魔性の子 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 5932
感想 : 647
  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240213

作品紹介・あらすじ

教育実習のため母校に戻った広瀬は、教室で孤立している不思議な生徒・高里を知る。彼をいじめた者は"報復"ともいえる不慮の事故に遭うので、"高里は崇る"と恐れられているのだ。広瀬は彼をかばおうとするが、次々に凄惨な事件が起こり始めた。幼少の頃に高里が体験した"神隠し"が原因らしいのだが…。彼の周りに現れる白い手は?彼の本当の居場所は何拠なのだろうか?

感想・レビュー・書評

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  • なるほど、これはスケールがすごい。
    430ページを一気読みしてしまった。

    ロングセラーのシリーズものは今まで手を出すには遅すぎて手をつけてこなかったけれど、勇気を出して取ってみた。

    教育実習生の広瀬。
    不思議なオーラを放つ生徒の高里。
    高里の周りでは不思議な現象や変死事件が多発する。

    あまりにも多くの人が無惨に死んでいくけれど、これはシリーズものの序章で、その裏には何かあるということを知っていたから、ホラーではなくファンタジーとして楽しめた。

    が、高里の正体。表と裏の世界。
    あまりにもたくさんの伏線が張り巡らされていて、これを最初に発表したときにはすべて作者の頭の中で世界観が成立していたとなると、すごすぎる。
    頭の中はどうなっていたんだろう?笑

    そして広瀬、君にも必ず何かありそうだな…。
    次の巻を読むしかない結末だった。気になる。

  • 4.3
    十二国記が読んでみたくて、この本から読み始めました。
    そこそこ期待してた訳ですが、期待以上に面白かった。
    何となく想像していた話とは、だいぶ異なりましたが、そもそもこの本は十二国記の序章的扱いとのことで、次の作品からが本番らしく、さっそく次を読んでみたいと思います。

  • シリーズが長いので手を出しあぐねていましたが人に強く薦められ手に取り。そしてはまった(笑)

    正直こういう怖くて異世界もので、というジャンルは得意ではありません。むしろ避けて来たところ(宮部みゆきさんのは別)
    しかし面白かった。というか文章の力にはまりました。え?二十数年前ですか?読ませる描写が本当にうまい。グロテスクな描写も目に浮かぶくらいに詳細かつ冷徹に描き出していく。これでもか!というくらい人が理不尽に死んでいき、追い詰められていく様が容赦ない。「まだ死ぬ?」って呟いてしまった(苦笑)
    でもここまで追い詰められていく理由が最後にはわかる。そしてその世界観もわかる。
    そしてその孤独な彼と、彼に自分と似たものを感じて引き寄せられていく広瀬の心理描写も巧み。
    そこを通して、高里の孤絶感がまた際立つという構成も手練れ感が。
    今後の壮大なストーリーがこの時から作者の頭のなかにあったのかは知りませんが、これは簡単には終わらない話が、世界が来るぞと読者は引っ張られていきます。

    今年の自分の大きな楽しみ、課題作です。ゆっくり既読の皆様に追い付きたいと思います。

  • 「行ってください。あなたは、人なのだから」

    神隠しから帰ってきた少年。
    彼に危害を加えるものは皆、偶然の事故に遭う──

    この世に居場所がない、失った故郷があると感じる青年と、故郷より流されてきた、帰る手段も忘れてしまった少年の話。
    得体の知れない何かがひっそりと陰に潜んで、訳のわからない問いを投げてくる、理路の通じない危害を撒き散らす、あたりが恐ろしいのだけど、「風の海、迷宮の岸」を読んだあとは180度読み方が変わるのが本当に面白い。

    劇的な運命を背負った高里を巡って、しかし物語としては、何者でもない広瀬が自分は何者でもないということを知らしめられるというのがなんとも印象的。エンオウお出ましの大災害が僅かにしか触れられないのが逆に恐ろしい。

    ということで最強の伏線ホラー。なんと全編が伏線、というか前日譚なわけですけど、前日譚だけ先に出るって凄いですね…。刊行当時の評判を聞いてみたい。


    来月の18年ぶり新刊を前にして何度めかの読み返しを始めたけど、あとひと月じゃ全然読み終わりそうになかった。若い頃と一緒にしちゃいけなかった。

    仕方ないから慶の話は飛ばして、泰の話だけの読み返しにしよう。

  • 面白かった。ストーリーテリングも上手いし、抑制された文体もいい。
    ん?十二国紀シリーズなの、これ?
    読んだの失敗だったかなぁ・・・。

  • 「この本はホラーだから」と聞いていたのだが、成程、この本を単体で読んだら確かにホラーだ!

    しかし、私は十二国記シリーズの今出てる最新刊の後にこれを読んでしまった為、もうこの物語は泰麒でしか有り得ず、全くホラーでもなくスイスイと読めてしまった。
    読む順番が違っていたら、全く違う物語になっていたのだろうなぁ。

  • 最初に出たのがこの「魔性の子」とのことだけど、
    実のところ、それから10年後に刊行された「黄昏の岸 暁の天」の時期の、蓬莱の泰麒の物語。
    もうこんな頃から、十二国記の全貌ができていたことに驚いた。
    十二国記を読んだ後だと、正体がわかっているので、ホラーといっても怖くはない。
    麒麟と王が行方不明の6年間、こんな風になっていたのか、と。
    でもいきなり魔性の子を読んだ場合は、この得体の知れなさが不気味だろう。

    まさに「魔性の子」。。。

    泰麒を「守る」ために、敵対する者にことごとく報復が加えられる。
    「祟り」だとおそれられ、報復が報復を生み、泰麒は憎しみと血で汚されていく。

    泰麒が悪いわけではないのはもちろんわかるけど・・
    「誰も悪くない」というより、白汕子とゴウランが悪いよね。。
    誰より、泰麒の気持ちを酌まなければならないのに。
    誰より、血を望まないのは泰麒なのに。

    なんだか、切ない話だった。

  • これが最初だとしたら、
    うーん、
    これを最初に読んだら十二国記を読んだだろうか・・・
    泰麒の神隠しの話から王を選び角を失って日本に戻り、さらに十二国に帰る話を先に読んでから読むと、壮大な世界が見えるし、この中には書かれない様々なものが見えるのでとても面白いが、
    この話からだとあまり気持ちよくないなあ。
    でも、これを書いた時点で十二国が構想されてたとしたらすごい!

  • 長編新刊に備え、久々に再読。ぐいぐい読ませる。面白いなー。かなり人が死ぬしスプラッタホラーでもあるけど、高里の孤立と広瀬の一方的な同胞意識が肝。高里のピュアさが広瀬の(ヒトの)醜さを際立たせてしまう。最後の最後におれは?って聞いちゃう広瀬に、痛々しさと同等の切なさを思う。改めて読むと後藤先生のありがたみを感じる。色々見えていて、良い人。
    メーターの方では持ってるこの表紙出てこなくて新装版で登録したが、この旧版の背後の黒髪ウェーブは…誰?泰麒?

  • 十二国記のエピソード0。

    夫が持っていた月の影〜から読もうと思っていたら図書館の予約の兼ね合いでこちらを先に読むことに。
    十二国記の内容を知らないので、登場人物から話を予想できずドキドキしながら読むことができました。
    広瀬も結局は自分のために高里の側にいたっていうのが、人間臭さってことかなぁ…

    それにしても人が死にすぎる…

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著者プロフィール

大分県生まれ。1988年作家デビュー。「悪霊」シリーズで人気を得る。91年『魔性の子』に続き、92年『月の影 影の海』を発表、「十二国記」シリーズとなる。十二国記と並行して執筆した『東亰異聞』『屍鬼』『黒祠の島』は、それぞれ伝奇、ホラー、ミステリとして高い評価を受けている。「悪霊」シリーズを大幅リライトし「ゴーストハント」として2010年~11年刊行。『残穢』は第26回山本周五郎賞を受賞。現在も怪談専門誌『幽』で「営繕かるかや怪異譚」を連載中。近刊に『営繕かるかや怪異譚』、文庫版『鬼談百景』。

「2023年 『過ぎる十七の春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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