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Amazon.co.jp ・本 (510ページ) / ISBN・EAN: 9784101244082
みんなの感想まとめ
歴史の中での天皇と権力の変遷を描いた作品は、聖武天皇と光明子、孝謙・称徳天皇の時代を通じて、天皇家のスキャンダラスな事件や権力構造の変化を探求しています。特に、孝謙天皇が道鏡を寵愛し、仏教的平等思想と...
感想・レビュー・書評
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下巻では、聖武天皇と光明子、そして2人の間に生まれ、天皇家でもっともスキャンダラスな事件として記憶される孝謙・称徳天皇と道鏡の時世を扱っています。
著者は、道鏡を寵愛する孝謙天皇に、仏教的な平等思想と政治を性急に一致させようとする意図を認め、彼女によって古代の氏姓制度が完全に破壊されることとなり、天皇権力の空洞化と藤原氏の隆盛の礎が固まったと論じています。現在に至るまでの日本における天皇の位置が定められたという意味では、元来の意図であった「日本とは何か」という問いに答えるような作品になっています。
下巻の方では、著者らしい大胆な仮説は比較的抑えられている印象です。それでも、藤原不比等の深遠な策略と、持統天皇から孝謙天皇に至るまでの女帝たちの思惑が絡まって、天皇権力の空洞化というこの国の形が定まったという、極めて大きな観点からの考察がおこなわれています。その視野の広さと大胆な議論には、やはり圧倒されるものがあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本が「象徴天皇制」をとったのは、女帝の時代の藤原氏(不比等)による律令制定にある、と説く。女帝に対して血を受けた息子や孫への皇位継承を保証する代わりに、藤原氏に権限が集中するような律令制度を制定したのだと。もっと言えば、律令制度は女帝を前提として作られた制度だったとも。そういえば、卑弥呼も女性だし。女性を象徴的にトップに戴く、ということは、それはそれで収まりの良い自然な仕組みだったのかもしれない。それが、孝謙女帝の時の道鏡の事件を経て廃れていく。その遠因が、海人の血を引く藤原宮子にあったとは。
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梅原日本学。
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