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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784101235141
感想・レビュー・書評
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主人公が殺人に至るまでの心理的な過程が描かれている。ノンフィクションで引き込まれる沢木さんの文体が好きで、初めてのフィクションでしたが、こちらも引き込まれるように読みました。
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沢木氏のノンフィクションはかなり読んできたけど、小説は初めて。
冒頭から未成年の主人公が殺人を犯したという過去の告白から始まる。
一体誰を?どんなふうに?…という筋を展開する形で物語は進んでいく。
銭湯で出会った奇妙な姿かたちの男との接触の中「この人を殺してしまうのだろうか」というハラハラした気持ちで読み進んだ。
若い主人公が心にいろいろな葛藤を抱えており、それは両親との関係性、家庭環境によるものであることは予想される。
そして二親の帰っていった場所というのはどこであったのか、含みをもたせたまま終わった。
父親がよく読んでいたという「水瓶を逆さにしたような文字の本」とはハングルのことではないだろうか。。。
あくまで私個人の推測。 -
2022.10.16
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「沢木耕太郎」の処女長編『血の味』を読みました。
「中学三年の冬、私は人を殺した。ナイフで胸を一突きしたのだ。」という衝撃的な文章で物語は幕を開けます。
なぜ殺人を犯したのか、誰を殺したのか… それが明示されないまま、物語は殺人が起きる二ヶ月前まで時代を一気に遡り、少年時代の回想が始まります。
-----story-------------
「中学三年の冬、私は人を殺した」
二十年後の「私」は、忌まわしい事件の動機を振り返る―熱中した走幅跳びもやめてしまい、退屈な受験勉強の日々。
不機嫌な教師、いきり立つ同級生、何も喋らずに本ばかり読んでいる父。
周囲の空虚さに耐えきれない私は、いつもポケットにナイフを忍ばせていた…。
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心理描写が繊細かつリアルで、ついつい感情移入してしまうところは、さすが沢木作品。
まるで自分が主人公になったかのような、そんな錯覚を感じながら、どんどん先を読みたくなる… そんな作品でした。
でも、ナイフが人に刺さるシーンの表現があまりにリアルで、、、
なんだか自分が人を刺したような気になってしまい… ちょっと気持ち悪くなりそうでしたね。
それだけ、入り込んでしまう作品でした。
こんなの久しぶりですね。
でも、読後が何かスッキリしない。
その理由は、なぜ殺人を犯したのか… という疑問が、自分の中で理解できていないからなんですよねぇ。
最後の最後に、訳のわからない場所に放り出されたような、、、
そんな感覚を抱いたままエンディングを迎えてしまいます。
母と妹が戻って行った、「あそこ」も謎のままだし、、、
答えのヒントは物語の中にあるような気がするのですが、私にはわかりませんでした。
気になって仕方ないので、現在、再読中です。 -
少年は誰を殺したのか
主人公の暴力衝動やオカマとの関係性が奇妙で面白い -
深夜特急面白かったな、と思って読んでみたが、やはりノンフィクションとは印象が違うか。
オカマ?の男をどこか軽蔑しながら甘えていただけのような主人公が好きになれなかったが、オカマもオカマで中学生の男の子に好意を寄せるって病んでいてなんだかなあ。そんな倫理を文学に求めるなら読むなって話ですねすみません -
この本は沢木作品をむさぼるように読んでいた昨年に読もうと思っていたが、殺人を犯す少年が主人公ということで、あえて読むのを避けていた。沢木耕太郎の数少ない小説の一つ。短編集の『あなたのいる場所』を除く長編としては、ボクシングをテーマにした『春に散る』、バカラをテーマにした『波の音が消えるまで』、そして処女作であるこの作品となる。深い作品だった。ある種、沢木耕太郎が内面に持ち続けていたものを小説という形で吐露しているのだと思う。解説者も書いていたが、ある意味私小説なのだろう。なかなか類をみない作品だと思う。
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中学3年生とは、何かもどかしく自我との葛藤を繰り返す時期なのだろう。なぜ死と直面しなくてはいけなかったのか。20年の歳月がその動機を蘇らせる。2019.11.2
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面白かった、という記憶はある……内容は忘れちゃった(>_<)
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文学
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どこかで読んだようなシーンが・・・・何かのパクリか?などと思いながら読んでいたら、何のことは無い、再読でした。もちろんダブル購入。
読んだのは3年前。それを忘れてたのですから、まあ内容(結構きつい)の割りに記憶に残らない作品なのでしょうね。確かに下に書いたように”しっかりした小説”なのですが。。。
テーマの扱い方など、重松さんに近いものがあります。でも何となくもう一つ抜けきれて無いようです。
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03-017〜2003/03/27〜☆☆☆
沢木耕太郎の「小説」です。
ボクサーのシーンなど、ノンフィクション作家らしいと言うか、どこかで読んだような逸話も出てきます。でもしっかりした小説です。少年の苛立ちが上手く描かれています。大きな謎を残したままで終わったところも良かったように思えます。
私にはこの人の作品には何かひきつけられるものがあります。文体が私に合うのでしょうか、読み始めると没頭してしまいます。
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ナイフのひやりとした重みをポケットに忍ばせておきたい気持ちが分かってしまうから、なんとも危ない小説だった。きっとあらゆる物事には、なにか決定的な原因があるわけではなくてそこにはただ日々降り積もっていく感情があるだけなのだろう。
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2016.7.15
気持ち悪いじいさん。無関心はあく。 -
著者の沢木耕太郎さんは、自身の旅を綴った「深夜特急」シリーズを書いた人。
その沢木さんが初めて書き下ろした長編小説ということで読んでみました。
ちゃんとした小説でした。
最後までどうなるのかわからない、そして結局不思議な要素を残したまま終わりました。
もう一冊、新田次郎賞をとっている作品もあるので、読んでみようと思います。 -
彼が見る夢は僕の夢にも大方通ずるものがあると感じた。人を殺してしまって、しかしバレないだろうと感じつつも不安になり、電車に飛び込む夢。
そして静かな父、人間味のある母。
父を亡くした6年前。病気だったが、どこかで自分が殺したのではと考えている。流れる血は親父と同じ血ではない。
ノンフィクション作家として一番と言っていいほど尊敬している沢木耕太郎さん。そしてこの小説には、自分と通底するものがあると感じる。この不思議な感覚はなんなのだろう。 -
なかなか迫力があった
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