重力ピエロ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 47563
感想 : 3927
  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250236

作品紹介・あらすじ

伊坂幸太郎著の重力ピエロ、映画化もされ話題となりました。
兄弟に焦点あてたストーリーですが、弟は同じ母親から生まれたもののなんと、父親はレイプ犯。衝撃的な設定のストーリー。しかし重苦しさを感じさせずしかし兄弟や家族の絆もみられ、兄弟が事件について考えるなどミステリー要素もあります。どんどん引き込まれあっという間に読んでしまいますが結末も衝撃的です。最後まで驚かされます。

感想・レビュー・書評

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  • まことさんセレクション。
    正義は遺伝子を超えることができるか。

    伊坂的勧善懲悪の心地よさ。
    これははまってしまうとなかなか抜け出せない。
    「重量ピエロ」についてもやられた!王道的な感じ。
    気持ちよくしてくれるだろうという期待にしっかり応えてくれる。

    ーふわりと飛ぶピエロに重力なんて関係ない
    そんなふうに軽々と飛び越えたい課題を皆それぞれ抱えているもの。
    勇気づけられる小説。

    「サブマリン」と同じく、ローランド・カークが登場。

    • まことさん
      たけさん。こんにちは。

      また、読んでくださりありがとうございました。
      この作品は、作品自体ももちろんよかったけれど、私は帯のキャッチ...
      たけさん。こんにちは。

      また、読んでくださりありがとうございました。
      この作品は、作品自体ももちろんよかったけれど、私は帯のキャッチコピー「小説、まだまだいけるじゃん」がなんとも印象的な作品でした。今、家の本棚をみたらページの全部茶色く変色したこの本が眠っていました。
      『オーデュポンの祈り』といい、なんか古い作品ばかりお薦めしてしまってすいません。
      2020/10/03
    • たけさん
      まことさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます!

      「小説、まだまだいけるじゃん」の帯コピーは知りませんでした。2003年の発行当時...
      まことさん、こんにちは!
      コメントありがとうございます!

      「小説、まだまだいけるじゃん」の帯コピーは知りませんでした。2003年の発行当時は、小説がそんだけ危機に瀕していた、ということなのでしょう。

      伊坂さんの小説は、読後、「人生捨てたものじゃない」と思えるから好きです。十数年すると、本の紙の色は変色してしまうかもしれないけど、中身はじゅうぶん新しく輝きを放っています。
      2020/10/03
  • 『本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ。重いものを背負いながら、タップを踏むように…』
    こういう考え方は好き!カッコ良いし、何があっても飄々と生きていきたい。
    内容は、家族愛というほがらかな内容ではないけど、強い絆で結びついているのは感じさせる。
    遺伝子レベルの繋がりではなく。
    この結末で、幸せになれるのかは、神のみぞ知る。
    ちなみに、
    この家族、何か品があるというか、うちとは全然違う…(当たり前か^^;)
    会話に「ガンジー」とか「クロマニョン人」とか、今まで一度も出た事ない…
    「さとみロス」とかの芸能ネタか、「焼肉」「焼き鳥」などの低次元なヤツばっかり…関西なんで、オチはあるけど。
    こんな会話が出来るとこは羨ましい!

  • 兄弟の会話。親子の会話。この家族の間で繰り広げられる言葉の数々がとても印象的でした。お互いを尊重し信じ合い、なにが起きても動じないような揺るぎない根っこを持っている家族です。

    「おまえはお父さんに似て・・・」とか「家を継ぐのは長男の役目」とか「あの子がグレたのは継母だから」とか「男の子を産め」とか。例えば、お家の存続のためにもDNAや血の繋がりといったものを大事にしたがる風習がわたしの周りでは当たり前のように蔓延ってます。
    これがとても息苦しい。雁字搦めにされてしまいます。
    でも、はたっと気づきます。家族にとって血とか遺伝子とかってそんなに大切なこと?家族として愛しあうことにそれが必要条件なわけ?
    んっなことないだろう!もっと大切なことがあるじゃないか!!
    凝り固まった固定観念にガツンと衝撃を与えてくれる物語でした。
    読んでよかったなと素直に思えました。

    心に残った場面のひとつに、兄の泉水が辛い出来事によって誕生した弟の春のことについて、自分の内なる声と問答する場面があります。
    春が生まれたことは正解か。では母親に起きた事件も正解なのか。おまえの将来の妻に同じことが起こったら、子どもを産ませるのか。おまえの父親は誤っているのか・・・
    おまえの言ってることは矛盾じゃないかと問われれば、「知るか!」「矛盾だ。悪いか」とためらうことなく激昂しただろうと泉水は思います。

    人生の岐路に立ったとき、どうすればいいのかなんて自分で考えるしかない。どちらを選んだとしても、その先には正解なんてない道が続いているのでしょう。他人に理不尽だと思われようとも、憐れみや同情などのいらぬお世話にあおうとも、無責任な言動に振り回される必要なんかさらさらこれっぽっちもないんですよね。
    矛盾でなにが悪い、それが自分の選んだ道だ、文句あるか!って堂々としてたらいいんだなって、目の前がさぁーっと開けました。

  • 2019( R1)11.30〜12.11
    異父兄弟の二人が、連続放火事件の謎を追うことを通して、弟の出生の秘密と家族の大切さが明らかになっていく物語。

    初“伊坂幸太郎”作品だった。
    「この人、頭いいんだなあ。」というのが第一印象。兄弟の会話からそんなことを感じた。

    物語の展開はミステリー風で読みやすい。
    更に、場面ごとに小見出しがついており、「ちょくちょく読み」する私には、区切りがはっきりしていてありがたかった。

    物語自体には、もしかしたら賛否両論あるかもしれない。
    私は“賛”であるが、“否”の部分も持ち合わせている。

    だから、もう少し伊坂作品に触れてみようと思う。

  • グラフィティアート、放火、凌辱、遺伝子。癌、探偵、兄弟、ガンジー。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    遺伝子の会社に勤める兄の泉水、らくがきを消す仕事をしている弟の春、癌で入院している父。
    しかし春の出生には、つらい出来事が絡んでいた。

    謎のグラフィティアート出現と連続放火の関連を示唆してきた弟に巻き込まれる形で、兄と父は事件の真相を考えはじめる。

    しかし、その事件と遺伝子の知識までがリンクしはじめ、絡み合い、ひとつの地点に着地する。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「フーガはユーガ」「アイネクライネナハトムジーク」「死神の精度」と読んできて、4作目に手にした伊坂幸太郎さんの作品がこちらの「重力ピエロ」でした。

    正直なところ、もう少しコンパクトに話が進められたのではないか?という感が拭えませんでした。
    それは、辻村深月さんの初期作品を読んだときも感じた印象であり、登場人物たちの抱えるしんどさはを余すところなく深く書かれているが故、作品としての歩みが遅くなってしまった感じでした。

    「重力ピエロ」の発行年を見てみると、こちらも伊坂幸太郎さんの初期作品にあたるようで、ここから伸びていくと考えると、この小説の話運びは、まったく不思議ではありません。
    それでも☆2つにしたのは、主人公の目的が途中で8割方、予測ができてしまったことと、途中出てくる黒崎、葛城の正体もわかってしまったためです。
    弟と父の思惑こそ2割程度しか読めなかったものの、主人公・黒崎・葛城についての予測が当たってしまったため、真相に対する驚きが半減してしまいました。

    文庫の裏表紙のあらすじには「謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とはー。」(引用)と書かれていますが、最後の事実を知って思うのは「圧倒的」な真実というよりは「クラシックが鳴るホールの中で、静かに近づいてきた大きな闇」といった感じでした。
    その闇を、表から見るのか裏から見るのか、はたまたどこか違うところから見るかで、このお話の印象はひどく違ってきます。
    どんな印象を抱くにせよ、世の中には白と黒のふたつで割りきれないものでほぼできていることだけは、誰しもがしみじみと感じるだろう、お話でした。

  • 伊坂ワールド全開で良かった。
    真実が明かされていくと、重い内容だが、互いに家族を思いやる気持ちが溢れていて好きな1冊。

  • 安定の読みやすさで、ストレス無く読めました。シリアスで哀しいストーリーだけど、暖かい家族小説の面もあり、最後はうるっときてしまいました。

  • んー 伊坂幸太郎さんの作品は結構昔読ませていただいてきたが、自分が歳をとったせいなのか?文章が頭に入ってこない。仕事の隙間時間を見つけて読破したけれど、僕としては「んー」ですかね。生意気な感想ですみません。

  • 「春が二階から落ちてきた」
    小説好きなら、このフレーズに一発でやられることだろう。
    私ももちろんやられた・・・
    しかも、悩みなんて何もないような「伊良部シリーズ」のあとに、この哲学的な語り口。
    現実と回想が入り混じり、多少理解に苦しむ部分も・・・
    これが「伊坂ワールド」と言われれば、それまで何だけど。
    話の展開としては、特に驚くこともなく、ただ登場人物のキャラクターが際立っているのはさすが!
    特に主人公の兄弟の父親の潔さが光っていた。
    これが映画化されたら、どんな感じになるのか?
    ちょっと楽しみ。

  • 登場人物(家族四人)が、物語を越えている様(安っぽい表現ですが)に感じる程の存在感でした。
    作者の他の作品への伏線も有り、伊坂ファンには幾重にも楽しめると思いました。
    名言をメモに書き留めながら再読しようと思います。

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著者プロフィール

1971年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞し、デビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で吉川英治文学新人賞、08年『ゴールデンスランバー』で本屋大賞と山本周五郎賞、『逆ソクラテス』で柴田錬三郎賞を受賞。ほか『砂漠』『グラスホッパー』『火星に住むつもりかい?』『フーガはユーガ』『シーソーモンスター』『クジラアタマの王様』『ペッパーズ・ゴースト』など多数の著書がある。

「2021年 『小説の惑星 オーシャンラズベリー篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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