残穢(ざんえ) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2406
レビュー : 343
  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240299

作品紹介・あらすじ

この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが──山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!

感想・レビュー・書評

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  • 遂に買ってしまった...!表紙に大きな帯が付いていて、竹内結子がついてるなら買わなきゃアカンと(笑)←ミーハー

    再読してもやっぱり恐い。でも、単行本の時の方が初見だったからスゴイ怖かったかな。
    本棚に入れるのもちょっと抵抗がある。
    とりあえず妹に貸そう(笑)。

    この本を読むと、今住んでる土地の歴史とかすごく気になってくる。引っ越すときとか考えよう。

  • 考え出したらキリがない。
    そんなリアルな恐怖が読むほどにまとわりついてくる「やっかいな」物語だ。
    自分とは無関係、自分にとっては架空の物語。
    そんなふうに思わなければ、ふとしたときに「穢れ」への恐怖に巻き込まれてしまいそうな怖さがあった。
    物書きである「私」は怪奇系の事例を集めていた。
    ある日、久保という読者から「部屋の中に何かがいる」といった手紙をもらう。
    すべての始まりは、たった一通の手紙だったのだ。
    穢れと罪との関係性など興味深く読んだ。
    どんな経緯で現象が起きているのか。
    調査していく中で原因らしきもの、その感染の経路、そして新たなる穢れの発生。
    それらが淡々と語られていく。
    主人公である「私」はこれらの現象を深刻に受け止めるような性格ではない。
    だからこそ、次々と現れる「穢れ」の因縁を追いかけることができたのだろう。
    しかし感情とは別に本能が危険を察知する。
    これ以上進んではいけない。
    キリがないから、と「私」は自分自身で納得するけれど、実は危険区域に入り込んでしまった被害を最小限に食い止めるための本能だったのだ、と思う。
    もしかしたら読む人を選ぶ物語かもしれないが・・・。
    何度か背後の気配を伺いながら、それでも読むことを止めることができなかった。
    読んでしまったら、「これは物語!!」と言い聞かせないと怖くて仕方なくなるだろう。
    わかっていたのに、結局最後まで読んでしまった。

  • 文庫化による再読。やっぱり、怖い。最初に単行本で読んだ当時、それぞれの土地の移り変わりが把握できず(人の名前を覚えるのが苦手で…)図面と年表のようなものを作ったけど、今回もやっぱり覚えられず、何度も前後を行き来。
    ホラー描写が流石。ショッキングな、幽霊バーン!!という物は少ないのに、背中がぞくぞくする、身体が冷たくなるような怖さ。現実的に進んでいく謎解きや、作者自身の実体験がどこまでリアルに反映されているのか分からない現実と創作の境目を考えるのも楽しい(悪霊シリーズ大好きです)
    やっぱりこの本は、鬼談百景と同時進行で読むシリーズで、違う出版社からでも同時に発売された事は素晴らしいと思う。
    あと、個人的には平山夢明さんが好きなので、実名で登場されるのが大変嬉しかった。この描写がまた、格好いい。

  • きっかけはtwitterのレビュー
    「家族や友人が一人暮らしを決め、遠くの地へと旅立つ。そんな時にお祝いの品として渡すと必ず喜ばれる物があります。そう、残穢です。」

    読了日:2019/03/19

  • 久しぶりにトイレに行くのが怖くなりました

  • 畳をサっと擦る音、赤ん坊の泣き声。文章で読むとリアルに脳内で再生されてゾッとした。ドキュメンタリータッチですすむので、読んでいる側も、もしかするとこの小説を持っているだけで穢れを受けてしまうのではないかという恐怖を感じた。とても面白かったので一気に読んで友人にあげました。

  • 最近ではワケあり物件というものに一定の需要があるそうだ。
    事件事故で人が亡くなったり、近くに迷惑施設があったりするものをいうらしい。
    過去にそこで人が亡くなっていても気にしない、という人なら、かなり安く済むそうだから、良い物件なのかもしれない。
    そもそも、この狭い国土の中で、人が亡くなっていない場所などあるのかという疑問もあることだし、恐れることはないのかもしれない。
    私はさすがに前の住人がそこで亡くなっていたとしたらあまりいい気持ちにはなれないので、できるだけ避けたいと思っている。
    ま、寿命なら仕方ないよね!なんて努めて明るく書きたいのだが、その理由はある文章があまりにも恐ろしかった反動だ。
    食器を洗っていて、ふとステンレスの蛇口に目を向けると、人が映っている。
    それだけでも不気味なのに、高さがおかしい。
    人がぶら下がっているような高さだった、という内容なのだが、それがあまりに怖くて、今もぞくりとしながら書いているというわけだ。
    もう、食器洗えないよ!!!!!

    今は真昼なのに、騒がしい子供がいてくれないとこんなに後ろが恐ろしいとは。
    この文章は今後読み返したくない。
    せっかく忘れかけていたのに!!!書いたことで思い出してしまった!!!!

    本書の恐ろしいところは、穢れが感染するということ。
    見えないけれど感じる何かの存在、誰も逃れられない死の恐怖。
    しかし、そんな怖がりの私でも怖くないものがあった。
    それは赤ん坊の泣き声と、飛び出てくる赤ん坊の姿を描いた場面。
    ずっと昔は赤ん坊の泣き声が怖くて仕方がなかったが、今はそうではなくなっていた。
    このことに自分でも驚いた。
    泣いているならこっちにおいで、という気持ちになったのだ。
    もしかしたら赤ん坊の幽霊は私を引き込んでしまうかもしれないけれど哀れでならなかった。
    私は決して模範的な、立派な母親ではないけれど、泣いていたら抱き上げてあげたいと思った。
    本物の泣き声にはうんざりするのに、これは一体なぜだろう?

    どこまで本当でどこからが虚構なのか?
    こんなの作り話でしょ、と一笑に付すのは勝手だが、恐れと哀れを感じることが人の思念を昇華させるのではないだろうか。
    現実とは、人の心が作った摩訶不思議なものだから。

  • 怖かった…。

    本当に怖いのに、圧倒的な文章力に引き込まれてしまう。
    引き込まれて、読み進めずにはいられない。
    のだけれど、さすがに部屋では読む気になれず外出している時間で読み切った。

    呪い、でも
    祟り、でもなく、
    穢れを持ってくるあたり。

    どんな超常現象も、まずは理論的に解明しようとする語り口。
    だからこそ、否定しきれなくなったときの怖さが際立つ。

    理不尽でどうしようもない。

  • 小野不由美さんの小説、初めて読んだので記念すべく
    デビュー作(笑)

    ホラー系は苦手なのに(夜中思い出して、トイレに行けない人間なので;;;)何故かこの本のあらすじに惹かれて、購入。

    途中まではひたすら、怖かった。でも、そこから先は謎解きみたいな展開になっていったので、怖いけれど読まずにはいられなかった。

    ある1つの怪現象から端を発して、それが"穢れ"と発覚。原因を突き詰めていく内にどんどんと拡大し、えらいスケールのでっかい話になってしまった。
    しかもその土地や物件についた穢れなのだから、どうしようもないー。だって、自分の身近な人の家に遊びに行って知らない間に、その穢れを持って帰ってるかもしれない。なんて考えたら怖い。怖すぎる。
    これ書いてる今も背中が、ゾッとしている。

    ただし、話は過去へ過去へと遡っていく為、現住民の前に誰それが住んでいて、その前は誰それで〜と繋がっていくので登場人物が多くゴチャゴチャしてくるのでその辺は要注意。

  • ホラーはあまり読まないのですが、たまたま気になって読んでみたら、思いのほか引き込まれました。怖かったです!

    怪談を求めている作家のもとに舞い込んだある怪異体験。そこから怪異の出所をたどる長い旅が始まります。物理的な旅もありますが、時間的にさかのぼる旅がメインです。

    過去に何があったのか、さかのぼり続けてついに大本へたどり着く、その過程には感動をおぼえるのですが、作中で何度も言われるように、自分自身の世界観が問われているように思いました。

    人が生きて死んでいくことは、軽く扱ってよいものではないし、人にも場所にも歴史があり、長い時間をかけて積もった澱のようなものは、やはり残り続けるのでしょう。
    自分自身への戒めとして、不用意にそれを求めていくことは謹まなくてはいけないと感じました。
    人にも物にも、敬意をもって真摯に相対していきたいです!

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著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

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