風の海 迷宮の岸 十二国記 2 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240541

作品紹介・あらすじ

幼(いとけな)き麒麟に決断の瞬間が訪れる──神獣である麒麟が王を選び玉座に据える十二国。その一つ戴国(たいこく)麒麟の泰麒(たいき)は、天地を揺るがす<蝕(しょく)>で蓬莱(ほうらい)(日本)に流され、人の子として育った。十年の時を経て故国(くに)へと戻されたが、麒麟の役割を理解できずにいた。我こそはと名乗りを挙げる者たちを前に、この国の命運を担うべき「王」を選ぶことはできるのだろうか。

感想・レビュー・書評

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  • 十二国記【風の海 迷宮の岸】
    エピソード1→4→2の順番で読む。

    エピソード1を読み始めた時は言葉や漢字が難しく
    ん?と分からない言葉にぶつかっては、ぴっ!と携帯で調べる。
    ん?となって携帯をぴっ!
    ん?となって、ぴっ!ん?ぴっ!ん?ぴ!んぴんぴんぴんぴ…、こりゃ、んぴんぴ小説だぁと一生懸命に読んだ。

    でも今はんぴんび小説から、んぴ小説ぐらいになった。少し嬉しい(*´꒳`*)

    どんなに、んぴんぴしても読むのがやめられないのは
    十二国記が面白く、読後感がたまらないから!

    【風の海 迷宮の岸】
    幼い黒麒麟のお話。
    十二国記にはその名の通り十二国あり、一国に1人の王と1人の麒麟がいる。

    麒麟は王を見つけだし、契約を交わした後は王に仕える。王が道を間違え国が悪政に傾くと麒麟は弱り、王が国を統治し繁栄させる限り、王も麒麟も不老不死になる。

    戴国の幼い麒麟、泰麒(タイキ)は日本で生まれ育った為、気弱で麒麟として知識や能力が欠けている事に悩む。そんなタイキが麒麟としてある日ババーン!っと戴国の王を選ぶ。

    優しくて慈悲深くて、一生懸命に王に仕え使命を果たそうとする麒麟がなんとも愛おしいんです。

    次はkuma0504さんが楽しみ方を教えてくれた
    【魔性の子】へGOー♪

    • hibuさん
      松子さんこんにちは。

      私はんぴんぴせず、ばんばん前に進む方式で行きましたが、今思えばんぴんぴが良かったかも…。

      「魔性の子」に行くのです...
      松子さんこんにちは。

      私はんぴんぴせず、ばんばん前に進む方式で行きましたが、今思えばんぴんぴが良かったかも…。

      「魔性の子」に行くのですね〜。

      お気をつけて〜!
      2022/10/04
    • 松子さん
      hibvさんは、ばんばん方式ですかっ(^^)
      魔性の子は、私もばんばんで行きますっ!笑
      行ってきまーす♪
      hibvさんは、ばんばん方式ですかっ(^^)
      魔性の子は、私もばんばんで行きますっ!笑
      行ってきまーす♪
      2022/10/04
  • 麒麟の泰麒の篷山から戴国に下るまでの物語。
    幼い泰麒が蓬莱の生活を見つめながら、女仙に囲まれた生活で明るさを取り戻す。しかし、王選びで再度自分を責め始める。ここから効いてくるキャラクター景麒が非常に良い。延王、延麒も良い脇役を演じている。
    これまた前作の陽子と同様、泰麒の成長譚として面白かった。

  • 十二国記シリーズを、この期、初めて読んで、しかもアニメも全く観たことない自分です。epi.1(『月の影 影の海』)、 epi.0(『魔性の子』)、そしてこのepi.2の順に読んだ者だけが味わえるドキドキ感と、そしてラストの意外感を、私めは味わさせていただき、大変嬉しく思っています。

    よって、この巻の大きなネタバレは書かない。でも、文末に主に0、1を通して分かった事を年表にした。ので、それを嫌う方はこれ以降読まないように。

    epi.0において「ホラー」だった世界は、epi.2においては、「天上の理」の世界に書き換えられる。この表裏をひっくり返す驚きは、0、2と読んで行くのが面白いので、この読み方を私は推薦します。こういうのは読書の喜びですね。一方1は「天下の理」の世界でした。

    このシリーズを、私は「歴史書」として読んで行こうと思っている。よってキャラで読む読み方はしない。「泰麒が可愛い、愛しい」とも思わない。泰麒は麒麟として想定内の成長を遂げた。気になるのは、天上の世界の「不気味さ」である。出てくる人物は、みんな普通の人間だ。不老不死になろうとも、人間として理解出来ないわけではない。しかし、黄海の周りに聳える天上世界は、どうも冷たい。謎がある。例えば、何故突然泰麒は「胎果のまま流されなくてはならなかったのか」そのことの説明も、シリーズラストまで引っ張るつもりかもしれない。

    だから私は、世のシリーズファンとは違う向き合い方をするだろうと思う。ただ、傲濫の件はちょっと血がたぎりました。泰麒の絶望感は私も感じていて、景麒の回りくどい説明にはすっかりやられました。また、ラストはてっきりあの場面に結び付くのだと思っていたので中途半端に終わったのは意外(ごめん、未読の人には何が何やらわからないと思います)。

    epi.0の「白汕子、傲濫」等の幾つかの伏線回収が行われました。そういう楽しみはある。

    年表は、仮に高里こと泰麒が、蓬莱山より胎果のまま日本に流された年をX元年として数えました。数え方が間違って1年ぐらいの誤差はあるかもしれないし、月もあまり自信がない。しかし、作ってみて気がついたことがあります。
    (1)X15年-18年あたりが日本の90年代にあたることは、間違い無いと思う。携帯の描写が存在しないからである。その他、マスコミ、テレビ等々の描写はある。
    (2)0において高里が呟いた言葉のうち、「角端、孔子、ムルゲン、ロライマ、ギアナ」の言葉の意味が未だ不明だ。「角端」は0でも言っていた「私の麒麟の角がない」ということに対応しているのかもしれない。「孔子」は、高里が日本で論語を読んでいたはずがない。0において何故レン麟がこんなにもが泰麒を助けようとするのかも不明だ。よって回収されていない伏線はまだ多い。果たして回収されるのか、もわからない。注目したい。
    (3)著者は90年代のうちにシリーズを終わらせようとした節がある。それは今年の新作がブック紹介を見ると未だX18年あたりらしいということでそう思うのである。少なくとも新作発表が、2019年まで持ち越したのは想定外だった可能性が出てきた。

    X元年  泰麒 胎果として日本に流される
    X8年  景麒 景国に降りる
    X9年末 景麒 商家の娘である景王を見つける
    X10年  泰麒 2月蓬山に戻る
    X11年 泰麒 4月日本に戻る
    X14年  5月景国王亡くなる。
    X15年(1992年?)1月陽子日本より来たる
         8月陽子景国王となる
    X18年  泰麒 9月戴国に戻る

    • kuma0504さん
      「蓬莱山より、胎果のまま」→「蓬山より、胎果のまま」重要な語句なので訂正します。すみませんでした。
      「蓬莱山より、胎果のまま」→「蓬山より、胎果のまま」重要な語句なので訂正します。すみませんでした。
      2019/11/30
    • kuma0504さん
      文庫の最新作の紹介文を見ると「6年ぶりに戴国に麒麟が戻る」とあった。だとすると、「戴麒 9月戴国に戻る」はX17年という事になる。次回より訂...
      文庫の最新作の紹介文を見ると「6年ぶりに戴国に麒麟が戻る」とあった。だとすると、「戴麒 9月戴国に戻る」はX17年という事になる。次回より訂正します。でも、でも高里は1年留年したから高校2年でも18歳じゃないかしら?まぁこちらに従います!
      2019/12/03
  • 神獣である麒麟が、その出自の国の王を天啓により選び、王と共に治世する。それが、十二国という世界の設定の一つ。
    麒麟は、胎果として生を持ち、中央の黄海の中心部の山々で、妖魔を乳母とし女仙達に育てられる。そして、王を選定した後に王と共に祖国へと向かう。

    この巻の主人公である麒麟・泰麒は、胎果の時点で蝕と呼ばれる天災により、十二国の外側、蓬莱と呼ばれる日本で人として育つ。ここで「魔性の子」とリンクする。
    国を構築する前、王が形成される前、麒麟の成長の物語となる。泰麒は、その性質から麒麟としての自覚を持てず、悩む。まだ、幼くかつての家族を思う。そして、天啓の真意もわからないまま王と契約を結び後悔と絶望まで味わう。

    世界観の設定が、多いけれど、魔性の子からの風の海。

    八卦や遁甲が言葉だけは出てきたけれど、ストーリーには絡まないかな。残念だけど。


  • あの時のあの子か…!

    プロローグで遠い昔に読んだ、魔性の子、あの記憶が蘇った。
    あの時のあの子か!

    カチっと繋がりを確認、またまた十二国記の世界へ、戴国へ。

    泰麒の幼さと抱える心、それをせつなさと共に読ませてくれる巻だった。

    自分の運命に納得しつつも麒麟としての任務への重圧。たしかな任を果たせるのか…幼さ溢れる泰麒が愛おしくて見守ってあげたくなるほどだった。

    そして 直感、わけもなく心が動くその瞬間をちょっと意識したくなる、大切にしたくなる、そんな読後感。

  • 偶然にも「白銀の墟 玄の月」→「魔性の子」ときてからの本作という流れになってしまいましたが、この作品で最後の結末までの流れがよく理解できました。

    泰麒と驍宗の関係の誕生物語。

    10年間人の子として育った泰麒の麒麟としての役割を担えるようになるまでの蓬山でのリハビリ。それを支える人たちの泰麒への愛情や王を選ぶ時のシーンがとても印象的でした。

    あー、「白銀の墟 玄の月」読後からのモヤモヤがスッキリ晴れた感じ。

    俄然面白くなってきた!オススメです♪

  • 蝕が起きたことで蓬莱へと流され、人の子として育った泰麒。彼が十年の時を経て蓬山へと戻ってきました。

    泰麒が意外にもすんなりと自分の本来在るべき場所を認められたことは、まだ幼い子どもだったからということもあるのでしょうけど、それ程今まで生きてきた場所が彼にとって不安定な心持ちになる、自分がいるところじゃないと感じるところだったからなのだと思います。
    (ぼくはうちの子じゃなかったんだ)
    そう気づいた泰麒、なんて不憫で痛ましい男の子なのでしょう。
    蓬山で、蓉可をはじめとした沢山の女仙と女怪の汕子の優しさに包まれて、泰麒はやっと愛されることの安心感を知ることが出来たんだと思います。
    泰麒の優しさや純真さは、裏を返せば自信のなさや臆病さとなるのかもしれません。それでも、愛され育てられた子どもは、いつかは自らの足で立って自立していくもの、大切な人を守ることが出来た泰麒を見てそう思いました。
    やがて泰麒は王を選びますが、その決断は彼自身を苦しめてしまいます。けれどその恐ろしい告白(後に解決します)を知ってしまった王となる驍宗の懐の深さ、そして延麒、景麒の兄のような愛情に包まれ、泰麒にも自分がいてもいい場所に気づくことが出来たと思います。
    可愛い泰麒、見守っていきたいですね。

    それにしても、延王は悪玉役を楽しんだろうなぁ。
    そして景麒。彼の微かな笑みは景王もクラリとくるわねぇ。

  • 10年間、蓬莱で人の子として育った少年は、自分の居るべき世界へと連れ戻されます。
    周囲の女仙たちは彼のことを「泰麒」と呼び、彼がどんな存在なのかを教えてくれました。
    彼は人間ではなく麒麟であること、一国の王を選ぶという大任を背負っていること、神獣の姿に転変できること。

    女仙たちは優しく身の周りの世話を焼いてくれ、期待をかけてくれています。
    けれど、泰麒自身はどうしたらよいのかわかりません。
    麒麟であればできると言われても、王の気配も感じられないし、姿の変え方もわからない。
    周囲からの励ましや助言はあるけれど、結局は泰麒自身が道を見つけていくしかないのです。
    一生懸命もがきながら、不安と戦いながら、"麒麟であること"に向き合おうとする泰麒。
    彼のがんばりを応援しながら読んでいたのですが、読了後、ふと気付けは私のほうが泰麒に励まされていたのでした。

    麒麟目線の物語を読み終えて、十二国の世界がより一層深まりました。
    読めば読むほどはまりそう…とにんまりしながら次巻へ。

  • Episode2は「戴国」の物語。

    戴の麒麟は蝕により、捨身木から飛ばされ蓬莱へ流された。
    蓬莱での生活に違和感を感じていた10歳の少年は、故国へ戻り、事情を知り受け入れる。
    泰麒と名を改め、蓬盧宮で戴国の黒麒麟としての生活をし、戴極国の王を選ぶ。

    とにかく泰麒が可愛すぎる。
    こんなに礼儀正しい、聡明な10歳、身近にはいらっしゃらない。笑
    泰麒の、子供ならではの感じ方や過ちも、子供のうちに知った方が、良い刺激になるエピソードな気がします。
    麒麟とは何か、使命とは何か。
    のちに響いてくる影響や悔恨の念を、この話を通して知れるとても良い物語です。

  • ここでやっとエピソード0「魔性の子」の謎が解けていく

    高里がお仕置きで外に放り出されてきた時、倉と土塀の間から手招きするように伸びていた白い手や高里に関わった者たちが次々と命を落としていくことの真相
    神隠しに遭ったとされていた空白の一年
    高里は何者だったのか

    天帝の天命を受け麒麟が王を選ぶということ、子供は木に生ること、神籍や仙籍に入れば不老不死になること・・・
    妖魔が住む黄海を突破してたどり着いた桃源郷とも言える蓬山の様子など、あり得ない話なのに、ついつい引き込まれてしまった

    女仙にかいがいしく世話をされながらも、麒麟としての役目を果たすことができるのだろうか苦悩する10歳の泰麒が痛々しかった

    現実離れした話の中で、無事、王に即位した驍宗が10歳の泰麒を傍らに置き、次々と行政改革に乗り出す様子が、あまりにも現実的でおもしろかった

    先王の雇った楽士の数を減らすこと、華美なことが好きだった先王が建てた四阿を潰し、そのお金で隣国の雁国から穀物を買い入れるなど、笑ってしまった

    桜を見る会やら大して役にも立たないマスクに税金を無駄遣いしているどこかの国の首相に話して聞かせてやりたいくらいだ

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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