用心棒日月抄 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (519ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101247014

感想・レビュー・書評

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  • クマさんにお勧め頂いた本作
    読み始める前にシリーズ物と知り早まったかなと思いました

    早まってなかったです!

    連作短編という形態がテレビ時代劇感にあふれていて好きなやつでした
    そして縦軸に日本人に馴染み深い赤穂浪士のもってくる仕掛けがエグい
    そして関わりの程度がちょうどいい深さなんよね
    赤穂浪士の物語を壊さない程度の踏み込み具合、うまいなぁ~うまい!

    なんかね、全てにおいてちょうどいいんよね
    主人公青江又八郎の剣の腕とか、登場人物とか、江戸の町の悲喜こもごもとか、なんかこうちょうどいいんよね
    やりすぎ感がないのよ

    分かって頂けるだろうか、分かって頂きたいこのちょうどよさを

    • みんみんさん
      このシリーズいいよね!
      青江がどんどん格好良くなる(^^)
      このシリーズいいよね!
      青江がどんどん格好良くなる(^^)
      2023/03/02
  • 藩主暗殺の陰謀を知ってしまった故に許嫁の父を斬り脱藩、刺客に追われる身となった青江又八郎。
    江戸の裏長屋に暮らし、用心棒稼業で糊口をしのぐが、浅野内匠頭の刃傷事件からの浅野浪士討ち入りの噂が流布するにつれ、請け負う仕事に浅野、吉良両家の争いの匂いが立ち込める。
    10篇の連作は忠臣蔵に関わる浅野浪士の動きと心情をとらえている。

    そして青江個人は用心棒生活を続けるうちに時として感じる堅苦しい侍暮らしからの解放感と、そんな暮らしに満足してしまいそうな堕ちていく自分を良しとしないせめぎあいに心を痛める。
    許嫁の娘が自分を仇として討ちに来るならば討たれようという気持ちになる理由の一つにはそんな自分の人生を終わらせたいという思いがあるのではないかと感じた。

  • いいなぁ

  • 久々の藤沢周平作品。
    私の時代小説好きのきっかけは「蝉しぐれ」です。


    今作は、とある事件から脱藩することとなり、江戸で用心棒ぐらしをする浪人、又八郎の連作短編集。繋がっていないように見えて、赤穂浪士討ち入りの動きも見えてくるという構成。

    用心棒の又八郎、めっぽう強くて惚れぼれする。
    藤沢周平さんの描く武士たち、とにかくかっこいいんです。おちゃめな用心棒なかまの細谷との掛け合いもおもしろい。


    隠し剣シリーズを読み直したいよなあと思いながら最後まで読み進めてきたけど、なんとまあ、このシリーズも続きあるじゃん……

  • 1話完結でありながら、ストーリーも少しずつ進んで仕事も大きくなっていく。
    最終的には自分の藩の問題も解決して、ラストのシーンは特に何かあるわけではないけれど、きれいに終わっていてかっこいい。

  •  許嫁由亀の父平沼喜左衛門を斬って、祖母を残し脱藩した青江又八郎26歳の江戸での用心棒として過ごす2年。
    妾宅の犬の番や大店の娘の送り迎え、そして浅野家、吉良家に関わる用心棒などを。夜鷹おさきの心意気に惚れ、おさきを殺した侍に仇を討つ男気も。国元の騒ぎを耳にし、家に帰れば、祖母の面倒を見ながら自分を待っている由亀が。藤沢周平「用心棒日月抄」、1981.3発行。

  • 内容紹介

    家の事情にわが身の事情、用心棒の赴くところ、ドラマがある。青江又八郎は二十六歳、故あって人を斬り脱藩、国許からの刺客に追われながらの用心棒稼業。だが、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれて、請負う仕事はなぜか、浅野・吉良両家の争いの周辺に……。江戸の庶民の哀歓を映しながら、同時代人から見た「忠臣蔵」の実相を鮮やかに捉えた、連作時代小説。

  • 会社で始業前毎日朝読書をしていると、本を貸してあげると言ってきてくれる人がちらほらいる。

    そんな風に、ある日突然同じ会社の課長さんに貸して頂いた一冊。

    時代ものは苦手だったが、これは面白い。

    痛快時代小説!
    水戸黄門のノリと言ったら良いのか?
    同じ登場人物だが、それぞれの物語が短編で、
    まぁ、言ってみれば江戸川コナンくんのように
    大きなストーリーの中に、小さな短編が綴られており
    少しの時間でちょいちょい読めて、ハッピーエンドで気分も爽快、痛快ストーリーと言った感じ。

    時代小説嫌いの私でも十分楽しめる内容だった。

  •  すらすら読めてとても面白かった!たくみに物語を膨らませていて、これからどうなっていくんだろうという先への期待感が常にありました。又八郎と細谷のコンビも最高にいい。この作品を読んでさらに藤沢周平さんが好きになりました。

  • 拙者、還暦直前でございますが、この歳になって生まれてはじめて藤沢周平さんの作品を手に取りました。そしていま最初の作品、「用心棒日月抄・犬を飼う女」を読み終わったところです。

    率直にいって『もっと早くに出会いたかった!』

    この作品はもちろん、今後も藤沢周平さんの作品を読み進めようと思います。(2023/12/12)

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著者プロフィール

1927-1997。山形県生まれ。山形師範学校卒業後、教員となる。結核を発病、闘病生活の後、業界紙記者を経て、71年『溟い海』で「オール讀物新人賞」を受賞し、73年『暗殺の年輪』で「直木賞」を受賞する。時代小説作家として幅広く活躍し、今なお多くの読者を集める。主な著書に、『用心棒日月抄』シリーズ、『密謀』『白き瓶』『市塵』等がある。

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