魔性の子 十二国記 0 (新潮文庫)

著者 :
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社
4.07
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本棚登録 : 4866
レビュー : 509
  • Amazon.co.jp ・本 (491ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240510

感想・レビュー・書評

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  • 再読。

    改めて、エピソード0として最高の作品だと思った。
    こんなに人が死ぬのはこれっきりなので、騙されたと思って読んでほしい。

    二度目なので、ここから「風の海 迷宮の岸」へ飛んで
    そのあと「月の影 影の海」へいくのもいいな。

  • 完全版で再読。十二国記シリーズ外伝ともいえる作品。単発のホラーとしても読めますが。あえて十二国記シリーズに浸ったその過程で読んでみると、「え、ここでこんなことが起こってたの!?」という驚きもありそうです。
    実に陰惨なホラー。「報復」のエスカレートの仕方が凄まじいとしかいいようがありません。だけどその恐怖よりも心にしみるのは、「自分の居場所がない」というなんともいえない寂寥感なのかも。

  • 十二国記のシリーズ中、これだけが未読だった。前評判だけは知っていて、余裕がある時に読もうと思っていたのだけど、余裕がある時でも結構きついストーリーだった。ただ予想していたよりずっと深くて、きついだけの話だけではなかった。

    出てくる人たちは皆普通の人たちだ。多分高里に関わらなければごく普通に生きていくような人たち。彼らを追い詰めるのは「恐怖」だ。自分だって同じような状況に陥れば同じように「迫害者」の立場になるかもしれない。それだけにリアリティがあってとても怖かった。

    母親の気持ちも分かってしまう。同級生の気持ちも分かってしまう。だから、止められない悲劇の連鎖に心が痛んだ。
    久しぶりに続きが気になってついつい夜更かししてしまった。

  • 1か0どちらから読もうか迷いました。
    すごく面白かった!!誰かの話を聞いていてもこの本のことばかり考えてしまって、耳から筒抜けだったのはごめんなさい。
    出来る事なら中学校を出るまでに出逢いたかった。
    そうだったら私はきっと高里の視点でも読むことができていたのだろうと思う。
    でも18になって、心底耽溺していた物の怪や魔法使いやドラゴンライダーの世界に実際に行くことは出来ないのだと嫌でも悟らされた後の私にはやはり広瀬の気持ちや妬みのほうが理解できて、それに気付いた時、私は人間なのだなぁと改めて苦しくなった。
    こんなにも親近感を覚えた登場人物は初めてだ。
    ラストの広瀬の高里に対する羨みが痛いほどよく解って、読後暫く思うものがあった。
    どんなに高里が羨ましくても広瀬のような「人間」はあちらには行けないし、どんなに嫌でも苦しくてもこちらの世界で生きていかなければならないのだ。
    私は人間。あーあ

  • 「十二国記」シリーズ中で、これまでに唯一読んだことのあった一冊。
    今回シリーズ既刊を読み通すにあたって、新潮文庫完全版の装丁で揃えたく、再購入しての再読となりました。
    初読はたしか、同じく小野不由美さんの「屍鬼」が文庫化された頃に、「屍鬼」を読み終えてから「東亰異聞」と続けて読んだのではなかったかと思います。

    主人公である高里よりも、高里に寄り添い、味方であろうとする広瀬(ある意味、彼も主人公といえますが)に感情移入して読み込んだことを覚えています。
    それは、広瀬の「どこかに自分の本当の居場所が、世界がある」という、言ってしまえば現実逃避じみたネガティブな気持ち、願望に強く共感したためでした。
    そのせいで、本作ラストの圧倒的かつ絶望的な「取り残され感」は鮮明に心に残っていましたし、読み終わったあとに、広瀬になってしまったかのように呆然と宙を見つめていたこともよく覚えています。

    以前に単独の作品として読み終えたときと違い、今回の再読では、ここまで「十二国記」についての様々な記述がされていたことに、改めて気づかされ、ちょっとびっくりしました。
    当然ながら、それは「十二国記」シリーズの既刊を全て読み終えたいまだからこそ気づくことで、「十二国記」を知らない時点では「?」だらけだったのではと思います。
    (それでも面白かったから、小野不由美さん、スゲーってことになるんですがww)

    「十二国記」シリーズとしての時系列でいうと、①本作のプロローグ→②「風の海 迷宮の岸」→③「黄昏の岸 暁の天」のプロローグから第1章まで→④本作の第1章からラストまで、と同時進行で「黄昏の岸 暁の天」の第2章から第5章まで→⑤「黄昏の岸 暁の空」の第6章からラストまで、という繋がり方になります。

    本作単独で読んでも充分以上に楽しめますが、本作単独で終えるにはあまりにもったいない、壮大で胸を熱くさせられると共に心を震わせられるシリーズの幕開けとして、強くオススメしたい一冊です。

  • こわい。
    ただひたすら怖かった。。

    「ここではないどこか」を求め、夢みることは少なからず誰しもの心にあるものだと思う。
    でも。
    しかし。。
    広瀬と高里では痛烈に「それ」が違った。
    その違いが、読んでいるこちらにも容赦なく突きつけられているような気がしてただただ怖かった。
    (表現の怖さももちろんありますが…。結構残虐な殺され方をしますしね。)
    「面白い」という言葉でひとくくりにするのが憚られるが、作品の世界には間違いなく引き込まれた。


    +++++

    読後、作者の意図を恥ずかしながら考えてはみた。
    「魔性の子」は十二国記のシリーズが始まる前に書かれている。
    発刊順に読んだ方が作者の意図でもあるだろうが、私はビビリなため泰麒の話に触れたあとに今作を読んだ。^^;
    順番が良かったかどうかは今となっては分からないが、高里の苦悩は相変わらず痛いほどビリビリと伝わってくる。(…とはいってもやはり私こそ「こちら」の世界の人間だから分かってあげることはできないのだろうが。。)
    最後の広瀬との痛烈なまでの別れも泰麒としての高里を分かった上で読めたので、痛くもあるが「まっとうだ」と感じた。
    それにしてもこんな言葉でしか表現できない自分の語彙力のなさがもどかしい。。

    時系列もさまざま、時間を超えて空間を超えて世界がどこまでも広がっている作者の考えは、やっぱり分からない^^;
    分からないからこそ、本当に楽しい。

  • 怖そうだなーと思っていたら本当に怖かった。
    でも面白かった!

    異形の生き物による報復も怖いけれど、「高里が祟る」という噂を信じ込んで、暴走したり追従したりする人間も怖い。
    そんな私も、傍観者になっておびえながら暮らす気がする…。

  • 十二国記の序章となる作品。

    アニメから観たものからすると、この作品書く段階で、あれだけの世界観を構築してたなんて信じられない。

    また、ホラーでありながら、人間の醜さに焦点を当てた良作。

  • 十二国記にハマるきっかけを作った作品。何度も何度も読み返してしまうほど大好きな本です。泰麒が好きなんで「風の海 迷宮の岸」や「黄昏の岸 暁の天」も大好きなんですが、この2冊の間に収まるかなぁってお話です。でも読むのなら魔性の子より黄昏の岸 暁の天の方からが入りやすいかも。

  • 新潮社版 十二国記 エピソード0

    十二国記シリーズですが、もともとはシリーズ化する以前の独立した物語。

    実のところ、これだけで読んだときはさほど面白さを感じませんでしたが、『風の海 迷宮の岸』『黄昏の岸 暁の天』を読んでから、再読するとガラリと印象が変わりました。(せめて『風の海 迷宮の岸』だけでもいいと思う)

    ホラーっぽい気味の悪い話から、いろんな謎が解明され奥の深い悲しい話に変わったりします。

著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

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