サマータイム (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 296
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101237329

作品紹介・あらすじ

佳奈が十二で、ぼくが十一だった夏。どしゃ降りの雨のプール、じたばたもがくような、不思議な泳ぎをする彼に、ぼくは出会った。左腕と父親を失った代わりに、大人びた雰囲気を身につけた彼。そして、ぼくと佳奈。たがいに感電する、不思議な図形。友情じゃなく、もっと特別ななにか。ひりひりして、でも眩しい、あの夏。他者という世界を、素手で発見する一瞬のきらめき。鮮烈なデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 11歳のぼくと12歳の佳奈の姉弟。

    姉の佳奈の真っ赤なサンドレス。

    どしゃぶりの雨のプール。

    左腕を失った13歳の同じ団地の少年、広一。

    佳奈の作った夏の小さな海のようなしょっぱい味の、ミント・ゼリーとリキュール・ゼリー。

    広一が弾くピアノのメロディー。「サマータイム」

    佳奈と広一の自転車の特訓。

    駆け足で過ぎた秋。

    こわされた自転車。

    引っ越してしまった年上の友だち。

    そして17歳、4年後の再会。



    まるで夏をうたう、一編の詩のような情景がさーっと駆け抜けていきました。
    夏だけど爽やかな風のような作品でした。

    姉妹編で「五月の道しるべ」「九月の雨」「ホワイト・ピアノ」収録。
    どの作品もとても素敵でした。
    「九月の雨」はずっとピアノが流れているようなかんじで、「ホワイト・ピアノ」もピアノのお話だったので、愛着がわきました。

  • 佐藤 多佳子さん、初めての本でした。ふわふわ、きらきらした文章で、全体的にキレイな印象。中身、よく分からずに読み始めたので、ストーリーが異なる短編が入ってるのかと思ったら、つながってたんですね。

    初めの物語に出てきた人物、それぞれが別々の年代の話しをしつつ、初めの話につながっていくという、手法としてはよくある形のものです。

    でも、なんというか、表現の仕方が難しいのですが、キラキラしてる感じがするんですね。タイトルになっている『サマータイム』は文字通りなんですが、ほんと、子供の頃の一夏の思い出って感じ。

    言葉の使い方なのかもしれないです。
    ー 蛍光灯がぼやぼや光る夜の自転車置き場…
    ー 急にほのぼのとおかしくなった。
    ー それでも、俺はシャクゼンとしなかった。
    カギかっこの中では無いところで、登場人物が考えていることを、まるで誰かとしゃべっているように書かれているのにも、引き込まれていきます。

    爽やかで、キレイなお話しでした。

  • 佐藤氏は本屋大賞をとった「一瞬の風になれ」や「黄色い目の魚」、「しゃべれども しゃべれども」等 とてもいい作品があります。
    この「サマータイム」は佐藤氏のデビュー作です。
    4篇からなっていますが、それぞれのキャラクターがしっかりと自分を持っています。
    子供から大人まで面白く読める本です。
    大切にしたい一冊です。

  • いやはや、参った。僕の好きな書評家の幾人かが高く評価している作家なのでいつか読もうと思っていたが、本当にすごい。最後の森絵都の解説が全て語っているように、切なさも美しい心の描写と1つ1つがキラキラした文章はこちらの心を揺さぶって仕方ない。終盤、主人公の1人がバレンタインに書いたメッセージ。あんなのもらったら誰だって「死ぬほど喜」ぶに違いない。

  • 夏、春、秋、冬…
    色んな表情を持っている、季節、モノ、匂い、空気。

    その一つ一つが、柔らかに思い出される。

    サマータイム
    夏の日の、ゼリーでできた海。

    あの頃に戻ってみたい。

  • 鮮烈なデビュー作「サマータイム」を含む、四編からなる連作短編集。広一くんと、ぼくと
    姉の佳奈が織りなす物語。きらきらして、甘酸っぱくて…胸がぎゅっとしめつけられる。
    脳内BGMはもちろんサマータイム♪彼等にはちょっと大人っぽすぎる気もしますけどね。

  • この本が好きな人と結婚したい

  • 柔らかくて、つかみどころのない文体が良かった。

    子供の頃の夏の思い出ってなんで大人になってからあんなに輝かしく最高の時間だったと感じるのだろうか?

    夏が、待ち遠しい。

  • 二番目のお話が一番好きでした。
    佳奈ちゃんがかわいいなぁ。
    読み終わった後、頭の中に濃い桃色のドレスを着て、つつじの花冠を被った佳奈ちゃんが「五月のつつじ姫のカーナよ」と胸を張っている姿が浮かびました。
    この季節に読むことが出来てよかった。

  • 大好きな作家さんの作品です。この作品は小学校の頃?中学?のころに宿題の題材として知りました。ボールいっぱいのゼリーを思い描いて夏を過ごしたことを思い出します。お子さんでも読みやすい作品だと思います。せひ夏休みに延世欲しい作品です。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で吉川英治文学新人賞、『聖夜』で小学館児童出版文化賞、『明るい夜に出かけて』で山本周五郎賞を受賞。そのほかの作品に『しゃべれども しゃべれども』『神様のくれた指』『黄色い目の魚』『第二音楽室』などがある。

「2018年 『シロガラス5 青い目のふたご 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤多佳子の作品

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