小さな悪魔の背中の窪み: 血液型・病気・恋愛の真実 (新潮文庫 た 49-3)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101238135

感想・レビュー・書評

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  • 読んでおいて損はない

  • 本書は、非常に面白い。特に後半は驚きで目が点になってしまうこと請けあいだ。まず、生物は寄生物耐性の強い相手に惚れ、異性が惚れる様々な外見は寄生物耐性の強さと関係があるというのは、なかなか面白い(性淘汰におけるパラサイト仮説)。それが、人間の場合には四股の長さや腰のくびれ、鶏の場合には鶏冠の美しさになるという。本書ではこの仮説の確認実験も紹介されている。第2に、ネオ・ダーウィニズムから徹底的に叩かれた今西錦司進化論について、必ずしも誤りではない事実が見つかったというものである。
    その他にも、①人間の白血球表面抗原(HLA)が、人の持つ匂いに関わり、これが合う(相手の匂いをいい匂いと感じる)人と惹かれあうことや、②一夫多妻制を採用している地域では、細菌等の寄生者に苦しめられている地域が多く、寄生者に強い男に集中するが故に一夫多妻制をとらざるを得なくなっていること、③バクテリアに寄生されたアメーバーが、徐々に共生の過程を踏んでいった事例等、著者の中ではかなり面白い部類に入る書籍だと思う。
    すなわち、キイロショウジョウバエがわずかの年月で種を違えてしまったのとほぼ同程度(子供に不妊のメスや精子の染色体異常のオスが増える)の変化が生じ、その原因がダニを媒介にしたDNAの移動にあるというものだ。これが事実ならば、DNAの水平移動がまさに生じたものであり、垂直移動のみを想定するダーウィン進化論とは異質の進化を想定しなければならなくなるというのだ。これも事実ならば驚くべき知見である。

  • 性格・病気・容姿など、血液型との関連性の真偽を豊富なデータに基づいて説いた、恐らく分類的にはエッセイ。
    著者らしく、例によってトンデモ理論が展開されている。過去総理大臣となった面々の血液型比率は興味深かった。なるほど、そんな考えもあるのかという自論の数々。

  • なぜ男性は腰のくびれた女性を好むのか、永田町の怪人たちの歴代の血液型とか。非常に面白かった。
    もう10年以上も前に読んだ本ですが、とても興味深いです。

  • (2002.12.11読了)(1999.02.10購入)
    血液型・病気・恋愛の真実
    (「BOOK」データベースより)amazon
    A型は病気に弱いってホント?O型は社交好きと言うけど、どうして?色白で腰のくびれた女性と、長身で足の長い男ばかりがもてるのはなぜ?答えは全部この本の中にあります。血液型に隠されたヒトと病原体の涙ぐましい攻防を、豊富なデータと最新の科学情報をもとに明快に解き明かす面白エッセイ。竹内流思考を駆使して展開される、見事なリロンの数々を心ゆくまでお楽しみ下さい。

  • 進化論、比較行動学、遺伝行動学を背景に、血液型とパーソナリティの相関性、ヒトの外見的魅力とその感性、病気へのかかりやすさなどについて、論じられている。

    突飛な発想といも言えるが、それにしても、発想力、想像力がたくましい。眉に唾をつけて読む方がいいだろうが、そういうものだと割り切って読むならば楽しんで読めるかと。

  • カッコウは他の鳥の巣に卵を生み子育てをその親鳥に任せる「托卵」。しかも生まれたカッコウの雛は他の卵を巣から落とす。その生態をミクロに展開し血液型と免疫系の関係で、独特な?種の生存の仮説を展開する。

    血液型の違いは、糖鎖の末端の違いのみ。病原菌はそれぞれA型、O型等物質を表面に付けているが、免疫系は違う血液型の物質を攻撃するため、同血液型物質を付けた菌の侵入は比較的楽にできる。
    地域ごとに血液型が大きく異なるのは、病原菌等によるこの淘汰が大きく関係するという。統計的にもO型はコレラ菌に極めて弱い。梅毒はO型以外抵抗力が極めて弱い。天然痘はA型、AB型が弱く、ペストはA型が強い


    とんでも理論的なこともあり、どこまで本当なのかよく分からないが、結構面白い。

  • 男女の仲は血液特徴の合致。

  • 血液型による性格判断を科学の側から説明を試みたもの。
    病気との関係、生き抜くための知恵など…。
    古めの刊行なので例えの政治家などがちょいと古いですが、イケメン信仰など話としては面白い。

  • 竹内ワールド炸裂!

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著者プロフィール

竹内久美子
1956年愛知県生まれ。京都大学理学部を卒業後、同大学院に進み、博士課程を経て著述業に。専攻は動物行動学。著書に『そんなバカな! 遺伝子と神について』『シンメトリーな男』(ともに文藝春秋刊)、『女は男の指を見る』(新潮社刊)、『ウソばっかり! 人間と遺伝子の本当の話』(小社刊)、『女はよい匂いのする男を選ぶ! なぜ』(ワック刊)など。

「2022年 『66歳、動物行動学研究家。ようやく「自分」という動物のことがわかってきた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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