私家本 椿説弓張月 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 29
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101241197

作品紹介・あらすじ

武勇に優れ過ぎたために妬みを買い、京の都を追われた、眉目秀麗にして堂々たる偉丈夫の源為朝。美しい鶴に導かれ、肥後の国は阿蘇の宮にたどり着き、最愛の妻となる女性と巡り合う。しかし、過酷な運命は、伊豆大島、四国、琉球と、悲運の英雄を更なる波瀾万丈の冒険の旅へと導いていく……。壮大なスケールで描かれた江戸時代最大のベストセラーが、より華やかに、より爽快に現代に甦る!

感想・レビュー・書評

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  • 半分は趣味、半分は仕事のために読みました。

    江戸時代には『南総里見八犬伝』よりも人気があった『椿説弓張月』。
    この作品を下敷きに、現代人の心をも踊らせる私家本として新たな息吹を吹きこまれたのが本書です。
    源八郎為朝が、九州で、伊豆大島で、果ては琉球王国で大活躍するストーリーは、当時の人々にとっても爽快なエンターテイメントだったことでしょう。

    武勇に秀でただけでなく心優しいヒーローの為朝よりも、為朝に忠義を誓い、彼のために自ら命をもって尽くす脇役たちに感情移入してしまう私は、たびたび切ない気持ちになったのでした。

  • 子供の頃、南総里見八犬伝に胸を躍らせた記憶がある。椿説弓張月は題名からはなんの話だか分からず、ずっと手を出さずにいたが、読みやすそうな形で文庫になっていたので購入。

    原本がかなり膨大らしく、端折ってある部分も多いらしい。確かに、テンポは早くていいのだが、なんだか梗概を読んでいるような気もした。勧善懲悪のスーパーヒーローもので深みはないが、ハリウッド映画的な分かりやすがある。いつかは原本を読みたい。

  • 滝沢馬琴の伝奇エンタテインメントを平岩弓枝がダイジェストに翻案したもの。文学史上には多くの傑作がありますが、こんな形で復刻していただくのは、現代語でしか読めないものにとってはまことにありがたい。スーパーマン為朝が、縦横無尽に活躍し、港港の美女がこぞってお慕い申し上げます。こんな話だったんだ!歌舞伎にピッタリなお話ですね。

  • 予想以上に面白かったー!

    解説を読んでいると本家『椿説弓張月』から省略されているシーンも幾つかあるようで、いつかそちらも読まないとな、と思いつつ。
    ひとまず、この私家版でしっかり満足しました。

    為朝自身に落ち度があった訳ではないのに、都から離れ、居場所を求めてゆくのだが。
    狼を手なづけるシーンにグッときてからの、紀平治!結局、最後まで従者として大活躍の紀平治、素敵すぎる。

    勧善懲悪、良いじゃないか。
    その中にも、為朝の健気さというか、何度も諦めかけては善に戻されてゆく。それは一瞬の地獄でもあると思う。
    自らが生きることで、周りを変化させてしまう、そんな力の持ち主は、時に自らを振り返り、命を絶とうとすら考える。
    その流れの中で起こる奇跡に、素直にホッとするので良いと思う。

    あっと言う間に読めて、なんだか元気になった!

  • 展開が早い。28巻にものぼる原本を一冊にまとめるから仕方ないのかな。あらすじを眺めたような感じだ。本物を読んでみようか。

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著者プロフィール

東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。戸川幸夫の知遇を得、その推薦で長谷川伸の門下となる。1959年『鏨師』(たがねし)で第41回直木賞を受賞。1991年『花影の花』により、第25回吉川英治文学賞を受賞。また、これまでの業績により、1997年紫綬褒章を、1998年第46回菊池寛賞を受賞。2004年文化功労者に選ばれ、2016年文化勲章を受章した。著書に南町奉行所内与力・隼新八郎がさまざまな事件を解く「はやぶさ新八御用帳」「はやぶさ新八御用旅」シリーズや「御宿かわせみ」シリーズなどがある。

「2018年 『新装版 はやぶさ新八御用帳(八) 春怨 根津権現』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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