黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)

著者 :
制作 : 山田 章博 
  • 新潮社
4.46
  • (346)
  • (206)
  • (58)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 2177
レビュー : 172
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240619

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 既刊本読破。
    このタイミングで十二国記を読んだことは、天の采配だったに違いない。
    この本の続きがもう間もなくやってくる。
    ラグビーにも「ニワカデゴメン」の応援があるのだし、十二国記ファンにも「ニワカダケドゼンブヨンダカライイヨネ」と許していただきたい。
    いよいよ今週末に18年ぶり、待望の新刊発売。
    たった一週間でも待ち遠しいのだから、古参の方々の忍耐力には頭が下がる。
    泰麒の行く末が明るいものでありますように……

  • めちゃくちゃ響いた…一冊におさまらない感覚のスケールの大きさ。「自身の行為が自身への処遇を決める」…深い…ここに至るまでの丁寧な描写、繋がるエピソードの数々。さまざまな角度・立場から、時を越えて紡がれる物語、ほんと改めて見事やわ。。

  • やっぱり陽子の王としてのエピソードが一番好きだなー。民の話よりも王としての葛藤の話が読みたいなと思うし。この先どうなるんだろう、続編とても楽しみです。

  • 泰麒が…泰麒が…。何があってどうなって、驍宗はどこだー?泰麒に何するんだ!!という全編でした。陽子はどうして会ったこともない泰麒や驍宗を、あそこまでして助けたかったんだろう。延王と六太のラスボス感がすごいです。この二人が関わってくれたら何とかなる、って思っちゃいます。自分の足元が固まらないままに他国を救うなんて無理…陽子もまた王らしくなったんじゃないでしょうか。最後は景麒以上にハラハラしました。サンシとゴウランはやりすぎ。これは魔性の子の時も思いました。小野さん何卒続きを…驍宗、他国、楽俊…気になります。

  • 十年ほど前に途中で終わってしまっていた泰麒の話がやっと終わるのかー。まさか文庫で中断のまま出さないよね。
    と思ったら、私の覚え違いだった。


    当時もこの話としては終わっていたけれども、戴の争乱に決着がついていなかったから終わっていないと思い違いしていた。
    そして、丕緒の鳥など読みながら、「あれ泰麒はもっと大きい…少年くらいだったよね。『魔性の子』で出ていたときに」と、十歳くらいの彼に疑問を感じていたのも、私が話をほぼ忘れていたからだった。

    しかし当時よりも、今読んだ方が、この話は堪えるなあ……短編は出ていることだし、そろそろ、十二国の続きをまともに読めると期待したい。


    p368 景王たる陽子と、戴の将軍李斎
    「これほど高い代償を――しかもゆえなく要求しながら、そうやって選んだ王に対して、天は何の手助けもしてくださらない。…略…天にすれば、見限るだけの理由があったのかもしれません。ならばなぜ、阿選を黙認なさるのです? あれほどの民が死に、苦しんでいるのに、なぜ正当な王を助け、偽王を罰してはくださらないのです!」
    「李斎……」
    「天にとって――王は――私たちはいったい、何なのです!?」
    …略…
    「李斎……私はその問いに答えられない。けれども一つだけ、今、分かったことがある」
    「分かったこと?」
    「もしも天があるなら、それは無謬ではない。実在しない天は過ちを犯さないが、もしも実在するなら、必ず過ちを犯すだろう」
     李斎は不思議そうに首を傾ける。
    「だが、天が存在しないなら、天が人を救うことなどあるはずがない。天に人を救うことができるのであれば、必ず過ちを犯す」
    「それは……どういう……」
    「人は自らを救うしかない、ということなんだ――李斎」


    キリスト教の神ならば、自らが律法を定める立場にあるものなので、過ちは過ちにならないんだろう。新教でも旧教でも。(旧教では大洪水が、過ちを認めたことになるのか?)
    けれども十二国では、天は天としての仕組みのもとに動いていて、人の世界は天の決めた規則のもとに動いている。人の世界の中の法律なら、運用の誤りもあるけれど、情状酌量もあるものを、天の規則は、背いたら情実によらずに罰をくだされる。
    でも、その天も過ちを犯すというのなら、天には天を罰する存在があるのだろうか? それはマトリョーシカの入れ子のように、無限に続くのか、それとも天は天で終りなのか。
    「人は自らを救うしかない」とは、生まれも環境も変えられはしない。厳しい気候も、正しくない王による圧政も、天はそれを過ちによって見過ごす。人には、気候を変える力もなければ、他国の軍を頼って義による出兵ものぞめないのなら、何が変えられるといって、自分の心しか変えられないように思う。でもここで言われているのは、心ではなく、天の過ちによって正されない状況は天によって改善されるとは期待してはいけないから、出来ることを探して、少しでも救われるよう道を探すしかない、天には頼れない、ということか、と、理解。
    人は、自分を自分で救う以外に、誰も助けてくれない。でもこの場合、李斎の場合、彼女の姿勢などに、陽子は力を貸したいと思った。人は、天に頼れなくても、互いを助けあうことで、生きるということか。


    p430 李斎と泰麒
    「けれども李斎――僕はもう子供ではないです。いいえ、能力で言うなら、あのころのほうがずっといろいろなことができた。却って無力になったのだと言えるんでしょう。けれども僕はもう、自分は無力だと嘆いて、無力であることに安住できるほど幼くない」
    「……台輔」
    「誰かが戴を救わねばなりません。戴の民がせずに、誰がそれをするのです?」
    …略…
    「天を当てにしてどうします? 助けを期待して良いのは、それに所有され庇護される者だけでしょう。戴の民はいつから、天のものになったのですか?」
    …略…
     泰麒は李斎の残された手を取る。
    「そもそも自らの手で支えることのできるものを我と呼ぶのではないんでしょうか。ここで戴を支えることができなければ、そのために具体的に何一つできず、しないのであれば、僕たちは永遠に戴を我が国と呼ぶ資格を失います」
    …略…
    「僕たちは戴の民です。求めて戴の民であろうとするならば、戴に対する責任と義務を負います。それを放棄するならば、僕らは戴を失ってしまう……」
     そして、所属する場所を失うということは、自己を失うということだ。


    国民には納税の義務がある。それは国を運営するためで、国によって保護されるため。
    大きい政府と小さい政府のどちらがいいのかというのはその人の立場による意見であるけれど、国民としての責任、国は、国民のレベルを超えることが出来ない以上、国民が、自らのレベルをあげないと、国のレベルはあがらない。
    国を築く、様々な問題との、やり取りなんだろう。
    フリーライドは、国を作らない。

  • こっそり講談社版と入れ替え。

    これまでのシリーズが収束するようなお話。魔性の子の時点でココまで構想があったのですよねぇ。震える。

    豪華な登場人物で霞むけれど、主人公は李斎。彼女の心情の変遷が好き。

  • 何度読んでも陽子と浩瀚の、ものを正しく見(ようとす)る目の会話は辛いなあ。我が身を省みる。

    そしてこれが出たの2001年か…

  • 戴の王と泰麟が姿を消した! と言うことで戴があれているとこで、李斎が慶に助けを求めてきた。そこでできることをするために延王、六太、陽子、景麒、氾王、氾麟、廉麟などが活躍して泰麒を蓬莱から取り戻す。そこには前の慶国の乱で活躍した虎嘯、祥瓊とか桓魋が出てくるのは非常にほほえましい。今回は王生母、碧霞玄君なども出てくるので非常にバラエティに富んだ登場人物達が話の内容を盛り上げる。
    ただ 最後は李斎と泰麒がまた戴へ戻るところで終わってしまうので話としては未完のまま。続きが早く読みたくなるが、この本の元もかなり前に出てから全く後編が出ていないのでどうなることやら。 ただ新潮社から続編が出るような予告が出ているのでもしかしたら続き話なら良いけど。
    まあ今年には何かでるでしょう!と言うことで待っています。

  • 陽子の慶国の物語と、泰麒の戴国の物語が出会う。
    後半は怒涛の展開。
    そして、え、ここで終わりか…ってところで終了。

  • 十二国記の再読も、やっとここまで進みました。
    新作の前に読み直して良かったです。
    忘れてたエピソードが沢山ありました。

    「黄昏の岸 暁の天」は、魔性の子の十二国記側での話。
    戴の女将軍の成長ストーリーです。
    蓬莱で苦悩していた戴麒の反対側でこんな作戦が練られていたとは。
    そして、この終わり方。
    李斎と戴麒はまだスタート地点に立ったばかり。

    続編がとても気になります。

著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

黄昏の岸 暁の天 十二国記 8 (新潮文庫)のその他の作品

小野不由美の作品

ツイートする