ラッシュライフ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 2948
  • Amazon.co.jp ・本 (469ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250229

感想・レビュー・書評

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  • いろんな人達の特別な数日間がさまざまな角度で交差してた。
    登場人物が多くて、途中、途中で交差してたことも、わかってから前のページに戻って確認したりした。
    ラストまで読み終わったら、散りばめられたパズルのピースはピッタリとはさまってた。そうか、そこであそこに話が通じるんだなぁ、見事だなぁって思った。

  • すごい。

    読み終わったときに最初に感じたことを一言で表すなら、陳腐な表現かもしれませんが、この言葉しか見つかりません。

    すごい。まさか、こんなふうに集約されていくなんて。加速度的に謎が次々と明かされていくラストは痛快で、喝采を叫びたくなるような気分でもありました。いやぁ、本当にすごかった。

    それぞれの立場で、それぞれの問題を抱えながら“その一日”を過ごす人々。一見すれば何の関わりも持たない、別個の人生を歩む存在ですが、ふとしたすれ違いや、何気ない会話や、些細な交わりが、お互いの人生に少しずつ影響を与えていく。それはきっと、現実世界でもそうであるはずなのに、普段はなかなか気付けないこと。その盲点を、ここまで明快に描かれると、感心を通り越して、驚嘆すら感じるのです。

    「今日の私の一日が、別の人の次の一日に繋がる」

    「人生がリレーだったらいいと思わないかい?」「一生のうち一日だけが自分の担当で、その日は自分が主役になる。そうして翌日には、別の人間が主役を務める。そうだったら愉快だな、と」「昨日は私たちが主役で、今日は私の妻が主役。その次は別の人間が主役。そんなふうに繋がっていけば面白いと思わないか。リレーのように続いていけばいいと思わないか? 人生は一瞬だが、永遠に続く」

    そのつながりを明快に描き出したのが、まさしくこの作品だと思います。この言葉の意味が明確になる物語のラストは、まるで霧が晴れていくように爽やかな心地でした。あぁ、私もこんなふうに、誰かに影響されながら一日を生き、その生き方が誰かに影響を与えられたらいいなと、そんなささやかな願いさえ抱きました。

    自分にとっては無意味な行いでも、別の誰かにとっては人生を揺るがす大きな出来事なのかもしれない。そう考えたら、この世に無駄なものなど何ひとつなく、そうしたつながりが人々のリレーのような人生を形作っているのかもしれないと思います。私も、誰かにバトンをつなげるように生きなきゃね。

  • やっぱり伊坂作品最高。話以前にも、まず文体が大好き。主人公たちの決して恵まれていない状況下のシーンでも想像の余地がある文章運びや、優しい言葉遣い、とにかく好き。

  • いくつかのお話が交錯している。
    わたしたちの人生もそんな感じかも。
    もう1回読んだらすっきり繋がって、評価も1つ上がりそう。

    【2013年5/23、2回目読了☆】
    ということで、続けてもう1回読みました。
    いやーすっきり。
    時間軸を整理しながら読めて、繋がりました。
    伊坂作品、やっぱり好きです。

  • 人にはそれぞれの人生がある

    時にそれは交錯し、
    時にそれは大きく逸れ、
    それぞれの未来へと向かっていく

    この本では
    一見独立した五つの物語が平行しているが、
    読み進めると
    それらが所々交錯していく様が綺麗だった

    ひょんなことから人生は交錯し、
    自分の人生の軌道が少し変わり、
    人は何かを納得し、決断し、動き出す
    そんな日こそ、「何か特別な日に」なるのだろう

    人は人生の行く末をコントロール出来ない
    それこそ「人生については誰もがアマチュア」なのだから、
    我々になす術はない
    我々は「ラッシュライフ」を懸命に生きるしかないのだ

    なんか恥ずかしいレビューになってしまった(笑)
    内容についての言及無いし(汗)
    ええ~と・・・黒澤カッコイイ!

  • こういう幾つかの登場人物の人生がちょっとずつ交わっていく話って大好きです。本来ならすれ違うだけで終わる人生が、ほんの偶然から交差し、予期せぬ影響を与えたり与えられたりして。同じアイテム、この話だと外国の女性や展望台やエッシャ―の騙し絵のように、それぞれの人生にちょっとずつ触れる物があって。きっとこの後は決して交差することのない人生だろうし、忘れて思い出すこともないのだろうけど。そして、それぞれのその後に決着をつけなかったのも私は良かったと思う。豊田さんは再就職できたのか。宝くじをどうしたのか。老犬を正式に飼ったのだろう。そして「高橋」って何者だったのだろう。人生って解決しないまま終わることが多い。その後の人生を知らずに過ぎていく人の方が圧倒的に多い。そのリアルさが好き。そしてたぶん、他の作品とも少しずつ何処かで繋がるのだろうな。黒澤さんみたいに。

  • 5の物語がさり気なく触れ合いつつ
    絶妙な加減で交差し、ふと気付くと
    1の物語が出来上がる。
    それまでは全く噛み合っていなかった
    個々の物語が己のあるべき場所に戻るよう
    ピッタリと収まっている事に
    感嘆し溜め息までもが出た。


    "ラッシュ"という言葉の意味、
    エッシャーの一枚の騙し絵。
    そして…それぞれの"ライフ"。
    様々な人間の姿に考えさせられ、
    伊坂幸太郎の凄さが心に沁みた一冊。

  • 騙された・・・

    いい意味で裏切られました。
    最後、全部の話が次々とパズルみたいに組みあがっていく様子がもう面白くてたまりません。

    いかにも伊坂さんらしいお話です。

    それから、黒澤さんファンは必見です。

  • 先に映画を観たのだけれど、また観たくなった。

    最後に物語が収束していく、
    或いは、巻き戻し映像を見ているような感覚の、
    スピード感が、たまらなく心地好い。

  • 実に面白かったです。

    立場や環境が全く違う登場人物達が意外な場所でリンクする所は、さすが伊坂幸太郎。
    多少話が読めても大好きですこうゆうの。

    “ラッシュライフ”

    “豊潤な人生”

    あなたはどの登場人物に感情移入するでしょうか。

  • 時系列が巧く組み立てられており、まさにミステリーの王道をいくもので、思っていた以上に正攻法をとるのだなという印象だった。

    そうした構造に加えて、比喩や引用があざとくはないが、きらりと採光を放つように配置されている。

    「ラッシュ」の多義性が(解説にもあるように)ややくどかったが、それはまだ初期の荒削りがゆえなのだろうか。

    とはいえ、伊坂ファンの気持ちを少し理解できた、と思う。

  • プロの泥棒、
    傲慢な画商、
    買われた画家、
    裏切られた夫、
    リストラされた男、
    さまよう野良犬、
    殺意を持ったカウンセラー、
    轢死体を車に乗せたサッカー選手、
    神の高橋、
    父親が自殺した男、

    エッシャーの騙し絵。
    神様を解体する。

    バラバラ死体が
    もう一度ひとつになって
    勝手に歩き出すと言う。

    4つの視点で描かれていますが、
    みんなが微妙にリンクしています。
    そして
    最後に繋がっていく。

    道ゆく人が
    実はどこかで繋がってるんぢゃないかと
    思わせてくれる一冊。

    でも、
    ワンちゃんが危険な目に遭ったり
    死体をバラバラにしようとするところは
    少しニガテでした。苦笑

    久々に読んだ伊坂さん。
    前作読んでるわけぢゃないけど、
    陽気なギャング~とか砂漠のが好きかも。

    読んだ私のコンディションかもしれないけど。苦笑

    「人生にプロフェッショナルがいるわけがない。
     まあ、時には自分が人生のプロであるかのような
     知った顔をした奴もいるがね、
     とにかく実際には全員がアマチュアで、新人だ」

    泥棒の黒澤、やっぱりカッコよかった。

  • 全然関係ない人達が微妙に繋がっている。実際に自分の周りも同じ様なものかもしれない。トランクの死体の展開は、一気に読んでしまった。

  • 黒澤がやっぱりいいな‼
    読み進めて行くにつれて、話が繋がっていく感じかたまらなくスキだと思った!

  • 初期の伊坂幸太郎がいい、と思うのは、最初の衝撃をいまだに引きずっているからなのか、本当に優れているからなのか。

    それでも、ラッシュライフが伊坂幸太郎の構成力が見事に生きている作品だというのは間違いないと思います。

    きれいに組み立てられた5つの物語をばらばらに崩して並べかえてつなげて、完成したのはエッシャーのだまし絵。彼の頭のなかで作られたおもちゃのよう。
    これ書くの、楽しかったんだろうなあ。

    読み手が立ち止まって考えなくても、自然に完成するように導かれているのがすごい。

  • 面白かったぁー。

    話が前に後ろにすすむんだもん。

    いつも前にも後ろにも進まず、混沌として透明度がただ変わるだけの本ばかりを読んでいるから。

    この本は、騙し絵みたく、できているよ。映画みたい。


    かつて、伊坂幸太郎を読むと良いよ、と私に教えてくれたのは誰だったか。

    たしか3年位前だったような気もする。

  • 最初から最後までが繋がる爽快さ!
    実際の人生もここまでとはいかないが、意外といろんな人と繋がってるのかも。
    僕もLush Life(豊潤な人生)を歩みたいな。

  • 450頁を超える分量にも関わらず、次の展開を知りたくてどんどん読み進め、あっという間に読了。あるところでは絶望を味わっても、またあるところでは救われる、その過程に仕掛けられた人生の“交差点”。いわゆる「神」の視点からその様子を眺められるのだから、面白くないわけがない。

  • 視点、時間軸がかわりながら話が進む。最期にはそれがしっかりつながるのがなんか気持ちよい。
    再読したい。

  • パズルが組み合わさっていくのを見ているような感覚になる本でした。あまり気にしていなかった前半の伏線が次々と明らかになって、全く関係のなさそうだったそれぞれの物語が絡み合っていく。けどそれは複雑じゃなくて、キレイに整理されていく。その爽快感で終盤は一気に読んでしまいました。人が死んでバラバラにされるというのに、怖さが全くなかったです。この人の作品は、本当に美しく芸術的だと思う。

  • すごい。よくできてる。一気に読んだ方がいいね。何度も前のページを読み直すハメになる。

  • 5人の視点で物語が進み、それぞれぜんぜん関係ないようで、話の所々で接点がある。「あっ、そこに関係してるのか」と感心はするものの全体のストーリーとしては、物足りなさを感じた。また、物語のなかで映画の引用がいくつかあり、前知識がある方には面白いのではと感じた。

    • Yoshi_Navyfieldさん
      バラバラのジグソーパズルのピースが、カチカチカチと音を立ててはまり込んでいくような痛快さを感じました。
      バラバラのジグソーパズルのピースが、カチカチカチと音を立ててはまり込んでいくような痛快さを感じました。
      2012/03/06
  • 自分の才能を最初に見出だしてくれた人を裏切った絵描き、
    不倫をしている精神科医、
    美徳とプライドを持って仕事をする空き巣、
    父親の自殺を機に新興宗教にハマった若者、
    リストラされて再就職できない元サラリーマン

    この何の共通点もない5人のお話。

    いろんな場面で5人が絡んでいて、最後はとってもスッキリする展開になってます。

    この世に起こることはすべて必要必然。
    みんな人生の初心者なんだから、人生プラスマイナスゼロになるようにできてる。
    ってことを素直に受け入れれるようになります。

  • エッシャーの騙し絵がモチーフのように、物語の時間軸をずらす事で終わりと同時に始まったような印象を受けてしまう所は凄い。
    ただ技巧的な作品である為に作中の4つの物語はパズルのピースのような存在で、その話の内容自体にはあまり惹かれなかった。

  • 伊坂作品は、仙台、ビートルズ、交錯がキーワード。ラッシュライフは「豊潤な人生」。エッシャーの一枚の壮大な騙し絵で構成が組み立てられている。登場人物も違う小説にリンクしていて今風だが自分的には、「これは一体なんだろう?」っていう感想。

  • 扉絵にエッシャーの騙し絵。本文にも折に触れてエッシャーの絵画展の告知が登場する。その騙し絵のような作品だ。拝金主義の画商戸田と女性画家志奈子。泥棒の黒澤。新興宗教の教祖に惹かれる画家志望の河原崎とその宗教の指導者塚本。精神科医京子と愛人のサッカー選手青山。そして、失業者の豊田。この5つの視点を軸に、時間軸が複雑に交錯しながら進んでいく。後半になり一気にその点と点とがつながっていき、あの部分のあの人がこの人だったのか、この人とこの人はここで繋がっていたのか、とパズルのピースがはまるように相関図が仕上がっていくのは爽快。

  • 一番最初に読んだ伊坂作品、かつ一番好きな作品。一見関係のない出来事と出来事の繋がりを描いています。まるで精密な絵のよう。風が吹けば桶屋が儲かる。現実もきっとこういう風に出来ているんでしょう。
    とにかく上手い!

  • 12/207

  • まるでだまし絵を小説にしたかのような作品。さすが伊坂さん!
    でも感情移入したとたん違うキャラの視点になったりして、少し戸惑うところもありました。面白いと感じる場面と、読むのがいやになるような場面の差が大きいのも難。というわけで星はよっつ。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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