旅する力―深夜特急ノート (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235189

作品紹介・あらすじ

旅とは何か、なぜ人は旅へと駆り立てられるのか?冒険と叙情に満ちた紀行文学であり、瑞々しい青春記でもある名作『深夜特急』の誕生前夜、若き著者には秘められた物語の数々があった…。幾多の読者からの絶えざる問いかけに初めて、そして誠実に応えた"旅"論の集大成、著者初の長篇エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 「深夜特急」を読んだのは86年か。。。
    多分出版されてすぐ読んだと思う。
    その頃はその旅が76年の話しとは思わなかった。
    著者の年齢とか見て逆算すれば判りそうなものだったのに。。。ネットとか無かったしなあ。
    この本に影響されて香港行ったり海外一人旅をしたりした。間違いなく自分の人生に影響を与えた本だった。
    その「深夜特急」の背景を書いたもの。
    読後35年経って、ああそうだったのかと。

    以下Amazonより--------
    旅とは何か、なぜ人は旅へと駆り立てられるのか?冒険と叙情に満ちた紀行文学であり、瑞々しい青春記でもある名作『深夜特急』の誕生前夜、若き著者には秘められた物語の数々があった…。幾多の読者からの絶えざる問いかけに初めて、そして誠実に応えた"旅"論の集大成、著者初の長篇エッセイ。

  • 他のレビュアーさんが「深夜特急最終便です」と書かれていましたが、まさにそのような内容です。

    これまでの紀行小説とは異なり、著者の沢木さんが旅をするようになったきっかけや裏話などが満載のエッセイになっています。

    ぜひ深夜特急を読み終えてからどうぞ!
    オススメです♪

  • あの「深夜特急」の原点となる、沢木耕太郎の国内での旅の数々。沢木の目から語られる旅の数々は深夜特急そのもの。深夜特急を見たあとにまたスピンオフ作品を読めたようでとても得した気分になりました。

  • 深夜特急内の旅の背景や後日談などが盛り込まれている。
    そのため、深夜特急読了後に読むとより興味深い。

    エッセイ内に、筆者が感じたことや所感を言語化したことばがとてもイイ。

  • 本来「深夜特急」読んでから読むべきなのでしょうが、たまたま手に入れてしまったので先に読んでしまいました。
    深夜特急読んでからの方が余計染みる感じだと思いますが、全く問題なく楽しめました。
    思わず大きく頷いてしまったのは、未経験も財産だという事でした。知っているという事はもちろん財産なのですが、初めて体験する時の感動は未体験でしかありえないですね。これは言われればなるほどと思うのですが、知っている方が偉いような気がしてしまうので、しっかり自分に言い聞かせて、これから体験できる喜びを喜んであげようと思うし、自分が知らない事を体験する時出来るだけまっさらな気持ちで体験しようと思います。

    さらに20代の時は20代でしか出来ない旅が有るという事。年を取ったなら取ったなりの旅もあるという事。旅の適齢期があるという言葉に目からうろこでした。
    確かに20代でさすらうような旅をしましたが、今同じことをしても周りの目もちがうし、絶対に同じ体験になる事は無いと確信が有ります。

    深夜特急読みたくなりました。

  • 本編は少し前に読み終えていて、今回積読からついに読む機会ができた。私も著者が旅に出た26歳ごろにこの作品に出会っていたら、一人旅の魅力にハマることができていたか?やっぱりムリだったか?DVDもあるそうなので、機会があったら観てみたい。

  • 紀行小説「深夜特急」シリーズの著者による<旅>論の集大成となる長篇エッセイ。

    自分も21歳の頃、一人バックパックを背負って鉄道で1ヶ月半かけて欧州を巡った。
    夜のピカデリーサーカスの喧騒、夕暮れ眩しく煌めくナポリ湾のさざ波、早朝到着したウィーン中央駅でかじかむ手で飲んだ熱いカプチーノ、独りグラスを手にしたマドリードのバー。
    本書を読みながら、まだ携帯電話もない時代の宿も決めず行き当たりばったりでやや無鉄砲だった貧乏旅行をなつかしむ。

    その後何度か海外に行く機会に恵まれたが、それらは“旅行”であって“旅”ではなかったように思う。
    まさに旅は「途上にあること」であって、<旅>論を通して若く途上にあった日に“旅”した人のノスタルジアを掻き立てる一冊。

    • kiyotchanさん
      なるほど。「旅」は「旅行」とは違うのですね。決まった目的地はなく、プロセス自体を楽しむのが「旅」だと理解しました。
      なるほど。「旅」は「旅行」とは違うのですね。決まった目的地はなく、プロセス自体を楽しむのが「旅」だと理解しました。
      2016/05/15
  • 久しぶりにまとめて休みが取れて、ボルネオの海に行くこととなった。機上で読んでみた。

    著者の「深夜特急」はあまりにも有名ですが、正直バックパックの旅にはあまり興味がなかったのでこれまで読んでいませんでした。この作品は、「深夜特急」がうまれることとなったのか、背景や動機などを中心にまとめられています。面白い!

    行こうと思えば、それほど苦労をすることなく世界中のどこにでも行ける世の中です。

    ・「どこへ行く」ということよりも、行って「どう感じたか」が重要

    ・旅を面白くする年齢がある訳についても触れられていて、ある程度経験をつんでいて、なおかつ知りすぎてもいない年齢が旬だという。なるほど。
    その年齢でしかできない旅がある。

    ・旅は自分の身の丈を示してくれる。困難やトラブルに対応する力が試される。まさにアドベンチャーですね。このへんはやっぱり一人旅でないと味わえないでしょう。

    最近自分も意図的に一人旅を好むようになってきたのですが、このようなことを魅力に感じてきていたからかもしれません。

    旅はやっぱりいい!本物に触れられる。

  • 70も過ぎる義祖母は、旅が大好き。
    そんな彼女が、同じく旅を愛する私に言った言葉は、『あのとき、旅に使ったお金が、旅をしなかったからといって、今ここにそのお金が残るわけじゃない。』
    旅の適齢期にあった旅を惜しむことなくしておくべきだと。
    70過ぎてから行けるところには限りがあると言っていた。
    また、この本の中で沢木耕太郎は、旅の適齢期は、ズバリ26歳だと言っている。


    ーーーーーー
    つまり、あの当時の私には、未経験という財産つきの若さがあったということなのだろう。もちろん経験は大きな財産だが、未経験もとても重要な財産なのだ。本来、未経験は負の要素だが、旅においては大きな財産になり得る。なぜなら、未経験ということ、経験していないということは、新しいことに遭遇して興奮し、感動できるということであるからだ。
    もしそうだとするなら、旅をするには幼ければ幼いほどいいということにならないか、という疑問が湧いてくるかもしれない。しかし、それはそうならない。極めて逆説的な言い方になるが、未経験者が新たな経験をしてそれに感動することができるためには、あるていどの経験が必要なのだ。経験と未経験とがどのようにバランスされていればいいのか。それは『旅の適齢期』ということに関わってくるのかもしれない。
    ーーーーーーー

    旅の適齢期を過ぎた私の、これからの旅は、一泊300円のシーツに包まり、安いビールをたらふく飲むことではないことは確かだ。
    うーむ、考えさせられた。
    2012年始めに読んで良かった旅の力。

  • 深夜特急を読んだのは随分と前の学生の時で内容はあまり覚えていない、こんな旅は自分には出来そうにもないなと思ったことくらい それからいくつもの旅に出て、海外生活も送って、旅とはなんなのだろうと思うこともあり、本書を読んでみた いくつか心に残るフレーズがある 

    タイの駐在員の言葉である、「外国というのはわからないですね(略ほんとうにわかっているのは、わからないということだけかもしれないな。(略でも中途半端に知っていると、それにとらわれてとんでもない結論を出してしまいかねないんだ。どんなに長くその国にいても、自分にはよくわからないと思っている人の方が結局は誤らない」というところと

    ラストでの「私が旅という学校で学んだことがあるとすれば、それは自分の無力さを自覚するようになったということだったかもしれない。」

    これらは自分も海外にいると感じることだ。

    久々に深夜特急を紐解きたい気分になったが、もっと若いうちにこういう旅をしていればと今度は悔しがるのかもしれない。

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著者プロフィール

1947年東京生まれ。横浜国立大学卒業。73年『若き実力者たち』で、ルポライターとしてデビュー。79年『テロルの決算』で「大宅壮一ノンフィクション賞」、82年『一瞬の夏』で「新田次郎文学賞」、85年『バーボン・ストリート』で「講談社エッセイ賞」を受賞する。86年から刊行する『深夜特急』3部作では、93年に「JTB紀行文学賞」を受賞する。2000年、初の書き下ろし長編小説『血の味』を刊行し、06年『凍』で「講談社ノンフィクション賞」、14年『キャパの十字架』で「司馬遼太郎賞」、23年『天路の旅人』で「読売文学賞」を受賞する。

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