- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101241128
感想・レビュー・書評
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『セイロン亭の謎』読了
最初に読んだ印象は「時代を感じる!」ってことでした。北野異人館が本文に出て来たのでそう古い時代の話じゃないと思ってたけど、「65歳で大正生まれ」と言う記述にビックリ!
刊行自体が平成10年なので、かなり古い作品だと読み始めてから気づきました。実際読んでても時代を感じます。
主人公は探偵業をしてるわけじゃないから、探偵やミステリー好きからすると「そこ!それヒントだから!!」「ニアミスってる!」って余計なツッコミ入れたくなっちゃったよ(笑)。
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時代小説も現代ミステリも書ける、てすごいですね。
紅茶輸入業を営む一族に起こった事件ですが、紅茶の専門的な知識がなくても読めます。
特にトリックがどうとか、ていう内容ではないですが、最後まで楽しく読めたかな。
主人公たる矢部悠さん、地の文でずっと『矢部』と表記されてたのに、途中で『悠』になってたけど。
同じ名字の兄が出て来たからだろうけど、だったら最初から『悠』で表記すればいいのに。 -
紅茶がたくさん出てくるとの事で読みましたが、「マヌカンのようだ」とか「ディト」とか単語が妙に古臭く違和感を感じてしまいました。
当時はそれが現代的に受け取れたのだろうなとは思うのですが。(マヌカンって言い方が一時流行ったのはリアルで知ってるし)
解説/ 伊東 昌輝
カバー装画 / 阿部 真由美 -
平岩弓枝の現代物のミステリーだわよ~。
結構、面白かった~。
ミステリーというのは、なんでもがネタになるんだねぇ。
これは紅茶・お茶の世界と歴史を織り交ぜたミステリーになってます。
なんとなく、アガサ・クリスティーっぽい感じもする資産家の家に巻き起こる殺人事件。
最後はきれいに丸く納まってくれてよかった。
普通に面白いミステリーでした。
読んでて、紅茶が飲みたくなってきた。 -
キャスターでジャーナリストの矢部悠は、取材で紅茶輸入業を営む高見沢家を訪れた。高見沢家の次期当主の清一郎は、大学の同級生でもあった。神戸の異人館が立ち並ぶ一角にあって一際目を引くその屋敷の訪問を機に、矢部は高見沢家で次々と起こる怪事件の謎を追う。
ミステリーは滅多に読まない私が、タイトルに惹かれて読んだ一冊。事件を軸に、お茶の歴史なんかも語られるので興味深い。人物描写に重点を置いているのが好もしい反面、そのせいで話の展開にじれったさを感じてしまうのはミステリー初心者だからでしょうか? -
紅茶が好き、かつミステリが好きなので、紅茶に関するミステリはとりあえず全部網羅しようという勢いです。
平岩弓枝さんの本は、ほとんど読んだことがなくて、今回が初めてでした。
フリーライターの主人公が、同級生のお屋敷に取材でお邪魔して、事件に巻き込まれて、とどこかで聞いたことがあるようなストーリーでした。
空き時間に読むには良いと思うけれど、記憶に残る小説かと言われれば、答えはNoです。 -
取材に向かった先は、大学の時の友人の家、の家業。
一晩泊めてもらった数日後、友人の母親が
自宅にて死体となってしまった。
そこから引き出されたのは、親族の醜い争いと繋がり。
だけならば普通の話だったのですが、そこに屋敷の謎まで。
そんなわけで、当然というか何と言うか…な展開が。
しかしヒントが分かりにくい、というよりも
小説ですし、登場人物に繋がりがあるから、と言われれば
それまでな感じの状態でした。
ヒントに気がつかないほどの推理力しかない、というのもありますがw
別段、途中で止めて途中で続きを読み始めても
それほど困らないような内容でした。 -
タイトルが『セイロン亭の謎』。「セイロン」という紅茶産地の地名に引かれて読んだ。
自分ひとりで面白がって、私はこういう本の選び方を時々する。引っ掛かるキーワードがいくつかある。
紅茶は好きで良く飲む。本格を気取る気などさらさらないが、ティーバッグではなく、必ず茶葉を使ってポットで淹れるくらい好きだ。ケーキやパンのお供もほとんど紅茶だ。
重めで味の濃い、たとえばガトーショコラなどの場合はコーヒーにするが。
たまに茶葉を買いに紅茶専門店に行くと気持ちがうきうきと浮き立つ。たくさんの種類の紅茶に囲まれ、その香りに包まれると、とても心が落ち着く。香りには鎮静効果もあるのかもしれない。味、香り、そして水色(すいしょく)にホッとする。
だから、紅茶を飲みながら読書することもよくある。本はミステリが多い。
本書は、ネットで紅茶関連のサイトでたまたま紹介されているのを見つけた。
紅茶とミステリ。好きなもの2つの組み合わせだったので読んでみたくなった。
ただ、平岩弓枝さんの名前は知っていたが、読むのは初めて。ミステリを書いていたことさえも知らなかったので、さてどんなもんだろうかとちょっと不安ではあった。ワクワクしながら読みはじめた。
物語は、紅茶専門店「セイロン亭」の社長が殺されるミステリ。
密室といえなくもない設定。でも、かなりユルイ。昔の推理小説の雰囲気。西洋館で起こる殺人事件はまさにそんな感じ。館も妖しい。何か秘密が隠されているのでは。読んでいて、古典的ミステリを読んでいた昔を思い出した。幼かった頃に覚えた、気持ちの高鳴りに似たものを感じた。
ミステリとしては決して高い評価は得られない作品だろうが、舞台設定は独特の雰囲気をうまく醸し出している。古い西洋館というのがやはりいいのだと思う。だから、この作品はその雰囲気を単純に楽しむのがいいのかもしれない。それこそ紅茶でも飲みながらのんびりと。
正直なところ、私はミステリ部分よりも、紅茶についての薀蓄の方に注目していた。ただ、それも詳しく語られているわけではなかったので、ちょっと残念だったのだが。本書の繫がりで、『紅茶の教科書』という紅茶専門家の方が書いた本も読んだ。様々な紅茶の違い。ミステリのトリックに使えないかな、なんてことも思いながら読んだ。 -
2時間ドラマにしたら面白いかも。
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平岩さんの作品はやはり現代物よりも時代物の方が面白いのかもしれない、という思いを新にしてしまった作品。悪くはないのかもしれないけど、イマ3くらい感性に合わなかったかも。