- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101243313
感想・レビュー・書評
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ロビンソン・クルーソーのモデルは実在して,スコットランド人の私掠船の航海士であったセルカーク氏である.
彼は4年以上も太平洋の孤島に置き去りにされたのちに救出された.
この本の著者はセルカークに興味を持ち,セルカークの故郷,ロンドン,ロビンソン・クルーソー島を訪ね,ついにはセルカークの小屋跡らしきものにたどり着く.
その過程はスリリングだが,セルカークのイギリスや島での暮らしを想像で描いたパートは余計かな.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「高橋大輔」の冒険ドキュメント作品『ロビンソン・クルーソーを探して』を読みました。
先日読んだ「椎名誠」の島を巡る旅行記『風のかなたのひみつ島』に続き、島ネタの作品です。
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あの『ロビンソン・クルーソー漂流記』には実在のモデルがいた!
三百年前に遡るその足跡を追う旅が始まった。
スコットランドから南太平洋の島まで、足と文献と想像力を駆使して憧れの「ロビンソン」の実像にどこまで迫ることができるのか?
そして「ロビンソン」の暮した島で著者が見つけたものとは?
若き探検家の著者が、十年がかりで地球を六周半した大冒険探索ドキュメント。
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いやぁ、驚きました… 『ロビンソン・クルーソー漂流記』って、架空の物語だと思っていたんですが、「アレクサンダー・セルカーク」という実在のモデルがいたんですね。
しかも、その足跡を追うために、故郷のスコットランドから、漂流先のロビンソン・クルーソー島(チリ)まで旅(探検?)する日本人がいたなんて二重の驚きでしたねぇ。
『ロビンソン・クルーソー漂流記』は、『宝島』や『十五少年漂流記』、『ガリバー旅行記』と並んで、子ども時代にワクワクしながら読んだ物語のひとつ… 本作も、そのワクワク感を感じながら読み進めることができました。
以下の8章の構成となっており、『第8章 発見』は文庫化にあたり追加されたとのこと… この章が最後に追加されたことで、ミステリー作品に必要不可欠な謎解きが追加され、ひとつの作品にまとまった感じがしますね。
第1章 三〇〇年前の奇跡を追う
第2章 故郷
第3章 ロビンソン・クルーソーの島
第4章 探検
第5章 埋もれた四年四ケ月
第6章 海に消えた男
第7章 伝説
第8章 発見
「アレクサンダー・セルカーク」が住んでいた場所(小屋)の特定等、無人島での四年四ヶ月に渡る生活は勿論のこと、船乗りになるまでの経緯や救出後の生活等を、「アレクサンダー・セルカーク」の子孫や島の住民等への聞取り調査、古文書等の文献による調査、現地調査等から推理するところは、ある意味、ミステリー小説っぽさがあり愉しく読めました。
「アレクサンダー・セルカーク」が独りで四年四ヶ月の歳月を過ごしたロビンソン・クルーソー島、そして彼の故郷であるスコットランド… 対照的な気候の土地ですが、本書を読んでいるとどちらも訪ねてみたくなりましたね。 -
ロビンソンクルーソーのモデルとなった人物を世界を股にかけて追い求める。ミステリーの要素や仮想の小説も織り交ぜられた不思議な構成。島でのサバイバル等、リアルな冒険譚をもっと読みたかった
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男のロマンだと思う反面、
やっぱり大変だと感じる。
文献を調べて現地に行って、実際に過ごしてみて。
それでも結果が出ないこともある。 -
著者は誰かの関係者?
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小説の主人公には、実在したモデルがいました。 ロビンソン・クルーソーには、モデルとなった実在の人物がいました。その人物アレキサンダー・セルカークの人生と、彼が取り残されていた太平洋の島に、その足跡を求めて探しまわった著者の探検レポートがこの本です。
普通のサラリーマンである著者が、若い頃に読んだロビンソン・クルーソーに纏わる歴史を知り、そのモデルとなった人物と住居跡を求めて探検に出掛けます。仕事の傍らライフワークとして取り組み、イギリスと太平洋の小島を往復しながら、様々な人との出会いや本には書かれていない多くの事実の発見を通して、セルカークの孤島での生活を明らかにしていきます。
仕事とは別に自分だけのライフワークを持つことは、人生を豊かにするひとつの方法でもあります。彼が見つけた住居跡が、果たして本物かどうか今後の判定に委ねられていますが、その事実よりも著者の行動力にとても感銘を受けました。