白銀の墟 玄の月 第三巻 十二国記 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • / ISBN・EAN: 9784101240640

作品紹介・あらすじ

新王践祚──角なき麒麟の決断は。李斎は、荒民らが怪我人を匿った里に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒は、妖魔によって病んだ傀儡が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。

感想・レビュー・書評

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  • 泰麒は、李斎と半強引に別れ、驍宗を討った阿選の元へ。王宮は、妖魔が徘徊し病んでいた。
    李斎らは、ようやく手掛かりを掴んだ驍宗と思われる怪我人の元へ。その怪我人は既に亡くなっており、落胆は隠せない。亡くなってしまったのは、驍宗か。
    後半、王が見つからなかった理由、生存できた状況、阿選の心情が、少しずつ明らかになってくる。
    戴の困窮、王宮の腐敗、3巻でも見つからない驍宗。それぞれの、立場、所在からの綿密な群像劇は、ラストへの高揚感と期待値。
    さて、4巻へ。

  • こんな夢を見た。いや、覚めた今が、もしかしたら夢の中の世界なのかもしれない。「十二国世界」の始まりを知りたいと思っていた「わたし」は、もしかしたら、アレを体験していた「私」が「この世界」で「創世記」を書かせようとして虚海を越えて「通路」を通ってきたのかもしれない。

    私、中書令犀子は丞相李斯様に随行し泰山を登っていました。始皇帝35年。2か月前には、李斯様は昨年の焚書に続けて、批判止まない儒家と方士を坑(あなうめ)にしてしまわれました。報告が来たのはその直後でした。この勅令のきっかけとなった方士盧生が泰山山頂で見つかり、抵抗しているというのです。
    「どれだけ兵を遣っても構わん。早く殺して首を持って来い!」
    李斯様は言われましたが、報告者の云うには、
    「もはや1万の兵を遣わしましたが、尽(ことごと)く帰ってきませんでした。そして盧生の言うには、李斯様が来山したならば大人しく首を差し出そう、と」
    「何と!」
    罠であるとも考えられましたが、帝はひどく興味を示されて李斯様に命じられました。
    「もとはヤツの言を信奉し裏切られて始めた焚書坑儒だ。李斯が決着をつけるのが筋であろうよ」
    「そんな‥‥」
    李斯様は五万の兵を泰山周りの国々からかき集め、険しい山道を、輿に乗って登っております。7年前には、帝に付き従い泰山山頂で封禅儀式を執り行った事もあるので、言わばかって知ったる道でもあります。泰山では盧生の言を聞き、仙籍に名をとどめさえすれば不老不死になれると吹き込まれ、かなりの額を特別の儀式に注ぎ込んだりもしたのでした。もちろん、帝に不老不死の兆候が起きる事はなかったのです。
    ‥‥ふと気がつくと、泰山特有の、隣人顔面さえも不明になる濃い霧が立ち込め始めました。私は李斯様の興から離れぬよう扉の要の紐を握って附いておりました。
    「霧が出た。隊はいっとき止まるよう伝令を出せ」
    私は後ろに付いているはずの副将に云うと、何故か返事はありません。霧が晴れました。周りには李斯様の輿と私しか居りません。担ぎ手さえも霧散霧消しておりました。扉を開けて李斯様が外に飛び出します。
    「犀子!これは何事か」
    と、その時
    「李斯。待ち兼ねたぞ」
    目の前に、罪人盧生が立っているではありませんか。
    「おのれ!盧生、謀ったか!」
    李斯様は叫びます。盧生は、何故か目下の者に云うように李斯様に笑顔でもって応えます。
    「騙しはせぬぞ。ちゃんと大人しく、この場で身罷(みまか)ろうと思っておる。しかもお前の所望していた、五帝以来の宝書も其処に揃えておる。四書五経の最古の書はもちろん、老子、荘子、楽経、周記、殷記、夏記、そしてもちろん十二国記も。最古の完璧な書じゃ。全てこの場で燃やしてやるぞ」
    見ると山と見えた背後の高まりは、竹簡の塊ではありました。
    「何!もはや紛失しておったと言われていた三記ばかりか、十二国記までもが!」
    四書五経は「論語」「中庸」「大学」「孟子」「書経」「礼記」「詩経」「易経」「春秋」を指し、三記は歴代古代王朝の史記です。「十二国記」は、それらの書物の基となった書物中の書物。文字も象形字でしか記されてはいません。世界そのものを記した言わば「世界」です。中山の周りに五山を数える黄海大陸に棲む仙人や妖魔を記した山海篇と、黒海・青海・赤海・白海の四海を挟んで周りを囲む十二国の三千年にも渡る歴史を記した十二国篇とになります。我が国はそのうちの一国とも言われていますが定かではありません。その巻数、1万巻とも言われて、そんな書物は聞いたこともないから、もはやこの世には存在しないものと思われていました。書記官たる私も、噂だけは聞いたことがあるが、実在は信じていなかったのです。
    「盧生が持っていたのか」
    「いや、もとは老翁が持っておった。百年前にワシに託して奴は独りで五山に行ってしまった。愚かな奴だ。仙人になろうとも、その世界が消えて仕舞えば何にもならぬものを」
    「十二国は消えたのか?」
    「仙人が棲み、妖魔が跋扈し、麒麟が王を選び、王が聖道政治をする世界か?ふむ。明滅はしておったな。かって黄帝は、理想政治を目指してやるべきことをした。周の文公もそうだ。それら理想の過程は三記や四書五経に記され、文字はやりきれなかったことを魂魄として少しずつ力を蓄えて来たが、時が来れば弱くなる。お前ならば、知っているだろう。文字には魂魄が宿る。さすれば、昨年の焚書令においてその魂魄は燃えたのではなく、この泰山に来山し漂っておる。怨み死んだ儒家・方士の魂魄も来たぞ。私の願いが、それによってやっと叶う時が来た。焚書坑儒令ご苦労であった」
    「私は其方(そなた)を葬る為にアレを始めたのだ」
    「ワシはそのように仕向けたのだ」
    「そんな馬鹿な」
    「お前の師は荀子だったな。ヤツは太古の理想政治など要らぬ、世の中は刻々と変化しておるのだから、変化に合わせた政治をするべきじゃと言っておった。教えに忠実なお前は、理想政治に引きずられて現実政治が滞るのを恐れた。よってあらゆる古典を焼いて、言論封殺を目指した。そうなるのは、目に見えておったぞ。韓非子ならば柔軟だから、そうはならなかったかもしれぬな。荀子不肖の弟子のお前は、優等生の韓非子が始皇帝に容れられるのを恐れて謀って殺してしまった。その深謀遠慮と比べたら、ワシがお前を操ることなど拙いものよ」
    「燃えれば後世に残らぬ。それでも良いのか」
    「お前のような現実主義者には理解できぬであろうな。始皇帝を見よ。なるほどヤツは傑出している。ヤツの指導力ならば、理想政治国家は可能かもしれぬ。今は強権的で税も重く、民の不幸は多いかもしれぬが、あと30年ヤツの御代が続けば国は富み、世界に冠たる秦ができるかもしれぬ。しかし、その時ヤツは何歳か?明日にも亡くなる命に理想を託して何とする。ヤツが死ねば秦の帝国などあっという間に戦乱の世に後戻りじゃ」
    「其方の力で、不老不死にすると言ったではないか」
    「何かを得れば何かを失う。それが世の理(ことわり)というもの。この世で不老不死になろうとすれば、老子のように半分この世とサラバするしかないな。不老不死を約束したのは方便じゃ。全ては古代の方々の理想を実現するための」
    「何をしようとするのか」
    「魂魄の世界を作る。現世は形而下の世界じゃ。それをこれだけの魂魄の力を借りて反転させる。すると、形而上の世界が何処かに生まれる。そこからどうなるかは、その世界の住人が決めることよな。やはり人間を不幸にする世界になるかは、分からぬがな」
    「其方は、天帝になるのか」
    「まさか。お前は何を学んで来たのか。天は既に十二国記に書かれている。いま集まった文字による魂魄は、世界を作る身体じゃ、ワシの血はそれを関係つける契機にしかならぬ。天の仕組みは既に詳細に出来上がっておる。あゝ因みに、何故か五山の仙人は女性しかならぬらしいぞ。おそらく老子は、あの麓の大妖魔ぐらいになっていることだろうな。方士や儒家の魂魄は、黄海の妖魔をきっと豊富にしてくれることだろうよ」
    「其方は誰か」
    「まだ分からぬか。荀子もホントに不肖の弟子を持ったものじゃな」
    「まさか、荘子さま?馬鹿な。確か70年前に亡くなられたはず」
    「ワシは仙人にはならなかったが、ある日、胡蝶の夢を見た。二つの世界は、僅かだか、通路があるのだ。夢の中で、形而上の世界がどんなものかは分かったわ。その時少しだけ仙籍に細工した。」
    後ろの竹簡の山から煙が立ち込めはじました。紅い炎がつくと、まるで意思を持つかのように炎の触手を動かし始めた。
    「燃えよ。燃えよ。竹片に魂込めて一文字一文字書かれた文字たちよ。お前たちの形而下の身体は形を無くすぞ。このまま霧散するか。それとも、泰山山頂の、あの穴に入って世界を広げるか。どうだ。そうか。道案内が欲しいか。我が血を道案内とせよ」
    そう言って、荘子さまは自ら首を切り離しました。まるで間欠泉のように赤い血が吹き出し、霧のように炎を囲んでいきます。背景の泰山山頂上空には、炎が乱舞し、やがて一つに纏まり始めました。それは卵のようでもあり、玉(ぎょく)のようでもありました。いや、それは蕾でした。やがて、薄紫の煙の中で、赤い蕾は開いていきます。高山のような胚珠、まるで海のような青い四つのガク、8枚の白い花弁と更に4枚の花びらがが見えました。宇宙(そら)で、花は開こうとしているのか。と、泰山が鳴動し始めました。立つこと叶わず。私は輿を離れて仕舞いました。まだまだ燃えている竹簡の山の底が抜け始めています。ここだけ大きな亀裂が入ってしまったのか。竹簡と炎は、急速に地下に吸い込まれていく。
    「犀子、お願いだ。ワシをおいて行かないでおくれ」
    李斯様の声が聞こえた気がしました。

    それから後のことはよく知りません。
    私は気がつけば、わたしになり、つい最近小野不由美女史の書いた「十二国シリーズ」を読み始めました。彼女が何処から情報を得たのかは知りませぬが、どうやらその始めの物語は、彼女は知らぬようです。はたまた、描く意思がないのか。わたしは夢で虚海を渡ったのかどうかはわかりません。ただ、わたしはこうとしか思えないのです。もうすぐシリーズが終わりそうなので、ここに記してみました。

    次回最終巻では、十二国記総括感想を書きます。
    あ、ひとつだけ本書の感想を。「魔性の子の時の犠牲者は、無駄ではなかったようです。良かった」



    • 地球っこさん
      kuma0504さん、おはようございます。
      はあ、すごいです。
      とても読みごたえありました!
      全くもって、ここまで深く追究されるとは。...
      kuma0504さん、おはようございます。
      はあ、すごいです。
      とても読みごたえありました!
      全くもって、ここまで深く追究されるとは。
      素晴らしいものを読ませていただきました。
      気後れしてしまって、何をどうコメントさせていただいていいのか……
      「誠に驚嘆しております」
      恥ずかしながら、こんなありきたりなコメントしか出来ないことを、お許しください。
      それでもひと言、お伝えしたかったのです(*^^*)
      2020/05/06
    • kuma0504さん
      とりあえずホッとしています。
      1番気になったのは、「貴方の見立ては全然見当違いですよ」という事でした。そうなると、わたしは何を読んできたのか...
      とりあえずホッとしています。
      1番気になったのは、「貴方の見立ては全然見当違いですよ」という事でした。そうなると、わたしは何を読んできたのかということになってしまう。

      ホントは、もっと簡単な見立てだったのですが、おりからの「ステイホーム」週間で、3日ぐらい籠もってしまいました。ホントは、これと別の「公的な締め切り」は、もう過ぎていて、50%ぐらいしか手がかかっていない(笑)。どうしよう(泣)。
      2020/05/06
  • 十二国記【白銀の墟 玄の月】3巻

    やっ、山が動いたぁぁぁー!
    読み終わった直後の感想。

    李斎や協力者の懸命な捜索によっても戴王はみつからない…、が捜索途中、李斎は強力な協力者を得て、潜伏している仲間達に再会し、偽王•阿選に対抗する力をつけていく。

    一方、黒麒麟の泰麒は、
    阿選と3度の対峙をする事で、施政にも民にも何の感情も持たなかった阿選をゆさぶる。
    そして泰麒は麒麟としての王宮内での権威を取り戻していく。

    なぜ、阿選は戴王を討ったのか?
    王宮内に突然起こる『病む』とは?
    戴王はなぜ突然行方不明になったのか?
    耶利(ヤリ)と琅燦(ロウサン)の正体は?
    沢山の『?』が明らかになり、
    戴王と阿選の関係性や心の動きが浮き彫りになり、物語は大きく動いていく。

    すごっ!の一言。

    国の秘密を守り7年間虐待を受けてきた正頼と泰麒の再会場面に号泣(T ^ T)ドパー

    バラバラになった仲間達と李斎の再会に歓喜!
    (≧∀≦)

    戴王に対する、轍井の民の恩義を忘れない心に襟を正す思い( ̄^ ̄)ゞ

    そして、偽王と真の王、一国に2人の王が対立する中で、登場人物1人1人の心の動きが興味深く、
    誰からも目が離せない!

    終わって欲しくないけどっ(イヤダー!)
    ラストエピソードの最終巻へGO!

  • 驍宗と泰麒の行方が分からなくなってからの六年間は、戴国の民にとって辛く厳しい歳月でした。希望など全く見えなくて、一日一日を生き延びることに精一杯でした。それでも、自分たちの食いぶちを削りながら亡くなったとされる王のために供物を捧げる民がいます。王は必ず生きていると探し歩く人々がいます。窮民を救う豪商、危うい立場になろうとも王の兵たちを匿ってくれる村や寺院がありました。季斎をはじめ驍宗の臣たちも身を隠しながら王を探し、王宮のなかで囚われ黙しながら堪え忍んでいます。
    ここにきてやっと、皆の思いが繋がった細い糸が絶望に切れそうになりながらも、少しずつ希望へと太くなっていく展開でした。そして、それは同時に阿選の心の内が明かされることにもなりました。私はショックでした。泰麒や臣下に慕われ、常勝の戦績を収めていた彼のなかで、次第に渦巻いてきたものがこんなにも暗闇だったとは。阿選は「囚われて」しまいました。驍宗が目の前から消えても、結局彼に囚われたままの六年間。彼には絶望しかなかったことがわかります。過去が今の自分を作っているのならば、彼の過去が「驍宗に囚われた」それだけじゃなかったことに気づいて欲しかったと思うのです。人は変わっていく。変わっていくこと全てが悪いとは思いません。でも変わってはいけないものもあったはずなのに。

    多くの犠牲の上に蓬莱から戻ってくることが出来た泰麒。もう幼い麒麟の純真無垢のままではいられませんでした。蓬莱では彼に対しての残酷な仕打ちを何も言わず受け止めてきました。かつてこれ程人々の憎しみや呪い恐れなどに触れてきた麒麟はいないと思います。それらの事実が彼を慈悲深い生き物と言い難い「麒麟」にしたのならば、それも天の采配というものなのでしょうか。冷静で冷徹な「麒麟」でなければ、戴を救うことは出来ない、それが黒麒だからこその過酷な運命なのでしょうか。
    「天が私を生かしている」修行者の梳道が言います。「自分は生かされている」と驍宗は感じます。そのことに気づいたからこそ、彼は自分が生き延びることが王としての成すべきことだと動きます。泰麒と驍宗がここにあること、それが天に生かされていると思えば、ふたりには自ずから何をするべきかが見えているのでしょう。そして、その先に戴国が望む未来が続いているはずです。

    でも決してこの六年間は戻ってきません。失われた命は戻ってこないのですから。それでも、この苦しい六年間は泰麒と驍宗が築く戴国へ繋がっていくはずです。だけど、わかっているけれど、やっぱり争いの虚しさや憤りで胸が苦しくなる、この感覚は生涯忘れることは出来ません。

    「私という存在は、始まりではなく結果なのだと理解する」という梳道の言葉に、驍宗と泰麒が王と麒麟であるということは始まりではなく、過去のあまりにも大きい犠牲の上に存在するという結果なのだと私なりに理解しました。国を治めるということは、こんなにも非情な理の上に立つことなのでしょうか。業を背負い立ち上がれるものだけが王となれるのでしょうか。驍宗を待っている人々がたくさんいます。どうか今が未来へと繋がっていくのならば民が幸せに暮らせる世の中を必ず作ってほしいと願わずにはいられません。

    • やまさん
      地球っこさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      地球っこさん
      こんにちは
      いいね!有難う御座います。
      朝方は、すごい雨でしたが、いまは☼/☁です。
      やま
      2019/11/11
    • 地球っこさん
      やまさん、こんにちは。
      こちらは昼前に雨とそして雷が凄かったです。久々の雷なのでびっくりしました〰️
      やまさん、こんにちは。
      こちらは昼前に雨とそして雷が凄かったです。久々の雷なのでびっくりしました〰️
      2019/11/11
  • 新王践祚──角なき麒麟の決断は。
    李斎は、荒民らが怪我人を匿った里に辿り着く。
    だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。
    驍宗の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。
    そして、李斎の許を離れた泰麒は、妖魔によって病んだ傀儡が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選に迫る。
    もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。



    幼かった泰麒のイメージから、大きく成長した彼を見てとれる。
    ここまで能動的に動けるのかと(T_T)

    李斎も新たな味方をどんどん増やし、驍宗の元へ向かう。
    三巻でもまだ驍宗は見つからないのか!!!
    早く引き合わせて欲しい。。。。

    李斎、泰麒、驍宗それぞれ離れ離れになった彼らに、奇跡が起こることを祈らずにはいられない・・・。
    四巻どうなる!?

  • 李斎(りさい)は、荒民(こうみん)らが怪我人を匿った里(まち)に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗(ぎょうそう)の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒(たいき)は、妖魔によって病んだ傀儡(くぐつ)が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選(あせん)に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。
    「新潮社」内容紹介より

    ドキドキする展開.早く続きが読みたくなり寝不足になるw
    本当の慈悲深さは、ただ単に優しいだけじゃない.目的のために違った形をとることもあるよな、と思う.
    反逆の理由がここで明らかになって、人間の業ともいうべきものの深さを思った.
    あっちで、こっちでいろいろ展開のある3巻.4巻を手元に置いて読み始めることをおススメする.

  • 胸の内がじっくり味わえた一冊。

    阿選、驍宗、泰麒、麾下と…どんどん誰もの胸の内が明かされていく。

    時に憤り、やるせなく、時にせつなく…じっくり味わえて良かった。

    特に泰麒のいくつもの言葉がたまらない。「失敗できないのですから」いきなり泰麒のこの言葉、心情に胸打たれる。
    こんな想いを幼い頃から常に心に潜ませていたのかと思うとせつない。

    民に冬を越させるために…泰麒のあの血のにじむ姿には胸が割かれるほど。
    いや、でも逆に 彼なら彼だからこそ…という安心感も感じる。

    どんな結末が待っているのか…いよいよ最終巻へ。

  • 官吏や州候が魂が抜けた傀儡のように「病む」現象の正体が明らかになりました。
    読みながら、この「病む」という症状が現代社会とつながっているようで背筋が寒くなりました。
    自身の意思はなく、うつろな目をした生ける屍のような人間が社内にだんだんと増えていく…リアルに想像できてしまうところが怖いです。

    また、琅燦の目的が語られる箇所は、彼女ならやりかねない…と妙に納得してしまいました。
    しかし、それによって多くの命が犠牲になっていることも事実。
    そのことを心中ではどのように考えているのか、飄々とした彼女のふるまいからはうかがえなくて、もどかしい気持ちになりました。

    阿選の虜囚となっていた正頼と泰麒の再会の場面は涙が滲みました。
    『華胥の幽夢』の「冬栄」で描かれた、泰麒と正頼の微笑ましいやりとりを読んでいたときには、こんな未来がくるとは想像だにしていなかった…。
    過酷な追及を受けても自身の守りたいものを守り通し、ボロボロになっても昔と同じ茶目っ気を含んだ口調で泰麒に声をかける正頼。
    このような人物が戴にいてよかったと思わずにはいられませんでした。

  • 4.5
    急に面白くなってきました。
    やっと話が大きく動き出しましたね。
    4巻が楽しみです。

  • 9時に開く本屋さんに駆け込み、本屋さんを見て回ったけれどなかったので店員さんに「あの、十二国記の、今日発売の、、、」と告げると「すみません!まだなにも開けていないんです!」と急いで取りに行ってくれた。そして伝えていないのにその手には3,4巻が重ねられていた。ありがとう!店員さん!!忙しいのは分かっていたんです。でも、休みは今日だけ。どうしても少しでも早く読みたかったんです。ありがとう。
    今日は一日、本を読む。そう宣言したので、本当にほぼ一日本を読んでいられた。ありがとう。

    冒頭驍宗が生きていることが示され、それだけで涙があふれた。よかった、泰麒。驍宗さまが生きていたよ。
    そして粗末なものでも毎月食事を流す家族。その心根が確かに驍宗を生かし、希望をつなげた。
    李斎は新たな出会いのなかで驍宗の生存を確信し、また新たな可能性を歩み始める。
    泰麒は自らの機転で敵ばかりだった朝内で自身の確固たる信を築いていく。
    そして最終巻へ。

    ここでやっと阿選自身の内面が描かれるが、それはあまりに悲しい。ろう燦の目的は?唆されたと阿選は言ったけれど。本心は?

    読み終わった時間は三時ころで、あれ?もしかしてこれは読み切れる?と思いながらすぐに四巻を開いた。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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