ゴールデンスランバー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.11
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本棚登録 : 22741
レビュー : 1709
  • Amazon.co.jp ・本 (690ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101250267

作品紹介・あらすじ

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない-。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。

感想・レビュー・書評

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  • ブックオフで見てなんとなく買った小説

    殺人事件を解決する内容だと勝手に思ってたが、全く違う内容だった。

    誰かの感想にも書いてあったが、映画の逃亡者みたいな感じだと自分も思った。

    最終的にいろいろ解決できてないような気もするが、[たいへんよくできました]なんだろうと思う最後だった。

    どんな状況でも信頼してくれる人がいる事が大事と教えてもらったような小説でした。

  • 「早く、1行でも早く続きを読みたい」という想いに駆られながら一冊を読みきったのは久しぶりの体験だったかもしれない。
    首相が衆人環視のなか暗殺され、その犯人に仕立て上げられた主人公・青柳雅春。わけのわからない状況下、あらゆる知恵や勇気を振り絞り、とにかく逃げる、逃げる、逃げる……。
    それまでの人生で出会った人たちに様々な形で逃亡の手助けをしてもらい、最後の最後に痛快な結末を迎えられたのも、その人たちに「真犯人ではない」と心から信じてもらえる何かを、青柳が見せてきたからにほかならない。
    いや、ディテールを語ることや陳腐な常套句を使った褒め言葉はこの作品には不要だ。「とにかく、ひたすら、めちゃくちゃおもしろい」ということでいいのではないかな?

  • 人生の最大の武器は、習慣と信頼だ、
    この台詞に尽きるのかもしれない。

    青柳とまわりの助っ人たちの逃走劇。
    読むうちにスピード感が増して
    終盤はあっという間に読み進めてしまった。

    ハッピーエンドとは言えないはずなのに
    どこかほっこりする終わりだった。
    青柳の本当の姿を知る人たちは
    誰も彼を疑うことはしなかった、
    これは彼の人柄の賜物なんだろう。
    樋口、森田、小野、父親含め
    周りの助っ人たちとの間には
    間違いなく信頼関係があった、
    それが彼の逃げる道を作った。

    出てくる登場人物皆が
    どこか憎めないキャラクターなのと
    軽快なクスりとくる会話がやはり伊坂さん。

  • 言わなくても信じて助けてくれる人たちがいる、それは習慣と信頼、日々人と向き合ってきちんと生きていたからで、毎日を不誠実に生きている私にはとても縁遠いけどこの本は読んでいてぐっとくる場面が多かった。ベタだけど親父の囲み取材、バッテリー交換、は素直に感動した。学生時代の話を挟んでくるんだけどそれがまた思い出話に終わらないちゃんとした伏線になっていて、実に気分が良い。保土ヶ谷とかキルオのように初対面でほいと味方になってくれてなんて御都合主義なところもあったけど、そこまで気にならない。服を交換してくれる若者達はあまりにファンタジーだったけどまあエンターテイメント小説だしこまけえことはいいんだよ。私が苦手とするえん罪で追われる系の話、1~2章の取っ付きにくさもあってなかなか進まないけど途中から俄然面白くなる。登場人物が魅力的。悪い奴は悪い奴、良い奴はちゃんと最後まで良い奴、女性がさばさばしてて強い。ちょっとしか出てこないけど樋口の夫がすごくかっこいい、器の広い良い男。轟社長の息子も男らしくてかっこいい。そして最後の章、わかる人だけわかればいい、その方法が粋で黒幕とか理由とか色々どうでも良くなった。ロックだぜ。

  • 映画を見たので原作読んでみた。
    読んでるうちに俳優さんで物語が再生されてしまったけど、違和感全然無かったし、映画見た上でも楽しめた。
    約500ページの長編なのに、映画はほとんど削られてなかったし。原作も映画も良い。珍しく。

    これは「伊坂幸太郎的に娯楽小説に徹したらどうなるか」という発想から生まれた作品、とのこと。
    その目的に違わず、主人公が逃げ続けるエンターテイメント作品になっている。
    逃げる青柳と、心配する樋口、そして二人の過去が紡がれながら進んでいく。
    構成が巧みだなー。


    「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」
    っていうのが好き。
    仲間との信頼の糸が見える場面がとても良い。

  • 読み始めると止まらない。
    物語の筋がしっかりしている。その上、筋を支える細かな描写が面白い。
    チョコレートと魚のゲームで別れを決める場面や、歌を口ずさみながらさよならを言う友人の場面。森田屋〜と叫ぶ場面など、物語が筋を決める重要なきっかけが全部なんでもないこと である。
    実際にわたしたちの生活だってそんなもんだなぁなんて思いました。
    僕の人生、よくできました止まりなんだよなぁ、という部分は秀逸なラストシーンにつながるし、主人公のエレベーターのボタンを親指で押す癖も鍵を握る。
    伊坂幸太郎が得意な、登場人物がだんだん出会っていく手法も、出会わせることが目的ではなく、主人公がにげながら人生をつかんでいく大筋にそってそれを支えるように描かれているので、ご都合主義な雰囲気が隠れていて丁度よく楽しめた。
    ラストまで読んで、これはあり得ない話の現実的な結末に落ち着いたなぁと思った。読み終わった時の爽快感はもう少しほしかったけど、これ以上のハッピーエンドは物語の空気を軽くしてしまうような気もして、これがいちばんだったのかなぁなんて思いました。

  • 珍しく、映像が先で原作を読むまで三年位経っていた。当時一緒に観た友人も伊坂フリークで、色々感想を言い合ったものだ。

    大統領暗殺の濡れ衣を着せられたオズワルドのように、首相暗殺の犯人にされ、訳もわからないまま逃げ回る青柳。映画では堺雅人さんが演じていたはず。なるほど二枚目ではあるが、悪意に満ちた犯人にも見えなくはない。(ちなみにカズは劇団ひとりが演じた)

    立ちはだかる大きな陰謀、キーマンたちは消され、追い詰められる青柳。
    ターゲットにされた恐怖と理不尽さに戸惑い、怒りながらも逃げ続ける彼を手助けするかつての仲間たち。

    よくまあこれだけの伏線を全て綺麗に回収出来たなぁ…

    お話としては犠牲者が多くやりきれない気持ちになるけれど、いつか伊坂さんマジックで他の作品に登場する青柳がみたいなぁ。

    • kwosaさん
      「伊坂さんマジックで他の作品に登場する青柳」いいですね。
      映画も面白かったですが、やはり再読してわかる原作の凄さ。
      再読すると第三章は、「若...
      「伊坂さんマジックで他の作品に登場する青柳」いいですね。
      映画も面白かったですが、やはり再読してわかる原作の凄さ。
      再読すると第三章は、「若者たちが、『〜アメリカみたいだ』と嘆いていた」や「森の声も聞こえなかった」という記述から、このノンフィクションライターがおそらく青柳であろうことがわかります。そう考えると青柳は日の当たる世界できちんと生活し、あの事件の真相を白日の下にさらそうとしている、本当の意味で逃げ切ったのだと思われます。
      作中にノーマルENDとは別に真ENDをまぎれこませるとは「伊坂幸太郎すげぇ!!」って思ってしまいます。
      2012/11/11
    • hetarebooksさん
      kwosaさん

      そうそう、「百聞は一見に如かず」と言いますが小説の映画化の場合しばしば逆の、(聞くと読むは違いますが)現象が起こります...
      kwosaさん

      そうそう、「百聞は一見に如かず」と言いますが小説の映画化の場合しばしば逆の、(聞くと読むは違いますが)現象が起こりますよね。

      伊坂さんのように小ワザをたくさん仕込む作家さんは特に。。。

      青柳の実家に届いた「痴漢は死ね」にあやうく泣きそうでした。
      本当に読めば読むほど追いかけたくなる作家さんですよね。
      2012/11/14
    • kwosaさん
      hetarebooksさん
      コメントありがとうございます。
      いやあ、僕もまさか「痴漢は死ね」なんて言葉で目頭が熱くなるとは思いませんでした。...
      hetarebooksさん
      コメントありがとうございます。
      いやあ、僕もまさか「痴漢は死ね」なんて言葉で目頭が熱くなるとは思いませんでした。
      伊坂作品を読み慣れてくると、ついつい「これが伏線かな」なんてひねくれた読者になりがちなんですが、いつもさらに上をいき楽しませてもらっています。
      エンタテインメント性たっぷりでありながら、人間の心の機微も感じさせる稀有な作家さんですよね。
      同時代に「伊坂幸太郎」を読める幸せをあらためて噛み締めています。
      2012/11/15
  • 解説でも書いていたが、伏線を回収し尽くさない今までとは違うやり方だったと思う。それはエンターテイメントとしてリアル感があり、より緊迫感が伝わってきたと思う。

  • 後半、引き込まれました。またまた伊坂節ですね~~。クスッとする会話がたまらなく、もう10年前の作品ですが今の時代にピッタリで……今を予想してたような内容。 皆さんのレビュー通り、最後の判子には、うるっときました。どの作品もですが、出てくる人の癖のある台詞、優しさはグッときます。でも、やっぱり殺し屋シリーズには敵わないかな(笑)

  • 首相を暗殺したのが誰なのか、なぜ青柳が犯人にしたてあげられたのか等、真相部分は一切解明されない。
    あくまでも、青柳がこの状況からいかに逃げ延びることが出来るか に焦点を当てて書かれた作品。でも、一切の謎解きがなくてもその逃走の過程が楽しめました。
    最後の「たいへんよくできました」を目にした時は何だかすごく嬉しくなった。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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