白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101240640

感想・レビュー・書評

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  • 驍宗と泰麒の行方が分からなくなってからの六年間は、戴国の民にとって辛く厳しい歳月でした。希望など全く見えなくて、一日一日を生き延びることに精一杯でした。それでも、自分たちの食いぶちを削りながら亡くなったとされる王のために供物を捧げる民がいます。王は必ず生きていると探し歩く人々がいます。窮民を救う豪商、危うい立場になろうとも王の兵たちを匿ってくれる村や寺院がありました。季斎をはじめ驍宗の臣たちも身を隠しながら王を探し、王宮のなかで囚われ黙しながら堪え忍んでいます。
    ここにきてやっと、皆の思いが繋がった細い糸が絶望に切れそうになりながらも、少しずつ希望へと太くなっていく展開でした。そして、それは同時に阿選の心の内が明かされることにもなりました。私はショックでした。泰麒や臣下に慕われ、常勝の戦績を収めていた彼のなかで、次第に渦巻いてきたものがこんなにも暗闇だったとは。阿選は「囚われて」しまいました。驍宗が目の前から消えても、結局彼に囚われたままの六年間。彼には絶望しかなかったことがわかります。過去が今の自分を作っているのならば、彼の過去が「驍宗に囚われた」それだけじゃなかったことに気づいて欲しかったと思うのです。人は変わっていく。変わっていくこと全てが悪いとは思いません。でも変わってはいけないものもあったはずなのに。

    多くの犠牲の上に蓬莱から戻ってくることが出来た泰麒。もう幼い麒麟の純真無垢のままではいられませんでした。蓬莱では彼に対しての残酷な仕打ちを何も言わず受け止めてきました。かつてこれ程人々の憎しみや呪い恐れなどに触れてきた麒麟はいないと思います。それらの事実が彼を慈悲深い生き物と言い難い「麒麟」にしたのならば、それも天の采配というものなのでしょうか。冷静で冷徹な「麒麟」でなければ、戴を救うことは出来ない、それが黒麒だからこその過酷な運命なのでしょうか。
    「天が私を生かしている」修行者の梳道が言います。「自分は生かされている」と驍宗は感じます。そのことに気づいたからこそ、彼は自分が生き延びることが王としての成すべきことだと動きます。泰麒と驍宗がここにあること、それが天に生かされていると思えば、ふたりには自ずから何をするべきかが見えているのでしょう。そして、その先に戴国が望む未来が続いているはずです。

    でも決してこの六年間は戻ってきません。失われた命は戻ってこないのですから。それでも、この苦しい六年間は泰麒と驍宗が築く戴国へ繋がっていくはずです。だけど、わかっているけれど、やっぱり争いの虚しさや憤りで胸が苦しくなる、この感覚は生涯忘れることは出来ません。

    「私という存在は、始まりではなく結果なのだと理解する」という梳道の言葉に、驍宗と泰麒が王と麒麟であるということは始まりではなく、過去のあまりにも大きい犠牲の上に存在するという結果なのだと私なりに理解しました。国を治めるということは、こんなにも非情な理の上に立つことなのでしょうか。業を背負い立ち上がれるものだけが王となれるのでしょうか。驍宗を待っている人々がたくさんいます。どうか今が未来へと繋がっていくのならば民が幸せに暮らせる世の中を必ず作ってほしいと願わずにはいられません。

    • やまさん
      地球っこさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      地球っこさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      2019/11/11
    • 地球っこさん
      やまさん、こんにちは。
      こちらは昼前に雨とそして雷が凄かったです。久々の雷なのでびっくりしました〰️
      やまさん、こんにちは。
      こちらは昼前に雨とそして雷が凄かったです。久々の雷なのでびっくりしました〰️
      2019/11/11
  • 緊張と興奮でどきどきが止まらなかった。そして読み終わって深い吐息をついた。

    発売日に本屋に走って買うなんて、いつぶりだろう?最近は、発売日を意識したことほとんどなかったのに、2巻を読んでから、3巻が出るのを指折り数えて待っていた。

    最近まで重傷人が匿われていた里に辿り着いた李斎らは、その者は既に亡くなったと聞く。その者の髪は白く、瞳は紅であったと…。間に合わなかったのか。驍宗は亡くなったのか。阿選は本当に新王となるのかーーー。


    以下は、ネタバレ含みます。2巻までしか読んでない人は、楽しみが減るのでご注意を。




    もしや本当に阿選が王なのか?疑念が膨れ上がり、耐えきれなくなった項梁に、泰麒がきっぱりと宣言する。「驍宗様が王です。」
    泰麒の隣で、もだもだと悩んでる時間が長かったけども、行動しているときの項梁はとてもかっこいい。「甘い。躊躇うな。」いきなりそんな口調!(*⁰▿⁰*)←テンションおかしい。

    そして李斎も、亡くなった武将の素性を知る。2巻までの遅々として進まない捜索の中で張られていた伏線が回収されていき、驍宗に少しずつ近づいている。しかし捜索し尽くしたかに思われるのに、全く驍宗の気配を感じない。驍宗様はどこにいらっしゃるのか?

    あぁーでもでも、本当によかった!!泰麒の態度が不穏だったし、天命ってそもそもわからないところがあるし。しかも小野さん、けっこうえぐいこともやっちゃうから…(いや、既にもうえぐいことになっている、とも。正頼ぃぃー!!涙)。阿選=新王説、あり得るのかもしれないと思って、2巻を読んでからの3週間長かった…!
    4巻もあるのに、その結果が、驍宗は死に、阿選が新王として目覚め、戴はようやく落ち着きを取り戻しました☆ちゃんちゃん☆
    だったらどうしようかと思った。
    3巻では、阿選が謀反を企てた真意やその卑劣な計画が語られる。2巻までに描かれていた謀反前の阿選の人物像からは、何かの間違いじゃないかとの疑問を禁じ得なかったけれど、阿選は屑男だった。しかも小者。こんのクズオブザクズ!(罵倒)
    いやでも、本当のクズオブザクズにはなりきれなかったから、宮廷の深奥に引きこもることになったのかな…、という思いも。

    そしてついに、驍宗の現況が明かされる。
    困窮し餓死する家族がいる中で、新月の夜に祈りをこめて流す、供物の入った籠。「どんな世になっても、轍囲の者だけは、決して恩義を忘れない。」そして流れ着いた先、驍宗の手に渡る…。これのおかげで生きながらえている、いままで。送り手も受け手もお互いに知らないまま、こんな風につながってきたなんて。震えた。

    しかしここまでくるのに3巻。4巻には大逆襲があるのだろうか。
    泰麒の開眼。この行動力、冷静な判断力、意志の強さ。李斎や項梁、正頼、そして名もない轍囲の者らの献身、忠誠。
    戴に小さな小さな希望の灯がともった。
    どうか早く驍宗が見つかりますように。耐えて耐えて耐え抜いてきた人々が、戴が救われますように。たくさんの思いを抱えて、4巻を迎える。(また買いに走らないといけない。何故一緒に買わなかったのか。。)

  • 直前におさらいで「冬栄」を読んでいてよかった。
    正頼が出てくると涙が溢れてくる。
    それだけに読み進めても思う気持ちは変わらない。
    私は戴の民なのかしらと、戴の民目線で祈るように読了。

  • 〉麒麟は人を殺傷できる。できないとそう周囲も本人も信じているだけだ。麒麟の殺意は特殊な生まれ方をするので、一見そう見えるだけだ。
    〉できない――できない、だが、やらねばならない。


    泰麒が、人をその手で殺すかどうかで5ページ葛藤した第三巻。
    2冊と300ページを費やして、残りの50ページでついに、ついに物語が動き出した、長かった…。
    四巻は怒涛の解決編だ(きっと)!

    二巻の感想で、麒麟は所詮ヒトではないから――と書いたけど、三巻読んでいて六太のお話があったことを今さら思い出しました。延麒は内心いっぱい語ってくれてたっけな…。

    泰麒も今回いっぱい頑張りました。

    李斉や項梁がいたとしても、彼らとは背負っている物のレベルがやはり違う。泰麒の心情としては孤独だったのではないか。そして焦りが切々と感じられる。
    麒麟らしからぬ無茶を立て続けにして状況を切り開こうとする姿には思わず目頭が熱くなるし、遠い岸で起きた様々な出来事が泰麒を後押しした日にはもう…。泰麒にとってはついこないだのことだしな〜。


    さて続き続き。
    李斉と泰麒が幸せになれる結末だといいな…。あと陽子と楽俊出てこないかな。

  • 永かった……
    作中の戴の民にとっては6年、古参の十二国記ファンは18年、ちなみに自分は5年半、そして二巻のあの引きからの1ヶ月……
    それだけの時間が流れ、戴を巡る物語の終着点が、ようやく見えてきました。

    ここまでの二巻は、李斎たちよろしく、目の前がまったく見えない吹雪のなかをずっと歩いているような感覚を、読みながら感じていました。

     そして迎えたこの三巻。これまでのじりじりとした我慢の展開から一転し、ここから一気に物語は唸りをあげ加速していきます。

     ここ1ヶ月、ブクログのタイムラインを見ると、十二国記のレビューがしょっちゅう流れてきました。その中でときどき、かつての幼い泰麒を懐かしむレビューが、見受けられたように思います。

     自分はこれまで十二国記の長編作品で、泰麒を中心にした話だけ、他のエピソードとは毛色が違うものを感じていました。
    それは他の話が王を巡る話だったのに対し、泰麒だけ麒麟の物語だったから――そうした役割の違いだけでは説明できないように思います。

     その違いの本質は、自由と無力さだと個人的には思います。陽子、延王、珠晶、彼らはそれぞれ立場は違えど、自分で考え行動する自由があったように思います。

     一方で泰麒は幼さゆえ、自らの責任を果たしたい、と思いつつも自由に行動させてもらえず、結果自分の無力さにずっと悩んでいたように思います。
    そして、今回の一件があり蓬莱に流されて6年、帰ってきた泰麒にはかつての幼さはありませんでした。

    泰麒も心身ともに成長したし、様々な裏切りにもあったから思考が大人になったんだなあ、と軽く思っていました。
    しかしこの三巻を読み進めるにつれ、泰麒の行動や思考の根底にあるのは、そんな生半可なものではないと、認識が変わりました。

     この三巻は泰麒に様々な決断や、困難を強いる巻でもあった気がします。その都度彼の心中が描かれるのですが、そこにあったのはこれまでにあった麒麟としての責任だけでなく、
    『魔性の子』の惨劇もすべて受け止め、その上で自らの役割の重さを痛感し、圧倒的なまでの困難に挑む姿でした。

    彼の心中を知り、自分はようやく泰麒の様々な行動の意味に思い至ったような気がします。たとえ捨て身の手段を取ろうとも、同士たちから不審を抱かれようとも、
    そして、身の回りの人や物事を何もかも疑っても、それでも自分だからこそ、果たさねばならないことがある。そうした決心があるのだと思います。

     そしてその決心は泰麒にとって、戴の民たちへの、そして蓬莱の惨劇に対しての贖罪でもあり、彼の存在する意味だったのです。

     彼のこの決意に思い至り、そりゃあ泰麒も「もう幼いまま、誰かに守られるままではいられない」と考えるよなあ、と深く納得しました。
     ようやく泰麒も他の主人公たちと同じように、自分の幼さや無力さに打ちひしがれるのではなく、自ら考え行動し責任を果たすことができるようになったのです。

     この三巻の一場面で久しぶりに泰麒と再会を果たした人物が、泰麒に対し「ずいぶんと強くなられた」と話します。それに対し泰麒は「もう子どもではないんですよ」「良くも悪くも強かになりました」と返します。するとその人物は「惜しくもあるが、心強い」と応じます。

     幼く可愛く、無垢だった泰麒の姿は確かにもうありません。それを残念に思う人がいるのも分かります。でも、それは決して残念がることではないのです。それは喪失ではなく、成長であり進化なのだと、自分は思います。

     それにしても作者の小野不由美さんは、一体どの段階から、この泰麒をめぐる物語を既に完成させていたのか、と末恐ろしくも感じてしまいます。
    確か1991年発売の『魔性の子』執筆段階で、すでに十二国記の世界観はできていたということらしいのですが……

    作中の登場人物の中には、かつての姿とも、そしてこれまでの麒麟らしくない泰麒の立ち居振舞いに、脅威や驚異を覚える人物もいるのですが、自分にとっては小野不由美さんこそが、その脅威や驚異の対象です……。
    どんな物語設計をしていたら、『魔性の子』からこんなに時間を置いても、話がきれいにつながるんだ……

     そしてこの巻で、ようやく阿選の過去も描かれます。彼が反旗を翻した訳、そしてようやく手にした立場を無下にしている訳。

     それは言葉にしてしまえば単純なものなのですが、それを重層的に描き、影に囚われた男の大罪の話として、読みごたえ十分に仕上げているのも、さすが小野不由美さんです。そんな阿選も泰麒の行動がきっかけで、新たな動きを見せ始めます。

     阿選の臣下たちの葛藤も読み応えがあります。謀反を起こし国に対して大罪を犯した尊敬すべき主上。そんな主上に抱く複雑な思い。この葛藤も十二国記だからこそだよなあ。

     個人的に胸が熱くなったのは、これまでところどころで描かれた戴の民のある行動が、物語に繋がっていくところ。話がある程度見えてきたところで、
    「もしかしてあの描写の意味って……」と勘ぐったところはあったのですが、それでもやられてしまいました(笑)

    『丕緒の鳥』の中でも、こうした市井の人たちの思いが繋がる短編はあった気がするのですが、王や麒麟、国といった大きな物語だけでなく、
    李斎に協力してくれる市井の人たち、徐々に泰麒たちに協力的になる王朝の役人、そして寒さや飢えに震えつつも、矜持を曲げない民、

    本来脇役である人たちの思いも汲み取って物語が展開されるのも、また十二国記の大きな魅力のひとつだと思います。

     というわけで、物語もいよいよクライマックス。仕事を休んで四巻を読み終えたいところですが、とりあえずは我慢です……。

    以下余談

     一巻、二巻がまず発売され、それから一月置いて、この三巻四巻が発売されたわけですが、一、二巻を読んで一月待つか、三、四巻発売後一気に読むか、悩んだ人は多いと思います。

     自分はフォロワーの方とのコメントのやり取りを経て、一月待つ方を選択したのですが、この読み方はこの読み方で、ある意味正解だった気がします。

    二巻のあの引きから、一月待つ。それによって作中の李斎たちと同じような、何を信じていいか分からないというジレンマを疑似体験できたと思います。
    そして、その待ちの期間があったからこそ、この三巻の一気に加速していく展開を、より楽しめたような気がします。

     でも一方で、四巻一気に読んでいる人たちの読み方も羨ましく感じている自分もいます。以前、宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証』が文庫化されたときも、第一部、第二部、第三部と一ヶ月ごとに販売されました。

     その際自分は、第三部の発売を待って、第二部、第三部を続けて読みました。あのときの物語にずっと入りこんでいる感覚も、忘れがたいのです。

    今後、十二国記やソロモンの偽証のように、物語にとんでもない吸引力があり、なおかつ一月ごとに発売される物語に出会えるか、正直分かりません。

     だからこそ、記憶を消して過去に戻り、この『白銀の墟 玄の月』を一気読みしたり『ソロモンの偽証』をあえて一月待ち、涼子たちと裁判の開廷を待つような感覚を味わう読み方も、してみたいような気もします。

    • 地球っこさん
      とし長さん、こんばんは。
      とうとう4巻まで読んでしまいました。
      とし長さんは、4巻ガマン中でしょうか?
      私はしばらくこの世界から抜け出...
      とし長さん、こんばんは。
      とうとう4巻まで読んでしまいました。
      とし長さんは、4巻ガマン中でしょうか?
      私はしばらくこの世界から抜け出せませんでした。実は今も、数々の場面を思い出す度にじわりと涙がでてきます。
      本当に、最後まで読んでよかったと思いました。
      とし長さんのレビューに、うんうんそうだなと同じ思いを感じたり、あ、そうかそういう考え方もあるのかと、はっとさせられたりしました。
      実は、語彙力も文章力もなくて思うように書けないもどかしさでいっぱいでしたが、とし長さんのレビューを読ませていただいて、心のなかがまとまったようにすっきりしました。
      素敵なレビュー、ありがとうございました(*^^*)
      2019/11/14
    • とし長さん
      地球っこさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

      四巻は今日から読み始めました!
      三分の一ほど読んだと思うのですが、李斎が十...
      地球っこさん、こんばんは。コメントありがとうございます。

      四巻は今日から読み始めました!
      三分の一ほど読んだと思うのですが、李斎が十二国記の世界にいてくれて良かった、と心底思っているところです。

      読み始めはしたものの、一気読みは平日では難しいので、ある意味ガマンの真っ最中ではありますが(苦笑)

      遅まきながら、地球っこさんの三巻のレビューを拝読しました。
      泰麒や驍宗、阿選、そして戴の国に対しての、情緒あふれるレビューに、心打たれました…

      これだけ感情豊かに物語を語れる地球っこさんも素晴らしいですし、
      それだけ人の感情を引き出せる『十二国記』もやっぱり素晴らしいなあ、としみじみ思います。

      自分の拙い上、長いレビューが地球っこさんの、何らかの助けになったのならば、幸いです。

      レビューの余談で、前回の地球っこさんとのやり取りについて、少し書かせて頂きました。

      地球っこさんも、自分と同じく一月待つ読み方を選択されたのですよね。

      変に煽ってしまったのではないかと、後々ちょっと不安になったりもしたのですが……

      こうしてコメントいただけるということは、結果的には良かったのかな、と勝手に解釈しております(そう解釈して大丈夫ですよね?)

      四巻を読み終えたら、また地球っこさんのレビューを拝読致しますので、よろしくお願いいたします。
      2019/11/15
    • 地球っこさん
      とし長さん、おはようございます。
      お返事ありがとうございます(*^^*)

      そうです。一月待ちました。
      とし長さんのおっしゃる疑似体...
      とし長さん、おはようございます。
      お返事ありがとうございます(*^^*)

      そうです。一月待ちました。
      とし長さんのおっしゃる疑似体験ですね、いろんなことを考えながら待ちました。
      だからなのか、余計に3巻で加速しはじめた展開がとても熱く感じることができたのかもしれません。

      とし長さんの4巻のレビュー、楽しみにしてます♪
      2019/11/15
  • 停滞していた二巻に対して今巻は少しずつ話が動き出す。
    ようやく阿選の思考の一端が見えた。驍宗と並び称されるうちにいつのまにか息苦しさを覚え、自らの作り出した幻影に溺れた。愚かだと思うけれど、その重圧は想像すらできないものだったのだと思う。皮肉なことに今までで一番阿選に人間味を感じる。もちろんやったことは絶対に許せないけれど。そして琅燦か。千載一遇の探究の機会があって、何よりも優ったということなんだろうか…。
    傀儡は妖魔のせいだったのか。鳩を通して何か呪術を使っているのかと思っていた。
    正頼のことはとても言葉にならない。なんという精神力だろうか。あの口調が懐かしく、かつての泰麒との様子を思い出すと泣けてくる。
    ここに来てひとやもの、かつての仲間たちが集まり始める。長い苦難の道、皆がいつかの日のことを考え備えていたんだと思うと瞼が熱くなる。
    終盤で驍宗の描写が出てきたときには思わず声を上げた。父親と少女の籠が、その深い思いが正しく助けになっていた。ただただその場面には胸打たれた。驍宗のたくさんの幸運を受け止め、戻ることを諦めないその心根には本当に頭が下がる。
    阿選が朝に姿を見せ始めることで、阿選の麾下たちにも止まっていた時間が動き始める。阿選の麾下たちの動揺、そして恵棟の叫びが痛々しい。
    ついに最終巻。

  • 一言申し上げるのであれば、驍宗様はまだか?

  • 陽子が言うように、私も驍宗のことを傑物だと思っていました。
    しかし、3巻を読んで印象が変わりました。
    驍宗の頭の中には、パターン化された成功・勝利マニュアルのようなものがいくつもあって、その人の性質や働きを確固たるものとして見て、役割を振っていた。
    戦で兵を配置するように、朝廷でも官を配置したのだなと思いました。
    そこには迷いがない。だからこそ、独善的で苛烈と言われたのだと理解しました。
    しかし、人はそこまで機械的に動くものではない。
    花影のように、役割のズレになじめない人もいるし、張運のように権力欲の強い人もいる。そうでなくても、時間がたてば人は変わる。(機械のように不変ではない)
    王になることは、理想と現実の折り合いをつけることだと思いますが、「白銀の墟」の過酷な7年を経て、驍宗は変わったでしょうか?
    読み終えた今、そこがとても気になっています。

  • 泰麒の真意はどこにあるのか。
    一読者であるわたしも項梁と同じ不安を抱えることで、わたしもこの物語の中にいるかのように感じられました。そう仕向ける(小野)主上の手腕はさすがです。

    そして、今巻は起承転結の転に相応しく、さまざまなことに大きな動きが出はじめます。
    希望は潰えてなどいない。
    戴の民に、早く安寧が訪れますように。

  • 2巻まで読んで阿選は本当は味方なんじゃないかと思っていたけど違った。悲しい。

    琅燦のように天の摂理を知りたいと思った私も同罪か?

    • やまさん
      ayuko.さん
      おはようございます。
      初めまして、地球っこさんの『白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)』のレビューでお見か...
      ayuko.さん
      おはようございます。
      初めまして、地球っこさんの『白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記 (新潮文庫)』のレビューでお見かけしました。
      よろしくお願いします。
      やま
      2019/11/16
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著者プロフィール

小野 不由美(おの ふゆみ)
1960年生まれ、大分県中津市出身の小説家。大谷大学在学中に京都大学推理小説研究会に所属。夫は推理作家の綾辻行人。
1988年、『バースデイ・イブは眠れない』でデビュー。2013年5月、『残穢』で第26回山本周五郎賞を受賞。代表作にテレビアニメ化された『悪霊シリーズ』、『十二国記シリーズ』、『屍鬼』など。

小野不由美の作品

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