神様がくれた指 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 187
  • Amazon.co.jp ・本 (647ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101237336

感想・レビュー・書評

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  • スリの一家に養われて育った、マッキーこと辻牧夫が出所してきたところからこの物語は始まります。
    辻は出所当日、少年少女のスリグループに全治1か月の肩の怪我を負わされてしまいます。

    マルチェラという、女装をする占い師の昼間薫と知り合い、三沢医院を紹介してもらい、昼間の家に同居を始めます。そして借金で困っている昼間のためにまたスリを働きます。
    同居以外、一見、何の接点もなさそうな、辻と昼間の生活がハルこと竹内春輝というやはりスリの父親を持つ少年の登場により、繋がっていきます。

    同じスリでも、辻には心があり、幼馴染の女性、早田咲に命を懸けられるほど想われています。
    一方ハルは少年たちを集めてスリをやっていますが、誰のことも信頼していません。
    そして、自分を怪我させた相手グループのハルをみつけだした辻は逆にハルに捕らえられ、咲を人質にとられます。
    そして、辻はハルから逃れるために、ハルに一緒に組んでスリの仕事をしてハルの逃走資金の工面をするという取引を提案します。
    辻とハルの二人の仕事ぶりは実に見事に描かれ、犯罪でありながら仕事をしている辻の気持ちの高ぶりがよくわかり、読んでいる方もスリルがあります。


    サマータイムというキラキラした詩情あふれる、ひと夏の物語を書かれた作者の佐藤多佳子さんが、こんな見事なエンタメ作品を描かれるとは思ってもみませんでした。

  • 先の読めない展開、魅惑なキャラたちの活躍でページを捲るのがもどかしかった。

  • 電車内ですりをする辻は出所した日に、少年少女のスリ集団に遭遇し利き手にけがをする。ケガをした辻を助けてくれた昼間という占い師の青年。辻と昼間と、犯人たちとというお話。中盤から話が長すぎて中だるみした後に、一気に結末で畳んだという印象。もう少し短ければ不用意に引き延ばした感じも受けなかったし、結末ご都合主義には感じなかったと思う。

  • 不安定な繋がりを持った人たちが、不安定な生き方を自分なりの意地で生きようとする少し危うい物語。
    こういう危うい人たちの暴力を伴う場面はどうしても好きになれません。

  • 指がする仕事。それも特別な仕事をする二人が出会ったことで始まる新しい流れ。どうしようもない淀みはチラホラ残るけれど、彼らの未来が少し明るくなった気がする。

    外出する時は貴重品に気をつけよう。

  • タイトルは
    「神様がくれた指」。

    キレイに響く言葉だけど、
    その指は
    「スリ」
    に使うための指だった。。。

    なんて、物語の最初っから「スリ」やら、
    ギャンブルにハマって借金をしてしまう占い師やら、
    大丈夫かな、と思える面々が物語を飾る。

    でも、スリとしてのプライドや、
    大事な人への愛情、
    占い師としての人への接し方、、、
    などなど、心が見えれば見えるほど
    「危ない」
    と思っても引き込まれていく。

    結局最後に心に残るのは
    「大事な人を助けたい」
    という想い。

    ハラハラドキドキも多いから、
    暑い夏、怖い話の代わりに
    読むのがオススメです。

  • 天才的な腕を持つ一匹狼のスリ、マッキーこと辻牧夫。

    神秘的な占い師だけど、ギャンブルがやめられない、マルチェラこと昼間薫。


    辻が刑務所から出所した日に、利き腕を負傷させられ、それを昼間が助けた所から物語は始まる。



    佐藤多佳子さんの本の登場人物は、とても魅力的。

    スリという犯罪者なのに、どこか人好きのするマッキーの笑顔。
    文章だけで、見ることも出来ないのに、完全に私も好きになってる。

    途中から、マッキーのスリを応援している自分に気付き、ちょっとした後ろめたさを感じたり…。


    でも、満員電車とかで、お財布の位置とかを気を付けるようになります(笑)





    リズムに乗ったら止まらなくて、一気に読み終わりました。

    面白かった。

  • ギャンブル好きの金なし占い師、才能のあるスリ、この出会いから物語は始まる/ 想像していた内容とだいぶん違った/ 逆転を賭けてコンビを組んで仕事をするような話かと思った/ 後半のいざこざが少し荒唐無稽でもったいない/ 話も落ちたんだか落ちていないんだか微妙/ 前半は読ませる/ 咲との関係性ももっと盛り込んだ方がバランスがよい/ ちょっと設定がもったいないかな/ 

  • 【あなたが私にくれたもの―】
    主人公の辻がやっていることは犯罪なのに、何か文体から雰囲気はふわふわしているようで、かと思ったらスリリングなことになっていき―。
    とにかく、目が離せない。
    マルチェラの海外編なんかも読んでみたいけど、でもあえて秘密にしておいて欲しい気もする。
    年齢は違うけれど、辻は高良健吾をイメージして読んだ。坊主も、ニヒルな笑みも、コーヒーを淹れる様子も似合ってそう。
    ほんわかして、ハラハラして、悲しい気持ちになって、気づいたら暖まる。そんな本。

  • 2019.5.30
    終盤からの盛り上がりがよかった!
    主人公の人柄が周りの人からの印象で徐々に分かってきて、すごく好きになってしまった。
    不思議でした。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で吉川英治文学新人賞、『聖夜』で小学館児童出版文化賞、『明るい夜に出かけて』で山本周五郎賞を受賞。そのほかの作品に『しゃべれども しゃべれども』『神様のくれた指』『黄色い目の魚』『第二音楽室』などがある。

「2018年 『シロガラス5 青い目のふたご 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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