フィッシュストーリー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 19324
レビュー : 1254
  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250243

作品紹介・あらすじ

最後のレコーディングに臨んだ、売れないロックバンド。「いい曲なんだよ。届けよ、誰かに」テープに記録された言葉は、未来に届いて世界を救う。時空をまたいでリンクした出来事が、胸のすくエンディングへと一閃に向かう瞠目の表題作ほか、伊坂ワールドの人気者・黒澤が大活躍の「サクリファイス」「ポテチ」など、変幻自在の筆致で繰り出される中篇四連打。爽快感溢れる作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 映画を観て、久々に読み返してみました。

    「フィッシュストーリー」は、こんなに短いお話だっけ?と思いました(笑)いいバンドだなぁ。曲中のつぶやきは映画でも小説でもぐっと胸にきますね。
    正義の味方の瀬川はやっぱり魅力的で、世界を(結果的に)救ったバンドのマネージャ ーの岡崎さんのお人好しさが素敵だ。

    けっこう内容忘れていましたが、黒澤の出てくる「サクリファイス」と「ポテチ」がおもしろかったです。

    「サクリファイス」の陽一郎と周造が村のために払った犠牲が切なかったです。黒澤の「正しいかどうかは別にして、あんたは偉いよ」という軽さがうまく言えないけれど、いいなぁと思いました。
    このお話で国の政治家と村の村長とを比べているところが伊坂さんっぽかったです。

    「ポテチ」は今村のすっとぼけっぷりがおもしろくてところどころ噴き出してました。
    最後はちょっとうるっときた・・・
    黒澤のそっけない優しさみたいなのがよいですね、自分では否定してますが(笑)
    案外人のために動いちゃう(笑)

    黒澤は活躍(?)するし、他の伊坂作品の片りんがチラチラしてるしで、面白くて濃い一冊でした!

  • 短編集。

    「動物園のエンジン」
    シンリンオオカミが一匹逃げた責任を取って退職した永沢が、夜の動物園の地面で寝ている様子を見てあれこれ推理する男達の話。

    まともな人がほぼ出てこない。
    結局は永沢さんは動物園が好きなだけという。。

    「サクリファイス」
    空巣の黒澤が、人を探す依頼を受けてある村に行った話。

    なんで黒澤がこの村の生贄の風習にそんなに関わろうとしたのかはよく分からなかったけど、よく出来てるお話だと思いました。
    洞窟に閉じ込められてたはずの人の落下死体の謎とか、山田の行方などすっきり伏線が回収されてて良かったです。

    「フィッシュストーリー」
    間奏が途中で途切れて無音になる曲を聴きながら運転していた男の話から、時間が大きく前後して話が進む。

    すごくよく出来てて面白かったし、読後感が良かったです!
    すんごい遠回りして、かつ音楽の力って訳じゃ無いけど役に立ったよ!と彼等に伝わって欲しい。

    「ポテチ」
    空巣に入った家で中村親分と今村は、「これから自殺する!」という留守電を聞いてしまってその人を助けに行く。

    変な出会い方をした割にはちゃんと付き合ってるというか、続いている今村と大西の関係が面白い。
    さらに今村母と大西の関係もいいですねw

    ポテチの味を間違えて渡してしまった今村に、「やっぱりこれはこれで美味しいからいいや」と言った大西の言葉に泣き出すシーンの意味が分かった時、この話こんなにいい話だったんだ!と思いました。


    再読だったんですが全然覚えてなくて、普通に楽しめました。
    以前読んだ時より面白く感じた気はします。

  • 黒澤の圧倒的な存在感。「ポテチ」の伏線回収にウルっとして頁を戻る...。ホラ話の表題作もスカッとさせてくれる。映画化されているようだが、本で十分かな。
    「俺、どうすりゃいいんですかね?」「何もしないでいいんじゃないのか」

  • 短編集だったけど、どれも良かった!黒澤さんの寡黙な感じは相変わらず好きだし、今村と若葉のやり取りには笑った。『キリン乗ってないぢゃん!』は笑った!中村専務もいいし、ポテチに最後はうるっときた。短編集は苦手なんだけど、楽しめました。伊坂さんの本は再登場が多いし、何気ない文章の中に過去の繋がりがあるので、それに気付くと嬉しくなります。

  • 空白の1分が未来に大きな影響を与える。突拍子も無いことのように聞こえるけど、人生ってそういう偶然の積み重ねやろし。そう考えると、普段無駄なことと思ってる行動にも意味があるんやと思えてくるし、少し前向きになれる。

  • DVDを見たので再読したくなった。『フィッシュストーリー』と『ポテチ』が好き。

    『フィッシュストーリー』は、長い時間をかけて奇跡が起こる。「ハイジャック犯が計画を立てるずっと前から、瀬川さんの準備はできていたのだ」とか、「これ、いい曲なのに、誰にも届かないのかよ、… 届けよ、誰かに」とか、じわじわきていた感動が、一文によってぐっと胸が熱くなり、救われる気持ちになる。

    『ポテチ』は、「間違えてもらって、かえって良かったかも」という言葉のあとに今村が泣きながらポテチを食べるシーンが、あとからじわじわと心に染みこむ。

    伊坂作品に共通しているのは、つらいことをつらいままにせず、あたたかい奇跡があるけれど、それがすごいでしょと押しつけることがないところで、そこが自分が好きに思うところ。

  • ポテチを電車の中で読んで泣きそうになってしまった。ただボールが遠くに飛んだだけだけれど、何かすっきりした。

  • フィッシュストーリー=「ほら話」とは知りませんでした。4つの物語からなる中短編集。「サクリファイス」と「ポテチ」に黒澤が出てきたのが嬉しい。そして表題作のフィッシュストーリーでは、さすがと唸りたくなるような物語の構成力。誰かに届いて欲しいと願う強い気持ちは、時を超えて未来を救うことになるが、それは一見偶然のようで決して偶然ではなく、それぞれが強い思いを持って自らの出来ることを一途に果たそうとした結果の連鎖によるもの。世の中はそうしてどこかで誰かに救われているのかもしれない。ポテチの塩味も美味しいよね。

  • 「ほら話」というタイトルで、4つの短編からなる作品。二番目の「サクリファイス」、三番目の「フィッシュストリー」もいいが、なんといってもラストの「ポテチ」が秀逸。「ポテチ」を読むと、青空球場に自然と足が向く。一昨日、神宮球場で野球を見に行ってきたが、やはり、ドーム球場にはない、本当の野球のよさがあった。ぜひ、「ポテチ」を読んで、カルビーのポテチップスコンソメ味と塩味をもって、ビール片手に、球場に足を運んでもらいたい。何度、読んでも、心熱く、泣かせる作品である。
    また、何度も言ってきたことだが、いい文庫本には、いい解説がついている。解説も秀逸である。自分もカルビーに心から謝意を表する。

  • 読んでてにやけたり声に出して笑っちゃったりするほど面白い本だった
    それとは裏腹に切ないとこや感動できるとこがあり全体的にすごいよかった

    フィッシュストーリーとポテチが好き

    人の想いは必ずどこかでいつか誰かに届くものなんだなぁと思った
    一人一人が自分のストーリーを持ってて
    場所も時代もなにもかも飛び越えて別の人のストリーと繋がっていくという
    繋がりというものがわかった作品だった

    四つの短編集の中に
    伊坂幸太郎さんの他の作品と関係してる人物や言葉がでてきて
    そこからもストーリーの繋がりを感じた

    少し期間をおいて
    もう一回読んでみようと思った

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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