はもう一度読み返さないと感想文が書けない感じだ。

    カトマンズを出てからは馴染みの無い地名が続き旅の足取りがイメージ出来ないのもあり、ストーリーが線で繋がるイメージではなくて、どわっと固まりのイメージなんです。

    本格的な長距離バス移動になり、バスに関する描写も多くなる。
    ビッピーバスなどのくだりは面白い事は面白いのですが、マレー半島を南下した鉄道の旅のくだりの方が面白い。
    何が違うのか?分からないが行間からあまり何も出てこないんです。

    前述のビッピーバスや友人との再会がこの巻の盛り上がりどころなんだと思いますが、私はそれほど盛り上がらなかった。

    印象に残ったのは街頭テレビでのモハメッド アリ対ジョージ フォアマンのシーン。
    それと年寄りは年寄りらしく、若者の様な貧乏旅行をするな、と。

    三巻の感想文で書きましたが、定年退職後に貧乏旅行をしたい私には耳の痛い教訓でした。

    ここまで書くとこの四巻は駄作なのか!?と思われますが、そんなことはなくて、何度も読み返したい良質な短編集の様です。

    そして、旅はまだ続きます。

  • 一人旅とは自由である反面、常に孤独との戦いなのかもしれない。袖振り合うも多生の縁とはいうものの、それはほんのひと時の邂逅であり、また別々の道へと歩み出していく。ドミトリーで出会ったロンドンの青年のくだりはなぜか胸に染み入ってしまった。またフォアマンvsアリの所謂「キンシャサの奇跡」をTVで目の当たりにした主人公の反応も面白かった。旅の終わりを意識し始めた一冊である。

  • 四巻は、アムリトサル、ラホール、ラワール・ピンディー、ペルシャワール、カブール、カンダハル、ヘラート、テヘラン、シラーズ、イスファハンの旅です。

    まず、YMCAのボーイがくれた緑の丸薬のおかげで病気が治っていて、安心しました。

    デリーにはインドの首都としての安定感があり、だらだらと日だけが過ぎていきます。しかし、“ドミトリーの隣で寝ているフランス人の若者の虚ろな眼を見ているうちに、こうしてはいられないと思ってしまった(p11)”のでした。そして、宿を飛び出し、インドから抜け出します。

    ようやく、デリーからロンドンへの旅が始まったのです。デリーの安宿で燃え上がった「前へ」という情熱のため、街から街へ、どんどん進んでいきます。

    途中のカブールでは、安く泊まるため、安宿の客引きをします。なかなかできない、貴重でおもしろい経験ができることを、少し羨ましく感じました。そのカブールで、動くことが億劫になってしまいます。

    しかし、磯崎夫妻がテヘランに立ち寄ることになり、いる間に会うことができたら嬉しいという日本の家族からの手紙により、前に向かう弾みがつきます。ひとりで海外の旅をしていると、日本語の会話に飢えるのだと知りました。

  • 沢木さんの深夜特急の旅 4
    シルクロード。

    インドでの刺激が強すぎて(?)体調を崩し
    発熱と激しい頭痛に見舞われた沢木さん。
    旅の風景を想像するのと同じように
    頭痛の痛みと胃腸の悪さまでがすっかり
    乗り移ったかのように、こちらまで
    痛みでガンガンする気分に陥ってしまって
    このままでは続きが気になりすぎ。
    (というここまでが3。)
    次なるシルクロードへ旅は間を開けずに連れて行って頂きました。^^

    当初
    インドのデリーから旅を開始するはずだった
    沢木さんの手記(1)の冒頭はこの4
    (シルクロード)の始まりと繋がります。
    発熱と激しい頭痛も回復して前へ..。

    シルクロードとはいえ今では危険区域。
    このガンダーラ地方の旅の手記も読むのは二人目になるのですが
    きっと時代がよかったのでしょうね....
    何よりも怖さの方が先に立ってしまいます。

    そうはいってもやっぱりなのか、ここではアクシデントの連続でした。
    旅の勘も冴えず少々スランプぎみのよう...

    それでも懐かしいご友人に会えてよかった♪

    この先の国境越えはうまく行くのでしょうか。
    シルクロードの旅は心配が尽きません。

  • 前半のアジア辺りがとても面白かった。
    文章が読みやすいので他の作品も読んでみようと思う。

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著者プロフィール

沢木 耕太郎(さわき こうたろう)
1947年東京生まれのノンフィクション作家、小説家。横浜国立大学経済学部卒業。大学卒業後、ルポライターとして活動、注目を集める。
浅沼稲次郎暗殺事件で刺殺された浅沼と、その犯人である少年を描いた『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以後、バックパッカーのバイブル『深夜特急』をはじめ、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説などを発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し話題となる。
2003年これまでの作家活動で第51回菊池寛賞、2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞、2013年 『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。

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