深夜特急1 ー 香港・マカオ〈文字拡大増補新版〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101235288

作品紹介・あらすじ

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行ってみたい──。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪の旅が今、幕を開けた。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!

感想・レビュー・書評

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  • 沢木耕太郎『深夜特急1 香港・マカオ』新潮文庫。

    文字拡大増補新版として月に2巻ずつ新たに刊行ということで、再読してみることにした。本作は、沢木耕太郎の名を世に知らしめた作品であり、刊行当時は『若者たちのバイブル』と呼ばれたことを記憶している。また、当時の若い自分に旅をさせる切っ掛けを作ってくれた作品でもある。

    再読してみると、若い時こそ無理をしてでも旅をすべきだと、あらためて思った。日本を飛び出して世界へというのが難しいなら、国内を最低でも1ヶ月くらい旅するのが良い。なるべく節約して、目的や計画も最低限にして、あてどもなく彷徨えば、自分の中の何かが変わっていることに気付くことだろう。

    田舎者の自分には東京でも充分に異国のような喧騒を感じるが、中国やタイには東京とはまた違う質の奇妙な強いエネルギーを感じる。国土の広さや人口規模、風土や文化の違いというだけではなく、人間の逞しさや熱量が日本人とは全く違うように思う。

    この第1巻では、アパートの部屋を整理し、引出しの中の小銭までかき集めて1,500ドルのトラベラーズ・チェックと400ドルの現金を作った著者がインドのデリーからロンドンまで乗り合いバスで移動することを主題に旅に出る場面が描かれる。しかし、著者が東京ーデリー間の航空券をストップ・オーバーで東京ー香港ーバンコクーデリーに変更したのが運の尽き。最初に立ち寄った香港でアジアの喧騒と熱狂に魅了されてしまう。そして、傑作小説『波の音が消えるまで』に描かれていたマカオのカジノでギャンブルにハマる……

    巻末に山口文憲と沢木耕太郎の対談『出発の年齢』と『あの旅をめぐるエッセイI 』を収録。

    本体価格550円
    ★★★★★

    • moboyokohamaかわぞえさん
      私もこの作品には魅了されました。
      言い尽くされていますが、若さゆえできる事があるという事がそのまま語られていると感動します。
       著者は時とし...
      私もこの作品には魅了されました。
      言い尽くされていますが、若さゆえできる事があるという事がそのまま語られていると感動します。
       著者は時として旅先で現地の人を疑ってしまうが、実はそれは著者の誤解で彼らは純粋な気持ちで著者に近付き興味を持ち、時として著者より貧しいにもかかわらずおごってくれたりしたのだと知った時、本当に貧しいのは自分なのではないかと自己嫌悪に陥る事が度々ありますよね。
      人間の価値、心の価値につき貴重な気付きだと思いました。
      2020/06/27
    • ことぶきジローさん
      歳を取って、若い頃にしか出来なかった事をやり遂げて良かったとあらためて思いました。若い時の旅と歳を取ってからの旅は違いますね。
      歳を取って、若い頃にしか出来なかった事をやり遂げて良かったとあらためて思いました。若い時の旅と歳を取ってからの旅は違いますね。
      2020/06/27
    • moboyokohamaかわぞえさん
      うらやましいです。
      私はもっと思い切りやっておけばよかったと後悔しきりです。
      うらやましいです。
      私はもっと思い切りやっておけばよかったと後悔しきりです。
      2020/06/28
  • 騒動の渦中にある香港やマカオは今はこの本にあるような体験はできないだろうな。

    むかし読んだような気になっていた「深夜特急」を読み直してみた。
    ツアー旅行ではない生の現地を味わえる旅の醍醐味を教えてくれる。

  • 〈私〉は仕事を投げだし、26際でインドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスを使って旅をする試みにでた。
    本作は香港・マカオを旅する。
    ノンフィクショントラベルストーリー。

    英語が少し話せるだけで、英語圏でない所を旅することができる。
    これは、地球語=英語を意味するような気がします。
    今すぐにでも英語を勉強しなければと思いました。
    というのも、わたしはまだ海外に行ったことがなく、日々生活する中で、今のままでは何も変わらない、一度日本から出て他国の価値観と遭遇する必要があると思っていたからです。

    そんな矢先にコロナが世界に広まってしまったのですが…

    でも、本書を読むと、例えコロナが流行らなくても、きっとわたしには海外に行く度胸なんてないんだと思いました。

    予想不可能のできごとを楽しめる余裕は持ち合わせていません。

    しかし、巻末の山口文憲さんと著者である沢木耕太郎さんの対談を読んで、やはり行かねばならないと思いました!

    ただお2人は26歳を推奨しており、それを思うとわたしは大分遅れをとっていて、やや凹みますが、今の生活を捨ててドロップアウトする度胸があるかと訊かれたら、そんなものはなく、悶々としています。

    まずはコロナが収まったら、長期滞在ではなく、観光を目的としてどこかへ行けたら…そう思いました。
    良くも悪くも人生は一度きり。
    明日死んでも悔いはないと思えるくらい、燃焼して生きていきたいです。
    *
    ♡こころの付箋♡
    P256日本文化には共同体への参加の仕方、出方、そういうとこで過保護なところがありますからね。背丈を測らないで済むようなシステムに取り囲まれている。
    異なる国の人や文化と対応する訓練という点で、日本人には経験が乏しいんだろうな。

  • 本当に赴いているような熱気が感じられる。
    香港行ってみたくなった!

  • 「ミッドナイト・エクスプレスとは、トルコの刑務所に入れられた外国人受刑者たちの隠語である。脱獄することを、ミッドナイト・エクスプレスに乗る、と言ったのだ。」の一節で始まる。
    1巻では香港、マカオでの紀行である。香港の雑踏であるが勢いのある雰囲気、マカオでの大小への熱狂ぶりに読み入ってしまう。

    【ピックアップした一節】
    なるほど、と私は思った。ここは、やはり、並の旅館ではなかったのだ。連れ込み宿か、それに似た役割の旅館なのだ。だから、必要以上にロビーが暗いのだ。だから、ひとりかと訊いたのだ。なるほど、なるほど・・・・。

    泊まるところなんて、現地で決めればいい。必要以上に下調べをして、その調べた情報を確認する旅行なんて、なんて無味乾燥なのだろう。

  • 面白くて読み進めていたけど最後もいい意味で裏切られたというかさすがというか、自分も旅に出たくなる一冊。沢木氏が旅していた時代を旅してみたかったなぁって思う。

  • 文字拡大版が出たこともあり、また、読み終わったら子どもたちにも読んでほしいなって思って再読しました。マカオの大小のところは、やっぱり最高だなぁ。読む時期によって受ける印象は当然違ってくる本ですね。6巻まで、行きます!

  • 不朽の名作に手を出してしまった。思わず納得の作品。まだ続きがある喜び。

  • 予想以上に面白かった。特に旅が好きな自分にとっては。こんな感じで1人旅行するのはなんとなく憧れだったりもする。

  • バックパッカーのバイブル的なシリーズ本。
    人のパワーがすごいインドみたいなエネルギーがある香港。
    香港ってこんな街だったのか!
    めちゃくちゃ行ってみたくなった。

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著者プロフィール

さわきこうたろう
作家。
1947年、東京都生まれ。横浜国立大学卒業。79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、93年『深夜特急第三便』でJTB紀行文学大賞、2003年それまでの作家活動に対して菊池寛賞、06年 『凍』で講談社ノンフィクション賞を受賞。近著に、短編小説集『あなたがいる場所』、エッセイ集『ポーカー・フェース』、児童書『月の少年』、絵本『わるいことがしたい!』などがある。

「2013年 『いろは いろいろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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