暗殺者ロレンザッチョ (新潮文庫 ふ 20-10)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101236209

感想・レビュー・書評

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  • 物語はフィレンツェ大公アレッサンドロ・デ・メディチを暗殺したロレンツィーノ・デ・メディチがフランス王フランソワ1世のもとに庇護され、そこで過去の暗殺事件について語るという形で進む。

    私が西洋史に興味を持つきっかけとなったのが、このフィレンツェ大公暗殺事件。そんなこともあり、手放せないまま今に至るこの本を十数年ぶりに再読。

    何者かになりたかったロレンツィーノの心の闇が切々と綴られる。
    ただ、今改めて読むと独りよがりの稚拙な動機にも思える。生まれた家や環境など、どうにもならない事情もあるけれど、繊細すぎる彼に共感しにくい。

    同じくロレンツィーノが登場する作品としては、塩野七生さんの『銀色のフィレンツェ』のほうが好みかな。
    それでも、宮廷で繰り広げられる皇太子妃と愛妾たちの権謀術数の描写はさすが。

  • メディチ家のロレンツィーノのお話
    彼がアレッサンドロを殺したあと、フランス宮殿に隠れている時に、回想録として暗殺のお話がでてくる
    暗殺の話自体はいいんだけど、宮殿の登場人物と人間関係と血縁関係が複雑で、前半は混乱した

  • どのご婦人も素敵。
    自分ではどうにもならない劣等感が描かれていて、つい感情移入。

  • 主人公のお兄ちゃんはとても情けないけれど恰好良い。物語の終わり方も素敵。

  • 図書館の本

    内容(「BOOK」データベースより)
    16世紀ヨーロッパを震撼させたフィレンツェ大公暗殺事件―刺客の手を逃れてフランス宮廷に身を隠した暗殺者ロレンザッチョは、王太子妃カトリーヌ・ドゥ・メディシスの求めに応じて、自らの過去を語り始めた。名門に生まれ、将来を嘱望されて育ち、成功を疑わなかった美貌の青年貴族は、いかにして挫折し殺人者になったのか。英雄になりたかった青年の絶望と、心の叫びを綴る。

    「鑑定医シャルル」がよかったんだよね、この作家さん。ほかの作品も読んでみようかしら?と思って借りてきたんです。
    ごめんなさい、良くも悪くも「フランス的」な物語でした。
    だめなの、わからないの、フランスもの。。。。
    ちゃんと絢爛豪華に、そして描写もしっかりしているんだけど、どうもだめです、フランス物。
    藤本さん自体フランスを題材にして書かれている作品が多いのであればわからない作品がおおいのかしら?とネガティヴ反応でした。

  •  16世紀、フィレンッチェの大公を暗殺した青年の独白。ても、逃亡してきたフランス宮廷の愛憎劇に巻き込まれ、その中での独白なんだけど。独白に至る王妃や愛人などのかけひきは、藤本ひとみ節炸裂って感じだ。
     生まれや時代にせいで、自分の才能とかそういうものとは全く関係ない部分で、自分を無価値に貶めている社会に対する復讐っていうのは、わかるような気がするけど、小物だねっても思う。うん、チェーザレ・ボルジア読んだ後じゃなきゃ、もうちょっとロマンを感じたかもしれないけど、タイミングが悪かった。
     とはいえ、藤本ひとみは面白いよな。

  • 「自分に自信があり、思い描いた人生を送るだけの資格があると確信している人間だけが、実現不可能となった野心を活力として、自己の運命を拒絶し、自分を抑圧した社会に対して攻撃を開始するのです。<中略>それは、非常に犯罪に似た形をとります。たとえば殺人」

    って、そんな涼しげな顔(イメージ)で言われても。
    歴史的な事件や背景は、小指の爪ほどしかわかりませんでしたが、とにもかくにも、(当時の)フランス王室には、いくらお金を積まれても嫁ぎたくないと思いました。

  • フランス王政時代、イタリアからの亡命者・ロレンザッチョの生涯を聞く不幸な境遇の王妃、と言うのがコンセプト。フランス王室の愛人事情など、ドロドロとした宮廷恋愛や政治など、絡み合っていて、読み進んでいくほどに面白くなっていきました。

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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