- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101240626
作品紹介・あらすじ
戴国に麒麟が還る。王は何処へ──。乍驍宗が登極から半年で消息を絶ち、泰麒も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎は慶国景王、雁国延王の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!
感想・レビュー・書評
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十二国 北東の島国 戴国。
戴国の麒麟、泰麒が、遂に国に戻る。
泰麒が選定した、王驍宗は叛逆に合い、消息を断たれたまま。泰麒自身も、蓬莱へ流されてしまっていた。王と麒麟の不在の六年、戴国は、厳しい寒さと荒廃した土地、破壊された山村で、人々は息を殺して生きていた。
戴国へ戻れた泰麒は、角を折られ麒麟たる力も失っていたものの、その精神は成長して、王の無事を信じて、探し求める旅が始まる。
戴国の大変な様子ですね。可愛かった泰麒が、青年になって帰還。前作から時間を空けてしまいましたが、さすがに読み始めれば、すぐにその世界観に入り込めます。
それでは、次巻へ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
群盲象を撫でる。象とは何か。泰王の行方であり、戴そのものである。まだ象は1匹だが、群盲は新キャラ含めてぞろぞろ出現した。もちろん、今は4巻中1巻目の助走段階なので仕方ない。
私がファンタジーの魅力に目覚めたのは遅く、映画「ロード・オブ・ザ・リング(2001年)」からだった。それから3部作が完結するまでの3年間に「指輪物語」全10巻を読み終え、世の中には個人で「世界」をまるまる作ってしまう力技があることを知った。しかし、それには出来不出来、好き嫌いがある事もわかってきた。「ナルニア」「ハリーポッター」シリーズは、嫌いのうちに入る。宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」その他のファンタジーは、波乱万丈で好みだが正直造り込みが不足している。しかし、上橋菜穂子の一連ファンタジーには大いに満足し、私の日本ファンタジーへの期待に希望を繋がせた。
その頃、小野不由美「十二国記」は、常に本屋の棚を賑わしていたが、簡単な設定チラシを見る限り、妖魔や魔術が使える異世界で、十二国の王が権謀術数を駆使して栄枯盛衰を重ねる物語なのだと勝手に思っていた。そんなゲーム感覚のファンタジーならば要らない。‥‥私は食わず嫌いだった。
そして昨年末「十二国シリーズ」に出会う。ここに至って田中芳樹「銀河英雄伝説」はSFではなくファンタジーだったのだ、と独言(ひとりごち)たのである。銀英伝の中の「理想独裁国家像」を壮大なスケールで再構築したのが、おそらく十二国シリーズである。その最大の長編が始まった。
今回は、前半は「西遊記」である。泰麒(玄奘)という倫理の塊のような人物、五山から使命を帯びて遣わされた李斎(孫悟空)、旅の途中で襲ってきたが仲間に加わる去思(沙悟浄)、技自慢の項梁(猪八戒)の旅の始まりは、西遊記を彷彿させる。そう言えば、妖魔の蔓延(はびこ)る十二国は、正に西遊記の世界と地続きの気がする。特に泰麒の佇まいは、此方の世界に帰って悟りを得たかの如くだ。角など無くとも、やはり高里は人間ではなく麒麟である。だとすれば、物語の帰趨は目に見えている。いや、はやるまい。今吐けば妄言である。
一方で、後半は一挙に「指輪物語」めいてきた。即ち、フロドとサムの孤独な旅と、アラゴルン率いる真の王と仇敵サウロンとの最終決戦に向かう旅と、二手に分かれて物語が進む構造は、1巻目から成立しているのではないか?いや、はやるまい。今吐けば妄言である。
私自身が盲(めしい)だ。象を撫でている。
年表(加筆訂正)
1400年ごろ 奏国宗王先新が登極 妻と3人の子仙籍に入る
才国遵帝「覿面の罪」により斃れる
1470年 六太4歳延麒となる。
1479年(大化元年) 雁国延王尚隆が登極
1500年(大化21年)元州の乱 斡由誅殺
1700年ごろ 範国氾王登極
ーX96年 柳国劉王露峰が登極
ーX75年 恭国供王珠晶が登極
ーX 25年 舜国の王登極
ーX18年ごろ 芳国峯王仲韃登極
才国采王砥尚登極
X元年 泰麒 胎果として日本に流される
X2年 才国采王砥尚崩御
才国采王黄姑が登極
X9年末 慶国予王が登極
X10年 泰麒 2月蓬山に戻る
戴国泰王驍宗が登極
X11年 泰王驍宗文州の乱に出向いて行方不明
泰麒 鳴蝕により戴から消える
X 12年 芳国峯王仲韃崩御、娘の祥瓊の仙籍剥奪
芳国の麒麟卵果が触により流される
X14年 5月慶国予王崩御
X15年(1992年?)陽子日本より来たる
10月慶国景王陽子が登極
X 16年 功国塙王崩御
慶国で和州の乱
X17年 泰麒 10月蓬莱国(日本)より帰還
泰麒と李斎、戴に入国 -
戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。
乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。
王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。
案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。
──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!
かなーり久しぶりの十二国記の続き。
会社の方に貸して頂いた。
もうすっかり頭の中から登場人物が抜け落ちていたので、
この話が戴国であることを知ってから、YouTube のアニメで戴国の部分を復習(笑)
慶国は話の始まりの国だった為、もちろん好きなのだが、
この戴国も私はとても好き。
戴の麒麟が、心の綺麗な魅力的な少年だったから。
本書以前の話で、慶の麒麟とのやり取りは、心温かくなったり。
さて、この話は、その話から6年もの時が経っていた。
戴国の王が登極してからその消息が消えた。
そして、戴の麒麟も姿を消した。
将軍李斎が麒麟を連れ戻し、王を探す旅が始まる。
この第一巻は只管王を探し旅をする。
あまりにも漢字が難しく、固有名詞もなかなか頭に入ってこない(^-^;
面白いのだが、進みが遅くなってしまった。
次巻に期待大!! -
最終巻、幕開け。
ついに戴国を描く最終巻の幕開け。
危機に陥っている故国に戻り王の行方を捜す旅に出た泰麒。
もちろん一筋縄ではいかない旅なのはわかってはいるけれど、うーん、序盤から登場人物も多く、なかなか手強いスタートだ。
そして一歩ずつ旅の歩を進めながら、まさかの泰麒の取った行動。無茶とも思える「案」に果たしてどんな思惑が秘められているのか。
まだまだまるっきり手探り状態の第一巻、旅は始まったばかり、焦るなと自分に言い聞かせながら次巻へ。 -
4.1
面白かった。
ただ、普段使わない聞かない単語がバンバン出てくる、ふりがなも最初は振ってあるけど、基本二度目から書いてないので、読みを覚えて行くのがなかなか大変です。
このシリーズに共通する悩みです、まぁ、それを差し引いても面白いです。
四巻セットなので、まだ序盤ですからさっさと次に進みます。 -
阿選の下で政が滞り、民が困窮の極みにいる戴国。
李斎と泰麒は、驍宗の生存を信じ、探し始める。
前半は低空飛行で、話も散発的。
登場人物もやたらと多く、なかなか入りこみにくい。
やや冗長にも感じていたところ、3巻の終わりごろからおもしろくなり、最後は一気読み。-
KOROPPYさん
こんばんは。
いいね!有難う御座います。
『まよい道 新・吉原裏同心抄(一)』です。
吉原裏同心シリーズは、今回...KOROPPYさん
こんばんは。
いいね!有難う御座います。
『まよい道 新・吉原裏同心抄(一)』です。
吉原裏同心シリーズは、今回で32作目になります。
佐伯泰英さんの本は、最初に「居眠り磐音江戸双紙」を読んでから「鎌倉河岸捕物控」を除いて全ての作品を読んでいます。
佐伯さんには、感謝をしています。
居眠り磐音が出てからは、他の時代小説も字が大きくなってきましたし、多くの作家が書くようになりました。
一時は、時代小説ブームが到来したと言われ、書店に行くと一番いい所に時代小説が並んでいました。
わたしも、大活字本だけでなく文庫本も読めるようになりました。
本当に感謝しています。
やま
2019/12/09 -
2019/12/10
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最初から最後まで驍宗様探しです。
泰麒が大胆な手段で鴻基に潜入成功。
別行動の李斎達は驍宗の手がかりを探しに函養山へ。
王朝もきな臭いことになってるみたいで何がどうなっているのやら。
阿選以外に黒幕がいるのかな?
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