- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101235103
作品紹介・あらすじ
イタリアからスペインへ回ったは、ポルトガルの果ての岬・サグレスで、ようやく「旅の終り」の汐どきを掴まえた。そしてパリで数週間を過ごしたあと、ロンドンに向かい、日本への電報を打ちに中央郵便局へと出かけたが-。Being on the road-ひとつの旅の終りは、新しい旅の始まりなのかもしれない。旅を愛するすべての人々に贈る、旅のバイブル全6巻、ここに完結。
感想・レビュー・書評
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とうとう完読!
シリーズものをこんなに一気に読み終えたことはないと思うくらい、貪り読んだ。
若い頃、サンフランシスコに出張に行った際、行ってはいけないエリアにどこまで行けるか同僚と行って、6ブロックほど進んだら、ガタイのいい黒人のお兄さんに「ヘイ、ブラザー!」と声かけられ、尻尾巻いて逃げ帰ったことを思い出す。
翌朝、通訳さんに「あなた達はアメリカの怖さをわかっていないのよ!」ってしこたま怒られた…。
今では良い思い出です♪
あー、これはロスになるわ。オススメです! -
遂に読み終えてしまった。
巻末の井上陽水さんとの対談で、そんなに仲が良い作者は何者なのか、改めてもっと知りたくなった。
もう一冊、「旅する力」というのもあるそうなのだが、残念ながら最寄りの図書館には置いてないのだが、なんとかして読もうと決めた。 -
最終巻の本書を読み終えてしまった。
長い間気になりながらようやく読み始めた本書は、まるで自分が若い時に描いていた夢を代わりに叶えてもらっているようなワクワクとした高揚感にあふれていた。
にもかかわらず最終巻の本書では読み進む意欲が段々と希薄になっていくようだった。
そこには旅の終わりを寂しく思う気持ちもあるが、何よりも著者のこの旅に対する後ろ向きな思いが自分に入り込んでしまったからではないだろうか。
旅の始めには初めて出会う人と土地への興味で溢れかえっていた著者の気持ちがいつからか自分の内面に向かっていったことには気がついていた。
旅の終着地ロンドンにあっても、この旅の意味を捉えきれず「ワレ到着セズ」と苦悶するような著者の思いが伝わってくる。 -
旅はギリシアからイタリアへ
イタリアに入るもローマ行きの長距離バスはなく、市内バスを乗り継ぎローマに辿り着く
さらにモナコ、マルセーユへと一気に駆け抜ける
今までよりも、各地で滞在する時間が短くなっている
先立つものの不安なのか、終わりが迫っているのか?
そして、マルセーユではたと立ち止まる
ここから大西洋の方角へ一直線に進んでいけば、一日でパリに着いてしまう、そして、ロンドンは目と鼻の先、果たしてそれでいいのだろうかと
結局、主人公が選んだのは、イベリア半島の奥へ足を踏み入れることに。とりあえずスペインへ、さらにポルトガルのサグレス、ユーラシア大陸の果ての岬まで
「一艘、漁船が海に漂うように浮かんでいる。陽が傾き海が輝きはじめる。テージョ河の水はプラチナのように輝いていたが、サグレスの海は細かな金箔を敷き詰めたように黄金色に輝いていた。
ふと、私はここに来るために長い旅を続けてきたのではないだろうか、と思ったいくつもの偶然が私をここに連れてきてくれた。その偶然を神などという言葉で置き換える必要はない。それは、風であり、水であり、そう、バスなのだ。私は乗合いバスに揺られてここまで来た。乗合いバスがここまでつれてきてくれたのだ・・・。」
沢木さんの文章は、とても分かりやすく読みやすく、美しい
とうとう長い長い旅も終わってしまった
楽しかった。いろんな世界を、いろんなふれあいを見せてくれた
そして、最後の最後の文章に爆笑!
しかし、それはここにはあえて書かないでおこう
読んでのお楽しみということで・・・
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映像が目に浮かぶようで本当に面白かった。
ヨーロッパに入りトラブルがなくなったようだが、これは長旅によるトラブルの慣れもあると思う。
はじめて社会に出た学生のように、会社に行くまでの通勤路や近所でのランチ、覚えることだらけの業務にドキドキしていたけど、半年1年とたっていくうちに、ダレてしまうのと同じこと。
ただ国や人も当然同じことはありえないので、食文化や建造物などが違いとして目に入ってくるのだ。
旅そのものが人と会うことと一緒なので、精神的成長が大きかったのではないだろうか。いや、成長を目的にすることがナンセンス。思いのままに赴くことが、本来の人間の姿なのかもしれない。 -
再読。最終巻読了。ロックダウン中にこの本を読んだのですが、逆に旅への憧れが募り、これはこれで味なものがありました。コロナのせいで、もう何年かはこのように自由に旅ができなくなるのでしょうけれど。
第6巻はイタリア、フランス、スペイン、ポルトガル、イギリスへの旅。旅の最終章です。トルコを過ぎたあたりからは、寂しさを纏いつつ、旅を終わらせる場所探しにもなっています。出会う人たちも、アジア、ユーラシアとは違い、どこか都会的で、そんなところにも彼は一抹の寂しさを感じています。それでも、各地でちょっとイイ感じの人々と出会い、交流する姿は、これまでの長旅で成長した彼を感じさせてくれたりもします。
深夜特急を初めて読んだのは、20代の頃、会社の集合研修で長期間に渡って宿舎に缶詰めになっていた時でした。完全に逃避的傾向がありましたが、彼の旅に本当に魅了されました。結局、海外をバックパッカーとして周ることはできませんでしたが、当時は、日本で登山をしたりバイクツーリングを楽しみました。彼のような旅を追い求めていた部分もあったかもしれません。
私の世代の旅人のバイブルです! -
- 全六巻の最終章。どうやって終わるのだろうとワクワクしながら読んだ。最後の電報を送るのは郵便局にくる必要はなく、電話からできるんだよ、というあっけないエンディングが「そんなもんだよなー」と共感できてよかった。
- 途中フェリーで格安で横浜帰れる、みたいなくだりがあったんだけど。超魅力的な選択肢にも関わらず「まだここは終わりじゃない」と筆者はやはりロンドンを目指す。あれ俺ならあれをたまたま見つけた偶然に酔っちゃったりして帰るだろうなーw
- 個人的に文庫本は電車の中で読む習慣になっているからこそ、日常から世界中に旅できたこの体験は読書の力のすごいところだなと思う。
- この筆者が東京に、現実世界に帰って来て、どういうことを思うのかは読んでみたかった。「旅の老齢期を終えて、しいて言うなら新しく生まれ変わり、私と言う人間は何か変わったのだろうか。結局何が変わったのか分からない。」とか言うのかな。 -
シリーズ6冊目。香港からロンドンへ向かう旅はイタリア、スペイン、ポルトガルなどの南ヨーロッパから、ついにロンドンへ進む。
ポルトガルのサグレス、ユーラシア大陸の最果てでまさかまた「C」の「茶」に巡り合えるとは……!「C」より出でて「C」に到った旅に、こちらとしてもすごくスッキリとした気持ちで終わりを受け入れられた。
しかし、そこですんなり帰り支度をする著者ではなかった。句点を打って終わらせると思っていたので少し意外だったが、とても著者らしい終わり方だと思った。
最終巻までに「旅とは何か?」と色々な考えを巡らせてきたが、結局はカブールのホテルの若マネージャー・カマルが言っていたように、「旅は楽しむためにするもの」なのかもしれないという答えに至った。
楽しむといっても、著者の楽しみ方、カマルの楽しみ方、人それぞれの楽しみ方がある。しかし、他人の旅の楽しみ方は他人にはわからない。結果、やはり旅とは何なのか、読んだだけではわからないのだと思う。著者が外国に対して言ったように、「わかっているのは、わからないということだけ」なのだと心から思う。
本当に読んでいるだけでとてもおもしろい旅だった。なんだか怖いと思っていた東南アジアや中東にも興味が持てたし、毎日刺激的な追体験をさせてもらえた。本、読書のパワーをビシバシ感じるシリーズだった。著者に感謝!
サンフランのあの場所ですね?!笑
10年前ですが、私は方向音痴なのでなかなか目的地に着けず、娘と一緒に何度も何度もあのエリアに...
サンフランのあの場所ですね?!笑
10年前ですが、私は方向音痴なのでなかなか目的地に着けず、娘と一緒に何度も何度もあのエリアに入ってしまいましたよ
しかもスーツケースをガラガラ引いたまま
目つきの悪い男、転がっている注射針や酒の瓶。。。
あとで息子に「あそこだけは絶対ダメだって言ったでしょ!」ってこっ酷く叱られました
今でも怖い思い出です(>_<)
華やかな街並みのすぐ近くにそのようなエリアがあり、今思えば若気の至りだったと反省しております…
華やかな街並みのすぐ近くにそのようなエリアがあり、今思えば若気の至りだったと反省しております…