東亰異聞 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.64
  • (421)
  • (488)
  • (932)
  • (71)
  • (16)
本棚登録 : 3755
レビュー : 420
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240220

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • そうそう!こういう本が読みたかったのよ!
    小野不由美さんの真骨頂。背筋が凍るような怪談話。

    舞台は文明開化の花の開いた帝都東亰。
    人を火だるまにして殺す火炎魔人に、黒い犬を使い爪で人を引き裂いて殺す艶やかな赤姫姿の闇御前。人魂を担いだ蛍売りに、怪しい読み物を取扱う奇譚読売。

    ああ、なんという世界なんでしょうか!

    そして話の筋となるのは鷹司家の家督争い。
    人々の思惑と妖しい事件が絡み合い、思わぬ方向へ運ばれていく…。

    とにかく一気に読んでしまうほうが良いんでしょうが、いつまでもこの世界観に浸っていたくて惜しむように読みました。

    最後の最後まで目が離せませんので途中で読むのを辞めることは決してなきように。

  • 舞台は、明治時代の帝都・東亰。夜は街を魑魅魍魎が徘徊し、高所に火達磨で現れ火で人を殺し、最後には消えてしまう火炎魔人。夜道で長い爪で人を引き裂く赤姫姿の闇御前。
    それらの正体を調べる新聞記者・平河は、闇御前に襲われ幸いにも軽傷で済んだ青年を探し当てる。その青年は鷹司家の当主・常だった。しかし妾腹の常には同日生まれの、やはり妾腹の異母兄がいた。

    現実世界とは少しズレが生じた帝都・東亰というパラレルワールドを舞台に、鬱蒼とした空気が漂う。禍々しい世界観はさすが小野不由美さん。闇の者たちの描写がかっこいい…
    ホラー色が強い冒頭を抜けると、先の読めないミステリ調となり、ラストまで気が抜けません。怪作です。

  • 十二国記好きな姉が、十二国記を読み終えるのを見計らって貸してくれた。
    ホラーと謳いつつも、どこかファンタジックな匂いが漂う。
    と、思っていたらミステリーも楽しめて、最後はちゃんと戻ってくる。
    物語に準えて例えるのなら、まるで「花やしき」の様な一冊。
    楽しみました。

  • 文章が好き。

  • ※図書館

  • 読み返し3度目。

    またしばらくすると読みたくなる世界観。

  • 東亰の町。維新も遠くなった明治29年。魑魅魍魎が跋扈する街。瓦斯灯の明かりには驚かされない妖怪変化がいるようだ。

  • 初めは堅苦しい昔話なのかなと思っていた。でも数ページ読むともういつの間にかこの世界にハマっていた。
    何が引っかかったかと言うと、妖怪の仕業だと思われた出来事がどうやら人間が起こしたらしいということ。ありえないような事に、トリックが隠されている。

    「東亰」は一応パラレルワールドの設定だけど、明治まっただ中のクラシカルな雰囲気が好き。瓦斯灯、読売り、十二階、迷途、華族、パノラマ館、御一新等々。今では使わない通じない言葉ばかりで、例えば十二階にはこの時代にエレベーターが使われていたり、チロー館なんていう鏡の迷路があったりと、知らないことも多くて色々調べるのが楽しかった。

    途中からは華族の相続争いに移り、私は常と直のどちらの味方でもあったのに、その二人が一連の騒動を起こしていたなんて。兄弟を想い合う純粋さはあるけれど、何の関係もない周りの者を巻き込む手段を取ってしまった為に闇に堕ちた。何かを手に入れる為に何かを犠牲にしてしまうと、そのしわ寄せが必ずくる。こんな結末になるなら他にも方法があったのではと思う。

    後半、万造の怒涛の推理が特に面白かった。
    桜の描写が綺麗で、特に常さんの周りで散る桜が悲しいほどに印象深い。

    天皇崩御からの百鬼夜行、万造の正体や東亰の水没は私にとってはあまり重要でないと思われる事だった。廃仏毀釈はいただけないが、新しい文化を取り入れ、合理的な考えを持つことも日本にとって必要だったのではと思う。

    現実の日本はこれから大正、昭和、平成と激動の時代がやってくる。東亰の人々が妖怪に襲われることを強盗や病に襲われるようなものと考えたように、もしかしたら人が起こす事件や出来事は、妖怪が蠢く世界と同じぐらい厄介で、恐ろしい闇なのかもしれない。

    所々に十二国記ぽさを感じた。小野先生大好き。

    20170312

  • 文明開化後の東亰。
    開国による文化や文明の過渡期にある街で、怪奇な殺人事件が続く。
    記者が事件を調べていくと、とある華族の跡目争いにいきつく。

    ちょっとごちゃごちゃしてたけど、好きな世界観だった。
    章のはじめごとに現れる人形遣いが良い。呪いの恐ろしさ。
    すべては人形遣いの奸計だったのではないかと思わせる。

  • 面白かった。ので、かなり次々と読み進められた。

    ただ、最後の方の転回はちょっとついてけなかった感があったなぁ。
    そこはかとなく不気味な世界観は、良かった。そういう話だけで物語をまとめて頂いても、ボンクラの頭には分かりやすかったかも。

    輔くんの存在がやたら目立つ割には中途半端な働きだったなぁ。というのが気になった。

    自分には、作者の本は初めてで、他の作品も読んでみたいなと思わせてくれるくらい楽しい作品だった。

著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

東亰異聞 (新潮文庫)のその他の作品

東亰異聞(とうけいいぶん) 単行本 東亰異聞(とうけいいぶん) 小野不由美

小野不由美の作品

ツイートする