砂漠 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 1754
  • Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250250

作品紹介・あらすじ

入学した大学で出会った5人の男女。ボウリング、合コン、麻雀、通り魔犯との遭遇、捨てられた犬の救出、超能力対決…。共に経験した出来事や事件が、互いの絆を深め、それぞれ成長させてゆく。自らの未熟さに悩み、過剰さを持て余し、それでも何かを求めて手探りで先へ進もうとする青春時代。二度とない季節の光と闇をパンクロックのビートにのせて描く、爽快感溢れる長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 愛想なしの美女東堂。平和(ピンフ)にこだわる西嶋。鳥瞰型の北村。スプーンを曲げてしまえる南。やませみのような鳥井。

    どこにでもいるようでどこにでもいない大学生たちの春夏秋冬。
    麻雀はちっとも知らないんだけどやってみたくなります。
    大学生活×麻雀ってなんかいい。
    鳥井君もなんだかんだいい。

    なにより西嶋が憎めないわけですよ。こういう、ある意味「空気を読まない」タイプが愛されて居場所を確立しているところがすごく好き。

    私も西嶋のように臆することなく、正しいと思ったことを主張し行動できるようになりたい。そのためにも大学生活をもう一度やり直す決意をした。

    なんてことは、まるでない。

    • まろんさん
      最後の1行に思わずふきだしてしまいました。
      hetarebooksさんは、そんなお茶目なところもまた魅力ですね(*'-')フフ♪

      私も麻雀...
      最後の1行に思わずふきだしてしまいました。
      hetarebooksさんは、そんなお茶目なところもまた魅力ですね(*'-')フフ♪

      私も麻雀は一度もやったことがないのですが、
      小説や映画で、大学生たちが麻雀しながらダラダラおしゃべりしていたり
      ちょっと崩れた雰囲気の男性が気怠そうに雀荘で煙草をふかしていたりするのが
      なんだか素敵に見えるのはなぜなんでしょうね(笑)
      2012/10/23
    • hetarebooksさん
      まろんさん♪

      伊坂節炸裂のお話だったので、つい伊坂氏モードで書いてしまいました(*'-')♪

      そうそう、なんだか素敵で憧れてしまったりし...
      まろんさん♪

      伊坂節炸裂のお話だったので、つい伊坂氏モードで書いてしまいました(*'-')♪

      そうそう、なんだか素敵で憧れてしまったりしますよね。麻雀、ビリヤード、ダーツ、チェス。このあたりは憧れのテッパンです♪

      麻雀といえば私の友人は寮生活でその魔力により単位を落としまくり、8年生になった子がいます(笑)君子、麻雀に近寄らず…(・・;)
      2012/10/26
  • 別の本を読んでる途中だったんだけど、些細なきっかけから久しぶりに読み始めたら止まらず、最後まで一気に読んでしまいました。

    社会を砂漠に例えて、「砂漠を語るにはまずオアシスを語る必要がある」っていうサンテクジュペリの引用から、人生のオアシスである大学生活が描かれます。

    これは西嶋のために書かれた本で、僕らが西嶋に出会うための本だと思いました。

    こんな人が本当にいて欲しいなって思わされる伊坂幸太郎のキャラクターはやっぱり素晴らしいし、広大な砂漠を前にして「もっとこうだったらいいのに」って僕たちが思ったり、実際に行動したりするのはとても大事なことで、そうさせることが、芸術のいくつかある役割の内の大切なひとつだと思うんだけど、伊坂幸太郎はちゃんと作品に還元してて偉いなと思いました。

    「俺たちがその気になればね、砂漠に雪を降らせることだって、余裕でできるんですよ。」

  •  伊坂幸太郎が、大学生の生活を書くとこうなるのか。よくもまあ、こんなに同じ作風で、違ったテーマで作品を生み出せるもんだなあ。


     北村、東堂、西島、南。麻雀パイの字を持つという理由で鳥居によって集められる四人。
     
     ああ。そうだ。必要なのだ。準備が。

     この世を効率よく生きていくためには、準備が必要なのだ。
     そして、青春には、仲間が必要なのだ。

     仲間がいたから、ホスト礼一とのボーリング対決でも勝てたし、鳥居は再び「ぎゃはは」と笑えたし、超能力のイカサマも見抜けた。南もセドリックを浮かせ・・・いや、飛ばせた。
     仲間が欲しい。

  • 大学で知り合った男女5人の青春小説。
    とにかく様々な点ですごくバランスが取れている作品だと思った。

    4年間で起こる出来事は日常というよりやや非現実色が濃いし、登場人物のキャラクターもいそうで中々いないタイプが揃っていた気がする。
    だけど興ざめするような突拍子さはなく、すべてが程よく現実に寄り添っていて難なく読ませてしまう。
    育まれる友情も芽生えてく恋愛も描かれ方がわざとらしくなく、腹八分目でとどまっているのも良かった。

    そして個人的な感想としては卒業式で莞爾が言った、「本当はおまえたちみたいなのと、仲間でいたかったんだよな」の一言に尽きる気がします。

  • 何回読んでも面白い!

  • 来年大学生になる予定です。すでに楽しみで仕方がないんですけど、同時にあと遊べるのが4年ないし6年かと思うと何か寂しいです。これが終わればあとは40年間働くだけ。普通に考えて一つの場所でずっと働くって凄いことですよね。大人って凄い。みんな凄い。大学では勉強だけでなく、いっぱいいろんなことを五感フル回転で感じて心動かしていきたいです。自分で進路決めて毎日に不安感じながら受験勉強出来てることもつくづく幸せに感じます。

  • 無駄な時間を過ごした。なんてことはまるでない。法学部の学生北村とその友人鳥井、西嶋、東堂、南の物語。砂漠と形容される社会に出て行かなくてはならないからこそ、学生時代というオアシスを仲間とともに無意味に過ごすことは素晴らしい。物語最後の卒業式での学長からの言葉、「学生時代を懐かしんでもいいが、逃げることは絶対するな」、「人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢である」まさにその通りだと思った。できれば学生時代に本書と出会いたかったが、彼らのように無駄な学生時代を過ごした私にとって、①砂漠から逃げず②最大の贅沢を続けていく ことの重要性に改めて気づかさせられた。

  •  同著者の小説を読んだのは『死神の精度』以来13年振り。大学時代に友人に勧められたが、リア充(という言葉が当時流行っていた)がわんさか出てくると聞いて、非リア(という言葉も当時流行っていた)の私は「読んでやるものか!」と激昂したのだった。これを学生時代に読んでいたら、自分はどんな感想を抱いただろうか。

     本小説は、東堂・南・西嶋・北村という東南西北(東西南北ではない)が名に付く4人+鳥井(一索)を中心に据えた、大学生の春夏秋冬を描いた青春小説だ。
     東堂は誰もが振り向くクールビューティー、南は大人しいけど芯の強い可愛い女の子、北村は論理的でシニカルだけどまぁ常識人、鳥井はちょっと浮薄な感じの漂うトリックスター、そして熱い理想主義を掲げた西嶋。どいつもこいつもキャラが立っており、当然大学生活を通じた彼らの成長も描かれている。会話中心の文体は読みやすく、伏線が読み手のストレスを誘発することもなく、長編にも拘わらず1日で読み終えてしまった。

     物語を大きく動かすのは、やはり「西嶋」という人物。彼はサン=テグジュペリ『人間の土地』に多少の影響を受けているらしい。大学一発目の飲み会で空気を読まない平和論を語るほどの理想主義的行動を取る彼を冷笑的に見ることもできるのだろう。所詮は街から出たことのない人間が砂漠を語るように、大学生が社会を語っているだけではないかと。

     でも、地球という狭い狭い一つの惑星の中から宇宙の全体像を掴もうとする科学者を嗤う人がいるだろうか。西嶋は、時に砂漠に対峙し、そこで時に傷付きながらも、砂漠に雪を降らせようと足掻く。そうした彼だからこそ見える景色が、あるのではないか。
     地球は水と緑の惑星というイメージがあっても、本当の顔は岩と砂と塩でできた貧弱な地盤であること、だからこそ、そこで人が生活をし、精神の営みを行うさまに感動を覚えること。そんな描写のある『人間の土地』と、[街⇔砂漠]を[大学⇔社会]に見立てたこの小説には通ずるものがある。
     そして、彼と支え合うのが、彼とはまた違った友人たちであることが、大学という世界の面白さなのかなと思った。

     「人間であるということ、それはとりもなおさず責任を持つということだ。自分のせいではないと思えていた貧困を前に赤面すること、僚友が勝ち取った栄冠を誇りに思うこと、自分に見合った意思を積むことで世界の建設に貢献していると感じることだ」(サン=テグジュペリ『人間の土地』訳:渋谷豊 光文社古典新訳文庫 p.76)
     こうした言葉に向き合って、熱くなったり悩むことはたくさんあった。それを青春という言葉でラッピングしてしまうのは、西嶋と、過去の自分を侮辱することなのかもしれない。

  • 評価が良かったので青春群像小説が苦手ながら手に取ってみた。やっぱりダメでした。
    学生のノリがどうも受け付けない。ミステリ要素がないと伊坂作品でもダメかな。。

  • 図書館で。『砂漠』タイトルに込められている意味がもう、、最高。みんな最高。みんな大好きだ。春、夏、秋、冬。そして、春。うっかり卒業シーズンに読んでしまって卒業式の校長の言葉にウルっ。西嶋くんも好きだけど、北村くんも、鳥井くんも、南ちゃん、東堂さん、全員ステキ過ぎだった。がむしゃらにひたむきにキラキラしていたな。がんばっていたな。応援したくなりました♪

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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