深夜特急6-南ヨーロッパ・ロンドン- (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 350
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235103

作品紹介・あらすじ

イタリアからスペインへ回ったは、ポルトガルの果ての岬・サグレスで、ようやく「旅の終り」の汐どきを掴まえた。そしてパリで数週間を過ごしたあと、ロンドンに向かい、日本への電報を打ちに中央郵便局へと出かけたが-。Being on the road-ひとつの旅の終りは、新しい旅の始まりなのかもしれない。旅を愛するすべての人々に贈る、旅のバイブル全6巻、ここに完結。

感想・レビュー・書評

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  • 旅がしたい。

  • 「だが、時間が立つにつれて、かって私はここにこうして立っていたことがある、という思いはますます強く、確固としたものに、なっていく。なぜだか理由はわからない。わかっていることは、それが私の内部の深いところから湧いてくる感情だということだ。
    まるで、私も体内に古い祖先の記憶が埋め込まれているかのように、
    記憶が甦ってくる。この海、この空、この音。
    間違いなく、いつの日か、私はこの崖に立ち、このように海を眺めていたことがある。」
    私もこのような経験がある。

  • シリーズ6冊目。香港からロンドンへ向かう旅はイタリア、スペイン、ポルトガルなどの南ヨーロッパから、ついにロンドンへ進む。

    ポルトガルのサグレス、ユーラシア大陸の最果てでまさかまた「C」の「茶」に巡り合えるとは……!「C」より出でて「C」に到った旅に、こちらとしてもすごくスッキリとした気持ちで終わりを受け入れられた。

    しかし、そこですんなり帰り支度をする著者ではなかった。句点を打って終わらせると思っていたので少し意外だったが、とても著者らしい終わり方だと思った。

    最終巻までに「旅とは何か?」と色々な考えを巡らせてきたが、結局はカブールのホテルの若マネージャー・カマルが言っていたように、「旅は楽しむためにするもの」なのかもしれないという答えに至った。
    楽しむといっても、著者の楽しみ方、カマルの楽しみ方、人それぞれの楽しみ方がある。しかし、他人の旅の楽しみ方は他人にはわからない。結果、やはり旅とは何なのか、読んだだけではわからないのだと思う。著者が外国に対して言ったように、「わかっているのは、わからないということだけ」なのだと心から思う。

    本当に読んでいるだけでとてもおもしろい旅だった。なんだか怖いと思っていた東南アジアや中東にも興味が持てたし、毎日刺激的な追体験をさせてもらえた。本、読書のパワーをビシバシ感じるシリーズだった。著者に感謝!

  • 沢木耕太郎のものすごい旅が完結。
    この巻では、道で会った人について誕生日会に参加する話が好きだった。誘う方にも誘いに乗る方にもびっくりしたけれど、言葉も通じない中であたたかい時間が流れていて素敵だった。

    「わかっていることは、わからないということだけ」

  • 朝の中央線という現実ど真ん中でこんなファンタジックなノンフィクションを読み終えることは幸運か不運か。
    衝動的にあずさやかいじに乗り換えることはしなかったけど、いつでも海を見に行く精神の自由は保持したい。
    スペインに入ったあたりから、旅の終わりが近づくのを感じて物寂しさに支配されながら読んでいたんだけど、旅の老年期だの何だの言いながらも最後まで楽しみ続けて、清々しくも意外な結末で締めくくった沢木氏は本当に旅の才がある人だなと思った。

    旅の形は様々で、楽しみ方も様々だけど、自分にとっての旅の本質は動くことのような気がする。旅人は基本的に通り過ぎるだけの存在だ。現地で構ってくれるのは老人と子供だけ。その土地のことを通り過ぎる短い間で理解することはできない。「わかるのは、わからないということだけ」。
    書きかけ

  • ラストが清々しい。

  • (1)を読み始めたときは28歳のとき。当時の沢木さんと同じぐらいの歳だったのに、気づけば30代になってしまった。
    初めて(1)を読んだときとは自分の立場や考え方が変わっているので、後半は今までのような旅をしたい!と突き動かされる衝動はないものの、物語を聞いているような、不思議な心地よさがあった。

    (3)ぐらいを読んだ29歳ぐらいのとき、「最初に読んだときより旅をしたい気持ちが薄れている!若いうちに早く読み終わらなくては!」と焦ったものだが、今となっては別の視点で読んでもその面白さは普遍だと思っとります。


    また面白いのは中東までかな〜と勝手に思ってたのですが、ヨーロッパに入っても相変わらずおもしろい。
    その理由は国柄や沢木さんの体験自体よりも、この本がエッセイとしての面白さを持っているからだろうと思う。

    永遠の青春小説。From youth to Death.
    10年前に出会っていたら、僕もフラフラインドとか行ってただろうなあ。

    しかしおっさんに近い歳になった自分としては、旅から帰ってきてどうやって現実(=日本)と向き合っていったのかがラストで読みたかった。

  • 前半のアジア辺りがとても面白かった。
    文章が読みやすいので他の作品も読んでみようと思う。

  • 旅をしたくなる本

  • 1994年(底本1986)年刊行。全6巻の最終巻。

     イタリアからスペイン、ポルトガル。そしてエピローグたるパリからロンドン行。
     寂寥感漂う描写は旅の終わりを強く感じさせる。一方、やはりインド周辺での熱さが極端であったこと、そこが旅の最高潮であったことを想起させる最終巻である。

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著者プロフィール

沢木 耕太郎(さわき こうたろう)
1947年東京生まれのノンフィクション作家、小説家。横浜国立大学経済学部卒業。大学卒業後、ルポライターとして活動、注目を集める。
浅沼稲次郎暗殺事件で刺殺された浅沼と、その犯人である少年を描いた『テロルの決算』で第10回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。以後、バックパッカーのバイブル『深夜特急』をはじめ、スポーツや旅などを題材にした多数のノンフィクション作品、小説などを発表。2000年に初めての書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し話題となる。
2003年これまでの作家活動で第51回菊池寛賞、2006年 『凍』で第28回講談社ノンフィクション賞、2013年 『キャパの十字架』で第17回司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞。

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