- 本 ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101240657
作品紹介・あらすじ
「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い虞を捕らえた。地の底で手にした沙包の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繫いだ歳月、泰麒は数奇な運命を生き、李斎もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎を玉座から追い落とすため。――戴国の命運は、終焉か開幕か!
感想・レビュー・書評
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最終ページの戴史乍書より、戴は、長きに渡った阿選らとの戦いの終焉を迎え、九州は平定されることとなったことがわかる。戴のこれから、十二国のそれからは、読者に渡されるのでしょう。
天意を受けた麒麟が、王を見出す。「誓約」を交わして王座に座る。王が国を治め、麒麟は台舗となり、補佐を続ける。その天命・天意は謎のままですね。戴王の選定は、泰麒と驍宗の出会いから不安定でした。泰麒も、その不安を払拭できずにいた時間もあった。天意への、不安感だったのでしょうか。天のエネルギーは目に見えず、運は、上から下への一方向で、運が人に影響を与える、そんな教えが易経か何かにあったような。自然の摂理、原始からの原理として受け入れる。そして、選ばれし者は、自然の理に任せず自らの宿命の元、使命を果たす。
「魔性の子」は、1991年発刊ですが、これは、この一作でも充分楽しめる作品ですが、この巻の最後の一文に向けられた小説だったことを思うと、30年に渡る小野さんの凄みや充実感に感動します。再読が楽しみな一冊です。
十二国記は、各国の物語であるけれど、この玄の月を考えれば、景王、景麒、延王、延麒さえも、戴国創世の強力な脇役だったのかもしれないなと思いました。
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やはり、十二国始原のことについては、一切言及なかった。以下、ネタバレはない。泰麒や驍宗や阿選についても、その運命や人生については書かない。この最大長編の終わりにあたり、シリーズの総括をする。よって、シリーズ最大の秘密については言及するかもしれない。が、ご安心ください。それは私の解釈であって、見たところ、私のように主張している方はあまりいないと思う。最終巻を読み置いた時からが、みなさんの十二国論が花開く秋(とき)である。
さて、本作品は日本を代表するファンタジーとして、燦然と輝く位置を得たと評価していいと思う。私を魅了したのは以下の3点。
(1)始まりから既に世界は出来上がっていた。それが私がファンタジーを評価する場合の最大の基準です。これはどういう世界なのかを、15巻かけて描いてきた。「魔性の子」の伏線が、30年近くかけて最終シリーズで回収されるという荒技もやってのけた。
(2)遠い過去譚でも未来譚でもない。パラレルワールドでもない。現代世界とハッキリ結びついていながら、異世界を描き切った。
(3)登場人物は多岐に渡り、人間として生きていた。
(3)の登場人物(キャラ)を追いかける総括は、他でやって頂くとして、私は〈物語構造を解く〉という視点で(1)(2)について述べる。
(1)については、「創世記」を「銀色の墟 玄の月(3)」のレビューにおいて展開し、具体的に展開したつもりだ。私としては珍しく頑張ったが、特に全シリーズ既読読者からの反応が薄いのは残念だった。今のところは1-3人除いてほとんどない。一言で言えば「夢を壊すな!」と感じたのかもしれない。或いは「ファンタジーだから、そんなことまで突き詰める必要はない」と言ったところか。後の意見には異論があるが、まぁ仕方ない。
「創世記」を書くにあたり、気をつけたのは以下3点。
(a)十二国世界では、唯物史観で歴史は進まない。むしろ、唯心史観と言っていい。その仕組みを支えるのは〈里木(りぼく)システム〉である。モノは、人間含む動物も、産業を起すはずの物産も、全て里木に祈ることから産まれる。労働から資本が産まれず、祈りによって産まれるのである。民は重税に喘ぎ、災害に慄き、戦乱に疲れ、妖魔に脅かされる点で、現代世界と鏡合わせではあるが、麒麟病み王が斃れた時点で、多くはまた「振り出し」に戻るのである。十二国世界が未だに紀元前後の中国世界と変わらないのは、そういう訳だ。
(b)唯心史観なので、唯物史観では神話伝説時代と位置づけられてる古代中国の三皇五帝時代は、しっかりと実在の歴史の中に組み込まれている。考古学的に実在が証明されつつある周、殷、夏時代でも「天による治世」を信じる世界はあったかもしれないが、十二国世界は、その時代からさえも神話伝説時代と目されていた、おそらくは5000年ほど前の中国の政治を「理想化」し、体系化した世界である。ホントにあったかどうかが問題なのではない。そういう「理想」を信じ、春秋戦国時代に於いて諸子百家があれこれと情熱を持って論じ、実際に一部分ではあるが〈天綱として〉国を運営していたのはおそらく歴史的事実である。それを著した書物の世界が、もし現実化して、その後2200年間運営されたら、果たしてどのような世界になっているだろうと、想像したのが、小野不由美作「十二国シリーズ」だと思う。それを私は、わずかに片鱗が残っている山海経を基に十二国記という1万巻にも及ぶ書物をでっち上げ、昔は1文字1文字魂込めて竹簡に書いていたのだから、一冊一冊に魂魄が宿っているとでっち上げ、それを燃やすことで魂の行き場を無理矢理つくり、「形而下の世界を反転させて形而上の世界を作った」のだとでっち上げて、このシリーズ世界を予想したのである。
(c)そういうわけで、十二国世界では「果たして天帝はいるのか」「天命は、あまりにもシステマチックではあるが、果たして天を騙すことはできるのか」ということが、「白銀の墟ー」の、私的には最大のテーマになっていたと思っている。そのことの私の回答を書く。私の想定から言えば、だから「天帝は実在しない。ただ、何処かにある1万巻の十二国記の中にのみ〈思想〉として存在する」となる。十二国世界の中でさえ、心の中でしか存在しないのである。実在していないのだから、歴史的展開の「現実」に対処することができない。「天命を解釈し直して、騙すことは可能なのである」。琅燦はおそらく、ほとんど好奇心のみで、それを「実験したかった」のだと思う。そのたせめに、どれだけの者が不幸になったと思っているのか!と皆さんが批判するのはあまりにも当然です。私もそう思う。ただ、琅燦は黄海出身である。黄海は何故出来たのか。天帝が目指す世界は、理路整然とした〈理〉の世界である。人類は、未だにコロナ禍でも体験しているように、世界の中で未知のことはまだまだ多い。「山海経」を紐解いて欲しい。あの無数にいる妖魔たちは何処から産まれてくるのか。それは次から次へと産まれる、自然の不思議(恐ろしさ)、人間の不思議(恐ろしさ)を、5千年前でもやはり無視はできなかったからなのだと思う。混沌とか、矛盾とか、そういうわけのわからない〈感情〉や〈非情〉を1番浴びて育ったのが琅燦だろう。当然、天帝の意思(理)から最も遠くにある人間が黄朱たちである。だから、こういったこともあり得たのかな、と私は思っている。ただ、泰麒の復活のスピードは、琅燦の想定外だったに違いない。私としては、シリーズを読み通して消化不良の部分は、一つも(多分)無かった。
‥‥まぁ長々と説明すればそういうことである。
(2)について。
どうしても不思議なのは、そんなにも緻密に作った世界に、その世界を壊しかねないのに、現代世界のしかも日本から、何故胎果とか、海客とかの仕組みを作って、形而下の世界とのパイプを残しておく必要があったのか、ということだった。
そうしないと、読者の興味を惹きつけられないという説は無視するとして、私の考えたのは、やはり創世に関与した荘子の意思が影響したのかな、ということである。
荘子の思想を表す代表的な説話として胡蝶の夢がある。「荘周が夢を見て蝶になり、蝶として大いに楽しんだ所、夢が覚める。果たして荘周が夢を見て蝶になったのか、あるいは蝶が夢を見て荘周になっているのか」。宮部みゆきではないが、人類は「物語をつくる」ことを特徴とした動物である。別世界にある心と物を繋ぐ物語は、万篇も億篇も兆篇も作られてきた。それを初めて文字言葉にしたのが、2300年前のこの思想家だった。十二国世界を語る以上、唯心史観世界を語る以上、やはり現代と結びつかざるを得ないのである。もちろん、始皇帝が送り出したという徐福伝説にまつわる「蓬莱伝説」に関連して、日本からの海客や日本への胎果が多いのは、サービスだろうし、おそらく虚海として東の日本にパイプがある戴や雁や慶が、このシリーズの舞台になることが多かったのは、作者の都合に依るだろう。
それと、
最終シリーズにおいて、これは「指輪物語」の構造を持っているのでは、と度々書いた。結果的に、小野不由美さんは「指輪物語」を意識していたと、私は思っている。しかし「英雄物語」構造としての英雄は、驍宗ではなく泰麒にこそ冠するべきである。
以上、私が「解釈した」十二国記である。「白銀の墟 玄の月(3)」に載せた「創世記」含めて、多くの齟齬があるだろうと思っています。異論反論受け付けます。
最後にマイ年表は、全て西暦で表現する。私としては、「創世記」が全ての基点なので、そこから表現したいからである。基は現代世界の歴史軸で起きた。x元年を0巻ではなく1巻刊行の年にしたが、それが絶対的な年代とは思っていない。有力な意見が有れば変える可能性はある。
十二国年表
BC212年 十二国創世
1400年ごろ 奏国宗王先新が登極
才国遵帝「覿面の罪」により斃れる
1479年(大化元年) 雁国延王尚隆が登極
1500年(大化21年)元州の乱 斡由誅殺
1700年ごろ 範国氾王登極
1881年 柳国劉王露峰が登極
1902年 恭国供王珠晶が登極
1952年 舜国の王登極
1959年ごろ 芳国峯王仲韃登極
才国采王砥尚登極
1977年 泰麒 胎果として蓬莱国に流される
1979年 才国采王砥尚崩御
才国采王黄姑が登極
1986年末 慶国予王が登極
1987年 泰麒 2月蓬山に戻る
戴国泰王驍宗が登極
1988年 戴国阿選の乱始まる
泰麒 鳴蝕により戴から消える
1989年 芳国峯王仲韃崩御
芳国の麒麟卵果が触により流される
1991年 5月慶国予王崩御
1992年 陽子蓬莱国より来たる
10月慶国景王陽子が登極
1993年 功国塙王崩御
慶国で和州の乱
1994年 泰麒 10月蓬莱国より帰還
1995年 戴国 阿選の乱収束-
kuma0504さん、おはようございます。
「泰麒を英雄と見る見方」とてもわかりやすかったです!
そして、わくわくしました。
kuma...kuma0504さん、おはようございます。
「泰麒を英雄と見る見方」とてもわかりやすかったです!
そして、わくわくしました。
kuma0504さんのレビューやコメントを通して、改めて十二国記の世界の奥深さに気づくことができました。
kuma0504さんのレビューを読むことがなかったら、キャラ中心でしか読むことが出来ませんでした。
はあ、それにしてもすごい世界に触れたんだなあ。
ゴウラン。使役は麒麟の死骸を食べて、麒麟の力を己のものにするんでしたよね。
妖魔は人間の生まれ変わり……
うわぁ、これは。ありえますね!
次は短篇集が出る予定ですね。
もう長篇は出ないのかな。
まだまだ知りたいこともあるし、読み続けたいですけどね。
ありがとうございました。
2020/05/27 -
kuma0504さん、コメントありがとうございます。
私は登場人物は追うのですが世界の成り立ちについてはそういうものだと受け入れてしまうの...kuma0504さん、コメントありがとうございます。
私は登場人物は追うのですが世界の成り立ちについてはそういうものだと受け入れてしまうので様々な解釈がとても興味深かったです。
琅燦が「実験したかった」というのは納得です。前作まででも陽子が天帝の存在を疑問視する下りがありましたし。
レビュー、これからも楽しみにしています。2021/05/20 -
おじょーさん、コメントありがとうございます♪
私流の読み方は、寧ろ少ない方だということが、最近わかり始めました。
どうしても「自分ならばどう...おじょーさん、コメントありがとうございます♪
私流の読み方は、寧ろ少ない方だということが、最近わかり始めました。
どうしても「自分ならばどう書くか」という視点で読んでしまうので。2021/05/21
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とし長さん、おはようございます。
コメントありがとうございます!
とし長さんのレビューもコメントも、いつも楽しみにしてます。
返事の長...とし長さん、おはようございます。
コメントありがとうございます!
とし長さんのレビューもコメントも、いつも楽しみにしてます。
返事の長さに引かれた……なんてことは決してありませんから、大丈夫ですよ(*^^*)
だって、とし長さんのコメントももちろんレビューも、その本についてとても深い洞察力と愛情を感じ、そしてそれを描くことの出来る筆力に、もっと浸っていたいなと思うくらいですから♪
私の方こそ、コメント長い方なのでお忙しいところをお邪魔してますね。
それにしても、この作品はたくさんのことを考えました。
とし長さんのおっしゃる通り、
「強大なものに挑む、個人たちの物語」
でしたね。
国が相手となれば、個人が太刀打ちすることは難しく、逃げること(死ぬこと)が選択肢のひとつであったとしても、国外にいる私には何も責めることは出来なかったのではないかと思います。
でも、彼らは生き延びそして立ち上がりました。失われたたくさんの人間の命の上に。
とし長さんの
「その失われたものに思いを馳せ、時に囚われつつも、それでも残ったものを、そして得たものを数えて、抱えて、なんとか前に進もうとするのが、国であり、人なのかもしれない」
ぐっときましたよ。そうだと思います。
また長々と書いてしまいました。
「十二国記」いくら語っても語り尽くせませんね(*^-^*)
2019/11/18 -
地球っこさん、お返事ありがとうございます。
仰る通り十二国記には本当に色々なことを、考えさせられました。
生き方であったり、心の弱さや狡さ...地球っこさん、お返事ありがとうございます。
仰る通り十二国記には本当に色々なことを、考えさせられました。
生き方であったり、心の弱さや狡さであったり、役割や責任であったり……
人間の様々な側面に問いかけてくる物語だからこそ、語り尽くせないのかもしれませんね。
来年刊行されるという短編集でも、きっと様々な問いかけが、物語から発せられるのだろうな、と思うと、
楽しみな反面、今から身が引き締まる感覚も、少し覚えたりします。
特にまとまりのないコメントになりました…
それでは、失礼致します。
2019/11/19 -
とし長さん、おはようございます。
お返事ありがとうございます。
少し時が経って、この物語はこの終わりかたで良かったのだと改めて思いました...とし長さん、おはようございます。
お返事ありがとうございます。
少し時が経って、この物語はこの終わりかたで良かったのだと改めて思いました。
小野先生は戴国の戦いの結果に重きを置くのじゃなくて、そこへ至るまでの道のりの方を大切にしたかったのだろうなと思ったからです。
そして、そうですね!
短編集楽しみですね!
身の引き締まる思い……わかりますとも。
また、ガツンとやられるかもしれません。それでも、やっぱり早くみんなに会いたいです(*^-^*)
2019/11/20
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まっちゃん、こんばんはー^^
もう6センチの分厚いお肉はたいらげたのかな? それとも豪華ランチかな?
それはそうと少し業務連絡させてね。
...まっちゃん、こんばんはー^^
もう6センチの分厚いお肉はたいらげたのかな? それとも豪華ランチかな?
それはそうと少し業務連絡させてね。
ここでひろみさんと「すずめの戸締まり」の話が出たから。
もし映画館でご覧になるのなら少し注意と心構えが必要になるかもしれません。
というのは、前に映画のレビューを見ていたら、泣き出す人が多かった、という記述があってね、どうやらこの映画ではあの大地震のアラート音が出てくるのだそうで、それが真に迫っていて凄く怖いそうです。
あのときの恐怖が甦ってくるらしくて。
トラウマがある人は止めたほうがいいとも……。
私も正直観るかどうか微妙に……う~ん、でも観る、かな~?
ほら、あれって宣伝過多のせいでもうお腹いっぱいっていうか、ほとんどストーリーがわかってしまったような……。
でも監督の最高傑作とも言われてるし……。
あ~迷うわ(笑)
ごめんね、まっちゃん。まっちゃんのレビューのとこでお邪魔して。
そういうことなので、ひろみさんもまっちゃんも「すずめの戸締まり」を見るときは体調の良いときに!
それが言いたくてお邪魔しました〜。2022/11/19 -
おぉっ!
どんちゃん、業務連絡ありがとう!
映画館のチケット売り場に看板が立っていて
『すずめの戸締りでは大地震のアラート音がでます』って...おぉっ!
どんちゃん、業務連絡ありがとう!
映画館のチケット売り場に看板が立っていて
『すずめの戸締りでは大地震のアラート音がでます』って書いてあって、じっくり読んでなかったから『何だろう?』って思ってたんだけど、
そういう事だったのかぁ…。すっごく納得した。
どんちゃんの説明、いつも本当にわかりやすいね。
教えてくれてありがとう(^^)
体調の良い時ねっ了解くん!
あぁ、でもみるかどうするか悩むわぁ。2022/11/19 -
どんちゃん(*´∇︎`)ノ こんばんは〜
業務連絡ありがとうございます๑⃙⃘'ᵕ'๑⃙⃘)⸝⋆︎*
なるほど…(ᵕ≀︎ ̠ᵕ )トラウマある...どんちゃん(*´∇︎`)ノ こんばんは〜
業務連絡ありがとうございます๑⃙⃘'ᵕ'๑⃙⃘)⸝⋆︎*
なるほど…(ᵕ≀︎ ̠ᵕ )トラウマあるあるデス。
大事なお知らせ(୨୧•͈ᴗ•͈)◞︎ᵗʱᵃᵑᵏઽ*
話題の映画、映画館に観にゆけるかどうかは??
でも、絶対観るとは思う。恐れつつも(*´・_・`)
新海誠×RADWIMPSの3度目のタッグだね♪
RADWIMPS大好きだし、やっぱり観ちゃうと思う。
確かに、宣伝過多って気もするけど…
ストーリーは知らない、知らないようにしています。
監督の最高傑作の呼声高く…警報の心構えで
余計に緊張するかも( -̩̩̩͡˛ -̩̩̩͡ )
号泣必至( ᵒ̴̶̷̥́ _ᵒ̴̶̷̣̥̀ )やっぱり観たい
体調良い時に気をつけて観よう(⁎⁍̴̛ᴗ⁍̴̛⁎)
本当いつも分かりやすい説明助かりますv(。・ω・。)2022/11/19
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「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。
地の底で手にした沙包(おてだま)の鈴が助けになるとは。
天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒(たいき)は数奇な運命を生き、李斎(りさい)もまた、汚名を着せられ追われた。
それでも驍宗(ぎょうそう)の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎(けだもの)を玉座から追い落とすため。
──戴国の命運は、終焉か開幕か!
き・・・・来たーーーーーーー(*´▽`*)
ついに!!!
これまでの伏線も綺麗に回収!
あー、あのお供え物は、驍宗に届いていたのか!!
泰麒は絶対最後には麒麟になるのだろうと思っていたが!!
あぁ・・・・
感動ですわ・・・。
鳥肌。
凄い物語。
これは、三国志を軽く超えてくるような、壮大な物語。
本当に凄い。全身鳥肌ですわ(*´▽`*)
最初の最初から全て読み返したくなるような、そんな壮大な物語。
本当に素晴らしい(*´▽`*) -
最終巻、の一冊。
いよいよ…と思いきやなかなか安心してはいられない展開。
李斎達の苦しみ、次第に狭められていく選択肢。阿選サイドの卑劣な一計。
泰麒ができることはもはや一つ。
終盤は憤りと不安と共に息つけぬぐらいの時間に襲われた。
そしてやっと訪れた安堵の吐息。これぞ十二国1の麒麟。黒麒だ。いとけない幼き姿、蓬萊でのあの姿が次々と走馬灯のように流れ、涙が滲み、雁国二人の出迎えに心緩む。
ゆっくり正頼と休ませてあげたい。
最後の「戴史乍書」の余韻がまた良い。静かに乍書の紐を閉じるように本を閉じる。
おつかれさま。 -
第3巻・第4巻と尻上がりにいろいろわかって面白くなってきましたが、読み終えても不完全燃焼感が拭えず…。
この結末がどのようにして導かれたのかを知る十二国記の旅に出かけることを決定!
次は「魔性の子」へGO!
著者プロフィール
小野不由美の作品






こんばんは♪
私は『十二国記』は、絶対読めない本だとは思いますが、お二人の、濃くて熱いコメントのやり...
こんばんは♪
私は『十二国記』は、絶対読めない本だとは思いますが、お二人の、濃くて熱いコメントのやりとり、拝見させていただきました。
レビューだけでなく、コメントも、こんな風にされている方々もいらっしゃるのですね。
勉強になりました。
ありがとうございます!
コメントありがとうございます♪
短歌と俳句の本のご紹介もありがとうございました。川上さん等近いうちに読みたいなと思...
コメントありがとうございます♪
短歌と俳句の本のご紹介もありがとうございました。川上さん等近いうちに読みたいなと思っています。本棚参考にさせていただきます。
コメントありがとうございました。
ブックリスト見てきてくれたんですよね。
あの記事でコメント欄まで再度読み...
コメントありがとうございました。
ブックリスト見てきてくれたんですよね。
あの記事でコメント欄まで再度読み込みに来た方はおられるのかもしれませんが、コメントを残してくれるのはまことさんだけです。
嬉しいです。