ごきげんな裏階段 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.26
  • (11)
  • (42)
  • (84)
  • (21)
  • (1)
本棚登録 : 418
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101237350

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ブクログ仲間さんの魅力的なレビューを目にした途端に
    もう、読まずにいられなくなってしまった本です。

    読み始めてすぐ、第1話の主人公、学とくるみ兄妹の年代まで
    脳内だけは〇十年も一気に若返ってウキウキしてしまう、お得な体質の私♪

    わかるなあ。この、じめじめして薄暗くて、なんだか背筋がぞわっとするのに
    すみずみまで探検してみたくなっちゃう、裏階段。

    裏階段からにょきにょき生えたタマネギをあくあく食べてタマネギねこになり、
    (でも、ほんとうは、猫にタマネギとチョコレートはあげてはいけないのだけれど)
    洗うたびにどんどん縮んで白アリの赤ちゃんくらいになってしまう、猫のノラがかわいい♪
    学くんじゃないけど、耳の穴に入れて、猫らしいわがままな発言を
    「はいはい♪」と、ずっと聞いてあげたくなります。

    2話めに登場するのは、武蔵の二刀流よろしく、背中に2本の笛を背負い
    ドクダミの笛で不運のメロディを奏で、ヒマワリの笛で幸運のメロディを奏でるクモ。
    どうせ『モンシロチョウの初恋』みたいのが聴きたいんだろ、なんて言いながら
    『2007年、ゴキブリの悲劇』などという不吉な曲を聴かせたがる
    人の悪い(クモの悪い?)性格の、このクモが傑作。

    3話めの煙を食べる煙男モクーは、現代の分煙社会に悩む愛煙家にはまさに福音。
    喉から手が出るほど手に入れたい存在なのだろうなと思ったら
    煙草好きのお客が集まるお店では、かえって敬遠されてしまったりして。

    こどもの頃の、楽しくてちょっぴり怖くて秘密の匂いのする
    ワクワクドキドキのエッセンスがぎゅっと詰まった、ごきげんな本です♪

  • □漫画を読むのは人より遅い
    □小説を読むのは人より速い
    □夢見がちな子供だった
    □動物と話したかった
    □児童書が好きだ

    3つ以上あてはまれば読んでください。

    10歳くらいまで、漫画を読ませてもらえませんでした。
    TVゲームももちろんダメ。テレビ番組もNHKか子供向けの教育番組、衛星放送やアニメ、バラエティも罪のないものしか見てはいけませんでした。

    21歳の若さで親になった母。見た目は流行りのファッションに身を包んだオネエチャンでしたが、子供の教育には熱心だったのかなぁ。塾やお稽古に忙しい小学校時代でした。その割におぽんちに育ってしまいましたが…笑

    一番の楽しみは本を読むことで、ご褒美もお誕生日プレゼントもほとんど毎回、児童書をリクエストしていたものです。
    プロイスラー、エンデ、ダール、ケストナー、佐藤さとるや福永令三…他にもたくさん好きな作家さんがいます。

    この作品もかつて「児童文学好きな子供」だった方なら好きだと思うんだけどなぁ…。

    タマネギを食べるネコ、幸せと不幸をつかさどる笛を吹く蜘蛛、あらゆる煙を食べる煙おばけ。
    アパートの裏階段に潜む不思議なものたちとの出会いは大人になった今でもわくわくします。

    「神様がくれた指」「しゃべれどもしゃべれども」など楽しい作品の多い佐藤さんのルーツ、ここにあり!

    • hetarebooksさん
      まろんさん❤
      コメントありがとうございます。

      5つ◎、フフフフ♪
      わぁーい♪
      まろんさんも「一番の楽しみは読書♪」体質になるべく...
      まろんさん❤
      コメントありがとうございます。

      5つ◎、フフフフ♪
      わぁーい♪
      まろんさんも「一番の楽しみは読書♪」体質になるべくして育てられたのですね!!
      そんなふたりがこうやってブクログ仲間になっているなんて…なんとまあ!!
      今となっては母に感謝ですね(*^_^*)

      娘に10歳もサバを読んじゃうまろんさんのお母様、お茶目で素敵です♪

      自分も親になる年頃を迎えて思うのは(絶賛独身ですが…笑)、TVをあまり見せないように育てるのって、実はお母さん自身もあまり自由な時間が取れなかったり「楽できない」ことなんじゃないかなぁって。

      TVやゲームをさせておけば、かまう必要はないところを、敢えてそれだけの労力を使って向き合ってくれたのかなと思います。

      お母様にそんなふうに育てられたのも今の感性豊かで思いやり深いまろんさんのルーツなのでしょうね(#^.^#)
      2012/10/12
    • koshoujiさん
      こんにちは。
      hetarebooksさんとまろんさんのコメントのやりとり、楽しく拝読させていただきました。
      私はさすがに男だったので、反...
      こんにちは。
      hetarebooksさんとまろんさんのコメントのやりとり、楽しく拝読させていただきました。
      私はさすがに男だったので、反抗してマンガはしっかり読んでましたが。
      なんと言っても「巨人の星」「あしたのジョー」「タイガーマスク」など、今でも誇れる名作が目白押しだったので。
      何を隠そう(別に隠してませんが)私は大学時代、「少年文学会」という児童文学のサークルに所属しておりました。
      エンデ、ケストナー、佐藤さとるなど懐かしいですね。
      私はリンドグレーンの大ファンでした。
      後藤竜二、今江祥智なども好きでした。
      2012/10/12
    • hetarebooksさん
      koshoujiさん
      そんな黄金期なら反抗しちゃいますよね~。
      私の頃は「セーラームーン」「姫ちゃんのりぼん」
      「ふしぎ遊戯」「ご近所物語」...
      koshoujiさん
      そんな黄金期なら反抗しちゃいますよね~。
      私の頃は「セーラームーン」「姫ちゃんのりぼん」
      「ふしぎ遊戯」「ご近所物語」とかが人気でした。

      そんな素敵なサークルがあったのですね!
      リンドグレーン大好きです!やかまし村シリーズ!

      ファージョンも個人的にはお気に入りでマーティン・ピピンとかすごく好きでした。
      2012/10/22
  • アパートの裏階段に出る、奇妙な生き物をめぐる短編集。奇妙な生き物(蜘蛛や煙や猫)ですが、それをそのまま受け入れて日常生活を送るアパートの住人。解説に児童文学ですが、「大人の心の中にある子供」へ向けた本という書き方があり、それがぴったりです。

  • 2016/03/26ブックオフ購入
    2016/07/20読了

  • アパートのボロい裏階段には不思議なイキモノがいる

    たまねぎネコや、笛を吹く蜘蛛、姿を変えられる煙おとこ

    そんな不思議な場所と子供たち

    絵本を読んでいるような、ふんわりした気持ちにさせてくれます

  • 「タマネギねこ」頭がタマネギになった猫と家族の話。
    「笛吹きクモ」笛を吹くクモとリコーダーの練習をしているボクの話。
    「クモーの引越し」煙を食べるクモーと家の中では喫煙禁止の家族の話。

  • 児童文学!!
    ミステリーばっかり読んでいたから、ほんわか、やわらかな物語に癒された。
    大人が読んでも問題なし。

  • やっぱりファンタジーは合わないみたい。

  • ひっそりと佇むアパートで起こるはなし。
    玉ねぎネコ・不幸の笛を吹くクモ・ケムリおばけなど、短編ごとに登場し物語にインパクトを与えた。

    自分がこういう児童文学に出会っていたら、もっともっと本が好きになったんだろうなと思う。
    氏の作品は児童文学もよいが、『しゃべれども・・・』のような作品もこれから沢山書いてほしいな。

  • この人は、子供の目線で物事を捉え、
    子供の心象を表すのが本当にうまい(^ ^
    また、擬音が独特で面白い(^ ^

    大人から見れば「狭い世界」も、
    子供にとっては「今現在の人生の全て」だったりする。
    その世界観と、これまた大人にとってはつまらないことも
    子供には「人生を左右する大きな出来事」になることを
    肩肘張らずに鮮やかに現出させてくれる。

    基本的には「絵本ぽい」お話であるが、
    しかし、なのか「だからこそ」なのか、
    色々と深読みができそうだ(^ ^

    子供から大人まで、いま元気な人も落ち込んでる人も、
    「その人なり」の読み方ができそうな佳作(^ ^

全57件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。1989年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で吉川英治文学新人賞、『聖夜』で小学館児童出版文化賞、『明るい夜に出かけて』で山本周五郎賞を受賞。そのほかの作品に『しゃべれども しゃべれども』『神様のくれた指』『黄色い目の魚』『第二音楽室』などがある。

「2018年 『シロガラス5 青い目のふたご 5』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤多佳子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

ごきげんな裏階段 (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする
×