丕緒の鳥 (ひしょのとり) 十二国記 5 (新潮文庫)

著者 :
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社
4.05
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  • (57)
  • (8)
本棚登録 : 5838
レビュー : 731
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240589

感想・レビュー・書評

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  • 待ち望んだ十二国記シリーズ、丕緒の鳥!!読み終えました!
    こういう話を読みたいと思っていました。
    今回は、王や麒麟が出てこない、民の側の話でしたが、たっぷりと小野不由美ワールドを堪能しました。
    どれも架空の物語でありながら、現代の日本に通じるものがあり、色々と考えさせられました。

    特に後半の2作は、泣かせます(>_<)
    どんなに辛く苦しくても、日はまた昇るし、春は必ずやってくるのだ!だから頑張ろう!
    というような、明るいラストでホッとします。



    また本編の最初から読み返したくなります。

  • 過去yomyomに発表済みの2篇を読めていなかったので全篇まるまる初読みです。

    短編集ということでどの国のどの目線での話がくるのか楽しみにしていましたが、今回は王や麒麟など国を動かす側の視点は一切なく、政には関与することの出来ない人たちの話であったことに驚き、そして感動しました。

    傾いた(傾きつつある)国の民は自国を憂いながら自国の王や官僚に振り回されることがほとんど。
    民が国のためにやれることなんて本当に限られているのが実際だと思います。
    だけどこの4篇を通じて教えられるのは、どんなに些細なことのように思えても自分たちの出来ることを精一杯することが結局は国のためになるということ。
    届くかどうかも分からないけれど王を信じて国に訴えかけることも、民の生活の基盤を揺らがせないために自然を学び暦を作ることも、国民が精一杯自分たちの暮らしを守ることも全ては国が国であるために必要なことなんだと強く感じました。

    それぞれが短編でありながらこんなに骨太で考えさせられるようになっているのはさすが十二国記です。
    また新たなる長編も執筆中とのことで、私としては本当に幸せで有り難いです。
    広がり続けるこの世界にいつまでも注目していたいと思います。

    2013.06.28

  • 待ちに待った新刊は中編3篇と短編1篇からなる1冊。「丕緒の鳥」は慶国の、「落照の獄」は柳国の、「青条の蘭」は恭国の、そして「風信」は明記はないもののやはり慶国の物語か。

    以下、物語の「仕掛け」に触れます。


    こういう物語が読みたかったんだ。4つの物語には王も麒麟も登場しない。下級官吏と民衆だけが登場し、王は物語の背景に潜んでいる。
    荒廃した世界の中で己の役割を全うする覚悟を決めた名も無き男たちの清廉なる生き様…って帯の惹句が全てを語ってるなぁ。

    どの物語も幾ばくかの明かるい気配を感じたところで終わるのがいいな。

    こんな物語を期待していたのに王も麒麟も登場しないのはちょっと物足りなくて旧巻を再読したくなる(笑)

  • どんなに過酷な冬が続いても、春はやってくる。
    希望を繋ぐ民の物語。


    終盤であの王宮の名前が出てきたときの感動たるや。あの巻でのあの登場人物の台詞、「緑になったよなあ……」が思い出されて心が打たれた。
    生き延びてよかったなあ。

  • 十二国記の短編集。4編。
    それぞれ国も時代も違う役人たちの仕事への苦悩と思いが語られているとでもいうのだろうか。本編の登場人物の名前は登場しないが、遠回しに彼・彼女であるというのは判る。

    ・丕緒の鳥。表題作。慶国。時系列は陽子が王になったあたり~回想で過去に至る。陶器で作られた鳥を的にして射る儀式(上手く射ることが出来ないと不吉とされる)の現場総責任者(のような仕事)を任せられている丕緒が、あれこれと悩みつつ過去を振り返りつつ苦悩するという話。
    ・落照の獄。柳国。時系列は帰山あたりか(「風の万里」あたり)。傾き始めた柳で最高裁判所の裁判官のような仕事をしている役人の苦悩の話。凶悪な犯罪者に死刑を与えるか? というやるせない気持ちになる短編。
    ・青条の蘭。延国。時系列は尚隆即位直前から直後あたりか(明言はされていないが、「先王の暴虐から即位まで時間がかかった」「王に抜擢された地官遂人」が出てくることから推測。北方のブナ林で起きた異常事態をどうにかしようと奮闘する役人たちの話。途中まではどこの国の話か判りにくい。わざとだと思う。
    ・風信。慶国。時系列は予王崩御~偽王の時代。暦を作る役人たちと、予王の施策のせいで家族を失い、更に故郷を離れざるを得なくなった女児の話。

    落照を除いて、後は下級役人の話ですかね。
    どれも己の仕事を全うしつつ、理不尽で上手く行かない世界で奮闘する、”冬”の時代の話です。特に青条はやり遂げ、繋いでいくということを必死に語る「心に残る」話であると思います。
    風信は少し、言いたいことを押しつけてくる感じがあり、個人的には余り好きではありません。
    全体的には「設定」と「役職」を理解するということが大前提になるため、十二国記の世界観になれない人には小難しい感じになっているような気がします。
    十二国記が好きな人でも、活劇的な大きな物語の流れや登場人物が好きなんだ、という人にはちょっと苦しいかもしれません。

  • 12年ぶりの新刊に、嬉しさもそのままにあっという間に読了。
    民(あるいは下官)の視点から見た国が中心の短編4作。

    ファンタジーとくくるにはもったいなく、胸を打つ台詞・内容、引き込まれる世界観は、相変わらずの読み応え。本編と比べると地味めですが、ファンもそうでない人も満足いく内容だと思います(初めての人には用語などがとっつきにくいかもしれないですが…)

    「丕諸の鳥」は切なくて美しく、何度でも読みたくなります。
    2番目の「落照の獄」の現代社会に通じるテーマは、考えさせられます。
    そもそも、ファンタジーでこのテーマを取り上げることに衝撃が走りました。
    残りの二作も、国に翻弄され、憂い、泣き、傷つき、それでも懸命に生きていこうとする人々に、ぐっと息が詰まる思いと、終盤の「春」の気配は、後読感が良かったです。

    長いこと好きなシリーズなので、ひいき目は承知の上で、読んでよかった思う一冊でした。

  • 久しぶりの十二国記の新刊は短編集。本編に比べると地味ですが、この架空世界の様々な職業、歴史の裏で奮闘する人々、普通の生活などが細かなディテールで描かれています。
    個人的に強烈な印象として残ったのは、2つ目の「落照の獄」。これまで死刑の途絶えていた国で、凶悪な連続殺人犯をどう裁くか。悩む司法と、極刑を求める民と、様々な思惑が交差して、深く考えさせられました。今の日本にも共通する議論ですね。秀逸な作品です。

  • 十二国の古今東西、民衆のため・国のために官吏が動く短編集、かな。

    久方ぶりの新作を堪能しました。
    派手さや華やかさはないけれど、荒れるそれぞれの国で必死に生き抜く人々の息づかいが感じられる短編ばかりでした。

    これまでは王の視点、麒麟の視点からこの世界のつながりが見えてきましたが、この短編集は王と民をつなぐ官吏に焦点を合わせたように感じます。
    官吏と言っても、国政を動かす者から民の声を直に聴く者まで様々ですが、これで取り上げられるのは末席であったり、政ではなく法に携わるものであったりと、より民衆に近い人々です。

    天から麒麟を間に王へ。
    王から官吏を挟み民衆へ。
    つながる希望のあたたかさを感じると同時に、
    民衆や官吏のひとりだけではどうすることもできないむなしさも感じる作品群でした。

  • やっぱり十二国記はいい。いつもいつもこの世界が綿密に構成されていることに驚くのだけど、その中での市井の人々や姿勢に近い官吏たちの考え、発言、感覚がとてもリアル。今回それが一番感じられたのは『落照の獄』でした。陪審員になったとき、こういう風に悩むんだろうな、なんて思ったり。
    一番好きなのは表題作でした。終盤、少しだけ登場した陽子と、丕緒とのやり取りを読んで、なぜか鳥肌が立った。本編読み直したいなぁ。

  • 12年ぶりの新作短編集。4作収録。
    前半2作はyomyomに掲載されたもので、後半2作は書き下ろし。

    「丕緒の鳥」
    慶。本書4作の中では一番好きかな。国のあり方、王とは、国官の責務とは。
    十二国記らしいテーマで、最後には希望が見える。読後感も良い。
    「落照の獄」
    いよいよ柳が危うい、という象徴のような話。華胥の幽夢収録の「帰山」の裏付けみたいな。
    ここらあたりが書き下ろし長編に繋がるのかしらと思うのだけど、どうだろうか。
    「青条の蘭」
    読み飛ばしたりしてなければ国名自体は最後まで出てこなかった。冬の厳しい国で荒廃が進んでいたので芳かと思ったら、関弓、玄英宮と出てきてようやく判明。時代昔すぎるだろ。
    と、思わせて本流より後の話だったとしたらゾッとする。
    「風信」
    慶。予王偽王時代の市井の話。
    理不尽な政策に翻弄され、そのなかでも日々を生き抜く、という主題はいいと思うが、何かぼんやりした話。国と時代が「丕緒」と被るから印象がぼやけるのかも。

    全体として前半と後半の温度差が大きいな、という印象。
    前半2作は雑誌掲載したものだからか、本流との関わりを意識した話になってると思う。そういった意味で入り込みやすく、自然思い入れも深くなる。
    後半2作は、今回の完全版刊行順が影響した内容なのかしら、と。図南・黄昏刊行前だから、王と麒麟のあり方の話を深めるわけにも、戴に言及するわけにもいかず、本流にとって毒にも薬にもならない話で埋めたのかなって。

    全体としては、ぼちぼちな出来。

  • 文庫本としては十二年ぶりの新作という事で、緊張して読み始められませんでした。あほかと!!!収録作品は、yomyom掲載作品が二つと、書き下ろしが二作です。


    と、行数を稼いだところでネタバレしちゃうぞ!!!

    青条の蘭は、なんか、なんていうんだ、おっさんが渋くてかっこいい話でした。地名が、見たことない地名で、一体何処のいつの話なんだと無駄に推理して読んでましたが、まさかのあの国で、あのキャラの濃い王が一言も喋らずに終わるとは!という感じで、最後の最後まで国名は出ず、王宮の名前でわかるという。頑ななまでに国名が出ないのは最後のなんかのためなんだろうなと思いながらも、ふんわりと予想してたようなしてなかったような国だったので、読みながら思わずおおおおと声をあげました。

    風信は、最初からどこの話か分かりやすい構成で、やっぱり国名は出て来ませんでしたが、よく知る州名が出てくるので、安心して読めました。主人公が女の子だと、字面が華やかですなー。前の話が前の話だったので、和やかな進み方もあいまって、気分がふんわりしました。
    あと、文官てすてき。ひょろいんだろお前ら!ひょろいんだろ!!!!大好物なので大興奮でした。 #何言ってんの
    本に入ってたチラシみたら、これだけじゃなくて、また新しい話が出るようで、そちらも楽しみです。まだ出て来てない国とか、ふんわりしか終結してない国とかとかとか!!
    なんだか生きる希望があってうれしいなーという感じです!

  • とりあえず「丕緒の鳥」だけ読了。このタイミングでのこの短編だと切に思う。
    待ち侘びた気持ちと陽子の王座に座った覚悟を知っていてこそ意味が伝わってくる。
    読んでいる間のもどかしさがあって、ラストの出会いで涙が込み上げてくる。…丕緒だけでなく私達も待っていたんだなぁ。

    追:6/29読了。
    良かった。とにかく良かった。
    四篇の内、慶国に関するのニ篇と某国のは例えるなら春を待ち侘びる話。まるで私達…読者みたいに(笑)待って待って待ち侘びて。本当に待ったわ(爆)
    でもそんな期待とか、気持ちがリンクしてるとか全く関係なく、間違いなく実力で十二国記で。
    最後の例えて春が来た場面ばかり何度も読み返してしまう。
    嬉しくて(笑)
    二篇目の話は厳しい。そんな一言で片付けられる訳ではないけれど。
    タイムリーに先日、裁判員が出した死刑判決を裁判官が覆したニュースを聞いたばかり。死刑とは、罪とはと身に置き換え問わずにはいられない。
    反射・本能。答えがでる訳ではないけれど、しっくりくる話だった。

  • Twelve kingdoms series started in 1991 and this book, the latest was published in 2013. And yes! The new one(actually 4books!) is coming this fall(October and November,2019) I’m a big fan of this fantasy series so really can’t wait. So excited.

  • 2019.8.20

    この世界の色んな職業の人の生活や使命、市民の暮らしぶりなどがすごくリアル。

    ストーリーがめちゃくちゃ面白い!とかそういうのではなく、この世界にただただどっぷり浸かれる一冊。

    個人的にはワクワクドキドキするお話の方が好きだから星3点。

  • 市井の様子や下官の者たちの様子が分かる短編集だった。
    丕緒の鳥と風信がお気に入り。

  • 凄い所に話持ってくな〜って思いました!より完成された世界観が楽しめる作品です!

  • 「絶望」から「希望」を信じた男がいた。慶国に新王が登極した。即位の礼で行われる「大射」とは、鳥に見立てた陶製の的を射る儀式。陶工である丕緒(ひしょ)は、国の理想を表す任の重さに苦慮する。希望を託した「鳥」は、果たして大空に羽ばたくのだろうか──表題作「丕緒の鳥」ほか、己の役割を全うすべく、走り煩悶する、名も無き男たちの清廉なる生き様を描く短編4編を収録。

  • 『丕緒の鳥』『落照の獄』『青条の蘭』『風信』収録。

  • 十二国記、やっぱいいわぁ。

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著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

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