- Amazon.co.jp ・本 (647ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101237336
感想・レビュー・書評
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話が盛り上がることなく、終盤まで続く。
ページ数も多く、読むのになかなか骨が折れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
マッキーの、他人の優しさや思慕に素直に反応せず、人に気を遣われること全般が嫌で、おれのことなんかほっといてくれ感を醸し出す性格が、逆に人を寄せ付ける魅力であるということに本人が一番気付いていない。本人がそっけなくすればするほど、周りに興味を持たれ、好意を持たれる人柄である。
また、うまいコーヒーを淹れたり、料理が得意であるという、スリ職人特有の手先の器用さからくる意外な一面も、これまた好感を持たれてしまう。
占い師・マルチェラの方は、容姿が女性で夜行性、でも性は男で、姓が昼間っていうアンバランスさが良い。
もし、昼間が咲に嫉妬して、禁断の三角関係になっていれば、全然違う展開になっていたかも…と気持ち悪い想像はしたくない。
昼間とマッキーと少女永井の追いかけっこが徐々にデッドヒートしていく場面や、カズがBMWで爆走する場面は、どきどきしながら読めてよろしい。こちらが静と動の「動」ならば、マッキーと竹内春輝が組んでスリを働いているときの「静」のどきどき感も、これまたよろしい。
相変わらず一気読みする時間と読む気力がマッチせず、少しずつの読書やったけど、今どこまで読んでいて、前の話の続きはどんなんやっけ?とならないストーリー展開が優しかった。
登場人物の誰も彼もが寂しいんやな。いつもそばに誰かが居てほしい奴らばっかり。
どこで何してるんか分からん竹内春輝にも、友達できたかな?
2017年06月04日 -
スリと占い師の奇妙な友情。
それぞれの生い立ちなどが描かれ、欠陥はあるが、憎めない主人公。
主人公の周辺の人物たちも生き生きと描かれていました。
また、少し特殊な仕事ですが、プロとしてのこだわりも本作の魅力に感じました。
後半は、スリリングで一気に読んでしまいました。 -
スリと占い師が主役の物語。
出所してきたばかりの主人公スリのマッキーは、いきなり電車で少年スリ団に身内が被害にあう。
そのスリ団の一人を追いかけ問い詰めようとするところから物語は進んでいく。
そのスリにマッキーはのされ、そこをもう一人の主人公の占い師 昼間に助けられ おかしな同居生活が始まる。
被害にあったスリ仲間の為に必要に少年スリ団を探していき、ついに対決となるが最後まで不利に不利に。
最後は警察に助けられるような感じで、なんかしっくり来ないのでこの評価。
新刊として出た当時にこのミスでランクインし 読みたいと思っていて少し前にこの文庫を手に入れたんだが、この題名と女性作家さんということもありなんか文学ぽく勝手に思っていて、なかなか読む気にならずにいた。
読んでみるとサクサク読みやすく、文学とは反対のコミカルな語り口でスイスイ読んでしまった。 -
助けたスリ師と占い師の奇妙な居候生活、いったいこの二人はどこで物語として重なるのかというほど離れた暮らしをしているのだけど、重なり合ってからは怒涛の展開です。竹内春樹はどこ行ったか知りたかったな。そしてスリ師の辻が真人間になるとも思えない、爽やかなんだけどどこか不穏なものが残る、スリという犯罪がテーマの物語。
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ギャンブル好きの金なし占い師、才能のあるスリ、この出会いから物語は始まる/ 想像していた内容とだいぶん違った/ 逆転を賭けてコンビを組んで仕事をするような話かと思った/ 後半のいざこざが少し荒唐無稽でもったいない/ 話も落ちたんだか落ちていないんだか微妙/ 前半は読ませる/ 咲との関係性ももっと盛り込んだ方がバランスがよい/ ちょっと設定がもったいないかな/
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【あなたが私にくれたもの―】
主人公の辻がやっていることは犯罪なのに、何か文体から雰囲気はふわふわしているようで、かと思ったらスリリングなことになっていき―。
とにかく、目が離せない。
マルチェラの海外編なんかも読んでみたいけど、でもあえて秘密にしておいて欲しい気もする。
年齢は違うけれど、辻は高良健吾をイメージして読んだ。坊主も、ニヒルな笑みも、コーヒーを淹れる様子も似合ってそう。
ほんわかして、ハラハラして、悲しい気持ちになって、気づいたら暖まる。そんな本。 -
2019.5.30
終盤からの盛り上がりがよかった!
主人公の人柄が周りの人からの印象で徐々に分かってきて、すごく好きになってしまった。
不思議でした。