ノーライフキング (新潮文庫 い 39-1)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250113

作品紹介・あらすじ

空前のヒット商品となったディス・コン・ゲーム「ライフキング」。ある日、そのソフトをめぐる奇怪な噂が子供たちのネットワークを駆け抜けた。「『ライフキング』には呪われた第5のバージョンがある」。学校で、塾で、そして電話回線の中で噂は増幅し、変貌し、ついに臨界点がやって来た-。世界を破滅から救うため戦闘を開始した子供たち。今、彼らはゲームを越えた。

感想・レビュー・書評

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  • すっごい怖い話だった。『ライフキング』というバージョンがいくつもある謎のディスコンソフトにはまる小学生たち。それぞれのイベントのなかに符号をみつけ、ここがこうだからこれはⅢとかそういう風にクチコミでどんどんライフキングの分析は薦められる。
    ライフキングを進めるために次第に願掛けのような行動が多くなり、ライフキングは現実を侵し始める。
    そこにつきつけられる”ノーライフキング”。
    子供たちはノーライフキングからライフキングを守るため、家族や友達を守るためにノーライフキングの呪いを解こうとやっきになる。

    並べられた小石を見つけてそれが”符号”であると気づく瞬間からの主人公の心理描写が恐ろしい。
    あれは俗にいう関連妄想障害だろうと推測。
    あと最後に姿を現すあれ。
    ちょっとやりきった感があってすっきりした。

    でも基本怖いお話。

  • 子どもには子どもにしか分からない言語やルールがあって、それを彼らはうまく作り出し運用しているんだけど、そこに大人が干渉すると時としてとんでもない事態を引き起こしてしまう。大人は死んだ子どもだから、生きている子どものことをもう解らない。

  • 噂を増幅させる子供たちも、子供たちに振り回されて弾圧しようとする大人たちも怖かったし所々不謹慎なのがさらに怖かった

  • 赤と黒

  • 著者:いとうせいこう(1961-、葛飾区、俳優)

  • 1980年代といえばテレビゲームが世の中を席巻し始めたころ。
    ファミコンの登場は、ゲームウォッチの世界観を一気に超えた新しいジャンルの確立へとつながった
    大きなうねりといえる。


    本作は、小学生を中心に空前の大ヒットとなった【ライフキング】を舞台に話が展開する。
    そのソフトにはある噂があるとひそかにささやかれ始める。

    呪われた第5のバージョン

    ゲームがゲームを越えたとき・・

  • ネットワークとゲームでつながる子供達。リアルとゲームのクロスオーバー。約30年も前の作品だが、今読んでも色褪せない。

  • 都市伝説、噂、裏技、子供たちのネットワーク、ゲームと現実とが交差する世界云々…。と設定は面白い。

    商店街のタイルの黒いとこだけ歩かなければならない、それ以外のところを踏むと溶岩に落ちて死ぬ、みたいな子供の、現実に想像とゲーム性を投射した世界がいきつくところ。

    しかし、思いつきで書いて収集がつかなくなって適当に終わらせた印象がすごい

  • 久しぶりに再読。発売当時にハードカバーで、その後文庫で買い直して何度か読み直した大好きな作品だけど、25年以上経った今も全く色褪せていないことにちょっと驚きました。ディスコンをインターネットなどに置き換えれば、現代でもありえなくない話であると同時に、同時代体験としての80年代の空気もまた強く感じつつ。

    そして何度読んでも、ラストシーンで何故か涙が出てくる。なんなんだろうなあ、この感覚。ワスレナイデ ハーフライフ、って呟いてみただけで切なくて泣けてくる。あと、さとるとあきらの双子が大好きで、ヒステリーを起こしたさとるをあきらが頬ずりしながら抱きしめる場面でもいつも胸が詰まります。この作品から得られる感動と興奮は理屈で説明できないなあ。

  • 目を覚ませば、どんなに平和でもどんなに恵まれていても、生きることはサバイバルだと気づく。

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著者プロフィール

1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など、様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』(河出文庫)で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ―植物生活―』(新潮文庫)で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』(河出文庫)で第35回野間文芸新人賞を受賞。近著に『「国境なき医師団」になろう!』(講談社現代新書)など。

「2020年 『ど忘れ書道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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