オーデュボンの祈り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 33591
レビュー : 3600
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250212

感想・レビュー・書評

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  • 不思議なリズム感で進んでいく話。設定そのものだけでなく、語り口調もなんだか現実離れしていてこの作品の世界観に引き込まれた。
    のんびりしたおとぎ話のようでありながら、随所で現実世界を皮肉るような、「どうしようもなさ」を感じさせられて夢中で読んでしまった。日比野の存在は、個人的になんだか胸が締め付けられた。

  • 読了:2017.8.2

    リアリティがない世界って書いてあるのにそれをリアルに書くことで、絶対ありえないことに対して、読んでるこちらも違和感を持つという能力が働かなくなる不思議な感覚。

    伊坂幸太郎にしてはデビュー作だからかキレイに最後がまとまってる。
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    ◆内容(BOOK データベースより)
    コンビニ強盗に失敗し逃走していた伊藤は、気付くと見知らぬ島にいた。江戸以来外界から遮断されている“荻島"には、妙な人間ばかりが住んでいた。嘘しか言わない画家、「島の法律として」殺人を許された男、人語を操り「未来が見える」カカシ。次の日カカシが殺される。無残にもバラバラにされ、頭を持ち去られて。未来を見通せるはずのカカシは、なぜ自分自分の死を阻止出来なかったのか?

  • どんな作家さんの作品でも読んでみてうーんイマイチだったなぁって思う作品はだいたいその作家さんのデビュー作だったってことが多いんだけどこの作品は「えっこれがデビュー作!」って思えるほどクオリティーが高かった。
    伊坂さんの作品にはいつも今作に出てくる日比野みたいななんだか飄々としたなんだか掴み所のない人物が登場するけどそれがもの凄く魅力的で物語全体をいい雰囲気にしているなぁと思う。
    なんだか現実にありそうでなさそうな荻島で暮らしてみることが出来たら楽しいだろうなぁって思えた。

  • 伊坂さんのデビュー作品。名前は知ってたけど、こんな話だったんだ。推理小説と云うより、ファンタジーだね。不思議な世界でした。

  • 重力ピエロが現実に近い作風で悪を懲らしめるなら、オーデュボンの祈りは非現実的な作風でそれに立ち向かうといったイメージ。
    とりあえず、実際に作中のような下衆な人間は存在するのであり、荻島の住人も人が良いのは認めるが、自分の都合で行動するのが人間だなと感じた。
    痩せている桜は一体何を食べていたんだろうか。笑

  • JALの機内誌で紹介されていて、出張中に読み始めてあっという間に読み終わる。

    現実なのか、非現実なのか。一つだけを除いては、全て実際に存在していてもおかしくない日常。ファンタジーのようで、上質なミステリー。惜しむらくは、ラストをもう一場面欲しかった。

    著者の別の本を読んだ際に、あまり好きではなかったが、この作品の完成度、素晴らしさは処女作とは思えない!

    ちょっとした出張中に、一人旅に、現実とはちょっと違うどこかに旅に行きたい方に是非オススメの作品である。

  • これがデビュー作なんですね。
    すごいですね。。。
    長かったけど、引き込まれました。
    現実にはありえない架空の世界の物語ですが、不思議な気持ちにさせられました。
    なんだか心があったかくなるようなお話でした。

  • これがデビュー作なんだね!衝撃的・・・!
    先に『重力ピエロ』とか読んでしまった・・・。

    「単純な積み重ねでなりたつ複雑な社会のなかから生まれる超現実」。すごいなーと思った。伏線がありすぎて・・・でも、最後にちゃんと伏線回収!!そうよね、そういえばずっと「音楽とのふれあい」って言ってたよね。

  • 伊坂幸太郎のデビュー作。
    久しぶりに読んだ。
    伊坂幸太郎を好きになった頃の感覚を取り戻す。

    <あらすじ>
    コンビニ強盗に失敗し、マジでやばい同級生の警官に捕まる。
    パトカーが事故って、なんだかたどり着いた先は、仙台沖の誰も知らない島。
    その島には、ちょっと変わった人たちと「未来のことが分かる」カカシが立っていた。


    小説家が自分の作品について何と言っているかなんて興味がないから想像に過ぎないんだけど、
    伊坂幸太郎は、伊藤をただの「名探偵」にしたくなかったんだな。今更だけど。

    「ジャンルなんてクソくらえだ!」と言いながら、
    ロックの話をするとき、あれは「パンクで~これはハードコア」なんて風にジャンルの話をしてしまう。
    そうしながら「ロック?かっこよければ、それでいい」と言うようなそんな感じ。

    だから、「島にないもの」を持ってくるものの役割を与えた。
    もしかしたら、作品の終盤に差し掛かって後から付け足したプロットなのかもしれないな~なんて。
    伊藤が「名探偵」なると、「オーデュポンの祈り」もただの一風変わったミステリーになっちゃうから。

    初期の作品、デビュー作だから、ちょっと足らない感じのするシーンや
    その展開でいいのかとか、全部、拾い上げたのだろうかとか思っちゃうけど。
    そういうところが目についたとしても、そっと次の行へ、次のページへ進めてほしい。


    最初に、伊藤が辞めたソフトウェア会社の上司は、死神の「千葉」だったような気がする。
    ・・・全部、読まないといけないな。

    伊坂幸太郎の小説はその展開の仕方の独特さの他に、他の作品とリンクする登場人物や話がある。
    そこまでいってしまうと、買い続けることに・・・。
    そして、最近の作品はあまり読めていない。

    読まなきゃいけない本はあんただけじゃ~ないんだ。
    本読む以外にもやらなきゃいけないこともあるんだよ!
    音楽を聴くとか、映画を観るとかギターを弾くとかな!

  • 夢のようなリアリティがあるようなどちらともつかない世界に浸るのを楽しむ小説であると思う。
    伊坂さんの作品は色々読んできたが、これが全ての原点なのか、と納得してしまった。伊坂さんが好きな人は必読書だと思う。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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