- Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101240589
感想・レビュー・書評
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「面白いから絶対読んで!」と友人がシリーズ全冊(…)を貸してくれたのだが、これだけ入ってなかったので図書館で借りた。
返却期限の関係でこれだけ先に読んだが…さっぱり。やたらと小難しい言葉は出てくるわ、天界?下界?設定がそもそもよくわからないし、難解な言葉で小難しく表現しようとしているような印象が。これは、本編を知っていたら面白いのだろうか。
苗の話や、家族を狙撃された女性の話やら、特に感動する要素もないと感じたのは、全シリーズを読んでないからなのか。それともファンタジー設定が肌に合わないのか。
裁判官(架空の役職の名前なので正確に覚えていない)が連続凶悪殺人犯を死刑にすべきか否かで悩む話は面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここの短編、全部好き。庶民バンザイ。今を生きる。
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苗を運ぶお話でめちゃくちゃ泣きました
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引き続き図書館が閉まっているので家の在庫を読む。
十二国記の短編集を4作。
麒麟も王も出てききません。
市井の人々の物語ってやつです。
3作目は走れメロス、4作目は天地明察的な。
ファンタジーが好きな人はもひとつな感じに思うと思いますが
私には結構よかったです。
今日Yahooニュースで
緊急事態宣言下でも一部制約付きで図書館が開館する
と知りました。よかったよかった。 -
十二国記のサイドストーリー。
ちょっと読むのに時間がかかってしまった。 -
サイドストリート的な短編集。全体の流れとの絡みがイマイチ理解できなかった。。。
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2021/04/07
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『十二国記』の続編は、この物語のファンなら誰もが待ち望んでいることであって、しかし、ひとたびそんな続編を手に取ると、読み終えてしまうのが惜しいため、さらなる続編が出るまではすべてを読み終えないようにしたくなってしまうのである。
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短編とは気づかず読み始めて、あれ今までとは少し趣が違うぞ、とやっと気づく。
民の暮らし。
少しだけ陽子が出てきたけどその陽子の言葉にああ良かったと救われる。
ファンタジーだけど現実の世界にも通じるものがある。 -
十二国記の短編集
発売時期は他の作品の方が早いけど、公式エピソード順でいうと5番目(エピソード0を除く)らしい
確かに陽子さんの践祚前後の話が主なので、時系列的に合っている
収録されているのは短編4つ
・丕緒の鳥:景王即位の際の射儀で使う陶器の鳥を作る人
・落照の獄:柳国の死刑制度の是非について
・青条の蘭:ブナの木が石のようになって枯れる病の治療法を模索する人
・風信:暦を作る人達の季節に関する観測
どのお話も各分野について深く掘り下げられている
落照の獄は連続殺人犯を死刑にするかどうか
民意を反映して死刑にしてよいのか?しかし、一度死刑を選択してしまえば今後も死刑が濫用されてしまうのでは?という懸念
冤罪の可能性があるから死刑を適用してはいけないのであれば、冤罪の可能性がない場合は適用してもよいのか?
法は罪人を更生させるためのものであるが、更生の見込みがないと思われる場合はどうすればよいのか?
更生させられないというのは司法の敗北ではないのか?
死刑を望む罪人をそのまま死刑にすることは罪人の望みを叶えることにはならないか?
これらは現代でもまったく同じ課題だよなぁ
死刑が抑止効果になっていないという分析
罰を受け入れるのであれば、何でもしたい放題なのではないかという法の矛盾
ファンタジー世界にここまで法律の文化を作り込むのってすごいよね
青条の蘭は途中で語られている山や森の生態系の仕組みの説明は見事
正に僕が大学で学んだ分野だからなぁ
生態系の一部だけでも壊れると相互作用によって影響が波及していくというのは人によっては理解できないというのもわかる
風信でも、他の事象によって評価の指標とするというのも研究ではよくやるよね
それにしても、小野不由美の世界観の作り込みに恐れおののいている
ファンタジー設定だから参考資料がなくてもいいと思ってたら、むしろ膨大な資料に埋もれているってあとがきで書いてあったけど、ものすごい量の資料を読んでいるんだろうな
と、自分の知ってる分野の知識から想像する
これはもう叩頭せざるを得ないでしょう -
四遍からなる短編集。王でも麒麟でもなく、民でもない、この世界の中間管理職的な立場で、円転滑脱するために苦悩する姿は現代の僕たちにも当てはまる。
自分にも置き換えられる、無茶振り、判断を論理的に解職してもらえるよう努力する国を支える縁の下。
こういう人たちに脚光を当てるとこの世界の深みがます。 -
前回は講談社版を読んだので、これは初読。他の作品は王もしくは王に近い人が主人公なので物語が良く動いたが、この短編集はもうちょっと下位の人達が主役なので派手さが無い。しかしその代わり庶民の生活に根ざした問題が、より丁寧に描かれている気がする。そしてこの世界は本当に王の存在に依存しているんだな。
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こちらの巻は短編集 四つの話
1.長年国の催事を司る男
2.傾く国で判事を任された男
3.山を守ることで国を救おうと奮闘する男
4.家族を惨殺され心に深い傷を負った少女
王が出てこず、”民”に焦点をあてた作品のため私的には少し物足りず
特に2つ目はほぼ死刑の賛否論になっていて、読んでて重すぎたかな…
短編が苦手な私。他巻に比べると世界観に没頭できなかったのが残念。
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ひたすらに民に寄り添った一冊。国が傾き、倒れ、新たに立つまでのそれぞれの国の物語。
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王と国を取り巻く名も無い国民の物語。やはり王がいない時期で辛い話が多いせいか、少し読むのに苦労した。特に柳の死刑がどうのこうのという話には、今の日本と重なって少しイライラしたくらい。
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物語に出てくる民が、国のため、自分が生きていく場所のために、それぞれのできることを必死に遂行しているのが胸にグッと来ました。
風信の話が好きかな。
燕のお話のところで泣いちゃった。
無駄なことなど一つもないよねぇ。 -
表題作が一番良かった。
内容も展開も重過ぎず、軽過ぎず、適度。
ちらっと出てきた陽子の言葉が好き。
中2編は、やたら重たいのと同じことの繰り返しばかりで前へ進まない。
彼らにとって重要な事柄かもしれないが、読者側から見ればもっとあっさり見たかった。
息苦しさしかなかった。
最後は、これまた特殊ではあったが、彼らの職業が少なからず国の動向を決定する要素になっている。
子供にとってはお遊びのように感じるかもしれないが、科学も何も通用しないこの異世界にあって重要な指標の一つとして存在する。
荒れ果てる国に住む者とすれば、助けを得られる方へ尽力してほしいと思うのも道理。
いつの世も実世界も願いは同じ方向へ、と感じたお話。 -
今までと違って、ずっと重くて暗いイメージだった。前作までのハラハラドキドキ感というか、疾走感がなかったからかな...?民の目線で物語が進行するのは新鮮で良かったけれど、設定がいつにも増して緻密で正直読みにくかった。
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今回は、本シリーズの主役である王や麒麟が出てこない、一般の民の短編集だった。
これまでの、最後には明るい未来が予感できる、読んでスッキリ爽快という内容だけではなかった。
ほぼ全編にわたり、暗く重い感じの物語であったが、それでも引き込まれずにはいられなかった。
四編の中で特に印象に残ったのは、落照の獄、だった。今でも答えは出ない重いテーマで、重いままのエンディングに読者への問いも残した考えさせられる内容だった。
この十二国がどうなっていくか、次も楽しみである。